山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日121】 道具、売る側と買う側

とある山道具屋での話。

EPIの赤缶が、売り場にないのに気づきました。
なんでだろう?と思って、お店の人に尋ねました。

返ってきた答えをまとめると以下の通り。
何年か前、冬に赤缶を買ったという客から、山でコンロに着火しなかったとクレーム。
その後の対応が難航したため、その後は冬季には赤缶は店頭に陳列せず。
リクエストがあった場合にのみ、倉庫から出してきて販売する。。。

さて・・・・・・。
EPIのガス缶のHPより。
赤缶は「0℃以下では気化せず」と説明されています。
それを買っておいて「着火しない」というクレームって…。
また、「対応が面倒」と、店頭から撤去する店も店ですが、クレームを付けた人のことが理解できません。
道具にはそれぞれの意味があり、それを理解せずに使うと、トラブルが発生しても仕方ありません。
なのに、それを・・・と思ってもなぁ。

冬季用より赤缶は若干安いのですが、あえてケチったのでしょうか。
赤缶といえども、ちょっとした工夫で、氷点下でも使用できます。
何度か試したのですが、2月の2900メートル付近のテント内でも、十分使えました。
(ただ、「ウインタースペシャル」や「パワープラス」のほうが、工夫なしで火力も安定していました)
その工夫は、自分の努力と発想のもので、「0℃以下では気化せず」と説明されていることを知った上でのことです。
うまくいかない場合には、それこそ自業自得ですね。
ケチったとしたら、クレームはちょっとありえない。
金額的にも230グラム缶で100円も違わないんだから。。。

一方、「0℃以下では気化せず」を知らなかったとしたら。
店側の説明不足が考えられます。
HPでは「0℃以下では気化せず」の前に「オールシーズン」とも説明があります。
氷点下では…と確認していれば、クレームはこなかったでしょうに。
しかし、自分の使うものですから、まずはよく調べて買うべきでしょう。
それに、大体、赤缶の横あたりに「冬季/高所用」の黄缶や金缶も置いてあったはず。
たいして注意して見なくても、目に入ると思うのですが…。
それでもあえて赤缶を、となると…。

クレームに対して、一見、弱腰に見える店側の対応。
それ以上に、こんなことでクレームを付けるなんて。。。
些細なことですが、なんだかため息の出る話でした。。。
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  1. 2007/01/29(月) 16:43:08|
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【日々是好日120】 ツアー登山と裁判


以下、毎日新聞より引用。

長野県の雪渓にツアーで来ていた西東京市の女性(63)が昨年8月に落石の直撃を受けて即死したのは、主催者が事故を予見し回避する義務を怠ったためだとして、遺族が「財団法人西東京市文化・スポーツ振興財団」と現地ガイドらを相手取り、慰謝料など約7200万円の支払いを求めて提訴した。22日に地裁八王子支部(板垣千里裁判長)で開かれた第1回口頭弁論で、財団側は「事故は予見不可能だった」と反論する答弁書を提出。全面的に争う構えを見せた。同財団は西東京市の外郭団体。訴状によると、ツアーは1泊2日で「季節のハイキング(夏編)」と称した。2日目に長野県白馬村の白馬岳(標高2932メートル)の白馬大雪渓を歩き始めて15分後、ガイドが振り返って説明を始めたとき、落石が女性の頭を直撃した。遺族側は「白馬大雪渓における落石事故の危険性は多くの旅行ガイドから指摘されていた」として「事故は予見可能だった」と主張。さらに、▽財団が現地調査をしたのは募集開始後で、コース設定をガイドに丸投げした▽「ハイキング」と称し、軽い運動で危険性はないと誤解させた▽引率者はガイド1人だけだった――などと指摘している。

遭難カルテ109でふれた件、裁判になっていました。

白馬大雪渓での落石の危険、あちこちで以前から言われているように思います。
ということで「予見不可能」という主張は、ちょっと弱いかな。。。

有料ツアーの参加者が何のためにお金を払ったのか。
自分では行けないから、お金を払ってつれてってもらう。。。
そんな人が多いのではないでしょうか。
交通手段の利便だけでなく、技術や安全対策に対してもお金を払っている、という意識があるのでしょう。
となると、主催者の責任を問う声が出るのは、当然の流れだといえます。
ただ、主催した側やガイドにそこまでの意識があったかどうか。。。

「今回頂いた代金は交通費・宿泊費などの経費のみです。
 事故などのトラブルに関しては、すべて自己責任でご参加ください」
なんてやったら、参加者はくるんだろうか??
まあ、裁判にはなりにくいんでしょうが。。。。収益は。。。。

前項のコメント欄で、ツアー登山の自己矛盾についての話が出ました。
ツアー・ガイドなどの引率型登山の問題、なかなか根が深いものです。
裁判になった例では、ほとんど引率側が敗訴する結果になっています。
自己矛盾がすっきりするところまで行けば、ツアー自体もかなり淘汰されるように思います。
さて、今回は……裁判所の判断に注目したいところです。


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  1. 2007/01/23(火) 19:28:30|
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【日々是好日119】 遭難特集の感想

山と渓谷2月号、さきほど読み終えました。
読書感想文を…と思ったら、随分な長文になってしまいました。。。



特集「遭難する人しない人」。

ここのところの山と渓谷(以下、ヤマケイと略)にはない出来で、全般的にはまずまずだったと思います。
とはいえ、不満もないわけでは。。。



「2006大遭難年をふり返る」
昨年の遭難に関する総論です。
4月と10月の大量遭難などを挙げて、積雪期の登山者の悪天候への対応の鈍さを指摘しています。
まあ、それはそのとおりなんでしょう。
地域別に見たページでは、北アとそれ以外に分けたの主な遭難の一覧表があります。
山スキーや沢登りの遭難が多かったこと、無雪期に穂高や剣の稜線からの転滑落事故が多かったことなどを記しています。
ちょっと意地悪かもしれませんが、この一覧表に○月号のヤマケイで扱った山、というのをプロットしてみる、ぐらいの試みはあってもよかったかな、と。。。



「遭難事例に学ぶ・道迷い」
【事例1】は10月の丹沢・大山の件。
遭難カルテ121でも触れました。
【事例2】は9月の南ア・地蔵岳の件。
これについても遭難カルテ116で触れました。
いずれも生々しい様子が伺える記事です。
気になったのは「検証とその対策」の項です。
「状況把握や判断を狂わせる〝ベテラン〟登山者のプライドと面子」の見出しとそれに続く記事。
大山の件の祖父について書かれたものですが、
「直接話を聞いていないので推測するしかないのだが…」って…。
孫娘には取材しているようですが、最もカギを握っていたと思われる祖父に話を聞いていないとは…。
何らかの意図があったのか、取材拒否にあったのか、その辺の事情はよく分かりません。
ですが、そこに切り込んでいってほしかったなぁ…と、やや消化不良です。

続いて「転滑落」。
ダブルストックの功罪について、書かれています。
今や中高年必携みたいな感じですが、やっぱり危なっかしい場面には何度か遭遇したことがあります。
私自身は積雪期、しかもほぼラッセル時にしか使わないので何とも言えないところはあります。
ただ、今のところは、基本的にはなくても行けるけど、あったほうが便利(楽?)という装備です。
ストックが「欠かせぬ存在」となったあたりから、ヤバイのかなぁ…などと思ったりしました。
いずれにしても状況に応じて使い分けることが重要なんでしょうね。

続いては「気象」。
3月の谷川・仙ノ倉山で起きたみろく山の会の事故事例でした。
遭難カルテ21で触れた件です。
記事では同会から11月に刊行された「事故報告書」の内容にも触れつつ、事故時の状況が記されています。
驚いたのは、入山後に天気をチェックしていなかったこと。
入山日の新聞朝刊の天気図を確認した後、入山しその日は幕営し、翌日に事故発生。
この新聞の天気図は、入山前日夜のもので、最新のデータとは言いがたい。。。
加えて、ラジオを持っていたにもかかわらず、天気図どころか天気予報すらチェックしていなかったようです。
初日の幕営地に着いたのが午後3時ごろ、となると、4時からの気象通報がNHK第2で…。
天気図大好きな私からすれば、考えられない話ですが…。
そして、この項で最も消化不良な点。
「なぜはぐれたことに誰も気づかなかったのか」ということに、深く触れられていない点です。
はぐれた後の2人の行動には謎が残りますが、この点は生きて帰った7人にも考えることができるのではないかと思います。
私自身は、靴紐を結びなおすといった些細なトラブルであっても待つ、というふうに教わったのですが…。
それもリーダー1人の問題ではなく、全員がそうするべきで、常に自分の後の人を気にかけるべきかな、と思います。
リーダーがすべてできるわけではなく、メンバーがそれを支えるというのがパーティーだと思うのですが…。
なんだかヤマケイの記事は、リーダーの責任の重さばかりを注意喚起しているように読めました。
それと、「『先に行って』は禁物。」とありましたが、「『待って』と言えないパーティーは問題」のほうが、いいように思いました。

少し話はそれますが、みろく山の会のこと。
事故報告書、できていたんですね。
中間報告ではHPへの掲載に言及していました。
電子化などに手間取っているのかもしれませんが、いまのところHPには掲載されていません。



最後は「雪崩」。
2月の八ヶ岳のケースを扱っています。
遭難カルテ5で触れた件です。
まあ、これはこんなもんかなぁ。。。。と。



「いつか遭難する人」。
ガイド各氏が「遭難予備軍」と「遭難しないポイント」3つずつ。
リスクを考えない・分かっていない人がヤバイ、という点では同じように思いました。
が、「単独行は避ける」って人が1人だけ…。
ちょっとずれてる気もしますが…。



ここからしばらくは、特にありません。



次に「ツアー登山の問題点」。
ここにやっと踏み込んだか…というのが正直なところ。
一番の進歩(?)と言ったら、言いすぎでしょうか。。。
遭難カルテ74で触れた北海道・神威岳の件を詳報。
遭難カルテ95遭難カルテ109で触れた件は、さわりだけ。
気になったのは、最後の方の文章。
登山者への心構えを説く内容になっているのですが…。
問題は登山者よりもツアー主催者の方が責任が大きいにの、そこをスルーするところ。
参加者の側に自己責任の部分があることは否定しませんが、主催者側のほうがより(はるかに)大きな責任を負うはず。
極端な話ですが「参加の場合、お金はいただきますが、自己責任でお願いします」ってなことになると…さすがにコレはありえないか…。
いずれにしても、参加する側に「キチンと選ぼう」ではないと思うのです。
むしろ、「ツアー会社やガイドは、安全対策をもっときちんとすべき」となるべきだと思います。
まあ、そういう方向に進められないのがヤマケイらしいところなんでしょうかね。





さて、遭難特集から離れて2つほど。


スノーシューの記事。
冒頭の舞台はニセコで、ガイドツアー。
スノーシュー&ニセコ&ガイドツアーと言えば…死者が出たうえ、裁判にもなった1998年1月の「春の滝」雪崩遭難。
真っ先にコレをイメージしたのですが、その内容は…。
「楽しいぞう!」「面白いぞう!」といったもの。。。。。。。。
いやはや、呆れてしまいました。
遭難特集のほぼ直後のページだけに、軽さが際立って…。
スノーシューを記事で扱うこと自体は、いいと思います。
(私も関心がありますので…)
ただ、やはり、「春の滝」には触れて欲しかったなぁ…と。


真ん中の方の読者投稿写真のページに「日本百名山完登」の横断幕が2枚。
遭難特集でガイドの平田謙一氏が「コースの完登や『○○名山』などのコレクションにこだわりすぎて、『つっこみ』型になってしまうと実に危険。」と…。
写真の人が危険な「つっこみ」型かどうかはわかりませんが、同じ号に載っているとなると…。
無用の誤解を避けるために、今月号の掲載は見送った方がよかったかも…なんて考えてしまいました。




まとめ。
不満は多々あるけれども、遭難への注意喚起の意味では一定の成果(?)、というところでしょうか。
ポイントのずれ(すりかえ?)がいくつかある点は、ヤマケイらしいところではありますが・・・。




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  1. 2007/01/20(土) 19:58:05|
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【日々是好日118】 テレと雨

本日は急に「出社に及ばす」(クビ!ではない、と思う)となったもので、朝からスキーに。
毎度のびわ湖バレイで、テレマークでした。
家から約1時間ということなので、恵まれた環境といえないこともないのでしょう。

平日のびわ湖バレイ、テレの人は大体4~5人。
多いのか少ないのかはよく分かりませんが・・・。
毎シーズン、そこで顔を合わせる人たちともお会いできました。

テレの人、どちらかといえば年配の方が多いように思います。
平日のびわ湖バレイ、という条件付ではありますが・・・。
スキー愛好者も高年齢化? さらにテレは??
ということなんでしょうか。

滑りの方は相変わらずで、ここのところ上達していないような・・・。
そろそろ、きちんと学ぶ必要がありそうです。

さて、暖冬少雪の今年。
今日も暖かくて、ゲレンデの雪はグサグサで3月の雪のようでした。
ゲレンデもところどころ、茶色いところが…。
全面オープンまでまだ時間がかかりそうですが、さらに今日も溶けたのでは…。

夕方の帰り、161バイパスに出たところから、小雨。
気温からすると、山上でも雨のような…。
スキー場関係者からすると頭の痛いことでしょうね。

全国的に雪不足のようです。
次の寒波はいつになるやら・・・。

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  1. 2007/01/16(火) 18:32:29|
  2. 日々是好日
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【日々是好日117】 捜索し続ける人たち

以下は昨年の12月19日午後2時、時事通信から配信された記事の引用です。
(氏名はこちらで伏せました)

71歳男性下山せず、ヘリで捜索=静岡
静岡市葵区の二王山(標高1208メートル)に17日、日帰り予定で登山したとみられる埼玉県上尾市、無職の男性(71)が下山せず、静岡県警などは19日早朝からヘリを出動させ、50人態勢で捜索している。静岡中央署の調べによると、男性は17日早朝に自宅を出発したが、帰宅しなかった。18日昼前、携帯電話で妻に「二王山にいる。自力で下山する」と連絡。午後4時半ごろ、「道に迷った」と話したのを最後に、音信不通になったという。


高齢者の単独登山での事故でした。
情報自体は19日にキャッチしていたのですが、もう少し詳細が知りたい…と思い、遭難カルテへの掲載を見送りました。


今回書きたいのは、事故の内容ではなく、その捜索に関する話です。


当ブログにちょくちょくコメントを頂いている、安倍の山伏さまから、20日と25日にメールを頂きました。
安倍の山伏さまの地元の山ということで、事故の内容や捜索の状況などを教えてもらいました。
それによると、24日をもって警察・消防などの捜索は打ち切られたようです。
行方不明になった方のご家族から捜索継続の要望があり、地元の山岳会などで継続されています。
また、その詳細はご自分のブログにも記されていますので、下記を参照してください。

遭難事故(2006.12.21)
遭難 その後(2006.12.23)
遭難 その後Ⅱ(2006.12.25)
遭難 私は(2006.12.27)
遭難 その後Ⅲ(2006.12.28)
安倍奥も白く(2006.12.29)
再捜索(2006.12.30)
再捜索 そのⅡ(2006.12.31)
捜索(2007.01.03)
足跡(2007.01.04)
足跡は(2007.01.07)
捜索 その後(2007.01.11)

10本を越える記事が並びます。
そして、この先にも記されていくのだろうと思います。



以前、当ブログのコメント欄のやり取りの中で、
「遭難が迷惑なんて、プロのレスキューは言わない」
といったようなやりとりがありました。

そのいっぽうで、(遺体でもいいから)みつかるまで探して欲しいという家族の意向を受けて、見ず知らずの人を探し続ける人たちもいます。
当然、プロではない人たちです。
その人たちからすれば、すでに「迷惑」などという次元ではないのかもしれません。

ですが、もし自分や自分の家族が探される側だったら…。
「ご迷惑をおかけして…」と、言うほかはないように思います。

探し続ける人がいること、あらためて知らされる記事でした。
すべての遭難において、同様のことがあるわけではないかもしれません。
ですが、こんな人たちの存在、これからも忘れずに、意識のどこかにおいておきたいと思いました。



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  1. 2007/01/12(金) 17:20:55|
  2. 日々是好日
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【遭難カルテ127】 宝剣岳で男性下山せず

【概要】
8日午後4時35分ごろ、中央アルプス・宝剣岳(2931メートル)方面に単独で登山していた埼玉県川口市、会社員の男性(50)が下山予定時刻を過ぎても下りてこないと、家族から長野県警駒ヶ根署に通報があった。男性は写真撮影のため、1人で5日に入山。宝剣岳と木曽駒ヶ岳を縦走して8日午前に下山予定だった。下山予定の8日午前を過ぎても連絡がとれず、携帯電話は留守電になっているという。5日昼すぎ、宝剣岳直下のホテル千畳敷の従業員に、駒ケ岳ロープウェイから降りた男性と思われる人が「極楽平から宝剣岳を通り、駒ケ岳に向かう」と話したという。登山者カードの提出はなかった。男性は昨シーズンから冬山登山を始め、今回は4日分の食料とテントを持参しているという。一帯は6日から激しい吹雪で、三日間で積雪が一メートル増えている。しらび平-千畳敷を結ぶ駒ケ岳ロープウェイは、強風のため7日の運転を見合わせた。9日には風は強いものの、天候は回復。県警ヘリによる捜索で、男性のものとみられる青色のテントと寝袋を発見した。見つかったテントと寝袋は山頂直下の「三ノ沢岳分岐点」(約2900メートル)付近にあり、テントはつぶれたような状態だった。強風のため隊員が降下しての確認はできず、ヘリから声をかけたが応答はなかったという。10日の捜索でテント、寝袋などを回収したが、男性は発見できず、捜索は打ち切られた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、時事通信、中日新聞、信濃毎日新聞よりデータ引用・抜粋)


【考察】
遭難カルテ126で、天候のことに触れました。
5日は穏やかだったようですが、週末の荒天は、事前にキャッチできたはず。
普通に天気予報を見ていれば、詳しい知識がなくても分かったのではないかと思います。
10月の遭難時よりも、天気予報では「荒れる」とはっきり言い切っていたように思いました。
にもかかわらず…というのが、不可解な点です。
3泊4日の日程のうち、2日目にあたる6日からは、予報どおり荒天に見舞われました。
状況から推測するに、2日以降に事故が発生したと思われます。

入山時点で好天でも、いつまで持つのかの見極めができていなかったのかもしれません。
これは初歩的なミスといえるのではないでしょうか。


今回は冬山2シーズン目の50歳男性の事故でした。
「冬山初心者」といって差し支えないかと思います。
先シーズンにどれほどのことをしたのかはわかりませんが、いきなり2900メートルでの幕営&単独行というのには、無理があるように思います。

ロープウェーで2600メートルまで手軽に入山でき、稜線は目の前。
しかも入山日にお天気がいいとなれば、「行ける」と思ってしまったのかもしれません。
好天時であれば、稜線までなら(ある意味では)誰でも行けてしまう場所ではありますが…。

冬季の宝剣岳。
個人的経験からすると、雪のつき方次第ではザイルが欲しいルートでした。
切り立った岩稜なので、アイゼンワークに気を使うところです。
この男性の場合、アイゼン歩行の経験も不十分だったのではないかと思います。
ましてや、当初の予定ではテントを担いで、宝剣岳を越える…。
ちょっとありえない計画のような気がします。


千畳敷のロープウェーの駅には、登山者カード(計画書)を提出するポストがあり、私の記憶では遭対協の方が詰めておられたと思います。
当然、カードの提出を呼びかけていました。
このときはどうだったのでしょうか。

この男性はカードを提出していませんでした。
あえて悪いほうに推測すると、次のようになるかもしれません。
「ありえない計画」という意識は、心のどこかにある。。。
カードを提出すると、天候や経験、単独であることから、止められるかもしれない。。。
そう思って、提出せず…。
ホテル従業員に、ざっとしたルートだけは伝えて…。
もし、こうだったとすれば……考えるだけで悲しくなります。
そこで止められて、ホテルに泊まって(あるいは下山して)いれば…と思うからです。
(入山時の詳細な状況が分からないので、あくまで推測のひとつに過ぎません)

カードの提出は当然として。
そこに遭対協の人がいれば、そこからいろいろな情報が聞きだせるものです。
私もよくロープウェーを利用しますが、雪の状態やルート上の注意点、天候の件などを、いろいろと聞き出すようにしています。
入山直前に手に入る、地元の山ヤからの貴重な情報だと思います。
そこで止められれば、「せっかく来たけど、しゃあないなぁ…またにするか」でいいのではないでしょうか。



ロープウェーを降りると、目の前に稜線。
しかも絶好の天気。
つい、行けてしまう気になってしまうことは、理解できます。

ですが、その後も含めての気象判断、実力に見合った計画…。
今回足りなかったのは、その部分ではないでしょうか。

状況はかなり絶望的だといえるでしょう。
支払った代償は、とてつもなく大きかったといえるでしょう。

天候判断、情報収集、登山者カード、無理のない計画…。
自らに置き換えて学ぶべき点、多いかと思います。



==========追記(2007.01.31)==========

不明の男性、30日に遺体で収容されたようです。
30日午前6時ごろに、登山中の男性(51)が遺体を発見し、8時前に通報。
11時過ぎにヘリで収容され、死因は凍死。
場所は、テント発見場所近くの宝剣岳南側斜面(千畳敷カール内という報道も)でした。
想像していたとはいえ、残念な結果でした。
ご冥福をお祈りします。

なお、30日夜にとある方から、遺体発見の報をいただきました。
フォロー、感謝します。

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  1. 2007/01/11(木) 17:08:48|
  2. 遭難カルテ
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【遭難カルテ126】 山スキーの夫婦、無事下山

【概要】
7日午後1時半ごろ、北アルプス・白馬乗鞍岳(2469メートル)へ山スキーに出かけていた神戸市須磨区と会社員(35)と妻(37)から、悪天候で下山できなくなったと、携帯電話で長野県警に救助要請があった。2人は5日に入山し、日帰りで尾根伝いに白馬乗鞍スキー場へ下りる予定だったが、道に迷ったため標高1400メートル付近で雪洞を掘りビバーク。6、7日も天候悪化で下山できず、食料と燃料が乏しくなったため7日、110番したという。8日になってから連絡がつかなくなっていたが、午後2時20分ごろ栂池高原スキー場に自力で下山した。2人とも両手に軽い凍傷。周辺では6日から大雪などの注意報が出され、現場付近の積雪は2メートル近いという。天候が悪く、捜索は難航していた。
(毎日新聞、読売新聞、神戸新聞、信濃毎日新聞よりデータ引用・抜粋)


【考察】
金曜日の日帰り山スキーでの遭難です。

日帰り装備で3ビバーク、よく耐えられたと思います。

「週末にかけて大荒れ」の予報、週アタマから出ていました。
5日の天気図を見てみます。
東北にある高気圧に覆われて、穏やかな状態に見えます。
この夫婦、一部では「他グループのシュプールをたどっているうちに迷った」と報じられています。
おそらく、5日の時点ではそれほど天候がヤバイ感じはしなかったのでしょう。
そして迷い、ビバークするうちに天候が悪化し…というあたりが真相かもしれません。

となると、問われるのは天候判断よりも、現在位置を把握し続ける力、ということになります。
現地の5日当時の天候を把握できていないのでなんともいえませんが、視界が明瞭なら、迷わなかったのではないでしょうか。
(ちなみに「下界」は「晴れ」だったようです)
山中でガスが出るなどして、今ひとつの視界だったのかもしれません。
また、ルートを他人のシュプールに頼ったのが失敗の元だった可能性もあります。
(ま、吸い込まれるようについていってしまう気持ちはよく分かりますが…)

雪山でホワイトアウトしてしまうと、なかなか地図だけでは位置把握が難しくなります。
そんなときにこそGPSが効果を発揮するのでは…と思います。
通報では「どこにいるか分からない」といっていたとの事。
GPSは持っていなかったのでしょう。

携帯電話が8日には通じなくなっていた点。
原因がバッテリー切れの可能性があります。
携帯電話などの充電式・リチウムイオン電池は定温での劣化が激しいものです。
すぐにバッテリーが切れてしまいます。
コンビニなどで売っている充電器と予備の単三電池を持っていれば、かなり重宝します。
充電器とやや多めの予備電池携行、「連絡がつかなくなった」を防げる手段であろうと思います。


いずれにしても、生きて帰れたことは何よりでした。



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  1. 2007/01/10(水) 20:54:50|
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【日々是好日116】 年末年始、人気の八ヶ岳

長野県警の集計による年末年始の登山客数。
12月29日~1月3日の計6日間で、前年比1000人増の6500人だったとか。
前年比で2割近く増えているようです。
お天気が安定していたのはひとつの理由でしょうか。

山域別では
八ヶ岳:3900人(500人増)
北 ア:1300人(200人増)
南 ア: 600人(100人増)
中 ア: 300人(100人増)
その他: 400人(100人増)

注目したいのは3つ。

①入山者の6割が八ヶ岳に
 毎年人気の八ヶ岳。
 アプローチがラクで、稜線まで比較的近い、という手軽さがその理由 のひとつでしょう。
 また、この季節の営業小屋の多さも一因でしょう。
 当分この傾向は続きそうです。


②増加分の半分が八ヶ岳に
 八ヶ岳だけがなぜモテる?
 これがよく分からないのです…。
 考えられることが、ひとつありました。
 ヤマケイJOY2006冬号
 特集は「雪の八ヶ岳へいらっしゃ~い」。。。
 ひとつの理由は、コレかぁ。。。。。。。。。多分。。。。


③中アが1.5倍に
 コレが一番分からない。。。。。。。。
 ロープウェーという強力なアプローチの武器があることは、例年通り。
 いったい何が…。。。。
 些細な数字なのですが、我が愛しの中央アルプスに人が増えつつあるようです。
 良いか悪いかは別ですが…。



さて、世間は今日から3連休。
荒れるお天気は、昨日から予報が出ていたので、織り込み済みだとは思います。
事故のない連休でありますように。
私は家事の人として過ごします(泣)。


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  1. 2007/01/06(土) 19:07:15|
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【遭難カルテ125】 「私の捜索願が出ていませんか」2日ぶり下山

【概要】
5日午前11時45分ごろ、神戸市中央区諏訪山町の生田署諏訪山交番に、再度山(470メートル)を下山した東大阪市の無職の女性(56)が「私の捜索願が出ていませんか」と尋ねてきた。調べでは、女性は3日、大阪府内の登山仲間約50人と再度山へ登った後、一人で下山中、道に迷って滑落。けがはなかったため、弁当の残りを口にするなどして、2日ぶりに自力下山した。捜索願は出ていなかったという。女性は5日午前10時ごろ、山の見回りをしていた男性2人に発見され、その後、女性を引き継いだ登山者と一緒に近くの茶屋で食事をして、一人で下山した。発見時、落ち葉にくるまっていた女性は「滑り落ちて登れなかった。おなかがすいてその場で助けを呼んでいた。なかなか気付いてもらえなかった」と話したという。(毎日新聞より引用)


【考察】
まずは地図を。
頂上直下を取り巻くように車道の通っているこの山を「山」といっていいのかどうか。
議論はあろうかと思います。
ですが、遭難には違いない、ということで、あえて記事を書くことにしました。
こんな「山」でも遭難するケースはある、ということで。


発見された場所がどこかなのか、詳細は分かりませんが、あまり道に迷うようなところとは思えません。
迷ったとしても、いったん道まで戻ってしまえば、問題なく交通手段のあるところに出られそうです。
ただ、「滑り落ちて登れなかった」とはご本人の弁。

今回は里山といってもいいような山だったことが発見された要因のひとつだと思います。
山の見回りにきた人に見つけられたのは、そういう山だからこそ、ではないでしょうか。


約50人という大所帯から1人だけ下山せず。
これをどう考えたらいいのでしょう?

1人だけいなくなっていることに、誰も気づかなかったのでしょうか。
結果論から言えば、全員の下山を確認しないような「登山仲間」だったようです。
そういう仲間なら「捜索願」がでないのも、分かる気がしますが…。

この「登山仲間」というのが、どういう形態なのかはっきりしません。
ただ、何度か指摘した「はぐれ遭難」のケースのように思います。
50人の団体から1人はぐれるのは、よっぽど難しいんじゃなかろうか、とも思えます。



一緒に山に入ったのなら、互いに無事下山を確認するまで、というのが常識だと思っていたのですが・・・。
パーティー(団体?)で山に行っても、行動は別、というのが今の流れなのでしょうか。



不可解なことが多い事案でした。


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  1. 2007/01/06(土) 17:50:40|
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【遭難カルテ124】 元旦の富士山で3人滑落、1人死亡


【概要】
1日午前、山梨県側の富士山7~8合目付近で滑落事故が3件相次ぎ、1人が死亡、2人がけがをした。いずれも初日の出を見るため単独で登山中だったとみられる。午前6時55分ごろ、「8合目付近で男性が滑落した」と近くにいた登山者から110番があった。救助に向かう途中の山梨県警ヘリコプターが午前9時半ごろ、8合目付近で、通報とは別の男性が滑落するのを目撃。男性は4合目付近まで1000メートル以上滑落、収容され病院に運ばれたが、脳挫傷で死亡した。男性の身元は、4日に東京都港区の飲食店従業員(34)と判明した。この男性は初日の出を見るため12月31日夕に5合目から友人3人と登り始め、1日午前7時に8合目で友人と分かれた。登頂後に1人で下山中、バランスを崩したらしい。通報があった男性は横浜市金沢区の会社員(33)で、単独で山頂を目指していた9合目付近でアイゼンを誤ってズボンに引っかけ約200メートル滑落。ヘリでつり上げようと試みたが、強風のため同日は断念。2日朝、再び救助に向かったが、悪天候のため午後には打ち切られた。男性とは同日午前9時ごろまで、携帯電話で連絡が取れていた。3日午前7時40分ごろ、県警ヘリコプターに救助され、病院に運ばれた。男性は腰の骨を折るなどの重傷を負ったほか、両手足が凍傷になっているという。救助を待つ間、雪洞穴の中で通り掛かった登山者らが体に巻いてくれた寝袋にくるまっていた。けがなどで体の自由がきかなかったため、ザック内の食料や水は口に入れられず、服のポケットにあった非常食を食べ、顔の回りの雪で水分を補ったという。また、1日午前10時半ごろには東京都練馬区の会社員男性(37)が倒れているのを、通り掛かった登山者が発見した。男性は右足の骨を折る重傷で、県警ヘリで病院へ搬送された。「7合目から150メートルほど滑落した」と話している。甲府地方気象台によると、1日午前の富士山頂は快晴。事故当時、現場付近は積雪が固まるアイスバーン状態で、強い風が吹いていた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、時事通信からデータ引用・抜粋)


【考察】
山梨側の7~9合目付近という、比較的近い場所で、午前7時ごろからの約3時間半に、立て続けに起きた事故でした。
初日の出は富士山頂で。。。いたって日本人的な発想。
そう思って山に入った人が、かなりいたことの裏返しでもあります。

富士山のような独立峰は風当たりが強く、標高も高いことから斜面が凍結しやすいことは周知の事実でしょう。
まさか、アイゼン・ピッケルなし、なんてことはないと思いますが。。。



装備を持っていても、転落・滑落は防ぎきれるものではありません。
特に風が強いときの耐風姿勢や、滑落時の停止動作、ある程度の訓練が必要です。
さらに、絶対確実に止まるものでもありません。
訓練のあるなしで、停止の可能性が変化する、と言ったほうがいいかもしれません。
また、滑落し始めると、早い段階で停止できなければ、どんどん加速することも多いのです。
亡くなった男性、恐らく停止動作が間に合わなかったのではないでしょうか。
1000メートル以上の滑落、ということでしたが、一部報道では1300メートルともありました。



今回の事故要因と直接の関連はなさそうなのですが、「はぐれ」。。。
亡くなった男性は事故の2時間半前から3人の同行者と別行動をとっています。
ここに、なぜ?が付きまとうのです。

ヘリコプターに目撃されていたのは、随分まれなケースで、そうそうあることではありません。
自分の経験から言えば、突風で体制を崩したときに、同行者がザックをつかんでくれたおかげで難を逃れたことがあります。
すべてのケースに当てはまるわけではないですが、同行者がストッパーになることもありうると思います。

パーティーを組んでも、行動は別。
そんなのが最近の流れなのでしょうか。



つづいて2日ぶりに救助された男性の件。

アイゼンをズボンに引っ掛ける。
これは私もときにやります。
おかげで古いオーバーズボンは裾がボロボロになります。
慣れるにしたがって回数はかなり減りますが、ゼロにはなかなか。。。
ただ、転倒するに至ったことはないのが救いでしょうか。
ピッケルもアイゼンも「転ばぬ先の…」といった面がありますが、そのアイゼンが原因の滑落と言えるかもしれません。



そして、最も気になった点。

雪洞を掘ったのは通りがかった登山者や、警察官といった報道もありました。
報道された情報が断片的なので、推測を交えざるを得ませんが、以下はそのつもりでお読みください。

男性のけがの程度から推測すると、とても自力での雪洞は考えにくいところです。
そして、通りがかりの人がシュラフを体に巻きつけてくれたとのこと。
ポケットの行動食と顔の周りの雪で水分を補ったとか。
これがもし本当ならば、雪洞を掘ってくれた人はいたけれど、周りに誰もいないままのビバークということになります。
誰かそばについているだけで、消耗はかなり防げたと思います。
少なくとも「ザック内の食料や水は口に入れられず」、なんてことにはならなかったのではないかと思われるのです。
通りがかったのであれば、せめて付き添ってやれば、本人の不安も少しは減じられたかもしれません。
さらに途中でバッテリーが切れたと思われる携帯電話も、数台あれば連絡が途絶えることもなかったかもしれません。

二次遭難の危険など、状況が許さなかったことも考えられます。
また、報じられていないだけで、実際に誰かが付き添っていたのかもしれません。
この部分は、本人の口から状況が語られるまで、詳細は不明です。

六甲の事故で「焼肉のたれ」騒動もありましたので、報道内容がひっくり返ることもありえます。
ご本人の回復後、詳細が語られれば、もう少し状況が分かるのでしょうね。



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  1. 2007/01/05(金) 20:26:32|
  2. 遭難カルテ
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【日々是好日115】 正月明け

あけましておめでとうございます。

正月休みは、すっかり「下界の人」として過ごしました。
まあ、それにしても怒涛のイベント続きで、山に行く以上に疲れました。。。
年末は北八ツのふもとで過ごしたのですが、若干雪は少なめでしょうか。
集まるのはいつもの山の仲間(&その家族)。。。なのに、やるのはスキー(笑)。
仕事や家族があると、なかなかホイホイ山に行けるわけもありません。
年に一度顔を合わせるメンバーもいて、それはそれとして楽しいひと時でした。
冬の、そして春の山の計画に話が飛んだのは、毎年の通りでした。

正月登山、まずは浅間山の事故をアップしました。
年頭のしょっぱなから、遭難の記事というのもなんですが。。。
まあ、多くの人が山に入る期間なので、事故もそれなりにあるのでしょう。
富士山でも死者が出ていますが、その件は明日にでも。
(クリップはしたものの、とても今日まとめる元気がない…)

ともかく、本日から開店。
駄文が続くことになろうかと思いますが、よろしくお願いします。


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  1. 2007/01/04(木) 20:25:41|
  2. 日々是好日
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【遭難カルテ123】 浅間山で77歳男性死亡


【概要】
1日午前11時50分ごろ、群馬・長野県境の浅間山(2568メートル)で、前橋市の無職男性(77)が下山中に行方不明になったと、同行していた友人男性が110番した。軽井沢署や県警山岳救助隊、地元遭対協などが捜索、2日午前11時5分ごろ、県境の稜線から100-150メートル下の雪の斜面上で男性の遺体を発見、収容した。発見されたのは、標高2000メートル付近の「蟹の横這い」と呼ばれる狭い登山道の下、約150メートルの場所で、滑落したと見られる。死因は凍死とみられる。男性は1日午前2時40分ごろ、友人男性と北佐久郡軽井沢町峰の茶屋から入山、約5時間半後に登頂。初日の出を見た後、午前8時45分ごろ下山を始めた。約1キロ下山した中腹鎖につかまって下りる場所で、9時25分ごろ友人とはぐれた。友人が峰の茶屋まで下りたところ、先に下山したはずの須田さんが見当たらず通報した。男性は防寒着を着ていたが、日帰りの予定で軽装備。登山道は積もった雪が凍り、滑りやすくなっていたが、天気は良かったという。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、信濃毎日新聞、日刊スポーツより、データ引用・抜粋)


【考察】
初日の出の御来光登山での事故のようです。

以前にも書いたことがある「はぐれ」のケースです。
確定していませんが、死因は凍死のようです。
2人が一緒に行動していれば、滑落の場所の特定や、もう少し早い段階での通報の可能性もありました。
となると、(即死ではない)凍死の場合、別の展開があったのではないかと思われます。

転落・滑落は、単独でもパーティーを組んでいても起こりうることです。
単独の場合には、目撃者がいない限り、通報や事故現場の特定が遅れます。
パーティーの場合には(ともに行動していれば)、通報・現場特定が早くなります。
今回のケースで言えば、別行動をとらなかった場合、1人の滑落直後に、もう1人が携帯電話や無線機などで通報、ということも考えることができます。
当然、電波状況などの問題はありますが、遅れたほうが下山しきるよりは早いのではないか…と、考えられます。
下山直後の通報いうことで、単独よりは通報が早かったとは思いますが…。

なぜ2人は別行動をとったのか。
それが明暗を分ける、ひとつの遠因になったのかもしれません。



テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/01/04(木) 20:15:16|
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