8月は子連れ山行月間。
今夜発の最終週は、1泊2日のテント山行です。
大人2人で一家4人分の装備と、時には子供1人を担がなくてはならないのです。
せめて長男は歩いてくれないと、装備&子供2人は…親の“愛”があっても、ムリです。絶対。
テント泊は先週、オートキャンプ場で一度だけ予行演習をしました。
ただ、平坦な草地にデカいテントでした。
山中で登山用テントは今回が初めて、ということになります。
予行演習は、根性ナシだけれど神経の太い(?)次男(2歳)があまり眠れなかったようでした。
一方、根性ナシで気の小さい(?)長男(4歳)は、ぐっすり眠れたようです。
予行演習の結果は以上。
子供の装備、実は予想以上にかさばるものです。
なんせ、次男はいまだに紙パンツですし、2人とも着替えはフルセットが必要だし…。
そして、寝るときには一人前の場所をとるし、メシはそれなりに食うし…。
さらに、装備を持たせるわけにもいかず…。
結局、4人分の装備満載ザック1個&キッズキャリア1個で挑むほかはありません。
何度か日帰り山行は経験をつんだので、多少のノウハウはあるのですが、子連れテント山行は親にとっても初挑戦。
さて、どうなることやら…。
不安とともにワクワク感を胸に、行って来ます。
お天気がイマイチのようなのが、少々つらいところですが…。
決して不安がないわけではありません。
予行演習のスケジュールも含め、本番はどこなら行けるのか…。
再び山オンナの血が騒ぎ出した嫁さんと、検討に検討を重ねた結果です(ホンマかいな…)。
そして山が終われば、しばらく信州で遊んでいようと計画中。
帰ってきたら、ぼちぼち報告します。
(この時点でも、営業小屋という選択肢は、最初っからアタマにない困った夫婦でした…)
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- 2006/08/26(土) 20:43:45|
- 日々是好日
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【概要】
22日午前8時ごろ、北アルプス・西穂高岳と間ノ岳の中間にある標高約2900メートル付近の登山道で、友人と2人で登山中の新潟県燕市の僧侶の男性(59)が、稜線から長野県側に約100メートル滑落した。同行の友人が松本署に届け出て、約2時間半後、民間ヘリで救出されたが、全身を強く打っており、死亡が確認された。2人は21日に岐阜県新穂高温泉からロープウエーで入山し、西穂高岳、奥穂高岳を登り、23日に上高地へ下山予定だった。
(毎日新聞、信濃毎日新聞、SBCよりデータ引用・抜粋。死者のみ実名報道)
【考察】
西穂~奥穂間、また滑落事故です。
遭難カルテ103で触れた件と、類似点が多いようです。
日程が1日短いのは、槍に登らないためでしょうか。
前回のケースとの違いは、稜線の反対側への滑落である点。
ロープウェーの話などはダブるので、今回は省くことにします。
4日前に発生した事故現場を通過することは、頭に入っていたのでしょうか?
全く知らなかったのかどうかははっきりしませんが、小屋泊まりなら小屋の人から話ぐらいは聞いていてもおかしくありません。
事前の情報収集について書いてみます。
計画段階でルートが決まれば、同じ季節にルート上のどこでどんな事故があったか。
その情報を事前につかんで地図上に書き込んでおけば、事前に「要チェック」のポイントがはっきりし、手を打てる場合がある、と考えられます。
詳細な事故報告書を入手できれば、より精度の高い予備知識を持って山にいけるということになります。
当然、取捨選択は必要になりますが、もともとの情報が多いに越したことはありません。
ガイドブックには載っていない情報ですので、当然個人個人が収集すべき努力をする必要があります。
「事前情報まみれでは面白くない」
そういう人もいると思いますし、そういう部分があることも事実です。
ですが、私は、とてもそこまで言い切れる自身がありません。
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- 2006/08/25(金) 19:14:55|
- 遭難カルテ
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【概要】
23日午後5時20分ごろ、大峰山系で開かれている全国高校総体登山大会に参加中の徳島県立脇町高校教諭の男性(43)=阿波市網懸=が道に迷っていると、地元の男性が奈良県警吉野署に通報した。午後8時ごろには大会本部から中吉野署に通報があった。男性は同校登山部監督。競技中に遭難した恐れがあるとみて、24日早朝から一帯を捜索する。男性は23日午前6時20分ごろ、同県上北山村の和佐又ヒュッテを出発。各校の監督は集団で、縦走する選手の列の後ろについたが、午前10時半ごろ靴底が破れ、はぐれたらしい。午後3時過ぎ、山中で一般の登山者が一人で歩いている男性に出会った後、行方が分かっておらず連絡が取れなくなった。通報した男性がすれ違った際、自分の名前と高校名などを告げ、「道に迷った。今から下りる」と話したという。競技は21日から24日までの予定。23日は選手と監督計約230人が参加し、この日は同村の行者還トンネル東口を目的地にしていた。
(毎日新聞、徳島新聞よりデータ引用・抜粋。遭難男性は実名)
【考察】
インターハイ登山競技中の遭難です。
生徒の遭難なら、もっと大騒ぎになると思いますが、今回はあまり報じられていません。
指導する側の「監督」が道に迷うとは…と、批判するのは簡単です。
遭難した教諭の山に関する個人データがほとんどありませんので、一般論としてその背景を考えてみます。
高校の部活に山岳部・登山部があれば、教員のうちで誰かが顧問・監督になる必要があります。
山の経験者がいない場合でも、誰かがならなくてはならないわけです。
この場合、校長や教頭など管理職は顧問・監督になるケースはまずありません。
つまり、「監督」という立場ながら、「全く山の経験がない」ケースもありうるわけです。
また、高校総体では荷物の重さこそ違っても、選手と監督は同じコースを歩くことになります。
すべての運動部顧問教員の中で、「本番」が最もハードな競技に位置づけられると思います。
生徒たちは普段のトレーニングを積んでいるはずですが、顧問教員は合宿についていくほかは自主トレをするほかはありません。
山が趣味なら、大して苦にならず、それも出来るかと思います。
が、経験もなく、趣味でもない場合、とてつもない重荷となります。
「指導すべき立場なんだから」という批判はあるかと思いますが、少々酷な面もあると思います。
強力な指導教員の下で鍛錬を積み、県総体を勝ち抜きインターハイへ…そんな学校もあります。
一方で、そうでない学校も現実には存在します。
例えば、教員が異動で去り、上級生が下級生に技術などを伝えているケースです。
また、高校山岳部の衰退から毎年参加校が減り、「全国」がかなり近い競技だともいえます。
参加校が少ない場合、「タナボタ」でインターハイ…というケースもありうるわけです。
高校登山部の監督、確かに職務の一部ではあります。
が、現実には「監督=熟練者」とはなりえない、ということです。
むしろ、大会本部の運営方法に問題があるのかもしれません。
また、競技登山のあり方自体を考えてみる機会かもしれません。
==========追記(06.08.24)==========
毎日新聞によると行方意不明の教諭、24日朝に山中で無事を確認されたとのこと。
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- 2006/08/24(木) 12:01:12|
- 遭難カルテ
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8月14日~20日の長野県警山岳遭難週報から。
8・14
常念 20歳 男 病気 無事 燕岳 56歳 男 転倒 重傷
乗鞍岳 47歳 女 転倒 重傷
五竜岳 58歳 男 病気 無事 唐沢岳 28歳 男 滑落 重傷
8・15
唐松岳 46歳 女 病気 無事 赤岳 44歳 男 滑落 重傷
横尾 46歳 男 疲労 無事
奥穂高岳 36歳 男 道迷い 無事
五竜岳 59歳 男 転落 死亡
槍ヶ岳 60歳 男 病気 無事8・16
野口五郎岳 55歳 男 病気 死亡 奥穂高岳 20歳 男 転落 重傷
8・19
蝶ケ岳 69歳 女 病気 無事8・20
燕岳 67歳 女 病気 無事1週間で15件発生しています。
お盆ということもあり、15日と16日に集中する結果となっています。
今回注目したいのは「病気」。
内訳で見れば病気7、転倒2、滑落2、転落2、疲労1、道迷い1。
病気が半分近くを占めました。
病気のうち、年齢で見ると20、46、55、58、60、67、69。
1人を除いて中高年ばかりですが、登山者の大半を中高年が占める現状からすればこんなものかもしれません。
ただ、60歳以上が目立つ結果になっています。
「病気」への対策としては、日ごろの体調管理しかありません。
この「病気」には「体調不良」も含まれていると思われます。
広い意味で言えば、「疲労」も「体調不良」に含まれることになります。
日ごろの不摂生は、こんなところで現れたりします。
突発性の発症など、完全に防ぎきれるものではありませんが、これしかないと思います。
日ごろの体調管理、そして体力にあった山を計画する。
これをすることでかなり「病気」遭難や「疲労」遭難は減るのではないでしょうか。
また、体調管理は年齢を重ねるにしたがって、難しくなっていきます。
体力や抵抗力、疲労からの回復力が低下するので、より難しくなる一方でしょう。
普段から自分の体調や体力を冷静に見つめることが必要な気がします。
10年ほど前のことですが、夏山山行中に同行者の一人が「腹が痛い」。
あまりに苦しそうなので、予定を変更して最短距離で下山することに。
鎮痛剤を飲ませ、荷物をすべて取り、時には肩を貸し、時には担いで、何とか下山。
病院に連れて行くと、急性虫垂炎(盲腸?)でした。
自分たちも苦しかったですが、当の病人はもっと苦しかったと思います。
それでもなんとか他人様の手を煩わせることなく下山できました。
その後、装備計画の医薬品、真剣に内容を考えました。
また、緊急を要する場合には救助要請も必要です。
あの時、救助を呼んで一刻も早く病院に運ぶべきだったのか…。
自力下山の原則にこだわるあまり、病院への搬送が遅れたのではないか…。
一歩間違えば…。
無事に自力下山できてよかったと思う一方で、こんな思いが消えません。
当の病人本人は今ではピンピンしているので、結果論的には良かったのでしょうが…。
病気の種類や程度、下山に要する時間などの要素があり、一概に「こうだ」とは言えません。
このあたりの判断、山を知っている医者でもない限り、なかなか難しいと思います。
いまだに自分の中で結論は出ていませんが、自問自答は続いています。
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- 2006/08/23(水) 11:59:03|
- 日々是好日
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【概要】
21日午後0時半ごろ、北アルプス剱岳の前剱付近(標高約2750メートル)で、横浜市旭区の自営業男性(53)が尾根沿いの登山道から足を踏み外して約20メートル下の岩場に転落。一緒にいた友人が、男性が落ちるのを目撃し、付近を通りがかった登山者が山小屋を通じて県警山岳警備隊に通報した。男性は富山県消防防災ヘリで救出され、午後4時すぎ黒部市内の病院に搬送されたが、頭などを強く打っており死亡が確認された。男性は友人と2人で18日から北アルプスに入山。大日岳から雄山を経由して20日剱御前小舎に宿泊、21日剱岳に登頂して下山する途中だった。
(朝日新聞、毎日新聞、北日本放送よりデータ引用・抜粋。死亡男性のみ実名)
【考察】
足取りから類推すると、3泊4日の小屋泊まり山行だったようです。
とすれば、比較的軽い荷物だったのではないでしょうか。
荷物に振られての転落ではなさそうです。
現場は剱岳へのメーンルート。
前剱付近は傾斜がきついほかは、特に難しいところではなかったと思います。
ですが、一歩間違うと死に至る、そんなケースのようです。
各種統計から見て、一般的に全行程の4分の3を消化したあたりの事故が多いことは何度か述べました。
今回もそこに当てはまります。
最大のピークを踏んだ後は「あとは下りるだけ」と思ってしまうのは人情でしょう。
が、そこに気の緩みが生まれることも否めません。
特に「最終日に剱岳」なんてことなら、なおさらでしょう。
気持ちとしては、よく分かります。
ですが、下りきってしまうまでが山。
転・滑落は下りに多く発生することは明らかです。
特に終盤において、気持ちを高め続ける必要がある、ということを忘れずにいたいと思います。
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- 2006/08/22(火) 19:21:00|
- 遭難カルテ
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21日、11時前に、若桜氷ノ山キャンプ場を出発。
長男、スタートダッシュ!

まあ、付いていくのに汗をかきました。
次男は嫁さんとゆっくり。
15分ほどで背負子に収まりました。
すると、長男が
「足がいたぁ~いぃ」「おなか痛ぁいぃ~」
と、やる気激減ゴネゴネモード。。。。
それでもなだめすかし、だましだまし歩かせて…。
一方、背負子の次男。
ニコニコしながら「こっちやで!」
オイオイ! 背負われたご身分でルート指示かい!
1時間少々で、氷ノ山越えに。
ここには小さな避難小屋がある。
泊まれるのは10人ぐらいか。
昼飯を食べつつ、さあこれからどうするか…。
氷ノ山山頂方面に黒っぽい雲が少々…。
ありゃあ、夕立かな…と、嫁さんと判断が一致。
降られる前に下りてしまおうと、下山することに決定したが…。
「てっぺんまで行きたい…」
あれだけゴネていた長男がポツリ。
彼なりの悔しさがにじんでいました。
熱意は買おう!でも次回だ!!と説得。
いつもの昼寝時間にかかってきたため、眠気とともに不機嫌に。
説得が難航する中、次男が「下まで歩くよ」!!!
結局、長男を担ぎ、次男を歩かせることにする。
いつも「やる」といってはすぐにくじける次男でしたが…
この日の彼はいつもと違っていました。
結局、下まで歩いてしまいました。
途中で寝ていた長男も目を覚まし、最後は4人そろって下山。
車に荷物を積み込んでいると、ポツリポツリ…。
来ました!夕立!
ナイスタイミングの下山でした。
家に帰ってテレビをつけると、JR山陰線が大雨で運転見合わせ。
相当降ったようですな・・・。
氷ノ山山頂までとなると、ウチの子供の足にはやや長いルート。
嫁さん、久々に山オンナの血が騒いだようで、作戦を考えているようです。
W背負子で行くしかないかな。。。
親にとっても次の課題が見つかった山でした。
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- 2006/08/22(火) 16:53:23|
- 山日記
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【概要】
18日午前9時35分ごろ、岐阜県高山市の北アルプス間の岳(2907メートル)山頂付近で、稜線を歩いていた栃木県真岡市の会社員女性(38)が滑落したと、一緒に登山をしていた友人から長野県警を通じて岐阜県警に通報があった。稜線(りょうせん)から約100メートル下の岩場に倒れていた女性を、県警のヘリコプターが正午過ぎに救助したが、全身を強く打ちすでに死亡していた。女性が岩場の不安定な石に足を乗せ、滑落したとみられている。女性は友人の男女2人とともに17日に岐阜県側の新穂高の登山口から入山。奥穂高岳、槍ケ岳を経て20日に下山予定だった。この日は西穂山荘から西穂高岳を経由し、奥穂高岳を目指して縦走中だった。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、時事通信からデータ引用・抜粋。死亡女性のみ実名報道)
【考察】
西穂・奥穂間はよく事故があるように思いますが…。
報道の文面からすると、浮き石に乗ってしまい、滑落したと見られているようです。
あの岩稜ですから、まあ、浮き石もあるでしょう。
ヤセ尾根で緊張しすぎたのかもしれません。
以前にも書きましたが、西穂はロープウェーで簡単に標高が稼げます。
そして、奥穂を越えて槍へ……槍穂縦走……まあ、まず人気のあるコースです。
西穂まではそれほどでもないのですが、その先は初心者向けではありません。
今回の人がどうかは不明ですが、「行きたい」だけで「行ける」トコロではないように思います。
些細なことかもしれませんが、同行者はなぜ長野県警に通報したのでしょう?
おそらく携帯電話による通報だと思われます。
あえて「長野」にしたのか、「110番」で「自動的に長野につながった」のか…。
滑落したのが岐阜側なら岐阜県警に通報すべきです。
県警の管轄の境目は県境になります。
このケースなら稜線右側は長野、左側は岐阜、となります。
考えられる通報までのプロセスは以下のとおり。
①長野県警に電話⇒状況説明
②長野県警から岐阜県警へ連絡
③岐阜県警が通報者と連絡⇒再び状況説明
④救助活動開始
最初から岐阜県警に通報していれば。。。
①岐阜県警に電話⇒状況説明
②救助活動開始
となって、2つのプロセスが省略できます。
一刻を争うような場合だったら、ここのロスは大きいかもしれません。
事故現場の所管警察(県警)を適切に判断することと、警察関係を携帯電話にあらかじめ登録しておく。
この2つでこの問題は解決すると思います。
通報の流れが珍しいパターンだったので、思わず反応してしまいました…。
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- 2006/08/19(土) 17:46:53|
- 遭難カルテ
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【概要】
15日午前7時半ごろ、新潟県新発田市の湯の平温泉から1キロ上流の飯豊川で、仲間の東京都府中市の自営業男性(46)が川に流されたと110番通報。同日午後5時15分ごろ、約50メートル下流で浮かぶ遺体を県の防災ヘリが発見した。男性は東京の山岳会
わらじの仲間のメンバー4人で12日、阿賀町から飯豊連峰に入山、16日に山形県小国町に下山予定だった。14日午後1時20分ごろ、北股岳(標高2024メートル)に向かって同川沿いに沢登りをしている際、先行する仲間が張ったロープから誤って手を放し、流されたという。残る3人が付近を捜したが、見つからなかったため、15日朝に約3・5キロ下流の加治川ダム管理事務所まで下山し、電話で通報した。
(毎日新聞、新潟日報、NHKよりデータ抜粋・引用、死亡した男性のみ実名報道)
【考察】
フィックスロープをたどっているときに流されたのでしょうか。
ゴボウ抜きの時には、ザイルにすがってそのまま突破します。
その際に発生した事故かもしれません。
ハーネスとザイルをカラビナ&シュリンゲでつないでいれば防げたかもしれません。
ですが、そこまでする必要がないと判断したのでしょうか。。。
わらじの仲間は、沢を中心に活動している会として有名です。
レベルの高い活動で
大阪わらじの会と、「東西の両横綱」などと勝手に思っています。
ま、これは私の勝手な思い込みですので…。
「違う!」というなら、ゴメンナサイ。
そして、飯豊の沢。
沢ヤにとっては聖地の1つです。
4泊5日にわたる計画、相当の気合を持って挑んだと想像できます。
それなりの経験や技術があっても、事故にあう。
今回はそう思うことにします。
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- 2006/08/18(金) 23:34:15|
- 遭難カルテ
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今月は子連れ山行月間状態です。
「いい教育になりますねぇ」。
行きかう人(特に年配の)に、よくそう言われます。
が、何をおっしゃる!
実態は「教育」なんてものではないのです。
「就職」「結婚」「出産」
山に行かなく(行けなく)なってしまう3つのハードルです。
しかも我が家には「共働き」という第4のハードルが存在します。
いきおい、学生時代からのペースから考えれば、山に行く日数は5分の1程度になってしまいました。
「山に行きたいなぁ」
「でも、仕事は休めないんだなぁ」
「休みの日に行けばいいかぁ」
「家事や子供の面倒は誰がする?」
「嫁さんばかりにやってもらえないよなぁ」
「向こうも仕事してるしなぁ」
「それでも行きたいんですけど…」
「どうすりゃ行けるかなぁ…」
と、自問自答。
ここから出た結論が、「子供を連れて行きゃ、とりあえず解決!」ということです。
当然、「行ける山」は限られてきます。
ですが「行ける山」がある以上、「『行ける山』になら行ける」とうことです。
「岩でなきゃダメだ」
「沢でなきゃダメだ」
「雪でなきゃダメだ」
と言う人には「行ける山」はないかもしれません。
「岩もいいなぁ、沢もいいなぁ、雪もいいなぁ…でも、歩くだけの山もいいなぁ」
という程度の私には、何とか「行ける山」があったのです。
要するに、山に行きたいという欲求と、諸々の義務的部分との妥協点なわけです。
親の「道楽したい(=山に行きたい)」という不順な動機に子供をつき合わせているだけで、「教育」なんてものではないのです。我ながら、ずいぶんと身勝手な親だなぁ…(笑)。
それでも年に何回かは妻子を忘れて(?)山に行く機会を作れています。
これ以上を求めるのは、ワガママかもしれませんな。。。
回数を重ねると、子供の成長が見られ、毎度、新たな発見があります。
次はテント泊に、その次は雪山に…と、勝手に考えています。
いつ「もう、イヤや!」と言われるか分かりません。
が、まあ小学校に入って、手が離れたらコッチのもの…などという悪だくみも…。
また、子供を背負って歩くこと、実は結構なトレーニングになっているような気がします。
なんせ体重10キロ台ですから、間違いなくボッカ訓練にはなっています。
さらに子供を背負うと、「転べない」と思い、歩き方に気をつけるようになります。
「荷物」をかばって転ぶような、器用な真似は出来ませんからね…。
子供が出来る前は、このような感覚が全く想像できませんでした。
「山」をやめるつもりはなかったので、妥協点を探った結果です。
ありふれた妥協点かもしれませんが、山に身を置くための自分なりの方法です。
レベルや内容、日数はある意味で犠牲にしなければなりません。
ですが継続させることが大切な気がしました。
何歳まで続けられるかは分かりませんが…。
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- 2006/08/18(金) 18:01:51|
- 日々是好日
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お盆休み、北アへ行ってきた知人から報告がありました。
予想通り人が多く、山小屋はスシ詰め状態だったとか。
なんでも一畳あたり3人状態だったと、泊まった人が言っていたそうです。
山小屋もかきいれどきですから、混んでいないと潰れますが。。。
すし詰めなら、十分に寝れなかった人も多かったのではないでしょうか。
いつでもゆったり寝るためには、テントで行けばいいのです。
以下、夏山・3人パーティー・2泊3日で考えて見ます。
テントの利点は、いくつかあります。
混雑した小屋よりははるかに静かなこと。
就寝・起床時など、他人の騒音や他人への騒音が抑えられること。
着替えなどに気を使わなくていいこと。
時間が比較的自由に使えること。
パーティー単位でのプライベート空間が持ち歩けると言うことです。
「テントは狭い」という人がいます。
ですが、これは間違い。
畳1枚の幅は、おおむね90センチで3人なら、1人当たりほぼ30センチ。
アライテントのエアライズ3(3人用、最大4人)は、185センチなので、ほぼ倍の幅が取れます。
少し狭くなりますが、エアライズ2(2人用、最大3人)に3人寝ても、幅は130センチで、ほぼ1.5倍の幅になります。
ハイシーズンであれば、テントのほうがゆったり寝れるわけです。
まあ、天井が低いことでの圧迫感はありますが…。
「テントだと重い」と言う人がいます。
確かに、小屋泊まりと比べての装備は、ツェルトが減るぐらいで、増える一方。
では、どれぐらい増えるのか?
雨具やヘッドランプなどの基本装備は同じですので、増量分を考えます。
以下は一例です(単位はグラム)。
テント アライ・エアライズ3(2070) ⇒690
シュラフ イスカ・エア180 ⇒430
マット モンベル・U.Lコンフォートシステムパッド90 ⇒290
コッヘル エバニュー・チタンクッカーセットLセラミック(410)⇒137
食器 エバニュー・チタンボールセット ⇒155
食器 エバニュー・チタンスプーンフォークセットFD ⇒52
コンロ スノーピーク・ギガパワーストーブチタン“地”(74) ⇒25
ガス缶 EPI・ノーマル2発(752) ⇒250
ツェルト モンベル・ライトツェルト(不要になるため-370) ⇒―123
ここまでで1人あたり1906グラム増量。
これに、ザックが大きくなるぶんと食糧が加算されれば…大体3キロ強の増量という計算になります。
テントをエアライズ3からエアライズ2やトレックライズ2にすると、1人あたり100グラム強の減量は可能です。
工夫次第では3キロを切るかもしれません。
利点を考えれば、許容範囲の増量かと思いますが…。
「装備を買うお金が…」という人がいます。
確かに上の装備を新規で揃えると、1人あたり、おおむね55000円になります。
少ない金額ではありません。
が、小屋の宿泊費、一泊2食付でほぼ8000円で、2泊すると16000円。
テン場代は1泊1人500円ですので2泊で1000円。
ここで15000円浮いてくる計算になります。
と、いうことは、2泊3日×4回でお釣りが来る…。
数年のスパンでみれば、かえって安上がりなのです。
営業小屋泊、利点がないとはいいません。
ですが、3キロ増ですむなら、やっぱりテントだなぁ…。
雨の日はちょっとつらいけど…。
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- 2006/08/17(木) 20:56:33|
- 日々是好日
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炊飯のときにはガスコンロ。
ここ10年ほどはこればっかりです。
が、ショッキングな記事を見つけてしまいました。
10日付の西日本新聞夕刊です。
「ガスこんろ テント内厳禁 18分でCO中毒死 キャンプ協会注意喚起」との見出し。
以下、一部引用します。
死者を出したパロマ工業製ガス瞬間湯沸かし器による事故で、死亡原因となった一酸化炭素中毒は真夏のキャンプ地でも発生する恐れがある。テント内など密閉された空間でガスこんろを燃焼させると一酸化炭素が充満するためで、わずか十数分で死に至る恐れもあるという。======中略======
福岡県保健環境研究所(同県太宰府市)によると、一酸化炭素は大気中にはほとんど存在しない。ところが、密閉された空間でガスを燃焼させると、酸素不足による不完全燃焼が起きて一酸化炭素が大量に発生。吸い続けると死亡する恐れもあるという。======中略======
日本キャンプ協会(東京)は一昨年、市販のドーム型テント(4、5人用)を使い、ガスこんろを燃焼させ、密閉状態で一酸化炭素の濃度変化を測定した。その結果、燃焼開始から6分で頭痛など初期症状が現れる100ppmに達し、18分後には通常の濃度の3000倍で、失神など意識障害を引き起こす300ppmにまで上昇。同協会は「18分以上経過すれば死亡する危険が高まる。テント内でのこんろの使用は自殺行為に等しい」と指摘する。ガスこんろやランタンなどキャンプ用品を製造するスノーピーク(新潟県三条市)は、ガス器具にはすべて「屋外専用」「テント内での使用禁止」などと注意事項を表記して販売。しかし、登山やキャンプに慣れたベテランでさえ「雨や雪が降る日にテント内でガスこんろを使い、一酸化炭素中毒で死亡することもある」(同社販売促進課)と注意を促す。======中略======
日本キャンプ協会は「一酸化炭素は無臭のため、発生していることに気づかないまま失神し、死亡するケースも少なくない(略)」と呼び掛けている。なんと、テント内のコンロ使用、18分で死亡の危険!!自殺行為!!
と、いうことは、今まで何度もその危険の中に自ら……少々ぞっとします。
夏なら雨や強風でない限り、大体外で煮炊きをします。
テント内でも、暑いので換気しまくり状態ですから、問題ないでしょう。
ですが、冬は…。
寒いのでテントは外張りも含めて締め切り。
コンロで暖をとったりもします。
当然、飯を炊いたり、お茶を沸かしたり…。
18分を越えていないとは言い切れません。。。
もっとひどいことには、雪洞内でも当然のように煮炊きをしてきました。。。。
しかも、記事に出ているスノーピークのコンロで…。
これって、実はヤバかったのかも?
今年2月、中アで雪洞泊の時。
換気がうまくいかず、何度かローソクの火が消えました。
また、土砂降りやの中のテントで、100円ライターが着かなかった事もありました。
いずれもそのたびにバタバタと換気して、寒い想いをしました。
ただの酸欠かと思っていたのですが、違っていたのかもしれません。
しかし、テント内で使うなと言われると、正直困ってしまいます。
そもそもテント内で使えないコンロって登山用品?
メーカーも「登山用品」をうたうなら、何か手立てをして欲しい気もしますが…。
ローソクで酸欠を判断し、換気する。
これ以外の方法ってあるんでしょうか?
300ppmって、ローソクで判断できるとは、にわかに信じられないのですが…。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2006/08/16(水) 18:48:10|
- 道具を語る
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遭難カルテが、いつのまにやら100を越え、101項目になりました。
当初は予想もしていなかったのですが、事実上のメーンコンテンツ状態です。
せっかくですので101回分の教訓と反省を考えることにします。
●満足しているのか?もともとは好き勝手に書くつもりでした。当初は深く考えていなかった部分もあります。
内容的にも不十分なものが多々ありますし、感情的になってしまったものもあります。
自分の至らなさから、やめてしまおうかと、何度か思ったものです。
人様の反応が思った以上にあって、戸惑いもしました。
こんなことを続けていて、何の意味がある? 最近、時々怪しくなってきます。
偉そうに、他人のことをどうこう言える立場ではないかもしれません。
ただ、思ったこと、考えたことをつづるうちに、ここまで来てしまいました。
もう少し深く考えられればいいのですが、課題はその辺にあるかと思います。
過去の記事を読み返すたび、恥ずかしさのほうが先にたちます。
自らへの戒めも込めて、このまま残しておくことにします。
●批判に向き合えたか?コメントやトラックバックで何度か批判や異論の声をいただきました。
十分だったかどうかは分かりませんが、ひとつひとつに向き合ってきたとは思います。
「削除」という方法は、何度かとりました。
ですが、それはアダルト系トラックバックに対してのみです。
批判に対しては、削除はしていませんし、今後もするつもりはありません。
批判は、自分に足りない部分への指摘として、ありがたく受け取ろうと思っています。
それが、自分の成長にとって最も大きい部分だと思います。
また、意味不明なものや罵詈雑言といったものはほとんどありません。
批判にも意識の高さがうかがえ、頭の下がる思いです。
●一番の反省は?遭難者の実名表記の問題です。
日々是好日65で
hatayasanさまから頂いたご指摘。
最も強烈なものでした。
その後の
HIKOさまとの議論を経て、実名は削除しました。
批判的固定読者?がいた事実、初めて思い知ったところです。
また、配慮の足りなかったところを気づかされた点、ありがたく思いました。
課題の多さを突きつけられた思い、今後も忘れてはならない、と言い聞かせています。
●何を書いてもいいのか?他人への配慮などはともかく、基本的には何を書いてもいいと思います。
これまでに書いてきた駄文、あくまで私的見解です。
自分の意見として、「こうじゃないかな」「こうだと思う」ということです。
ですが、「自分がすべて正しい」とは思っていません。
私自身、山岳ジャーナリストではありません(下手な文章でお分かりでしょうが)。
また、ここの文章で収入を得ているわけでもありません。
足りない視点や考え方への指摘、批判があって…。
そこから少しでも「正解に近づければ…」と思っています。
覚悟や考えはまだまだ足りないかもしれません。
ですが、少しでも前に進めれば…と思っています。
●自分が遭難したら?私の会にはHPがありません。ですので、会のHP上に掲載することはできません。
しかし、ここに、このブログがあります。
マスコミ経由の断片的情報ではなく、すべて自分では分かっているはずです。
人様のことをあれこれ書いてきた以上、自分のことにはほっかむり…。
そんなことはできません。
可能な限り詳細を掲載し、考察し、読者の意見を仰ごうかと思っています。
その中で、原因やとるべき手立てがほかになかったのか…。
一歩進めた形で、反省と教訓を自らの糧にしたいと思います。
●自分だけは遭難しない?そんなことはありません。
重傷(骨折)のけが人を出してしまい、救助を呼んだことがあります。
10数年前のことですが、後悔の念は消えません。
そのときの場面が、いまだに目に焼きついています。
そのほかにも、実際に何度か遭難しかかったことはあります。
ほとんど紙一重だったことも何度かありました。
また、山で転んだ経験は誰しもにあると思います。当然、私もそうです。
これは転・滑落にそのままつながります。
また、ルートを失い、何時間もかけてやっと戻れたこともありました。
山に行く以上、遭難は常に背中合わせだと思っています。
●これからどうする?自分の言葉で、自分の考えたことを発信し続けられればいいと思います。
人様のためでなく、自分を磨くため。
結果的に人様にいい影響が及べば望外の喜びです。
そもそも、ここまで反響があったこと自体が驚きでした。
大して見向きしてくれる人もいないと思っていたので…。
いつまで続くか分かりませんが、時間と気力の続く範囲でやろうと思います。
気がつけばここまで来てしまいました。
読者の皆さんに感謝するほかはありません。
自分自身としては、自問自答と葛藤を続けるのみです。
本当は、ぼつぼつと気ままに更新していけばいいや…みたいな感じでした。
あまりの遭難の多さに、いまだに驚きが消えません。
のんびりと更新できる日がくればいいのですが。。。
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- 2006/08/15(火) 21:16:25|
- 日々是好日
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【概要】
14日正午ごろ、富士山5合目の山梨県警富士吉田署臨時派出所に、富士登山のツアーで女性のツアー客が十三日早朝、山頂付近で行方が分からなくなった」と添乗員が届け出た。行方不明になったのは広島県府中市の無職女性(71)。同日、捜索が開始されたが見つからず、15日朝に捜索再開。女性は友人と2人でツアーに参加し12日午前11時ごろ、山梨県側の五合目からツアー参加者およそ40人といっしょに登山を始めた。下山直前の13日午前五時ごろ、山頂で点呼を取った際は確認されたが、約一時間後、八合目付近での再点呼でグループにいないことが分かった。15日午前9時ごろ富士河口湖町の飲食店から「女性を保護した」と連絡があり、女性が無事下山したことがわかった。女性は衰弱しているものの、けがはない。女性は5合目付近で1人で野宿し、15日早くバスで下山したらしい。
(毎日新聞、中日新聞、NHKよりデータ引用・抜粋。不明女性は実名)
【考察】
雪が解けてから、ツアー事故が散見されます。
夏の富士山、引率者がいれば小学生でも登れる山です。
ツアー参加者のことは、以前、
遭難カルテ74について、コメント欄でのやり取りを参考にして下さい。
さて、今回もツアー会社名、報じられていません。
山岳会名よりも、ツアー会社の名前の方が重要な気がするんですが…。
今回は、参加者の把握ができていなかったため、発生した事故でした。
約40人を何人で引率していたのか不明ですが、常に人員の把握は必須です。
このようなレベル、ツアー会社としてはオソマツではないでしょうか。。。
けがもなく救助されたのは何よりでした。
が、救助された女性の年齢を考えると、夏とは言え、一歩間違えば…と思ってしまいます。
ツアー登山については、いずれどこかでまとめをするかもしれません。
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- 2006/08/15(火) 19:02:27|
- 遭難カルテ
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【概要】
13日午前7時半ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプス・北穂高岳-槍ケ岳間の縦走路からの尾根・滝谷A沢(2800メートル)付近で、神奈川県川崎市の女性医師(52)が約100メートル下の滝谷に滑落したのを、男性登山者(55)が目撃、北穂高小屋を通じて岐阜県警高山署に通報した。約1時間半後、県警航空隊のヘリが約100メートル下の谷底で女性を収容したが、外傷性ショックですでに死亡していた。女性は涸沢ヒュッテにある東大の夏山診療所で3年前から診察。今回は11日に単独で涸沢入りし、12日夜、北穂高小屋で宿泊。知り合った男性と13日早朝、槍ヶ岳(3180メートル)を目指して尾根づたいを縦走していた。この男性は女性の3メートル前を歩いており、女性の「あー」という声で振り向くと、背中から落ちていったという。
(毎日新聞、読売新聞、信濃毎日新聞からデータ引用・抜粋)
【考察】
北穂高岳-槍ケ岳間、一般ルートではありますが、岩稜の続くところです。
途中には大キレットなどの難所といわれる場所もあります。
ガイドブックなどによると、「中~上級コース」と表示されているのも目に付きます。
「中~上級コース」とはいえ、人気のコース。
お盆の日曜日、多くの人がこのコースに入っていたと思います。
足元が崩れたのかバランスを崩したのか、詳細が分からないので、なんとも言えません。
本人は「行ける」と思ってはいたのでしょうが…。
難所の通過には細心の注意を払うほかなさそうです。
亡くなったのは涸沢診療所の女医さん。
お世話になった方もいらっしゃるかもしれません。
もしものときに安心できる存在だったことは間違いありません。
悲しいニュースでした。
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- 2006/08/15(火) 19:00:19|
- 遭難カルテ
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【概要】9日正午ごろ、東京都内に住む男性(57)から「甲斐駒ケ岳に向かう途中ではぐれた友人の行方が分からなくなっている」と山梨県警南アルプス署に通報があった。行方不明となったのは、東京都練馬区の公務員の男性(59)で、下山予定の7日をすぎても帰宅していなかった。2人は5日に入山、6日朝にアサヨ峰を過ぎて甲斐駒ケ岳に向かう途中、公務員の男性が先を歩いて行き、そのまま行方が分からなくなった。男性は7日に帰宅したが、連絡が取れないという。県警は10日から連日、ヘリコプターなどで捜索。不明男性は道に迷って10日に下山、そのまま無断欠勤して山梨、長野県内を泊まり歩き、13日に帰宅したことが14日わかった。男性は山中ではぐれた友人に連絡して遭難騒ぎになっていることを知り、南アルプス署に届けたという。同署から厳重注意を受けた男性は「長野県に行ってみたかった。こんなに大ごとになるとは思わず、ご迷惑をおかけしました」と恐縮していたという。
(毎日新聞、共同通信などからデータ引用・抜粋。不明男性のみ実名)
【考察】
何と言っていいのやら…。
空いた口がふさがりません。
山に行く以前の「社会人の常識」レベルの話かと思います。
普通の会社ならクビになってもおかしくないケースでしょう。
脱線しましたが、山の話に戻します。
同行者がいたのであれば、道がアヤシイと思った時点で待つと言う選択肢があったと思います。
待つことで、はぐれることは防げたのではないでしょうか。
はぐれなければ、迷うという以外の展開があったと思われます。
また、下山した後に一報を入れておけば、ここまでの騒ぎにはなっていなかったでしょう。
無断欠勤うんぬんは、下山連絡で表に出ることはなかったと思いますが…。
はぐれないようにする、下山連絡をキチンと入れる。
そういうことではないでしょうか。
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- 2006/08/15(火) 18:54:20|
- 遭難カルテ
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お盆の渋滞、ピークのようです。
今年はのお盆は、山には行きません。
休みがないので・・・。
人気の山は混雑するんでしょうね。
静かなところに行っても、渋滞や満員電車…。
結局、人ごみにもまれるんでしょうね。
数年前のお盆のこと。
中ア南部の摺古木山から単独で縦走しました。
安平路や越百あたりまでは人が少なく、静かな山を楽しめました。
が、宝剣あたりからは、人だらけ。
下山するときのロープウェーは4時間近く待たされる有様でした。
ある意味、下山ルートを誤ったか。。。と思ったほどでした。
お盆の喧騒があけてから、のんびりと行くことにしましょうかね。
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- 2006/08/12(土) 16:02:28|
- 日々是好日
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実は、この間まで使っていたデジカメがつぶれてしまいました。
物理的にグシャッといってしまったわけではなく、写らなくなったのです。
と、いうわけで、新しいものを買ってしまいました。。。。
もちろん、選び方には独断と偏見も入っています。
山に行く人は、山岳写真を狙う人を除けば、コンパクトデジカメの人が多いと思います。
そして、デジカメ選びにもいろいろと考え方があろうかと思います。
共通するのは、小さい、軽い、安い…ってなところでしょうか。
結論から言えば、買ったのはペンタックスの
Optio-M10です。
「なんでそんなものを!」と突っ込みが入りそうですが。。。。
理由の第一は「単三電池使用可」だからです。
最初に使っていたデジカメはキャノンの
IXY DIGITAL30。
一眼レフがずっとキャノンだった関係で、なんとなく…でした。
デザインその他、結構気に入ってはいました。
が、一昨年2月の中アで……写らない……。
原因は低温によるバッテリーの電圧低下。
そして「充電式リチウムイオン電池って、実は冬山向けではない!」との結論に至ったのです。
となると、充電式ではなく、乾電池式を…となったわけです。
で、どうする? もう一台買うのか? 嫁さんはなんていうのか?
落ち着いた結論が中古なら!というものでした。
で、中古屋めぐりの末、ペンタックスの
Optio30になりました。
たしか5000円ぐらいだったと思います。
正直に言えば、単三電池式で小さいのと言えば、それしか見つけられなかっただけですが…。
で、昨年の冬以降、少々値は張るものの、リチウム単三を投入。
効果のほどは……期待通り!
同行者のデジカメ(充電式電源)が次々と死んでいく中、一人勝ち状態でした。
ですが、今回、めでたく?ご臨終。
今回は嫁さんを口説き落として、新品を手に入れました。
同じペンタックスなので、使い勝手は分かっていたのも理由のひとつです。
ただし、前回機種よりも一回り小さくなっていたのには驚きました。
とはいえ、不満がないわけではありません。
それは…防水性ゼロな点です。
沢を主戦場とする人や雨中での防水が気になる人なら、オリンパスのμシリーズや、ペンタックスのOptio-Wシリーズなどを選択することでしょう。
実際のところ、防水機種も欲しいところではありますが…経済的にもう一台はねぇ…。
単三電池使用可&防水機能というなら、リコーの
Caplio500Gやフジの
BIGJOBなんていう選択肢もあります。
が、でかいし、重いし、値段が高い…。
リチウム電池可&防水&小型軽量&安価…。
どっかのメーカーで作ってくれないかなぁ…。
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- 2006/08/11(金) 19:00:48|
- 道具を語る
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梅雨が明けたと思ったら、遭難の嵐。
しかも、もうすぐお盆休み…どうなるのか、不安でいっぱいです。
先週、長野は県知事選一色の報道。
そういうわけなのか、遭難報道は少なめでした。
一方、
長野県警山岳救助隊は…ひたすら救助活動だったようです。
山岳遭難週報によると、7月31日から8月6日までの1週間で17件発生。
こんなのも遭難か???みたいなものもありますが、更新されると消えてしまうので、書き留めておきます。
4日と5日に集中、しかも2件を除き遭難者は50台以上、60歳超が半分を上回る状態でした。
高齢者遭難の時代到来を象徴しているようで…。
7月31日 阿弥陀岳 54歳女性 転倒 重傷
2泊3日の予定で入山、御小屋尾根を下山中に縦走路で足を踏み外して転倒負傷。
7月31日 白馬乗鞍岳 64歳女性 道迷い 無事救出
白馬乗鞍岳に日帰りの予定で入山したが、天狗原付近で雪渓となったため引き返す途中で道に迷った。
⇒
遭難カルテ948月1日 涸沢 64歳女性 病気 無事救出
3泊4日の予定で入山、涸沢小屋で宿泊中に発熱し、診療所で診察を受けたが原因が判明せず、
熱が下がらないことから救助要請した。
8月2日 小蓮華山 65歳男性 転倒 軽傷
1泊2日の予定で入山、白馬山荘から白馬大池に向かっている途中、石につまづいて転倒負傷。
8月3日 木曽駒ヶ岳 64歳男性 転倒 軽傷
1泊2日の予定で入山、山頂小屋から千畳敷に下山する途中何らかの物につまづき転倒負傷。
8月3日 割谷山 58歳男性 55歳女性 道迷い 無事救出
日帰りの予定で焼岳に向ったが、登山口付近の沢筋で登山道を見失い、割谷山方向へ登り詰め行動不能。
8月4日 白馬鑓ヶ岳 66歳女性 落石 死亡
3泊4日の予定でツアー登山に参加し、4日目に鑓温泉から猿倉へ向けて下山中、2m大の落石がはじけ、
その破片を頭部に受け死亡。現場は雪渓のトラバース、約150m上部の崩壊斜面から落石発生。
⇒
遭難カルテ958月4日 白馬岳 62歳男性 転倒 軽傷
2泊3日の予定で入山、3日目に猿倉へ向けて下山中、小雪渓下部のガラ場で浮き石に乗り転倒、負傷。
8月4日 槍ヶ岳 20歳女性 転倒 軽傷
6泊7日の予定で入山、5日目に槍ケ岳から双六小屋へ向けて西鎌尾根を下山中、石車に乗って転倒、負傷。
8月4日 槍沢 56歳男性 病気 無事救出
2泊3日の予定で入山、初日に槍沢を登山中、息苦しくなり行動不能。
(夜行バス利用のため寝不足からの熱中症)
8月4日 白馬岳 71歳男性 疲労 無事救出
2泊3日の予定で入山、初日に大雪渓上部で疲労(貧血)して行動困難。
8月5日 千畳敷 58歳女性 落石 軽傷
日帰り予定で入山、オットセイ岩下部登山道脇で休憩中、30cm大の落石に気付き、
避けようとしたが避けきれず、太ももに当たり負傷。
8月5日 常念岳 54歳女性 転落 軽傷
2泊3日の予定で入山、3日目に一ノ沢へ向けて下山中、登山道脇の花を見ようとしてバランスを崩し約3m転落、
負傷。
8月5日 槍沢 59歳男性 疲労 無事救出
槍沢ロッヂ到着後、飲食の後に体調を崩し、行動困難から救助要請。
8月5日 五竜岳 64歳女性 その他 軽傷
山小屋へ到着後、2段ベッドのハシゴで転落し背部を傷め行動困難。
8月5日 苗場山 14歳女性 病気 無事救出
学校行事で登山し、頂上から下山中に頭痛、手足のしびれ等で歩行困難。
8月6日 針ノ木岳 63歳女性 転倒 軽傷
2泊3日の予定で入山、2日目に針ノ木岳から爺ヶ岳へ向けて縦走中、下り坂の砂利で足を滑らせ、
右膝をひねり、膝を負傷。
長野県警山岳救助隊の皆様、ご苦労様でした。
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- 2006/08/10(木) 19:35:03|
- 日々是好日
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【概要】
北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)に2日から一人で登り、行方不明になっていた埼玉県所沢市の無職男性(70)は、9日午後4時20分ごろ、新得町屈足のユウトムラウシ林道の登山口から約6キロの地点で、入山から7日ぶりに無事発見された。男性はすり傷はあるが、命に別条はない。発見された場所は、国民宿舎「東大雪荘」からパンケトムラウシ川の方向へ約12キロの地点。栃木県からきた釣り客(48)が、林道にうずくまっている男性を見つけた。男性は2日午後7時ごろ、山頂から0.5キロの南沼キャンプ場に到着。3日午前2時から登り、約2時間半後に山頂に着いた。同日中に下山予定だったが、途中で濃霧のため登山道から外れ、キャンプ場に戻れなくなった。迷い込んだパンケトムラウシ川を沢伝いに下流方向へ歩き、発見現場の林道へ出たという。持っていた食料は一握りの干しえびと固形のブドウ糖だけ。水はペットボトル一本しかなく、2~3日でなくなった後は沢水を飲んでしのぎ、夜は沢で野宿したという。5日午後、別の登山者がキャンプ地につぶれたテントを見つけ、道警に届け出て遭難が分かった。6日から延べ約180人態勢で捜索を続けていた。男性は登山歴10年。
(朝日新聞、毎日新聞、北海道新聞よりデータ引用・抜粋。遭難者実名報道)
【考察】
南沼からトムラウシ山頂、晴れていれば目の前に見えます。
方角さえ分かれば、テントに戻れそうに思いますが…。
通常なら30分もあれば届く距離です。
そこに2時間半もかかっているところから疑問が始まります。
まず、2日にキャンプ地に着いた時間が午後7時というのから考えます。
テントを設営し、夕食をとって就寝したのは午後8時半ごろと推定できます。
翌日午前2時出発なら、朝食の時間を考えて午前1時半ごろ起床でしょうか。
以上からすると、睡眠時間5時間ということになります。
キャンプ地着午後7時から、初日の行動予定時間を大幅にオーバーしたと思われます。
幕営時点で疲労もかなりのものだったと思われるので、睡眠時間はやや短すぎる気がします。
2日入山、3日下山の予定から考えてみます。
初日、入山に思った以上に時間がかかった
⇒2日目の下山も、予想以上に時間がかかると判断
⇒睡眠時間を削ってでも、行動開始を早める
⇒頂上までの所要時間も、予想を大幅に上回った
⇒霧で道に迷い、テントに戻れず、あらぬ方向へ…
以上のようなパターンが推測できます。
睡眠不足や焦りがあっただろうし、それが判断を狂わせ、道迷いに至ったのかもしれません。
結果論ではありますが、体力・体調にあった計画ではなかった、と言えそうです。
また、計画書提出か家族などに予定を伝えていれば「3日下山なのに連絡がない」と通報があり、4日からの捜索もありえました。
捜索の初動が2日早まると、別の展開があったと思われます。
還暦前後に山を始め、古希でのテント単独行には恐れ入るばかりです。
わずかな食糧だけで1週間、よくぞ耐え忍んだと言うべきでしょうか。
体力の温存を図ることと水の確保。
詳細は不明ですが、生還のポイントはここにあるかと思います。
好天が続いていたことも、よい方に作用したのでしょう。
なお、一部報道によるとご本人は「迷惑をかけて申し訳ない」とコメントしているとの事。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2006/08/10(木) 13:48:06|
- 遭難カルテ
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【概要】
6日午後1時半ごろ、神奈川県秦野市の丹沢山地の水無川上流の源次郎沢上流で、東京都世田谷区、会社員男性(56)が約15メートル滑落して意識不明となり、一緒に来ていた上司の男性(57or58)が携帯電話で110番した。男性は、2人で沢登りをしていたところ、約10メートル滑落したという。警察などが同日午後6時過ぎに救助したが、男性は既に死亡。2人は日帰りで下山する予定だったという。
(朝日新聞、毎日新聞よりデータ抜粋・引用。死亡の男性のみ実名報道)
【考察】
滑落現場の詳細が不明なので、なんとも言いにくいところです。
梅雨も明け沢のシーズン真っ盛りです。
沢に入る人は増えるのは間違いありません。
大雨の後に突っ込むようなものはともかく、転・滑落の事故は増えるはずです。
せめてザイルを出していたのかどうか、それぐらいの情報があればよかったのですが…。
しかし、沢筋でよく携帯電話が通じたものです。
尾根まで登って通報したのでしょうか。
発生から救助まで約4時間半。
やむを得ない所要時間ですが、救助には致命的かもしれません。
沢での転・滑落のリスクのひとつとして織り込んでおくべきでしょう。
些細なことですが、両社で上司の男性の年齢が食い違っていました。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2006/08/09(水) 18:40:35|
- 遭難カルテ
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【概要】
6日午前8時40分ごろ、山梨県南アルプス市芦安の北岳で「登山道で女性が転落して動けなくなった」と近くの山小屋から南アルプス署に通報があった。県警がヘリコプターで救助したが、女性は全身を強く打っており、搬送先の病院で死亡した。 女性は千葉県旭市の事務員(51)。5日から千葉県の友人3人と北岳に登り、6日午前7時半ごろ、下山途中に中腹の登山道(同約2200メートル)で、足を滑らせて約10メートル転落したという。(毎日新聞・共同通信からデータ引用・抜粋。死者のみ実名。共同配信の記事使用社は多数あり)
【考察】
広河原からの北岳ピストンの予定だったのでしょうか。
雪がなければなんでもないルートであります。
転倒・転落はなんでもないところで起きます。
登頂を終え、下山の途につき緊張感が緩んだのでしょうか。
全行程の4分の3を消化したあたりでの遭難事故が多いことは、各種統計でも出ています。
完全に下山するまで、緊張感を持続させることが重要です。
また、転倒は登りよりも下りで多く発生します。
登りでは体力を使い、下りでは筋力・バランスを問われます。
どちらかと言えば下りにこそ神経を使うものです。
基本的な話ですが、一歩間違えば死に至るケースもある、と認識しておくことにします。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2006/08/09(水) 16:52:37|
- 遭難カルテ
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7日、今度は北横岳へ。
毎度毎度のピラタスロープウェー。
坪庭から登山道へ。
暑くもなく寒くもなく。
登り始めて少ししたところから、次男は背負子の人。
担がれると、ニコニコのうえ、にぎやかしい。
長男は、絶好調。
小刻みに休憩を挟みながら、2時間弱で南峰へ。
北峰までの短い距離を次男も歩かせることに。
長男は走って行ってしまいました。
次男の方は、残り10メートルで爆発!
「おうち帰るぅ~」
泣き声が山々にこだましました。
頂上で休んでいるうちに、蓼科山の向こうで雷の音。
子供たちはずいぶん怖がっていました。
休憩もそこそこに下山へ。
北横岳ヒュッテまで戻ってお弁当。
行き合わせた人に温かいコーヒーをごちそうになりました。
段々、雲行きが怪しくなってきて、ぽつりぽつり。
カッパを着ての下山となりました。
長男のカッパは去年買った物で、初のカッパ行動になりました。
時折強い雨でしたが、長男はルンルン。
次男は…背負子で熟睡。
よくもまあ、こんな状況で眠れるもんだと感心しました。

坪庭に出ると、樹林がないため、雨の直撃。
長男は最後の木道で歌いながらスキップ!
次男は…寝たまんま。
無事ロープウェーで下山すると、雨は上がっていました。
長男の雨山デビュー、無事に済んでほっとしました。
次男はもうちょっと歩けるようにしないと…。
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- 2006/08/09(水) 15:34:52|
- 山日記
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【概要】
4日午前7時ごろ、北アルプス後立山連峰の白馬鑓温泉鑓沢付近で落石が起き、下山中だった神奈川県厚木市の女性(66)が頭に落石を受け、県警ヘリコプターで病院に収容されたが、2時間後に脳挫傷で死亡した。直径約2メートルの岩が、パーティー左側の雪渓上部約150メートルの高さから、途中で十数個に砕けながら落下。破片が雪渓横断中の奥村さんの頭に当たったという。パーティーはガイド、添乗員を含む計19人の登山ツアー。1日から3泊4日の予定で白馬鑓ケ岳などを登り、下山する途中だった。ヘルメットは着用していなかったという。
(朝日新聞、毎日新聞、時事通信、信濃毎日新聞、SBCよりデータ引用・抜粋。死者のみ実名。ツアー業者等は不明)
【考察】
「ツアー登山の高齢者、雪渓上の落石に当たり死亡」
こんな見出しがつきそうな事例です。
この見出し、
遭難カルテ92でもそのまま使えてしまいます。
19人と言う大所帯と聞いたとき、
「きっと中高年だろうなぁ」 「高齢者も多いんだろうなぁ」 「ひょっとしてツアーでは?」
真っ先にこの3つが浮かんできましたが、ほぼ的中しています。
信濃毎日だけがツアー登山と報じましたが、業者名は不明です。
毎度のことですが、責任の重さからして、業者名とガイド名は報道して欲しいものです。
事故後の対応などを知ることが、業者を選ぶひとつのものさしになるからです。
白馬鑓温泉小屋のHP内に
鑓沢の写真があります。
雪渓を横断するルートであることは、これを見れば一目瞭然。
「雪渓の時期は広く雪が残っています。長いトラバースになり、斜度が急なところもあります。落石にも注意が必要です」と、書かれています。
まさにそのとおりとしか言いようがない場所です。
まあ、ヘルメットが必要とまでは言いませんが…。
これだけの人数でありながら、1人を除き全員無事。
雪渓をわたるときに間隔をあけていたことは想像できます。
まあ、落石の心配があるときには基本ですが・・・。
何度か書いたこともありますが、ツアー企画業者とガイドの責任、ここがポイントになろうかと思います。
落石⇒不運⇒引率側責任なし…にはならないと思います。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2006/08/05(土) 15:14:40|
- 遭難カルテ
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各種統計で、遭難の大きな要因として、「道迷い」と「転倒系(転倒・転落・滑落)」が挙げられています。
この2つで全体の3分の2に達するとか。
当ブログの遭難カルテも項目が100に近づき、確かにこの2大要因の多さは実感しています。が、実はもうひとつ大きな要因が潜んでいるのではないか、ということに思いが至りました。
それは「はぐれる」ということです。
この「はぐれる」という原因・要素で分類した資料は、今のところ見たことがありません。
もちろん、このブログがすべての事例をカバーしているわけではないこと、そして、複合的に要因が絡み合うことは承知の上です。
ですが、「はぐれる」ケース、当ブログ内ですでに10件を上回っています。
遭難に至る、「第3の要因」と言っていいかと思います。
当ブログで扱ったのは12件。毎月発生しています。
●2月
遭難カルテ4 4人パーティー 大学OB♂自力下山⇒通報、3日後大学生♂3人救助(凍傷)
遭難カルテ10 2人パーティー 63♀自力下山、63♀死亡
遭難カルテ13 2人パーティー 44♂自力下山⇒通報、3日後37♂救助(無事)
●3月
遭難カルテ21 9人パーティー 62♀・54♀死亡、58♂・63♂・63♂・60♂・58♂・60♀・56♀は救助
遭難カルテ22 3人パーティー 翌日58♂救助(けが)
●4月
遭難カルテ34 2人パーティー 48♀自力下山⇒通報、59♂死亡
●5月
遭難カルテ60 人数不明 69♂無事救助
●6月
遭難カルテ63 2人パーティー 56♀自力下山⇒通報、2日後77♀無事救助
遭難カルテ68 中国人留学生10人パーティー 翌日中国人留学生2人無事救助
遭難カルテ70 学校登山 翌日11♂無事救助
●7月
遭難カルテ83 4人パーティー 自力下山は3人、2日後64♂重傷
●8月
遭難カルテ94 13人パーティー 12人は無事、翌日64♀無事救助
2人から10人を超す大パーティー、はては学校登山まで…。
積雪期には死者まで出ています。
発見までに数日を要したケースもあります。
分析については各項目で述べました。
共通しているのは、パーティー意識の希薄さ。
これにはリーダーの責任・資質も含まれます。
パーティーは運命共同体と言い換えても差し支えないものです。
リーダーの責任が最も重いのは論を待ちませんが、メンバー全員の連帯責任である部分も否定できません。
全員が無事下山する、メンバー全員の責任であり、その中でリーダーの責任が最も重い、ということです。
パーティーには行動中にはぐれる人が出ないよう、目を配る必要があります。
リーダー1人でカバーできない部分をメンバーが補う、ということになります。
気がついたら、●●さんがいなかった…となると、パーティーの人員把握が出来ていないことになります。
リーダー(もしくはサブリーダー)が最後尾につくのは、この人員把握をひとつの目的としています。
少なくとも、常に視界の中にいる、呼べば聞こえるところにいる。
当たり前のことだと思うのですが…。
「あとからゆっくり行くから、先に行っていて」
これを認めることが、はぐれ遭難のきっかけになるのです。
ペースの遅い人に合わせるというのは基本です。
経験の浅い人にでも、簡単に守れるセオリーだと考えます。
パーティー全員で一緒に行動する、というだけのことですから。
他人のペースに合わせるのがイヤダ!という人。
ペースの合う人か、合わせてくれる人とパーティーを組むことになります。
これなら、いきおい大人数のパーティーは組めないことになります。
そうでなければ単独行を選択するしかありません。
「パーティー行動の基本原則を忘れない」
はぐれ遭難の防止には、最も単純かつ効果的な方法だと思います。
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- 2006/08/04(金) 16:24:48|
- 危険回避の道
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【概要】
31日午後5時20分ごろ、愛知県豊川市、無職女性(64)が北アルプス白馬乗鞍岳下部の天狗原(2100メートル)付近で仲間とはぐれ行方が分からなくなったと、パトロール中の夏山常駐隊員が大町署に届けた。女性は同日、仲間13人と入山、グループの最後尾を歩いていた。午後1時ごろ、仲間が小沢さんがいないことに気づいたという。女性は1日午前9時ごろ、捜索中の県警山岳遭難救助隊員らにより天狗原付近で発見され、救助隊とともに自力下山した。けがはなく、「道に迷った」と話しているという。
(信濃毎日新聞よりデータ引用・抜粋。女性の実名報道)
【考察】
仲間からはぐれる⇒道迷い⇒遭難。
簡単に言うと以上のパターンです。
問題点は2つ。
まずは、はぐれたこと。
パーティーである以上、全員の位置把握は当然のこと。
なぜ1人だけはぐれたのか。
14人パーティーという人数の多さも原因の一端かと思います。
必ずしも人の目が多いほうがいいわけではありません。
また、最も気をつけなければならないリーダーを含め、全員がパーティーとして機能していなかったことが考えられます。
気づいたときには姿も見えず…というのでは、あんまりです。
13人もの人間がいて、いったい何をしていたのでしょう…。
次に、道迷い。
何年か前の夏の経験から、迷うようなところはなかったと記憶しています。
迷う至った状況が不明のため、なんともいいにくい部分はあります。
が、読図ができれば問題はなかったように思います。
この季節だったため、1日のビバークでも無事だったと思います。
無事下山してきたんだから、いいんだ。。。。なんてことにはなりません。
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- 2006/08/03(木) 17:36:40|
- 遭難カルテ
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【概要】
27日午後零時ごろ、北アルプス西遠見山(2268メートル)山頂から約500メートル過ぎた遠見尾根の稜線(りょうせん)で、愛知県安城市、会社員男性(61)がバランスを崩して転倒し、北側に約50メートル滑落、頭を強く打つなどして死亡した。男性は仲間9人と同日朝にロープウエーなどを乗り継いで入山、五竜岳に向けて登山中だった。4泊5日の予定で後立山連峰を縦走する予定だった。
(毎日新聞、信濃毎日新聞、SBCよりデータ引用・抜粋。男性は実名)
【考察】
西遠見山から白岳に至る稜線。
上部は冬季、ナイフリッジになる細い尾根です。
が、夏山シーズンに特に危険なところではないように思います。
転倒は誰しもやりかねないものですが、現場の地形からはちょっとイメージがわきません。
男性は
安城こもれび会のメンバーで、同会の夏山合宿中の事故だと思われます。
会の様子からすると中高年の会のようです。
愛知県山岳連盟所属ということは、れっきとした山岳会です。
ただこの会に、救助捜索や事故発生時のバックアップなど、危機管理体制があったかどうか不明です。
山岳会を選ぶ基準のひとつかとは思います。
しかし、10人とはパーティーの人数が多すぎる気がします。
せいぜい、4~5人あたりが限度かと思いますが…。
すでに限りなく団体に近い状態になっています。。。
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- 2006/08/02(水) 21:36:13|
- 遭難カルテ
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やっと梅雨明け、本格的な夏山シーズンです。
7月の最後は長野も好天でした。
7月最終週末の29日、各地で遭難が相次ぎました。
中国新聞ニュースに、まとめ記事が出ていました(リンク切れ注意)。
①北ア・針ノ木雪渓 落石 ♂71死亡、♂67重傷
②北ア・剣沢雪渓 転倒 ♀65重傷
③南ア・北岳登山道 滑落 ♂70重傷
④長野・苗場山 転倒 ♂62重傷
⑤白神山地・白神岳 道迷い ♂40代ら2人
「
中高年登山者の事故・遭難相次ぐ」というのが見出しでした。
山に行くのは中高年ばかりの昨今。
いまさら「中高年登山者の…」といわれてもなぁ…という気がしないでもありません。
ですが、1日に5件もあれば「相次ぐ」と言われても仕方のないことでしょう。
なかなかこんな日も珍しいのではないでしょうか。
①については
遭難カルテ92でふれました。
②~⑤はデータが少なかったため、とても分析できるような状態ではありませんでした。
表ざたになっていない遭難事例も多々あると思います。
実際、この5件以外にもあったかもしれません。
毎週のように起きる遭難。
なかなか打開策は見つからないようです。
ただ、死者・重傷者が62~71歳とは…。
「中高年」よりも「高年齢者」といったほうがよさそうです。
何年か後には「
高齢者の遭難相次ぐ」なんて見出しが躍りそうな気がしてなりません。
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- 2006/08/01(火) 19:21:33|
- 日々是好日
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久しぶりの山。
家族総出で北八ツ・縞枯山へ。
チビ2人がいるため、ピラタスのロープウェーで坪庭へ。
4歳の長男はさすがにずいぶんと歩けるようになり、坪庭一周はほぼ走っていました。

次男は…最後の方でべそをかきかき…。
それでもなんとか縞枯山荘まで完歩。
ワガママ2歳児にしてはまずまずか。。。
山荘から、次男は背負子に。
ご指名で嫁さんの背中に納まり、ニコニコ。
長男は…いきなり不機嫌モード突入。
それも、雨池峠までで、本格的登山道に入ると、猛然とスパート。
まさに全身を使ってよじ登る!
体が小さい分、段差も「壁」の状態。
結構なスピードで、一気に頂上まで登り詰めてしまいました。
恐るべし…。
頂上でお弁当を食べた後、シャボン玉で遊び、ゆるゆると下山。
長男は自力、次男は背負子。
来た道を戻るだけですが、普段の昼寝時間帯に入り、再び不機嫌モード。
まあ、それでもなんとか縞枯山荘へ。
雨池峠からは次男も自力歩行。
「高原ミルク」(1杯¥400)を飲み干すと、再びニコニコに。
あとは木道をたどり、ロープウェーへ。
毎度ながら、親の趣味に付き合わされる子供…。
その成長ぶりが、親にとっては楽しいのですが…。
「またお山登り行こうな」
「うん!」
よしよし。
次はどこへ行くかな?
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- 2006/08/01(火) 17:44:44|
- 山日記
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【概要】
29日午後零時半ごろ、北アルプス針ノ木岳(2820メートル)の針ノ木雪渓上部マヤクボ沢出合(2600メートル)付近の上側で落石が発生。大阪市の旅行会社が企画したツアー登山参加者の、兵庫県芦屋市の男性(71)が巻き込まれ頭や胸を骨折し死亡、同県明石市の男性(67)が頭の骨を折るなどの重傷。一行は関西方面を中心にそれぞれ申し込んだ50-70代の男女17人と添乗員、地元ガイドの計19人。アイゼンをはずすため、休憩で2人が座っていた直径3、4メートルの石に、自然発生したとみられる5、60センチの落石2個が当たり、弾みで2人は約5メートル滑落した。この日の現地の天候は曇り。一行は19日に入山し針ノ木小屋に宿泊予定。針ノ木岳、蓮華岳を縦走して31日に下山する予定だった。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、共同通信、時事通信、信濃毎日新聞、神戸新聞、SBCよりデータ引用・抜粋。各社とも遭難2名の実名報道。旅行会社名・ガイド名は表記なし)
【考察】
雨の後は地盤が緩み、落石が起きやすいものですが…。
旅行会社、ガイドとも、このあたりをどう考えていたのでしょうか。
また、休憩場所の選定もどうだったのかと思います。
ツアー登山の問題。
遭難カルテ74などで述べました。
今回は50~70代の19人。
まさに典型的な中高年団体です。
不幸にも死傷者が出てしまいましたが、旅行会社名とガイド名は報じられていません。
「安全」なり「安心」なりをうたわないツアー会社は皆無です。
少なくとも「危険」をうたったりはしていません。
今回の場合、どのように責任を取るつもりなのか、そこが重要なポイントだと思います。
また、客の生命を預かっている以上、旅行会社名やガイド名は報じられるべきだと考えます。
このへんは、マスコミ側のピントがずれていると言わざるを得ません。
実際には報じられたケースもあり、その軸足のブレが何と言っていいのやら…。
個人的には、見ず知らずの50~70代17人をガイド・添乗員各1で面倒が見られるとは、到底思えないのですが…。
「ツアーなら安全・安心」
どうも、これは根拠が限りなく薄い気がしてなりません。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2006/08/01(火) 16:06:26|
- 遭難カルテ
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