【概要】
7日午後5時半ごろ、北アルプス・白馬岳(2932メートル)で、登山中の福岡、熊本両県の男女計7人のパーティーが遭難し、ガイド田上和弘さん(48)=福岡県大牟田市=が約2700メートル付近の白馬山荘に「吹雪きが激しくなって、行動が取れなくなった」と、救助を求めた。山小屋従業員3人が捜索したところ、小屋から数百メートルの稜線(りょうせん)上で女性4人が動けなくなっており、うち3人を近くの別の山小屋に収容した。救助に向かった山小屋従業員によると、4人はツェルトをかぶってうずくまり、1人は声をかけても反応がなく、もう1人はうなっていたという。また、近くのりょう線でも、別の女性1人が死亡しているのを同山荘関係者が発見した。残る女性2人がビバークして救助を待っているという。遭難したのは、助けを求めたガイドの男性と女性6人の計7人パーティーで、富山県の宇奈月温泉に宿泊後、7日朝に欅(けやき)平から白馬岳に向かった。正午すぎから吹雪に見舞われ、白馬山荘の手前約400メートル、標高2700メートルの場所で動けなくなった。7日は白馬山荘に泊まり、10日に下山予定だった。ガイドのほか無事だったのは福岡県春日市の女性サブガイド(42)、同県宗像市の無職女性(67)。熊本県大津町の無職女性(53)は救出中に死亡。また熊本市の無職女性(61)は、稜線で死亡していた。ビバーク中の2人は福岡市城南区の無職女性(66)とその妹の無職女性(61)で、連絡が取れず、安否は不明。現地の天候は荒れ模様で、8日も捜索活動は見送られた。長野地方気象台によると、遭難時、白馬岳を含む周辺には大雨洪水警報が出ていた。
(毎日新聞、読売新聞、中日新聞、信濃毎日新聞、時事通信からデータ引用・抜粋。時事通信は全員の実名表記)
【考察】
ガイド男性(48)、サブガイド女性(42)、メンバーは全員無職女性で(67)(53)(61)(66)(61)。
なんだか昨今のガイド登山のあり方を表すような性別・年齢構成だと言ったら言いすぎでしょうか。
(67)が無事、(53)(61)が死亡、(66)(61)が安否不明です。
さて、今回のガイド、田上和弘氏は
日本アルパインガイド協会の
認定アルパインガイドで、
日本山岳ガイド協会の会員で、アンナプルナ4峰(7525m)登頂者でもあります。
山岳ガイドとクライアントの関係から考えるとします。
クライアントがなぜガイドを必要とする(頼る?)かといえば、自力でその山に行けないからです。
行けるのなら、普通、わざわざお金を払ったりはしません。
代金の対価とは何か?
クライアント側の、知識や技術、経験などの足りないスキルを補うことです。
端的に言えば、安全確保とその場その場での判断が求められていると言えます。
結果論で言えば、今回はそこに何らかのミスがあったのではないでしょうか。
少なくとも「悪天候」であったことには間違いありません。
そこに判断の狂いはなかったのでしょうか。
小屋まであと400メートル。。。
好天ならあっという間の距離ですが、悪天候なら、とてつもない距離になります。
大日岳訴訟の遭難でも、国内の超一流ガイドと若く体力のある大学生のパーティーで事故が起きてしまいました。
国家賠償訴訟で、ガイドの責任が問われているわけではないんですが、争点はガイドの過失に絞られている観があります。
ですが、なんだかガイドの責任論、あまり盛り上がりません。
ガイドの責任に関するガイドラインのようなもの。
それこそガイド協会で原案をまとめ公表してもいいのでは…なんて思いますが…。
有料で山に客を連れて行くガイドの責任は、とりわけ重いものと思います。
割り勘で山に行き、メンバーの意見を集約して判断を下すリーダーとは、別の次元の話でしょう。
ガイド(有料の引率者)とリーダー(無料の同行者)では、まったく次元が違いますから。
訴訟では、ガイド側がほぼ敗訴しています。
またクライアント側にも問題が潜んでいる気がします。
ガイド登山を利用する人、リピーターが多いと聞いたことがあります。
言い換えると、安全確保と判断を他人に委ねた山を重ねる、ということです。
これでは技術や知識、判断力は身につかないと思うのです。
これはツアー登山のリピーターにも同じことが言えます。
そういう人が増えること、なんだか危うい感じが消えません。
よく分からないのが、サブガイドの存在。
プロなのか違うのか…。
一部報道では「副ガイド」とありましたが、いずれにしても聞きなれない言葉でした。
ここまでの報道から分かるのは、4人と2人がそれぞれ別々の場所で動けなくなり、ガイドが救助要請。
サブガイドを含め、4人の方が救助され、2人は残された形になってしまいました。
ガイドが救助を求めに走るのは当然として、残された6人をなぜ2つに分けたのか、理解に苦しみます。
あるいは、6人は1箇所にいたけれど、小屋から救助に向かった人数では4人しか運べなかったのかもしれません。
8日は悪天候で捜索が打ち切られ、9日に再開されるようです。
残された2人、無事であれば良いのですが、状況はかなり厳しいと言わざるを得ません。
続報が入れば、追記します。
個人的には、国内登山ではガイドに頼ることなく山に行きたいと思っています。
==========追記(2006.10.09)==========
9日朝、ビバークしていた2人も遺体で見つかり、結局3人救助、4人死亡、という残念な結果になりました。
女性6人全員が、以前から田上氏のガイドツアーに参加したことがあったそうです。
以下、信濃毎日新聞の記事から。
北アルプス・白馬岳で7人パーティーが遭難した7日は、日本の東海上を発達した低気圧が進み、中国大陸から寒気が入り込む冬型の気圧配置となったため、山頂付近は吹雪となった。10月初旬の北アは、雨になるか雪になるか微妙な時期。関係者からは、天候が荒れる予報の中で登山を決行した判断を疑問視する声が上がっている。
同日救助に向かった山小屋従業員によると、当時の現場周辺は、「あられ状の雪が横なぐりに降りつけ、視界がほとんどない状態」だった。近くの山小屋への避難にかかった時間は20―30分ほど。場所によっては10―15センチの積雪があり、「真っすぐ歩くことも難しかった」という。
県内は、この低気圧の影響で、7日ころまでは雨が降るとの週間予報だった。長野地方気象台によると、低気圧は台風並みの勢力があり、「天気図から天候が荒れることは予見できた」と指摘する。
同日午後9時の高層気象観測によると、日本の上空3、000メートル付近では風速25メートルの強風が吹いていた。北ア山頂付近の状況について同気象台は「7日の日中も山沿いでは風速20メートルを超える強風だったとみられ、相当強い吹雪になったと推測できる」とする。
冬型は8日も続き、松本測候所は平年より15日早く常念岳の初冠雪を観測。南信州広域連合も同日、南ア・仙丈ケ岳で平年より13日早く、塩見岳でも17日早く観測した。
6日にパーティーが泊まった富山県側の山小屋の従業員は、出発前、田上和弘さんに「雨ですけど大丈夫ですか」と声をかけている。その際、田上さんは2年前の同じ時期にも、雨の中、同じルートをツアーで登った経験を挙げ、「大丈夫」と答えて出掛けたという。
登山計画書によると、パーティーは7日朝、富山県側の祖母谷(ばばだに)温泉を出発。尾根を登って稜線に至り、同日夜は白馬山荘に宿泊する予定だった。
しかし、そのルートは「健脚コース」として知られ、10時間前後かかる。県山岳協会の柳沢昭夫会長(66)=北安曇郡池田町=は「この尾根を1日で登るのは、中高年にはきつい。雨でぬれて体力が低下したところに、稜線で強風にさらされたとしたら最悪のケース」と話している。地元の関係者から、気象判断と行動続行の判断を疑問視する声が出ているようです。
また、パーティーが分かれたときの状況については次のとおり。
大町署が田上さんから電話で聞いた話によると、7日は午後2時すぎから吹雪になり、着衣が凍り付いたような状態になった。福岡市の姉妹が、掛けていた眼鏡が曇って足元が見えなくなり遅れ気味に。田上さんがこの姉妹に付き、ほかの4人を先に行かせた。
その後、ビバークするために、姉妹を横たわらせツェルト(簡易テント)をかぶせようとしたが、強風でツェルトが飛ばされた。そこで、3人のザックで姉妹の体を覆い、自らは救助要請へ。稜線に出てから約50メートル登った場所で、先行の4人グループと出会ったが、既に1人が倒れていたという。ツエルトでビバークしていたのではなかったようです。
やれやれ…。
失ったものは、あまりにも大きかったようです。
亡くなった方のご冥福をお祈りします。
一方で、ガイドの田上氏の話も聞ければよいのですが…。
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- 2006/10/09(月) 00:49:26|
- 遭難カルテ
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【日々是好日91】 ガイドの言葉 |
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【遭難カルテ118】 穂高で4人が下山できず。1人は滑落>>
こんにちは、ときどき拝見しています、ken50といいます。
感想は表題の通りです。
40年前と変わらぬ気象遭難。
当時は、イケイケの大学生らが気象遭難をしましたが
今や、アルパインガイドが同レベルの事故とは驚きます。
認定しているアルパインガイド協会は
事故を独自に調べ、処分を科すべきですが、
大日岳の事故を見ていると、どうなるのか。
山の世界は、人材がいない、と感じます。
- 2006/10/09(月) 11:06:13 |
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- ken50 #mQop/nM.
- [ 編集]
ken50さま。
はじめまして。
おっしゃるとおりです。
ただ40年前はイケイケの男子大学生でしたが、昨今は中高年女性なんでしょうかね。
ガイド登山、山ですれ違った数でいえば、女性のほうが多い印象を受けました。
今回も、女性ばかりでした。。。
山の世界、ガイドには甘いのかな・・・などと思っています。
一般人よりも、はるかに厳しい責任意識を持ってもらいたいものですが・・・。
実際に、そういう方も何人か知ってはいますが、そうでない方も知っています。
自称ガイドも山ほどいる現状ですから、協会が処分したところで、どれほどの効果があるのか、疑問が残ります。
ガイドの責任論、どこかではっきりさせる必要があると思います。
倫理的、法的な人材、山の世界には少ないのかもしれませんね。
- 2006/10/09(月) 12:39:16 |
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- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
昨日このブログに遭遇、今日にかけてほとんどを夢中で読みました。見識のある方と思ったら、お若いので(自分よりですが)びっくりでした。中高年登山真っ只中の者としては、「身の丈にあった山を」という言葉を胸に刻み込みたいと思います。これからも読ませていただき、参考にさせて頂きます。あと2,3、だけ。白馬と奥穂の件は紅葉目当ての人たちが悪天の中なぜ入山したのか本当に分からないところです。それにビバーグになっていなかったとは。
遭難カルテ113は当事者のHPのピースサインと『劇』という言葉にもう憤死。救助にかかわった方の目に付かないことを願っています。「引き返す勇気不要論」感じていた違和感の原因がわかり、すっきりしました。長々、失礼しました。
- 2006/10/09(月) 12:54:07 |
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- ウミバト #VWFaYlLU
- [ 編集]
ウミバトさまへ。
はじめまして。
駄文の数々、お読みいただいたんですか?
ありがとうございます。
お読みいただければお分かりかと思いますが、恥ずかしながら、失敗もいくつかあります・・・。
とても見識なんてものではなく、個人的見解だと思っています。
遭難の背景に何があったのか、本当のところは分かっていないのかもしれません。
分からないこと、確かに多いですからね。。。
ただ考える作業を続けていけば・・・ということのみです。
私もこのブログも、まだまだ発展途上です。
お気づきの点があれば、遠慮なくおっしゃってください。
ウミバトさまの違和感がぬぐえただけでも、書いたかいがありました。
- 2006/10/09(月) 13:30:42 |
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- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
こんにちは
自称ガイドが多数いたとしても
パブリックな存在形態である協会は
社会的に期待される責任があるわけですね。
よって、適切なる処分は、
結果、ガイドという職種の信頼につながると思います。
ただ、ガイド業界、山業界でもいいのですが、
インテリジェンスを感じる人がいない。
ミスと責任を切り分けて考えることができないのですから。
http://snowsense.blog9.fc2.com/blog-entry-105.html上記ブログが指摘するように、
特区を作っておきたい人ばかりなのかも知れませんね。
では
- 2006/10/09(月) 18:18:00 |
- URL |
- ken50 #mQop/nM.
- [ 編集]
ken50さまへ。
パブリックな存在、確かにそう思います。
ですから、本文中で「ガイドライン」などについて、少し触れました。
あまりにこの部分には意識が低いように思います。
信頼される組織・資格。
技術や責任において、より厳しいワクをみずからはめることで、信頼や尊敬を得られるのではないでしょうか。
現状は、協会も含め、ほぼ野放しに近い状態だと思っています。
この、なんだかなぁ…な状態、どうにかなって欲しいとは思うのですが…。
- 2006/10/09(月) 20:49:03 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
週末は私も山の猛威の洗礼を受けてまいりました。
みんなそうでしょうが、いつも頭の中には妻の顔があり、無事下山しなければ笑顔で送り出してくれたことに言い訳が立たないと思っています。
自分の欲望のみで登山が成り立つのかと常に意識して登っています。
家族の理解なくして考えられないのではないでしょうか。
その家族を悲しませる行動は勇気でもなんでもなく、適切な判断に尽きると今回感じました。
交通標語にこんなのあります。
「おみやげは、無事故でいいの、お父さん!」
山も何も自然相手の趣味はみな同じではないかと思います。
- 2006/10/10(火) 08:24:11 |
- URL |
- KAZU #-
- [ 編集]
おーのと申します。
よくまとまっているページを拝見しました。
今から20年位前、ひと夏を林野庁のパトロールとして、県警の常駐隊と共に白馬山荘で暮らしました。
当時も、大衆登山のブームでしたが、その後の中高年のブームは当時よりも問題が大きそうだと感じています。私自身は、中高年が山に多くなり、巻き込まれ事故の危険が高いと感じ、この10年ばかりは山から遠ざかっております。
今回の事故のあった白馬岳の稜線は、晴れていれば下の村営宿舎から白馬山荘が見えてとても遭難するようには思えない場所ですが、荒天では一転して、稜線を遮るものもなく、しかも登山道が広いため、一転、遭難の危険地帯と化します。
夏場ですと、落雷事故の危険がありますし、台風シーズンですと横風と雨で遭難につながることも多いと聴きます。また、夏場でも場合によっては雹が降ることもめずらしくはありません。言わば、危険地帯なのです。
なぜ、荒天の中、無理をして村営宿舎ではなく白馬山荘まで行こうとしたのか?そもそも、遠い低気圧でも影響を受けやすい地域であるにもかかわらず、なぜ、荒天を予想しなかったのか?荒天になればもちろん厳冬期の山になる地域であるにも関わらず軽装備で登ったのか?そんなことが不思議でなりません。
日本アルプスはヒマラヤやヨーロッパアルプスと比較しても難しい山であるということを認識して欲しいと思います。(私もひとりアルピニストの後輩を亡くしております)たとえヒマラヤに行っていても、日本の山の厳しさを知らなければ、該当山岳のガイドは務まりません。また、何年の登山歴があっても、自分で判断せず、ヒトに連れて行ってもらっているのであれば、登山歴(経験)になりません。
今回も、荒天の危険を押して、山荘の従業員が収容に出ましたが、願わくばそういった機会ができる限り少なくなることを望みたいです。
ベテランも含めて、登山者は謙虚であるべきです。
- 2006/10/10(火) 10:02:35 |
- URL |
- おーの #rmbFb8ac
- [ 編集]
貴ブログ、拝読しました。
帰ろう、と決めたことは、良かったのだと思いますよ。
山なんて所詮遊びですから、無事帰るのは大前提です。
奥さんの顔が・・・とありますね。
ウチは子供の顔も、頭の中に浮かぶようになりました。
子供の方がより大きく。。。なんて言ったら、嫁さんに怒られるかな?(笑)
いずれにしても、送り出してくれたときと帰り着いたときの笑顔、宝物に違いありません。
判断に迷ったら、家族の顔を思い出す・・・。
ひとつの方法かもしれませんね。
- 2006/10/10(火) 10:46:49 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
おーのさまへ
はじめまして。
>たとえヒマラヤに行っていても、日本の山の厳しさを知らなければ、該当山岳のガイドは務まりません。また、何年の登山歴があっても、自分で判断せず、ヒトに連れて行ってもらっているのであれば、登山歴(経験)になりません。
>今回も、荒天の危険を押して、山荘の従業員が収容に出ましたが、願わくばそういった機会ができる限り少なくなることを望みたいです。
>ベテランも含めて、登山者は謙虚であるべきです。まったくおっしゃるとおりです。
荒天は予想できた、とする向きが多いようですが、私もそう思います。
出発前に小屋の人から「大丈夫ですか」と言われた言葉を、このガイド氏はどう聞いたのでしょうか。
今回は、経験豊富なガイドが判断を誤るほど難しいケースだったのでしょうか。
もしそうだったとしたら、一般の登山者は、危なくて山には入れません。
クライアントの生命を預かるガイドとしてどうなのか、疑問は多々あります。
ですが、それ以前の、一登山者としてどうなのか、最大の疑問はそこにあります。
今後もご意見などありましたら、よろしくお願いします。
- 2006/10/10(火) 11:03:37 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
管理人様
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
あれから、お写真を拝見し、奇しくも今回の事故現場が遠景できる杓子岳からの白馬岳の写真を見ながら「普段は平和そうな尾根なんだけどなあ」と思っていました。
真夏などは雷が横に走るんですけどね。^_^;
- 2006/10/10(火) 13:25:21 |
- URL |
- おーの #rmbFb8ac
- [ 編集]
新田次郎の「聖職の礎」という小説を思い出しました。映画は「この子達は私の命だ!」という台詞に代表されるように過分に美化されていますが。
場所は北アルプスと中央アルプスと違いますし、季節も初夏と晩秋と異なりますが、低気圧が原因で季節はずれの風雪による遭難という点でよく似ていますね。
ただ、該当小説もすでに絶版ですから、こういった事例を使って学習する機会も、もうないですね。
私も白馬岳で8月の終わり頃に遠く太平洋を通り過ぎた台風の影響で、季節はずれの吹雪に遭遇したことがあります。当時、8月の吹雪に山の厳しさに驚いたものです。
清水岳からの合流地点から白馬山荘までは元気な方なら20分程度ですが、バテバテの状態だと2時間以上もかかって登られる方もいました。
Webで検索すると、今回のルートの手前から白馬の頂上小屋までルート時間10時間半のところ、14時間かかったという夏の山行報告もあります。やはり、中高年の方たちでこの長丁場は無謀だったのではないか、特に天候がよければ問題は少ないですが、荒天になる可能性を考えると無謀だったように思えます。
- 2006/10/10(火) 18:40:43 |
- URL |
- おーの #rmbFb8ac
- [ 編集]
上記コメント2本へまとめてのレスとなりますが、ご容赦ください。
あの稜線、富山側はなだらかなんですよね。。。
白馬主稜を抜けたときの長野側とのギャップ、感動的ですらありました。
また、白馬岳山頂から北に少し行った稜線上で幕営していたとき、猛烈な地吹雪でテントをつぶされたことを思い出しました。
幸か不幸か、テントが平面になったのは、あの時だけです。
ウチのパーティーは、それでも熟睡していたおめでたい連中ばかりですが・・・。
あの稜線、吹雪くととんでもない風になるんですね。
雷が横に・・・オソロシイ・・・。
「聖職の碑」。
DVDは出ています。
本も中古ならamazonあたりで入手できるようです。
以下の拙文でも少々触れていますので、ご参考まで。
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/blog-entry-168.htmlなお、コースの解説、参考になります。
いずれにしても天候判断と計画に無理があったのかな、と考えています。
- 2006/10/10(火) 19:46:49 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
昨年の旧盆に、初めて、祖母谷温泉から清水岳を登りましたが、自分達の鈍足で、計画段階から清水岳避難小屋泊を念頭に行動しました。・・・結果、避難小屋泊、翌日大雪渓下山しましたが。
・・・いろいろ事情はあると思いますが、疲労が溜まった所で終盤の清水岳~白馬肩の稜線はきついはずです。快晴でも午後の北ア稜線は相当冷えます。なんで、この計画を進めたのか???。今、帰宅して、この行程を聞き唖然としています・・・。
話を変えて申し訳ないのですが、貴ブログを私のブログリンクに貼ってよろしいでしょうか?。
- 2006/10/12(木) 01:29:17 |
- URL |
- テントミータカ #SVWlgnzY
- [ 編集]
テントミータカさまへ
この件に限らず、なぜ?がつきまといますね。
報告書が出ない限り、手持ちの情報だけであーだこーだ考える他ないのが、少々歯がゆいところではあります。
リンクの件はご自由にどうぞ。
基本的にリンクフリーですが、連絡があるとうれしいものですね。
もし、リンクを外すことになった場合でも、連絡は結構です。
- 2006/10/12(木) 02:47:14 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
初めて拝見させていただきました。
遭難事故についての分析が素晴らしいのでついつい書き込んでしまいました。
私自身、今回の遭難事故から学ぶ事がかなりありました。
今年で登山歴9年目を迎えるのですが、改めて自分の立場と、未熟さ、を感じました。
そして、今回の遭難事故非常に残念でありません。
遭難発生から今日まで新聞、ホームページ、ブログで様々な意見、感想等を読みあさっておりますが、どなたも今回の事故について、ガイドの経験、判断について疑問視される意見が多いみたいです。
実際に、最近になり、ガイド引率による事故が多いのも確かです。屋久島での沢登りでの死亡事故、文部省登山研修中での大日岳での事故、そして今回の事故。
私自身登山経験9年でありながら、初心者、初級者をつれて山に行く機会が増えるにつれ、状況判断の難しさを感じております。
少しでも危険を感じたら引き返すのは簡単ですが、引き返した直後に天候回復なんてことで悔しい思いをする事は数しれず。先日、奥穂に行った際は天気図、天気予報ともに大荒れが予想されていたにも関わらず涸沢についたら快晴ということもありました。
自然相手であるが故、判断が難しいのは皆さん周知の事実かと思います。
私自身の勝手な解釈をさせて頂きますと、今回の事故の原因、言い換えれば回避する方法は随所にあったかと思います。ポイントは7人の内、亡くなった方から無傷の人までいるという事です。通常の遭難事故はそのパーティー全員が少なからず被害を受けています。という事は言い方は悪いですが、回避できるレベルの天候だったと思います。装備、体力、精神力、経験、ルート、天候、ガイド登山、人員構成。すべての要因が相まって今回の事故が発生したと思います。どれか一つでも条件が良ければ防げたかもしれません。
ガイドの責任と一言で片付けるのは簡単ですが、山岳スポーツは他のアウトドアスポーツとは全く異なる事です。安全な状況が常にある訳ではありません。どんなに素晴らしいガイドであっても自然にはかないません。ただ、ある程度の危険を経験と技術で回避できるといった程度です。
私が一番怖いのはこういった事故が増えるにつれ、責任がガイドやリーダーに集中しすぎる事です。勿論、ガイドやリーダーに責任があるのは当たり前ですが、法的、金銭的にも責任が集中するという事です。ただでさえ、高齢化が進む登山業界、すべての責任がリーダーとなってしまうと今後、ますます登山人口が減少し、経験ある人間が育たなくなってしまいます。リーダー、ガイドがいるから初心者も山に足を運ぶ事ができるのですから。
もしも、自分がこのパーティーのガイドだったらと考えると、もっと悲惨な状況になっていた事と思います。前述のガイド、リーダーの方々は経験、登山歴も日本でも有数の方々です。このような方々でも事故は起こってしまうものです。ガイド登山であっても安全が100%保証されるものではありません。それだけ山岳スポーツは奥が深く、また、魅力の一つではないでしょうか。
長々と書いてしまい申し訳ありませんでしたが、亡くなられた人がいる以上、ガイドの責任は重いことは言うまでもありません。ただ、今回の事故、登山を愛する身として、非常に悔しい思いで一杯です。亡くなった方々、御家族には心からご冥福を申し上げます。
- 2006/10/13(金) 11:37:54 |
- URL |
- 登山愛好者 #-
- [ 編集]
登山愛好者さん、そうなんですよね。
調べれば調べるほど、初心者のガイド登山とは思えないですし、無傷、軽症から疲労凍死まである点がとても不思議ですね。
なにか、山で死なないためにフィードバックできるポイントがあるように私も思います。
それと、登山ガイドがついた登山がもっと安全でもいいように思います。そのためにプロの山屋のネットワークをきちんと整備してもらうことができないか、と私は思っています。天気図ではわからない気象予想や急な天候変化、地域外ガイドでも安心してツアーができる体制、緊急時の支援体制など、もっと充実させてもよいように思います。
そういった体制の充実は、きっと、ガイドを使わない登山者にも安全という形でフィードバックされるはずですから。
- 2006/10/13(金) 13:43:44 |
- URL |
- おーの #rmbFb8ac
- [ 編集]
登山愛好者さまへ。
はじめまして。
>引き返した直後に天候回復
よくありますね。。。
でもまあ、また来たらいいや!って、思えればいいんですがね。
人を連れて行く立場になると、そのことで文句を言われたりすると、悲しいものですが。。。
>ポイントは7人の内、亡くなった方から無傷の人までいるという事です。
なるほど、そういう視点もありますね。
生還した人は軽傷か無傷でした。
この落差をどう考えればいいかということですかね。
ガイドやリーダーの責任論。
いろいろなことが言われるようになりました。
ですが、まずはガイドとリーダーは別だと言う前提からはじめる必要があると思います。
著名な登山家までがごっちゃにしているのを見ると、悲しくなりますね。。。
山から悲しいニュースが流れなくなること、すべての人の望みだと思います。
ガイドのあり方だけにとどまらず、自分の山についても、考えることの多い一件でした。
- 2006/10/13(金) 18:23:25 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
プロのネットワークにローカルなセオリーなどを織り込んだ情報を流す、面白い試みですね。
プロに限らず、誰でも情報を引き出せるようになると、いいのではないでしょうか。
まあ、人の言うことに耳を傾けない人もいますが・・・。
- 2006/10/13(金) 19:27:52 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
ガイドとリーダーとの違いとは一体何でしょうか?
私の周りでガイドをしている人が沢山いますし、私自身一度はガイドなんて考えた事も有ります。
自分の好きな山でお金が稼げるなんて魅力的だと今でもふと思う事が有ります。
僕が知っているガイドの人達は少なからず、ガイド以前は各会のリーダーで名を馳せてきた方々が多いです。では、ガイドになって何が異なるのでしょうか?
確かに、世の中プロと呼ばれている人達はお金をもらっている以上それなりの責任と実力が問われます。それは山の世界でも当然です。では、今回の様な事故を起こしたのはプロとしての実力が不足していたのでしょうか?中には実力が無い人がガイドをしている例もあるでしょうが、そうとも思えません。ましてや、ガイドがある一定のお金を払えばルートが易しくなったり、天気が良くなるなんと事はあり得ませんよね。
結局のところ、お金を払うガイド登山も、山岳会のリーダーも実力、責任、待遇は何も変わらないのが現状で、違うのは自分が行きたくない場所でも行かなくてはならない位がガイド登山でしょうか。
それを考えるとやはり、ガイド協会が担う役割は大きいのではないかと思います。ガイド個人ではできない部分をカバーし、個人レベル以上の安全対策を組織レベルで行う必要は有るかと思います。お客さんはそれだけの信用分お金は払っているかと思います。
とにかく少しでも危険軽減を追求する姿勢が必要ですよね。
- 2006/10/16(月) 11:02:48 |
- URL |
- 登山愛好者 #-
- [ 編集]
管理人さんではないですが、このところ考えるところがありレスつけます。
ガイドとリーダーの違いは、何かあった場合にリーダーは全体責任、ガイドはガイドの責任と言う点ではないでしょうか?
ガイドを雇う一般の登山者は、ガイドに対して、自分の持たない技術とリスク対策を求める代わりに対価を払うものだと考えています。
そうであれば、ガイドは顧客の安全とツアーの成功の両方を請け負っているのだと思います。ツアー中、顧客の安全を守ること、それがプロとしてのガイドの第一の義務ではないでしょうか。
参加者が自分で身を守ることを前提にツアーを組むことはプロとしてのガイドとして、やってはならない姿勢だと思います。参加者の力量、体調、経験を推測した上で無理なく、安全に、「よかった」と言って無事に帰ってもらうのがガイドの「仕事」のはずです。
今回、気になった発言として、アルペンガイドから「リーダーとして」というコメントが出たことです。もし、登山ガイドとしてではなく自らも費用を出したグループ登山であるならば問題のない発言ですが、もし、ガイドとしての対価をもらっているのであれば、そのスタンス自体が問題なのかもしれません。
海外旅行のツアコンの場合、現地調査し、行き先に事前に安全確認をし、トラブルがあれば中心になって解決を図り、家に無事に帰すのを使命にしています。
一方、登山ガイドの中には、地元の一般登山者から見ても問題のある計画を立てたり、その行動、見識に疑問を感じさせる方々が特に大都市や遠方の方の中に多くいらっしゃるように感じます。
日本アルプス、後立山連峰において、10月初旬の吹雪は当たり前です。常に吹雪くことを念頭に置いて装備、計画を立てる必要があると考えています。その部分はツアー参加者の準備も含めて、私はガイドが担保すべきだと思います。
一般登山家とガイドの間には、リスク対応の一方的な責任という大きな差があるように思います。
> ガイドがある一定のお金を払えばルートが易しくなったり、天気が良くなるなんと事はあり得ませんよね。
いいえ。ガイドに払った対価の分、ルートが安全になってもらわなければ困ります。難しいコースも安全に踏破できる経験と技術、悪天候でも安全に登山ができる経験と技術、そういったものを提供するのがプロガイドの使命ではないでしょうか?
ガイドだけが生き残ってしまうことは職場放棄と一緒のように思います。
ガイド協会に関するコメントについてはそのとおりだと同意いたします。
- 2006/10/16(月) 11:30:18 |
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- おーの #rmbFb8ac
- [ 編集]
登山愛好者さま。
おーのさま。
まとめレスですがご容赦ください。
ガイドとリーダーの違いについて、あくまで私見ですが・・・。
最大の違いは金銭の授受だと考えています。
プロフェッショナルとアマチュアの差と言い換えることもできます。
リーダーはパーティーの中心的存在ですが、対等な部分もあり、連帯責任をメンバー全員が負う部分もあります。
同好者の中で、信頼関係のみによって成り立っているからです。
メンバーはパーティー運営に際しては、リーダーを支え、時には意見を述べることもあります。
リーダーはその意見を集約し、決定する、と言う立場でしょうか。
パーティー運営に関して、メンバーはリーダーを中心に、全員で力を合わせる、と言うところだと思います。
「一緒に山をやる」と言えばいいでしょうか。
一報のガイドは、業務として人を連れて行っています。
登山愛好者さまのおっしゃるうち、待遇だけは金銭の問題がありますので、同じとはいえません。
また、客としては「連れてってもらう」と思って当然です。
高いお金を払っているわけですから・・・。
なぜ、その高いお金を払うか、です。
客のほうがその山に自力でいけるなら、お金を払うことは考えられません。
また、自分たちでパーティーを組んでいける場合にも同様だと思います。
と言うことからすれば、足りないスキルをガイドに補ってもらうためにお金を払う、と言うことになります。
この足りないスキル。
プロならではの、技術や状況判断、安全確保などです。
金銭の授受が絡む以上、請け負い業務なわけです。
その安心を得るためにお金を払っているのです。
趣味と仕事、その責任に差がなければ、帰っておかしいことになるのではないでしょうか。
山岳会のリーダークラスが全員ガイドなみではありません。
むしろそうでないほうが圧倒的に多いでしょう。
また、プロガイドは全員、山岳会のリーダークラス以上のレベルです。
(論外なガイドがいますが、今回は触れません)
同好者の集まりの中のリーダー=アマチュア。
お金をもらってガイドをする=プロフェッショナル。
やはり同列に論じるべきではないと思います。
「お金は頂きますが、万一の際の責任はリーダー並みです」
こんなガイド、とても信用できませんし、なんだか存在感がすごく軽いものに思えます。
「料金は高めです。でも、プロならではの安心、そして、プロなりの責任感をもって・・・」
こうあって欲しいと思っています。
ガイドは山のプロとして、やはり重い存在であってもらいたいと思います。
また、お金をもらう以上、より重い責任が求められることも、当然だと考えます。
プロとしての山の力、そして重い責任。
それを誇りとして欲しいのです。
責任問題が持ち上がったときだけ、アマチュアにまぎれるなんてことがない様に・・・。
信用と言うのは、そういうところから生まれていくと思います。
ガイド協会が動かなければ解決しない問題は多いと思います。
なんだかまとまりに欠けるなぁ・・・と思いますが。。。
- 2006/10/16(月) 19:11:31 |
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- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
管理人様、おーの様。
少し、誤解を生む書き方をしているみたいですが、
お二人のガイドに対する考え方は当然の意見であり、
世の中のすべてのビジネスの大原則であることは間違いありませんし、私自身そうあるべきだと考えています。
金銭が絡む以上、プロとしての責任は重大です。
ただ、私が思うに山というフィールドでも同じことが言えるのかと少し違和感を感じる所があります。これは決してガイドを養護する考えではなく、自分なりに客観的にとらえての考えです。
通常のビジネスとは異なり、責任が追求されるのは製品でもなく、サービスでもなく、人間の生死だと言うことです。ましてや、他のスポーツのように救急車を呼べば5分で到着なんてことは当然あり得ず、「本人が自力で下山する」ことが大前提となることです。そのかわり、ガイドが就いていても本人が自力で登頂できるのが醍醐味の一つですが。
近年、道具が進化し、山小屋や登山道等の環境も整い、さらには登山ブームが重なり、山に行きやすくなった反面、どことなく、何かあっても誰かが何とかしてくれるというような漠然とした根拠のない安心感があるように感じます。奥穂の山頂でも何でこんな人が?なんて感じることもあります。
いくらガイドがついても、ガイド協会がバックに就いていても、どんだけお金を払っても悪天候でヘリや救助隊を出すことはできません。
どんなに優秀なガイドであっても山に1歩踏み込む以上危険は必ず付いてきます。ガイド登山に参加する人であっても、この辺りは認識する必要があるのではないかと思います。
とは言ってもやはり、世論は異なるのが現実です。
山という分野をビジネスに組み込む以上、他のビジネスと同等に考えるのは当然です。それならば、ヨーロッパガイドのように、疑わしきは行かない、連れて行かない、行かせないとするしかないのでしょうか?天気が怪しいなら全面入山禁止、連れて行くなら200%行ける程の体力と技術テストに合格した人のみを連れて行く。それでも事故は発生しますが…。危険を回避する最大の方法は行かないことです。
でも、それではなんだか悲しいですよね。私が、山が好きな理由は、唯一、管理されていない分野だからです。でも、時代の流れか山という分野も管理される時代がそこまできているのかもしれません。
- 2006/10/17(火) 09:01:28 |
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- 登山愛好者 #-
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登山愛好者様
おそらく、この問題、2面あると思います。
まず、ガイド自身がプロになりきれていないのではないでしょうか。
ガイド客を安全に連れて帰るのがガイドの基本的な使命だと思っています。その部分で、個人山行の延長でガイドをしている人たちがいるように思います。これは、やはり、プロとして許されるものではない。
一方で、年数ばかりかけても、登山者になりきれない登山者がいることが問題です。こういった登山者は、ガイドツアーのみならず、グループにおける一般山行でも似たような行動をとります。
リスクを自分でとれない、自然も含めて、周りに対して配慮できない、大人になりきれない’いい歳した子供’がたくさん山に登っているように思います。
プロになりきれないガイドやリーダーの責務すらこなせないリーダーと一緒に登山と言うリスクの高い行為をするのですから、本来、残りの部分は自身でリスク管理するしかありません。しかし、平地の生活をそのまま持ち込んで、リスク管理を放棄する人たちが多くいます。
そういった登山者たちももちろん問題でしょうね。
ただ、私、思うんですが。
自分でリスク管理しない登山って、面白くないように思うんですね。
行く場所について調べ、天候を調査し、山行の性格に合わせて装備を準備する。私はそういう準備自体がとっても好きだったりします。
- 2006/10/17(火) 09:23:56 |
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- おーの #rmbFb8ac
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登山愛好者さま&おーのさまへ。
たびたびのまとめレス、ご容赦ください。
まずはお二方に。
意見の相違はあるものの、前向きな議論、ありがとうございます。
感情に走るでもなく、相手の考えを受け止め、自らの考えを述べる姿勢、見習う点が多いと思っています。
また、その議論の輪に自分も入っていられることが、うれしくもあります。
お二方のように、山のことを真剣に考えている人がいる間は、山の世界もまだ捨てたものではないと思います。
必ずしも答えはひとつではありません。
色々な考えがあることを知ること、自らの考えを深めるひとつだと思います。
前置きはこれぐらいにして。
ガイドとリーダーの違い、金銭授受の問題から明らかだと思います。
その部分の違いは認めていても、責任問題になると、無償のリーダーとごっちゃにしてしまう。
そうなることで、ガイドの責任があいまいにされてしまう。
そのことで、安易な「ガイド擁護」につながる…
こうなってしまうことを恐れているのです。
ガイドはお金をもらう代わりに、プロの技術や知識でもって、ひとつ上のレベルの安全を提供するわけです。
そこには「客の生命を預かっている」と言う自覚を、まず持っていただきたい、と思うのです。
それは当然ながら「登頂」よりもはるかに優先されなければならないと思います。
>山という分野をビジネスに組み込む以上、他のビジネスと同等に考えるのは当然です。
それを組み込んだのは、ほかでもないガイド自身です。
当然、金銭を受け取り、その責めをも負うべきだと考えます。
人命に関するものである以上、極めてハイリスクなビジネスと言わざるを得ません。
それが分かっていないガイド、社会人としてあまりに稚拙というほかありません。
>近年、道具が進化し、山小屋や登山道等の環境も整い、さらには登山ブームが重なり、山に行きやすくなった反面、どことなく、何かあっても誰かが何とかしてくれるというような漠然とした根拠のない安心感があるように感じます。
>年数ばかりかけても、登山者になりきれない登山者がいることが問題です。こういった登山者は、ガイドツアーのみならず、グループにおける一般山行でも似たような行動をとります。リスクを自分でとれない、自然も含めて、周りに対して配慮できない、大人になりきれない’いい歳した子供’がたくさん山に登っているように思います。
お二方の仰るとおりです。
特に、漫然とツアー・ガイド山行を重ねる人たちに多いとも思います。
こういった人たちの存在も、大きな問題のひとつでしょう。
ガイドやリーダーに頼りきりの山を重ねていても、数ばかりで質は伴いません。
ですが、そのことに気づいていない人も多いかと思います。
この「数」、まったく意味がないとまでは言いませんが、中身は薄い…。
そして、その「数」を自慢する人を見ると、げんなりしてしまいます。。。
また、ツアー・ガイド山行も客商売ですから、メジャーなところに集中することになります。
百名山ブームも無関係とはいえません。
有名でなくてもいい山は、それこそ山のようにあります。
私個人としては混みあう山は、それだけで魅力半減ですが。。。
個人的な考えですが、やはり山の楽しみ方は単独行に凝縮されていくと思います。
準備段階から現場での状況判断に至るまで、すべて自分にかかってくるからです。
おーのさまの仰る「自分でリスク管理する山」というのも、最終的にはここに行き着く気がします。
また、パーティーを組むと言うのも(公募ではありません)、これに準ずるものだと思います。
すべての登山者がこの楽しみに気づいたら、ガイドの商売は上がったり…になるかもしれません。
>ヨーロッパガイドのように、疑わしきは行かない、連れて行かない、行かせないとするしかないのでしょうか?
後段の部分はともかく、この一点については、ガイドはそうあるべきだと思います。
国内のガイドはヨーロッパほどの歴史はありません。
長い年月をかけて培われてきたヨーロッパのやり方、参考になると思います。
>危険を回避する最大の方法は行かないことです。でも、それではなんだか悲しいですよね。
まったくそのとおりです。
ですから、より安全に、というよりも無事帰ってくるために、何が必要かを考えたい、と言うわけです。
>山という分野も管理される時代がそこまできているのかもしれません。
と、いうよりも、すでに管理される時代に入っています。
登山条例やキャンプ指定地などもそうでしょう。
環境・安全面など、やむを得ない面もありますので、一概に管理自体を否定はできませんが…。
ただ、ガイド登山も「管理される」側に、参加者が自ら入っていっていると思います。
管理されていない中で自らリスク管理をするのではなく、他者(ガイド)のリスク管理下に入るということですから。
いずれにしても、根の深い問題だと思いますし、難しい問題だとも思います。
そして、色々な意見があるとも思います。
今後も忌憚のない意見を書き込んでください。
ここのコメント欄が、ともに考える場であれば幸いです。
- 2006/10/17(火) 13:01:28 |
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- 管理人 #MAyMKToE
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私の場合、ちょうど、山に入り始めた頃は学生として日本アルプスの麓に住んでいました。また、最初のひと夏は白馬岳に住み着いていました。ですから、どうしても、日本アルプスであっても生活圏の山という感覚が強くあります。まあ、ついでに、学んだ学科も山からは切り離せない学科でしたし、それこそ、学校の演習林にはハイマツが生えていましたし、生活していた寮の人間が変わりばんこで山小屋の管理をしていました。
なので、たまに遊びに行くところと言うよりも生活するところという気持ちが強いです。
生活していたので、無理をしようという気持ちもないですし、ことさら、自分の技術の及ばないことをしようという気もありません。生活をするというのは生き延びることですから、生死を分ける判断にはことさら気を使うのかもしれません。何年も見ていますから、たまに遊びに来る方たちよりも多くの山の姿を見ているということもあるのかもしれません。
今は都会に住んでいますので、始終、山に行くわけにはいきませんが、非日常を求めて山登りに行くと言うよりも、生活圏にのんびりさせてもらいに行くと言うのが正解なのかもしれません。
たぶん、山岳ガイドであっても、地元に住んでいる方たちはそんな気持ちが強いだろうと思います。山なんて、どこにも行きゃしないですから。
そのうえ、遭難者の捜索などに駆り出されているのですから、非日常を求めて無理をする人に「なんで?」という気持ちが強いように思います。
名誉の撤退なんて感覚はなくて、そんな危険を冒していっても面白くないから、戻って違うことしよ。という感じなんですよ。だって、冷たい中歩いたって面白くないでしょ。
非日常生活のままガイドになってしまうのって、とても危険な気がするんです。
私は’知らない山’のガイドなんて怖くてできない。
長野県警の、「安全なツアー登山のために」というページにある「場合によっては、地元のガイドを依頼する。」という項目って、そういう意味だと思っています。
- 2006/10/17(火) 14:55:51 |
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- おーの #rmbFb8ac
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おーのさまへ。
あー、なるほどねぇ~。
拝読した後の、最初に浮かんだ言葉です。
登山者としての出発点と、その後経てきた道。
そこでスタンスの違いが生まれるのかもしれません。
私自身、起点となったのは高校の山岳部でした。
それ以前は親に連れられてでしたので、家族旅行のようなものでした。
1年生の時には、ただついていくのに精一杯。
基礎的な訓練期間でした。
2年生になり山行(合宿)を、計画・運営するようになりました。
ワイワイガヤガヤと、計画を立て、買出しに行き、1年生の面倒を見て・・・。
これがとても楽しかったのです。
そして3年生になり、オブザーバー的な立場に。
2年生リーダーの足りない部分を補うことで、パーティー全体を見渡す目を養うことになりました。
大学に行ってからは、部山行のほかに、単独行の機会も増えました。
人数が少ない部でしたので、好き勝手にできた面もあります。
ですが、自らで運営する山行の楽しさは同じでした。
部外に新たな仲間もでき、充実していたと思います。
当然、リスク管理も自分たちの作業でした。
今考えると、危ないこともしてしまいました。
ですが、「所詮遊び場である」ということは、今でも変わりません。
ヤバかったなあ・・・というのは、そのたびに反省材料でした。
「遊び」ですが、お金のない学生のこと。
出費は極力抑えます。
そして、「計画&運営」という、ある意味で一番オイシイところを、味わいつくす、と言う意味も「遊び」のなかにありました。
ですから、お金を払ってこのオイシイところを人任せ・・・なんてことは、考えもしませんでした。
自分の(自分たちの)できることと、行けるルートや時期を考えることから始まり、決してそこから出ることはなかったわけです。
メジャーなルートや困難なルートよりも、ちょっとアヤシくてワクワクするようなルートを、地図とにらめっこして探していたりもしました。
これは今でも変わらない部分です。
一言で言えば、「ガイド登山」「ツアー登山」というものが存在しなくても、何も変わらない人種なんでしょうね。
ですが、そうでない人も大勢いらっしゃいます。
この出発点が違うところから見解の相違が発生するのかもしれません。
ただガイドをリーダー(=仲間)と考えるのには抵抗がありますが・・・。
ですが、不思議なこともあります。
おーのさまと私では、当然立ち位置が違うのですが、同じ結論になる場合があります。
(すべてではないと思います・・・)
立ち位置は人それぞれですし、意見が一致する場合もそうでない場合もあるんですね。
いろいろな人の意見や考えの中から、さらに考えを進められればいいのでしょう。
- 2006/10/17(火) 21:16:56 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
管理人様、おーの様、
まず、はじめにお二人にお礼を言いたいのですが、自ら書き込んでいながら少し、後悔していました。それは、この議論がただの感情論に走って行ってしまうかもしれないと思ったからです。どんな議論でも冷静さを欠き、水掛け論になってしまっては何の意味がありませんので。
でも、そんな不安も今はなくなり、むしろ、様々な意見に触れ、山に対する考えを再認識できる機会を持てて、感謝しています。
私も、お二人と同じ環境で山を始めました。学生の頃は年間150日山に入っている年もありました。幸い、信州には遠く、長期休みになると18切符とザックを担ぎ電車に乗って信州へ向かったものです。
現在では日数は減ったものの、週末になると家を飛び出して山へ向かうのは変わっていません。ただ、信州へはなかなか行けませんが…。
今までの議論を読み返して思ったのですが、私と、お二人とではなんとなく立場が違うのかと感じました。
私は大学2年の時、山岳部の限界を感じ、社会人山岳会へ移り、海外遠征へ行ったりするうちに、山に行く仲間にガイドをしている人が多くいました。今まで事故を起こされたガイドの方々とも面識がある人もいましたし、実際文部省の登山研修にも参加したこともあります。
おのずと、ガイド側の意見に偏っていました。
ただ、ガイドとリーダー、個人が背負う責任は人命を背負っている以上、優劣は無いと思います。
しかし、ガイドに払ったお金の責任はそれ以外の部分、組織の充実化、安全対策等に費やされるべきではないかと思います。
確かにヨーロッパのガイド協会は歴史もあり、組織体制も充実されていますが、それ故に、その影響が、一般登山者へも及んでいることは言うまでもありません。実際に私が行った際も、天候を理由に無条件に入山を拒否されました。とは言えども何かあったときにお世話になるので当たり前かもしれませんが…。
どちらにしろ、今後のガイド協会の動きが気になるところです。
- 2006/10/18(水) 13:51:03 |
- URL |
- 登山愛好者 #-
- [ 編集]
おーの様 登山愛好者様 はじめまして。
管理人様 お久しぶりです。
沈黙を守りながらお三人のご意見を丁寧に拝読してきました。皆様が仰いますようにスタンス(登山の動機、対象、経験、年齢etc)の異なるお三人が、我説に執着してブログファイヤーを発火させる愚を避けられて冷静に論議を深められた聡明さは稀有なことであり、敬意を表します。
当然のことながら私はお三人とはやや異なる考えをもっていますが、その異端の極論で折角のお三人の論議を混乱させたくありませんので屋上屋はこの際避けて、次の機会にゆずります。
ただ、「プロガイド」について一例報告をさせてください。
環境省が来春から大台ヶ原(奈良)に利用調整地区を設けて入山規制をする計画ですが、地元は村民に簡単な座学によって「プロガイド」資格をあたえ、その「プロガイド」を帯同したエコツアーを義務化することを希望しています。
私は各地でプロガイドが惹起した無責任な事故の数々を披露して安易な「プロガイド養成」に反対し、「プロ」の名に値するガイドの養成を時間をかけて行うべきだと主張しています。
無法状態にあるプロガイド協会などに自浄自律能力を期待できるとは思えませんので、北海道、東京都、長野県、屋久島などで自治体が罰則規定を含む条例をつくって規制に乗り出した動きに注目しています。
- 2006/10/18(水) 16:20:58 |
- URL |
- HIKO #b4jxZAz.
- [ 編集]
とかくネット上の議論は感情的になりがちです。
登山愛好者さまの危惧していた現象、ままあるものです。
罵詈雑言や誹謗中傷が飛び交うサイト、何度も目にしてきました。
私としても、ブログを運営する以上、常に同じ危惧を持ち続けています。
特に、遭難事例と言うデリケートな部分を扱うので、余計にそう思っています。
ですが、少なくとも、ここまではそれもなく来れました。
それはあなたとおーのさまが、冷静さを失わないことと、異なる意見にも耳を傾けてこられたからではないでしょうか。
私もそうあろうと、後を付いていったようなものです。
感謝するのもお互い様。
このような関係が続けられればよい、と思っています。
ネパールでのシェルパ・ポーターつき登山。
ヨーロッパでのガイド登山。
私も少しだけわが身で触れたことがあります。
いずれも日本とは違うルールの中での山でした。
そこで感じたもの、多分、自分なりのモノとして、胸にとどまっているのだと思います。
同じような経験をしても、感じ方は千差万別だったりもします。
すべての人が、自分と同じわけではない。
そこは忘れずにいたいと思います。
>おのずと、ガイド側の意見に偏っていました。
そうかも知れません。
そして、私やおーのさまはその反対の方にいたのでしょう。
当然、責任のあり方に対する考え方は違ってきます。
それが、これまでの議論の中身だったのでしょうね。
ですが、ガイド登山のありかた、これでいいのか?という疑問。
この点については、登山愛好者さまもおーのさまも私も、同じなのでしょうね。
そこから始まった議論ですから。
3人とも、自分が正しいと思ったことを書き込んできたと思います。
ただ、正解はひとつとは限りませんし、常に自分が正しいわけではありません。
議論は「勝った負けた」だけの世界ではないと思います。
立場が違えば、同じものに対する見方も変わる。
今回はそういうことだと思います。
皆が皆同じ意見と言うのも、なんだか気持ち悪いものですし。。。
>様々な意見に触れ、山に対する考えを再認識できる機会を持てて、感謝しています。
まさにおっしゃるとおり、全く同感です。
そして、このコメント欄について、そう言って頂けることが、とてもうれしいのです。
お二方の冷静さでここまで来れたと思っています。
ありがとうございました。
今後も「山に対する考えを再認識できる」場として、利用していただければ幸いです。
- 2006/10/18(水) 16:26:24 |
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- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
HIKOさまへ。
随分とお久しぶりですね。お元気でしたか?
HPのほうはちょくちょく拝見しております。
大台の「プロ」ガイドのお話、以前にも少し出ていましたね。
地元にいて、地元の山やその気象などをよく知っていて、何よりも山自体がデキる人。
そういう人にガイドになってもらえるのなら、問題ないと思います。
その意味においては「地元」もひとつの要件かと思います。
ですが・・・。
地元に住んでいるけれど、山はさっぱり・・・。
(ただ地元に住んでいる人という意味です)
そんな人に
>簡単な座学によって「プロガイド」資格をあたえ、その「プロガイド」を帯同したエコツアーを義務化する
なんてことになると、困ったものですね・・・。
アクシデント発生時の対応もできず、責任論にはほど遠い存在になりそうです。
事故でもあった日にゃどうすんだろ・・・。
なんとなく本末転倒な気がしますね。
>北海道、東京都、長野県、屋久島などで自治体が罰則規定を含む条例をつくって規制に乗り出した動きに注目しています
これはある意味で、ガイド協会などが何もしないまま今日まで来たことと、無関係ではないのでしょうね。
今回の白馬の遭難をきっかけに、ガイド協会も(とてつもなく)重い腰を上げてくれればいいのですが・・・。
- 2006/10/18(水) 17:10:17 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
その後のニュースがありました。
個人で背負うには重過ぎるようにも思いますね。
白馬岳で4人死亡遭難事故で大町署がガイド男性と実況見分 (信濃毎日新聞)
10月4日(木)
北アルプス白馬岳(2、932メートル)で昨年10月に九州からの7人パーティーが遭難し女性4人が死亡した事故で、大町署は2、3日、引率した福岡県大牟田市の登山ガイドの男性(49)を伴い、遭難現場を実況見分した。同署は、業務上過失致死容疑での立件も視野に調べを進めている。男性ガイドは3日、取材に対し「自分も、どうしてこうなった(遭難した)のか分からない」と述べた。
2日、署員と男性ガイドの計7人が富山県の祖母谷(ばばだに)温泉から入山。遭難時のルートをたどり、パーティーが吹雪に遭った現場の状況などを確認、3日下山した。男性ガイドによると、「(署員に)聴かれたことを、ここがこうだったと思い出して話した」という。
男性ガイドについて、山岳関係者などからは天候の悪化が予想される中で、登山を決行した判断を疑問視する声もある。大町署はこれまでに、生還したメンバーらから遭難時の様子など聴いており、さらに複数の関係者から話を聴き、ガイドの天候判断が妥当だったかなどを調べる。同署は「立件の判断は年明け以降になる」としている。
男性ガイドが事故後に現場を訪れたのは初めて。3日の下山後、「(遭難のことは)毎日思い出しており、忘れられない。事故の原因は、自分でも分からない部分がたくさんある」と話した。
http://www.shinmai.co.jp/news/20071004/KT071003FTI090014000022.htm
検定や罰則強化だけでうまくいくんですかねえ?
もっと根本的にシステム自体を見直すべきじゃないかと思うのですが。
- 2007/10/04(木) 11:11:26 |
- URL |
- おーの #rmbFb8ac
- [ 編集]
おーのさまへ。
朝日新聞には「近く書類送検へ」と言う記事が出ていました。
もう1年たつんですね。。。。
今後の動き、もう少し注視しておこうと思います。
- 2007/10/05(金) 12:55:40 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
あれからもう1年がたつのですね。
標題を見て何やと思われた方も多いでしょうが、
「疲労凍死傷」という用語は、長野県警の遭難統計資料の中で遭難の態様を表す言葉として用いられているもので、白馬で亡くなった4名の方もここに分類されています。
一方「偶発性低体温症(Accidental Hypothermia)」や「低体温症(Hypothermia)」という用語が、医学用語として、ちょうど「熱中症(Hyperthermia)」とは逆の意味で用いられていることは、皆様ご存じと思います。
マスコミは、山岳事故があった場合、警察の発表資料を基に記事を書きますので、世間一般には「疲労凍死」や「凍死」で知られていますが、言葉の意味する内容が曖昧でよくわかりません。
「熱中症」や「熱射病」の方は、今年の夏が非常に暑く、亡くなる方が多かったことや、真夏に幼児が車に閉じこめられて亡くなる痛ましい事故(事件)が発生したりして、以前よりも随分と世間に認知されるようになりました。
一方、「低体温症」の方は、一般の人にはなじみが薄く、冷え症と間違えられることも多いのではないかと思います。
警察の方には、もうそろそろ、「疲労凍死傷」「疲労凍死」「凍死」でなくて「偶発性低体温症」「低体温症」という言葉をはっきりと用いてもらえるようにお願いしたいです。そうすれば、マスコミにも載りますし、もう少し世間に認知され、「低体温症」になる事故も防げるのではないかと思います。
また、山岳ガイドのようなプロの方は、「低体温症」の怖さや発生条件、予防策等を当然認知されていてしかるべきです。
- 2007/10/06(土) 00:39:47 |
- URL |
- ちよ #-
- [ 編集]
ちよさまへ。
恥ずかしながら、全部「凍死」だと思っていました。
低体温症について、勉強しなければ・・・。
ただ、警察もどこまで分かっているのか。。。。
マスコミは短くてセンセーショナルな言葉に乗っかりますからね。。。。
>山岳ガイドのようなプロの方は、「低体温症」の怖さや発生条件、予防策等を当然認知されていてしかるべきです。
ですねぇ。。。
どの程度まで「プロ」の間に浸透しているのでしょうか。。。。
やっぱり疑問が残ります。
まだまだ知らないことが多いもんですねぇ。。。。
参考になりました。
以下、全くの余談です。
ほぼ四半世紀前の高校総体(登山競技)で。
「日射病と熱射病。それぞれの症状と対処法を述べよ」
といったテストがあったことを思い出しました。
南国四国の初夏の山で出るテストですから、当然「暑さ」特有の設問でした。
ヤマをはっていたのが当たって、○をもらったことを思い出しました。
「寒さ」に対する設問なら・・・・ということを考えてしまいました。
- 2007/10/06(土) 15:17:51 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
ちよさま、管理人さま こんにちは。
低体温症についてよくまとまっているサイトがありますのでご紹介します。
現役の医師の方が書かれているそうです。医学と登山と双方からアプローチされているので、言葉の定義を含めご参考になるかと思います。
http://www5.ocn.ne.jp/~yoshi515/teitaion.html
- 2007/10/06(土) 15:27:22 |
- URL |
- Taku #-
- [ 編集]
Takuさまへ。
ご紹介のサイト、ざっと目を通してきました。
とても参考になります。
ありがとうございました。
もう少し余裕のあるときにじっくりと読んでみます。
取り急ぎお礼まで。
- 2007/10/06(土) 15:52:07 |
- URL |
- 管理人 #MAyMKToE
- [ 編集]
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