25日から2泊3日で、麦草岳へ。
八ヶ岳の麦草峠は有名ですが、中アの麦草岳といえば、かなりマイナーではないでしょうか。
2月の麦草岳、4年連続となります。
1年目は木曽駒から木曽前岳に至ったものの、悪天候でエスケープルートへ転進。
昨年、一昨年は友人と2人で麦草岳までの縦走。
今年は日程が合わず単独のため、縦走はあきらめ、頂上への往復だけとしました。
さて、今回は目的というか課題のようなものが3つ。
結果的に1日ひとつずつのような感じでした。
以前、別の記事にも書いたのですが、入山は木曽駒高原スキー場。
中央自動車道・中津川インターから、約1時間半。
大阪を出たのが結構遅かったので、明け方の到着に。
暖冬のせいか、やはり雪は少なめ。
夏タイヤでも問題ないような感じ。
車中で仮眠少々ののち、出発。
本日の目的地は7合目避難小屋。
また、3つの目的のうちのひとつは
道具を語る10でふれた、新しい靴の履きならし。
昨年までトレースをみたことがないので、当然、ラッセルを覚悟。
また、小屋までたどり着けず、途中でくじけてもいいようにテント持参。
ピッケル・アイゼン…なんだかだで、ほぼフル装備。
で、靴慣れのためには…ということで、もう少し重量増。
内容は快適装備ばかり。。。。。。
まあ、訓練みたいなものだから…と思うと、増えてばかり。
明らかに過重装備ではありますが、靴慣れにはいいかと。。。
スキー場を横切り、林道へ。
なんと、比較的新しいトレースが続いている!
これは…ラッセルなしか…。
1時間ほど林道を進み、幸ノ川を渡渉。
ここの渡渉は楽々なので、苦にならない。
4合目目指し、斜面に取り付く。
きつめの傾斜だが、トレースはしっかりと続いている。
お天気も上々なので、自然と休憩ものんびりと・・・。
寒くないので、いつまでも休んでしまいそうになるが、最大15分と決めて歩く。
このトレース、昨日のだろうか、今日のだろうか?
そんなことを考えつつ進むと、5合目にテントがあった。
中に人はいないようで、昨日入山してピストンに出かけたようだった。
6合目付近で休んでいると、後から単独の男性。
日帰りでいけるところまで、とのこと。
軽く小さなザックでどんどん進んで行ってしまった。
6合目を出て少しいくと、テントの人達が降りてくるのに遭遇。
4人のパーティーでした。
ラッセルのお礼を言って、すれ違う。
少し進むと、単独の人が降りてくる。
小屋まで行ってきたそうだ。
中をのぞいて、そのままUターンだとか。
小春日和の中、小屋に着く。
単独の人が中をのぞいたのか、少しだけ戸が開くものの、とても入れるほどは開かない。
暖冬少雪とはいえ、しっかり戸は埋まっていた。

スノスコを持って来てはいたが、小屋のシャベルを使い、入り口を掘り出す。
鉄シャベルは強力だ。
今回はここの小屋に泊まりに来たといっても過言ではない。
小さくてこぎれいで気持ちのいい小屋なのだ。
さて、靴の方。
サイズ等は問題なし。
最初、履いただけで前の靴と違う軽さが分かる。
ただ、ガツンと蹴っても大丈夫か?という、ぼんやりとした不安は残ったが、特に問題はないようだった。
荷物が重かったせいか、肩の筋肉が落ちていることがよく分かった。
まじめにトレーニングしないとなぁ…。
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- 2007/02/28(水) 19:01:12|
- 山日記
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物欲に負けてしまいそうです。
というのは、スノーシューのこと。
買うか買わないか、数年迷った挙句・・・なのです。
ヤマケイ2月号の特集で、スノーシューが取り上げられていました。
内容はご覧になった方も多いかと思いますが、
「いいぞう! 楽しいぞう! 山でも使えるぞう!」
といったものばかり。
まあ、当然、いい面はあろうかと思いますが、逆もあるのでは…と、思ったのが迷いの始まりかもしれません。
知人やショップの人など、いろいろ聞いて回りました。
いろんな話が出てきて面白かったのですが、迷いは深まるばかり。
と、いうことで、買ってしまう(かもしれない)前に、整理してみました。
ありきたりではありますが、「山で使う」ので、ワカンとの比較になります。
①値段
どちらを買うかとなれば、価格差の話でしょうが、すでにワカンは持っています。
となると、スノーシューの値段がそのまま…ということになります。
数万円の出費は、やはり、かなり・・・痛い。
その値段分使うのか?という疑問に対しては、今に至ってもはっきりと した返事ができません。
(ワカンなら買い換えても1万円しないのに…)
②重量
はるかにワカンのほうが軽い。
数倍の差があるわけで、担いだ状態になると、荷重の差は1キロ近くになります。
重量に限って言えば、軽いに越したことはありません。
この点はワカンのほうが大きなアドバンテージがあるようです。
③サイズ
見たとおり、スノーシューの方がでかい。
装備はコンパクトなほうが良いので、ここもワカンか。。。
ザックに付けるときのことを考えてみました。
ワカンなら、横付け、後付け、上付け、雨ブタではさむ…応用がききます。
スノーシューは横付けしか選択肢がなさそうです。。。
(場合によっては後付けもアリかもしれませんが)
④浮力
誰に聞いても、これはスノーシューのほうがいいとのことでした。
サイズが大きいことや構造上の差でしょうね。
⑤取り回し
気を使う、あまり変わらない。
サイズに関連する部分ですが、これは意見が分かれました。
構造が異なるせいもあるでしょうし、個人的な感想でもあると思います。
⑥抜き足
踏み足は浮力と同じと考えてください。
抜き足はワカンの方がよい、という声がありました。
ワカンは輪郭のパイプだけですから、そうなのかもしれません。
また、スノーシュー自体が重量があることもその一因でしょうか。
ただ、違和感がなかったという人もいました。
⑦急斜面
急な登り斜面は、ワカンの方が良いようです。
これは浮力が足りない点がいいほうに作用しているのでしょうか。
⑧固い雪
装着したままキックステップをするならワカン。
スノーシューは、キックステップにはやや不向きだとか。
ただし、スノーシューのギザギザも結構効くようです。
⑨凍結斜面
スノーシューのギザギザもそれなりに効くようです。
ですが、アイゼンレベルの凍結であれば、効かないとか。
どのみちアイゼンは持って行かなくてはなりません。
ワカンにはワッパアイゼンという必殺技(?)があります。
これなら履き替えの手間がない、とも言えそうです。
履き替えるときに、スノーシューを流してしまった…とぼやいた人もいました。
⑩装着
スノーシューは早く装着できて確実にフィットする、と聞きました。
確かに一本締めのワカンですので、面倒ですし、緩みもあります。
これが改善されれば、とは思うのですが、ワカンには難しいかもしれません。
前提として話を聞いた相手全員が、ワカンを使ってきた人です。
そのせいか、「ワカン万能論」というか「ワカンへの愛着」のようなものが根底にあるように思いました。
それは「基本的にワカンでもOK」というようなものでした。
総じて言えば
「行くルートなどに応じてワカンとスノーシューを使い分ける」
「ワカンで十分」
この2つになりました。
「スノーシュー不要」という声がいくつかあっても「ワカン不要」という声は、結局ありませんでした。
聞いた範囲が限られているせいもあるのでしょうね。。。。
以下は会社に両方持っている人(垂直系山ヤ)がいたので、聞いたときの話です。
「スノーシューってどうですか?」
「おう、持ってるけど1回しか使ったことがないぞ」
「で、どうでした?」
「あれなあ…いらんいらん!」(「いらん」の講釈が20分ぐらい続く…)
「そうですか・・・ワカンでいいですか・・・」
「だから、ずっと押入れで眠ってるよ。以後、ワカンばっかりだな」
「なるほどねぇ」
「何?買うつもりなの?」
「迷ってるんですよ…」
「悪いことは言わんから、やめとけば」
「はぁ、もう少し考えます。。。。」
「あれなぁ、オレの持ってる山道具の中で“役立たずベスト5”に入るぞ!」
「え?そこまで……じゃあ、家までとりに行きますから、それ、下さい!」
「…………ワハハハ。自分で買いなさい!」
「いらん」と言っておきながら、くれるわけではないあたり、何かあるんだろうか?
それとも、おちょくられただけでしょうか。。。。
ナゾは深まるばかりでした。。。。
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- 2007/02/22(木) 20:04:38|
- 日々是好日
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【概要】
6日午後3時15分ごろ、八ケ岳連峰・赤岳(2899メートル)の西壁の岩稜で、登山中の4人が標高約2300メートルの岩場から落下したと、家族から長野県警に通報があった。4人はヘリで救助されたが、宮城県山元町、山岳ガイド、志小田清光さん(51)が足や右手首を骨折する重傷。東京都板橋区の公務員女性(58)が肝臓破裂、新潟市の無職女性(60)が両ひじ関節脱臼などでいずれも重傷。岡山市の無職女性(65)は軽傷。4人が赤岳西壁の主稜を登はん中、1人が落下。ザイルでつながっていた3人が引きずられて落ちたという。女性3人は登山ツアーに参加した仲間とみられ、男性が提出していた登山計画書によると、4人は6日に茅野駅で合流し、赤岳鉱泉に泊まって、8日に同駅で解散する予定だったという。
(毎日新聞・信濃毎日新聞よりデータ引用・抜粋)
【考察】
情報自体は入手していたのですが、忙しさにかまけて放置していました。
少し古い話で申し訳ないのですが、続報も出てこないので…。
言い訳はこれぐらいにして。
今回のルート、初級(?)のバリエーションで、いわゆる有名どころのひとつです。
今月、友人からお誘いのあったルートですが、仕事の都合がつかず、断念しました。。。
(言い訳の次は愚痴…すみません。。。)
志小田氏は
日本山岳ガイド協会の会員です。
同協会の
会員名簿(平成18年5月16日現在)に、彼の名前がありました。
今回考えたいのは、冬季バリエーションルートにおけるガイドレシオの点。
最初に落ちた人は特定されていませんが、恐らく客のうちの1人でしょう。
(もしガイドだったら…は、やめときます)
では、1人のガイドで落ちていく3人を止められるのか?というところです。
私自身が、時折すれ違ったことのあるガイドツアーも、だいたい似たような人数構成でした。
今回は3人が引きずられたと報じられていることから、1本のザイルに4人がつながっていたとみられます。
結果として、3人を止めることができませんでした。
私自身は新人を連れて行ったとき、ビレイはマンツーマンでやっていました。
状況によっては2人で1人の新人をビレイ、なんてこともありました。
それは、雪訓などで「止められるのはせいぜい1人、2人は自信ないなぁ…」と感じたからです。
ですので、1人で3人というのは、なかなかムリがあるのでは…と、思います。
今回、どのような方式でビレイをしていたのかは不明です。
ただ、よく見るパターンだと、1本のザイルに一定間隔でメンバーをつなぎ、トップかラストにガイドがいる、というのが多かったです。
この姿を「鵜飼いみたい」という知人もいますが…。
その状態なら、状況次第では、止めるのは難しいように思います。
確実に止められる、ということを前提において考えれば、1:3は厳しかったことが今回の結果ではないでしょうか。
些細な点かもしれませんが、もう一点。
今回のツアー参加者は、58~65歳の女性。
ガイド山行には多い層ではないかと思います。
居住地が東京、岡山、新潟。。。ガイドは宮城。
地域的な関連が全くありません。
そして茅野駅合流・解散であること。
以下は推測になりますが、初顔合わせのメンバーもいたのではないかということです。
また、ガイドに対するリピーターというのも考えにくい点です。
初対面同士であれば、メンバーの間の意思疎通がスムーズだったかどうか。
そして、ガイドが参加者の力量をどの程度把握していたか。
4人の関係の濃淡に、なにやら不安が残ります。
それぞれが互いに旧知の仲であり、ガイドがそれぞれの力量を把握していたのであれば問題はありません。
果たして今回は……と考えると、疑問が残るのです。。。
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- 2007/02/21(水) 15:48:11|
- 遭難カルテ
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【概要】
14日午前11時ごろ、青森市郊外の八甲田山系にある前嶽(1252メートル)の標高900メートル付近の北側斜面で、幅25メートル、全長200~300メートルの規模で雪崩が発生、スキー客らが巻き込まれた。雪崩に巻き込まれたのは「酸ケ湯温泉」八甲田山アウトフィールドスクールが引率する山スキーツアーの24人(うちガイド5人)。一行は、午前9時ごろに、八甲田ロープウェーで山頂に上がり、半日かけて北に下りる「銅像ルート」と呼ばれる約2キロの中級者用のコースを滑っていた。事故当時は、中上級者向けスキーの「本隊」16人(うちガイド2人)と、初級者向けスキーの5人(うちガイド2人)、スノーボードの3人(うちガイド1人)の3グループに分かれて滑っていた。このうち「本隊」が雪崩に飲み込まれ、計10人が死傷した。死亡したのは東京都北区の男性(39)と同世田谷区の男性(44)。神奈川県大和市の女性(59)が重体。埼玉県草加市の男性(74)、青森県八戸市の男性(76)、神奈川県平塚市の男性(50)、千葉県柏市の男性(38)、仙台市泉区の男性(67)、青森市の男性(46)の6人が重傷。東京都世田谷区の女性(44)が軽傷。午前11時半ごろ、ガイドが無線で「雪崩に巻き込まれた」と救助を要請。この無線を傍受した市民から県警に110番通報があった(温泉にガイドから携帯電話で救助要請があった、ガイドの一人から消防に通報があった、という報道も)。亡くなった2人はほとんど埋まっていない状態で、木に打ち付けられた格好で発見されたという。八甲田ロープウェーによると、一行が山頂に登った後に吹雪が強まり、午前10時ごろ、ロープウエーを運休した。雪崩が起きた同11時ごろの現場付近は風速33メートルの猛吹雪に見舞われ、視界20メートルの悪天候だった。気温は、山のふもとの酸ヶ湯温泉で同11時にマイナス2・7度となり、前日同時刻に比べて4度以上高かった。青森地方気象台はこの日午前6時前に強風、波浪注意報、午前11時10分には雪崩、融雪注意報を発令。11日午前7時22分から13日午前4時36分までも雪崩注意報が出ていた。県は午後0時34分、自衛隊に災害派遣要請、同時に現場から約1キロ北の銅像茶屋付近に青森地域広域消防本部が現地対策本部を設置して救助活動に着手した。しかし、荒天にはばまれて県の防災ヘリや自衛隊ヘリが飛べずに救助作業は手間取った。救助には偶然近くで滑っていた豪州人7人と米国人ガイド1人の計8人も加わった。ツアーを率いたガイドの其田忠佳隊長(55)は事故翌日、記者会見で謝罪するとともに事故の概要を語った。其田氏によると「雪崩の危険は認識していた。だからこそ、林間寄りで風の当たらない確かな所を滑った。林の横を下りれば大丈夫だと判断しただが、結果的に起きてしまった」という。ツアー客には事前に「きょうは林に沿って下りる」と声を掛けたが、滑走直前の注意はなく、林間から少し離れ、沢筋斜面に出た「本隊」が雪崩に襲われたという。其田氏は「このポイントで雪崩に遭遇した経験はこれまでにない。まさかあそこで上から雪崩が来るとは……」と話している。また、団体行動が雪崩を誘発したのではないかとの見方については、「そういう場所ではない」と否定。「無理をしてツアーを決行したとは思っていない」とも語った。事故当日、ロープウェーを使ったスキー客が100人前後いたが、雪崩の危険を考慮し、別ルートに変更したガイドもいた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、時事通信、東奥日報、河北新報からデータ抜粋・引用)
【考察】
10月以来の大型遭難。
亡くなった人のご冥福を祈り、怪我をされた方の一日でも早い回復を願います。
マスコミも大量の情報を流し、整理に手間取りました。
とはいえ、概要も今ひとつまとまりに欠けますが、データは概ねこんなところでしょうか。
(雪崩に流された人の人数など、報道によっては数が食い違っているケースもあります)
まず、主催者の方から見てみます。
ツアーは温泉旅館
酸ケ湯の主催と報じられています。
HPによると「プロの山岳ガイドによるスキーツアー」とあります。
で、実際にツアーを運営している
八甲田山アウトフィールドスクールのHPに飛んでみました。
「プロの山岳ガイド」というのでガイド協などの関係かと思ったのですが、そうではありませんでした。
スタッフは
SIA(日本職業スキー教師協会)の公認スキー教師を中心とする組織で、いわゆる「山岳」ガイドではありません。
蛇足ではありますが、重傷者のうちの1人は、スタッフのようです。
さて、今回の雪崩について、隊長の其田氏は予想外だったことを述べています。
地元のガイドでガイド歴38年、このコースも熟知しているはずの其田氏。
発生原因について「夕べから寝ずに考えたが分からない」とも発言しています。
「これまで大丈夫だったから」という心理が働いたのかもしれません。
この心理、ベテランにありがちな落とし穴のひとつです。
このスクールのスタッフ自体は(山岳ガイドでなかったとしても)、現場の地形などを熟知していたと思われます。
長年の経験から、「安全地帯」と判断したのかもしれません。
現場の詳細が分からないのですが、一般的には必ずしも「樹林帯=安全」とは言い切れません。
記録的(?)な暖冬と言われている今冬、雪の状態も経験の範囲からはみ出していたなんてことは…。
事故の予見可能性について。
雪崩の危険を感じ、別ルートに変更したガイドもいたと報じられています。
回避できたガイドと、事故にあってしまったガイドの違いは、どこにあったのでしょうか。
ガイドが責任を問われるなら、恐らくこの点がポイントになると思います。
その後の調査で、強風や弱層の存在による表層雪崩の可能性が強まっています。
ガイド自身の雪崩に対する知識なども、ポイントのひとつではないでしょうか。
ガイドの責任論については、以前にも述べたので、ここでは簡単に。
料金が発生している以上、ガイドには参加者よりも重い責任が発生します。
ただし、参加者の側にも、当然自己責任があります。
今回のガイドは、雪崩の危険を、ある程度察知していたようです。
それで、客に対し事前に「きょうは林に沿って下りる」と声を掛けたようです。
ただ、滑走直前には注意していなかったと報じられています。
やはり、ここではくどいほどに念を押す必要があったのではないでしょうか。
昨日、其田氏の記者会見の様子、テレビで見ました。
その中に「上級者の方はいい斜面があると、そっちへ行っちゃうんですよ」というような発言がありました。
その発言から気になった点が2つ。
そこが危険地帯であるならば、それを止めるのがガイドの務めではないか、ということです。
それを認識していれば、この発言は・・・と、首を傾げました。
断片的にしかテレビでも流れないため、正確に真意をつかむのは困難です。
が、やはりちょっとどうかな・・・と思いました。
もうひとつは客の側の問題。
今回の件が当てはまるかどうかは分かりません(念のため)。
ガイドの指示を事実上無視するような行動。
これでは、何のためにお金を払ってガイドについたのでしょう?
ルート案内や安全に対する対価として、ガイドに対して金銭を支払っているはずです。
にもかかわらず、それを振り切ったとなると、不可解な行動としか言えません。
指示を仰ぐのが妥当なのでは、と考えますが・・・。
上述したSIAのHP。
「トップページ」→「公認スキー学校」→「北東北」→「八甲田山アウトフィールドスクール」とたどると
八甲田山歩にたどり着きます。
これは同スクールのスタッフ(公認スキー教師)の方のHPです。
ここの掲示板をみると、常連さんの多いツアーだった様子が伺えます。
客の立場から見ても、リピーターも多く、評判の良いツアーだったのでしょう。
中には
「積極的に雪崩の勉強をしていたのか!?
見通しが甘かったのではないか!?
地形さえわかれば、人柄が良ければガイドはいいガイドなのでしょうか!?」
などの厳しい内容の書き込みもありました。
ですが、そういったものも含めて、「叱咤激励」のように見えました。
大きな犠牲を払った今回の事故を受けて、何をしなければいけないか、何ができるか。
そんなことを考えようという雰囲気が伝わってきて、随分興味深い内容になっていました。
この掲示板に、しばらくは注目してみようと思っていたのですが、16日夕方の時点で閉鎖されてしまいました。
得ることのできるものが多いように感じたので、残念です。
関係者の心労を考えると、やむを得ない措置なのかもしれませんが。。。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2007/02/16(金) 20:37:03|
- 遭難カルテ
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昨日まで、長野でプラプラと家族サービスでした。
諏訪方面に遊びに行っていたのですが、今年は雪が少ない・・・。
霧が峰など、惨憺たる有様で、白いのはスキー場ばかり。
さすがに山の上のほうは真っ白ではありましたが、例年より雪線がだいぶ上のように思いました。
また、肌で感じて分かるほど、気温も例年より高いようでした。
降っている所では、ちゃんと雪もあるのでしょうが、なんだか気持ち悪いほどの暖冬。
諏訪湖など、まったく氷がない状態でした。
NHKの夜のニュースで、暖冬と爆発型低気圧の話をやっていました。
三陸沖に暖流と寒流が接近する場所があり、海水面の温度差は世界有数だとか。
そこに低気圧が入ると、急激に発達する。。。。
そして暖冬になると、そこに低気圧が入ることが多い。。。
ざっとそんな内容でした。
10月の猛烈だった低気圧も、このパターンに当てはまるとか。
なるほどなぁ。。。と、テレビに見入ってしまいました。
八甲田で雪崩、死者も出たようです。
もう少し情報を集めてみようと思います。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2007/02/14(水) 19:08:42|
- 日々是好日
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【概要】
4日午前9時50分ごろ、八ケ岳連峰・赤岳(2899メートル)に登山中だった岐阜市の無職男性(65)が、山頂直下の岩場から約500メートル滑落したと同行の男性から110番通報があった。男性は男女3人パーティーで3日に入山。山小屋に1泊し、4日朝から山頂を目指し登り始めたという。4日午前9時50分ごろ、赤岳山頂から100~150メートルの地点で、約500メートル下の立場川に滑落したという。長野県警がヘリコプターで上空から捜索、谷底で男性と思われる人が横たわっているのを発見したが、強風で現場に近づけなかった。5日午前7時半過ぎ、谷底から収容され、死亡が確認された。
(朝日新聞、毎日新聞、SBCよりデータ引用・抜粋)
【考察】
冬の八ヶ岳といえば、晴天&強風という印象があります。
3日に宿泊したのは、おそらく赤岳鉱泉か行者小屋かと思われます。
山頂から100~150メートルと言えば、阿弥陀岳との尾根上でしょうか。
バランスを崩しての滑落と見られています。
この方の経験値などの詳細が不明ですので、以下は今回の件から考える一般論として。
現場付近は強風地帯のため、冬季は凍結しています。
アイゼン歩行中の事故かと思われますが、原因はいくつかあります。
まず「引っかけ」。
アイゼンに慣れるにしたがって、引っかけることは減少します。
が、足場の状態などで、慣れていても引っ掛けてしまうことはありえます。
アイゼン歩行時の滑落原因、「引っかけ」がかなり多いのではないでしょうか。
やはり足元には十分に注意する必要があります。
赤岳直下には、少しうっとおしいトラバース気味の岩場があります。
すごく難しい、と言うわけではありませんが、やはり注意を要するところです。
登りであれば、それほどでは…というのが、個人的な印象です。
この事故が登りの途中なのか下りの途中なのかは分かりませんが…。
この現場付近で、足元のアヤシイ方と、何度か行き会ったことがあります。
ザイルを出して確保していたのですが、歩いている人もアヤシければ、確保している人もアヤシイ感じでした。
距離を置いて通過を待ち、ルートがあいたらさっさと通り抜ける…。
巻き込まれないように…との考えからのことです。
結局、そのパーティーのラストの人をこちらが確保して…。
八ヶ岳自体、強風の当たる山で、突風に飛ばされる可能性もあります。
耐風姿勢と言うものもありますが、とっさには…という場面もありえます。
年齢的なものを言うのは気が引けるのですが、あえて。。。(本件には直接関係ありません)
亡くなった方の65歳という年齢、高齢者のくくりに入ってしまいます。
(40歳以上が中高年、65歳以上が高齢者。このくくり方の是非はともかくとして…)
個人差があることや、トレーニングでカバーできる部分があることは否定しません。
が、体力(筋力、瞬発力、柔軟性など)の衰えは完全にはカバーしきれないのではないかと思います。
冬の赤岳に高齢者が入ってはいけない、と言うのではありません。
十分なトレーニングと経験を積んでいれば、それでいいと思います。
(いくら若くても、技術や知識、装備などがなければ、問題外ですから)
ただ、そうでない人も混じっているというのもひとつの現実ではないでしょうか。
自らに置き換えてみると。。。
すでに体力的な下降線にあることを、山に行くたびに感じます。
今や中高年目前、20代の頃のようには行かないものだ…と。
自分が25年後に冬の赤岳にいけるのか?と考えると、なんとも言えません。
と言うよりも、「行ける」と言い切れないのが正直なところ。
四半世紀後ともなれば、経験や知識は増え、装備も向上しているのでしょう。
ですが、それだけ(四半世紀分)の衰えも、当然あるはずですから。
その時点での自分の実力を冷静に判断すること、年配の方の遭難の報に触れるたび、毎回のように重要だと思います。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2007/02/08(木) 15:55:57|
- 遭難カルテ
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気になる山。
いつか行ってみたい、という感じでしょうか。
自分の足跡が刻まれていない山。
夏には行ったけれど冬は?
こちらのルートは?
ちょっとバリエーションで…。
いろいろなカタチがあると思います。
ぼーっと景色や地図を眺めていて、ココは・・・・・!
みたいな感じが多いのです。
今、気になっている山は3つほどあるのですが、2つは具体的な検討に入っています。
そして、まったく話が進んでいないのが1つ。
三鈷峰。
鳥取・大山縦走路の端っこにある1516メートルの、小さなピークです。
登山口の大山寺から見上げると、すっきりとしたピラミダルな山容。
なかなかかっこよくて、私は好きですが・・・。
冬季に大山山頂からの縦走で、手前の鞍部までは何度も足を運びました。
コルからの標高差は30メートル程度。
目と鼻の先のピークに、上ろうという意欲がわかない。。。。
下から見るとカッコいいのですが、縦走してくると、稜線上の、ただの丸いコブにしか見えないのです。。。
コルを挟んだ反対側にあるユートピア避難小屋と標高がほぼ同じ、というのも意欲を損ねる点かもしれません。
最低鞍部の手前から宝珠尾根へと下山ルートをとるため、毎回素通りしていました。
寄り道したところで、10分そこそこのロスにしかならないのですが…。
で、大山寺へ下山して、ふと見上げると…やっぱりカッコいいのでした。。。
と、いう経験を何度も積み重ね、いまだに頂には至らず…。
いつかはちゃんとてっぺんまで行かなきゃなぁ・・・。
十数年前、私が行っていたころのユートピア避難小屋は、木造でボロボロでした。
吹雪の中で外れたドアを掘り出し、なんとか入り口にはめ込んで宿泊…。
夜、小屋の外で見た米子の夜景と日本海の漁火がきれいでした。
その小屋も、何年か前には建て替えられたようです。
古い小屋には思い出もあるのですが、新しい小屋にも行ってみたいのです。
運良く休みが取れるようなら、ユートピア小屋に1人で泊まってのんびりと、雪の三鈷峰を宝珠尾根からのピストンで…。
いつになるのかわかりませんが、いつかは行きたいなぁ…と。
可能な限り早くでもいいし、当分「行きたい」気持ちをあっためておくのもいいか。。。
ここ5年ほど、そういった思いが続いています。
そろそろ、今年こそは・・・とは思いますが、あとは休み次第かと。。。。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2007/02/01(木) 19:24:28|
- 日々是好日
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