これまで繰り返し触れてきた大日岳訴訟。
(
22、
30、
31、
36、
85、
86、
127など)
昨日、2回目の控訴審和解協議がありました。
報道された内容からすると、和解に向けて合意には至らなかったものの、前進(?)はあったようです。
(
朝日新聞、
毎日新聞、
KNB、
しんぶん赤旗など)
「頂にかなり近づきつつある」という、ちょっとベタな言葉。
原告側は、それなりの手ごたえがあったということでしょう。
残るは「謝罪」に関する部分だけ、というような報道もありました。
まぁ、被告の国としてはそこにこだわるのかもしれませんが。。。。
次回協議は7月26日。
原告側弁護士によれば、それが最後の協議らしく、そこで和解が成立しなければ判決へ、ということになるようです。
一審で敗訴した国が、控訴・証人申請。
高裁支部がそれを却下し和解勧告。。。。というのがこれまでの流れ。
事実上の国敗訴と言えます。
また、登山における引率者の責任に関して、大きな影響を持つ裁判となります。
裁判所は「今後につながる解決を」と、以前コメントしていました。
裁判自体が責任を問うものなので、どこまで「今後」をにらんだものになるかは分かりません。
(そういう意味ではあまり期待できないように思いますが。。。。)
大日岳遭難事故を考えるという、この事故の遺族関係者が運営するHPがあります。
ここによると、累計で30万の署名が集まったそうです。
世間的にいえば、それほど認知度・関心の高い裁判ではないと思います。
それに対して30万筆、その重み、ないがしろにできるものではない。。。。
事故の発生は2000年3月5日。
すでに7年あまりの時が過ぎてしまいました。
時間がかかりすぎ。。。。。そう思えてなりません。
技術的なものや教訓は別にして、裁判自体は一審判決に添った形での和解を望みます。
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- 2007/06/23(土) 19:49:13|
- 日々是好日
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遭難カルテ135でふれた、雷鳥沢の雪崩事故の件。
一昨日、
雷鳥沢雪崩事故報告が公表されていると、とある人から教えていただきました。
今回はその内容について。
この報告書を書かれたのは、4人パーティー(うち、けが2人)のうちの1人であろうと思います。
混乱のした中での記憶に基づくものでしょうが、当時の様子をうかがい知ることができます。
ビーコン、シャベルなどの装備に関する詳細があればよかったのですが、個人が出された報告書のようですので、そこまで求めるのは酷かもしれません。
[反省と今後の対策]の項について。
>先行するボーダーを見たら安易に大丈夫だ、と各々が勝手に推測してしまって…
先行者を見て、雪崩はない、大丈夫だと判断した、ということでしょうか。
これ、自分でもやってしまいそうです。
先行者のトレースやシュプールがあると、無条件に「行ける」と思ってしまいがちです。
本来は、どういう状況であれば雪崩れるのか、先行者の有無とは別に判断する必要があります。
傾斜がそれなりにあれば、雪や天候の状態次第では雪崩れうる。。。。
事故があまり起きていないことも、安全の保障にはならない。
雪崩に関する知識は当然、先行者や過去に惑わされることのない判断が必要になってくるのでしょう。
>「・・たら」、「・・れば」「・・・どうなる?」と言う事を常に現場で考える習慣がなくては、また同じ事が起きるかも知れない
常に現場で考える。。。。。そのとおりですね。
漫然と行動していたこと、誰しもあるんじゃないかと思います。
そこに落とし穴があるかもしれない。。。。。。自戒を込めて、そう思うことにします。
>今回このような大きな事故に直面して改めて、山を楽しもうとする時、そこに潜む怖さと背中合わせだ、という事、また人は一人で生きているのではないと言う事もつくづく思い知らされました。誰にも迷惑かけずに自己責任で、と言う、思い上がった考えはとても社会性を得ているとは思えません。
末尾の近くで、書かれていた文章。
ずいぶんと身につまされる内容でした。。。。。
心しておきたい言葉だと思います。
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- 2007/06/20(水) 19:44:54|
- 事故報告書
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きのうは九州北部・四国、きょうは中国・近畿・東海・関東・甲信。
梅雨入りの地域、列島を北上中です。
冬に積もった雪、春から初夏の気温上昇で多少は溶けるのですが、最も溶けるのは梅雨時に降る雨だとか。
最初にそれを知ったときは、ちょっと驚きました。
真夏の暑さより雨だなんて。。。。でもまあ、言われて見ればすぐに納得がいきましたが。。。。
梅雨といえば、1995年の「7.11豪雨」を思い出します。
JR大糸線が寸断され、復旧に2年余りかかった、と記憶しています。
この年の8月、栂池方面から自転車を担いで山に入りました。
遠めに見た白馬大雪渓。
ずたずたに引き裂かれたようになっているのが分かるほどでした。
大雪渓ルートに限らず、あちこちで通行止めになっていたように思います。
栂池のスキー場を自転車で下りたのですが、ゲレンデの真ん中に家一軒ほどの岩が転がり落ちてきていました。
さて、今年の梅雨はどうなることやら。。。。。。。
水不足の心配も災害もない、虫のいいレベルであればいいのですが。。。
(昔語りをするようになる・・・・・・トシを取った証拠か・・・・)
梅雨が明ければ、夏山の季節です。
「冬に雪が多ければ、夏は暑い」
「夏が暑ければ、冬に雪が多い」
どっちだったかよく覚えていないのですが。。。。。
昨冬は暖冬だったので、今年の夏は冷夏かしらん???
余談をひとつ。
日刊スポーツより
新田次郎氏傑作山岳小説を常識破る映画化の記事。
「劔岳 点の記」を、ヘリ空撮やCGなしで映画化するとか。
公開予定は再来年。
楽しみに待つとします。
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- 2007/06/14(木) 19:12:02|
- 日々是好日
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11日月曜日、一家そろって蓼科山へ。
9日夜に大阪発、10日明け方、信州入り。
10日はダラダラと、大したこともせず過ごす。
11日朝、いろいろとあって出発が遅れる。
御泉水駐車場を出発したのは10時半。
大人二人なら4時間もあれば降りてこれるのだが、さて、、、、。
他の北八ツの山が晴れていても、蓼科山だけはガスがかかっていることが多い(と思う)。
恐らく、独立峰っぽい地形の関係だろう(と思う)。
とういうわけだかどうだか、登山口からすでにガスの中。
前項に書いた予想とあわせて、まあ降ることはないだろう、というのが現地での予想。
序盤は緩やかな登りが続くが、中盤、道がガレ始めると、傾斜がきつくなってくる。
ガスの中だけに、小雨?のようなものが時折落ちてくるが、雨具を出すほどではない。
「雨降ってきた。下りなきゃ!」と、長男。
「もうすぐおうち(蓼科山荘)があるから、そこまで行こうな」
「わかった!」
長男が猛然とスパート!
嫁さんが付き添うが、見る見る視界から消えていく。。。
下りよりも登りが好きだと言うだけあって、早いこと早いこと。。。
さて、残された次男と私。
次男のペースで行くほかはない。。。
これが根性なしで、よくゴネるのだ。。。
この日も途中で「もう帰る!」と、泣き叫んだほど。。。
ただし、すれ違う人がいると、急にニコニコになる。。。
「父ちゃん」
「どした?」
「しっこ出そう・・・」
「・・・・・そか・・・・」
やれやれなのだ。。。。
「父ちゃん」
「なに?」
「うんち・・・・」
「・・・・・・・・・・・そか・・・・・・・」
これまた、やれやれなのだ。。。。
幼児の排泄、時と場所は、ほとんど選んでくれない。
穴を掘って埋めたり、紙を持ち帰ったりはするが、なかなか大変なのだ。。。
蓼科山荘で昼飯。
まあ、それなりに時間がかかる。
ここまでの道端に、まだ残雪があるぐらいだから、小屋の中のストーブがありがたい。
ここから頂上へは、さらに傾斜がきつくなる。
火山性の大きな岩がゴロゴロした道。
チビ2人は大喜び!
手足を使って登るのは楽しいようだ。
大人からするとちょっとした段差も壁。
しかも、歩きやすいところよりも、よじ登る方ばかり選ぶ。。

ずり落ち、転がるのを何度も止めつつ蓼科山頂ヒュッテへ。
山頂ヒュッテは閉まっていたが、ベンチとテーブルで休憩。
余談だが、ここのトイレは「雪隠画廊」という看板がかかっており、「入館料」とかかれたポストもある。
これぐらいのシャレがあってもいいんだろうな。。。
ちなみに、中はすこぶるきれい。
頂上は、小屋からすぐ。
チビ2人も自力で登りきった。
ここにきて、少しだけ青空が見えた。
時間は。。。。午後3時半。。。。。
ここから次男は背負子へ。
長男は蓼科山荘へ半分ぐらい下りたところで、完全にヒザが笑っている。
さすがに危なっかしいので、サブザックとともに背負うことに。
ザックごと人を背負う方法、昔、レスキュー講習で習ったことを思い出した。
子供だから担げるけれど、大人は。。。。もう、今はムリですな。。。
蓼科山荘から下、長男は歩いたり担がれたり。
次男はずっと、背負子の人。
担がれると、2人とも、いたってにぎやか。
下山中は時折日が差す。
駐車場までたどり着いたのは午後6時。
出発遅れが響いて、下山まで遅くなったが、まあ想定内か。
駐車場から頂上まで、標高差にして約600メートル。
5歳と3歳の、泣き声と笑い声と歌声の、にぎやかな山になった。
ちなみに蓼科山、私自身は2度目だった。
今回は家族そろってだったが、1回目は当時1歳の長男を担いで父子2人の山。
子連れには、ある意味で手ごろだと思う。
いずれにしても、子供がいなければ来ることのなかったであろう山なのだ。
そういうこともあるんだなぁ・・・
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- 2007/06/12(火) 16:05:36|
- 山日記
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まあ、なんとにぎやかな・・・。
本日15時の実況天気図。
低気圧8、高気圧6、おまけに長~い停滞前線。。。。
久しぶりに見た、一見ややこしい天気図。
気象通報を聞きながらつけるとなると、忙しいだろうなぁ・・・。
ぱっと見た瞬間に「大気の状態は不安定?」と思うほどでした。
前線が北上してくれば本格的な梅雨ですね。
さて、天気図を見て山の天気を予報する。
最近はライブカメラがあちこちにあるので、山域を絞って・・・なんてことも可能になりました。
普段、たまにやっているのですが、これがなかなか。。。。
また、かつてはラジオたんぱで高層天気図の放送もありました。
冬は毎度のようにつけていたんですが。。。。
アナウンサーのしゃべり、NHKと比べて、これがめちゃくちゃに早い(笑)。
いつも2人がかりでやっつけていました。
そして2つの天気図をクロスさせて天候を読む。。。。
今ではネット上でも高層図が見られます。
入山前の何日かは、実況天気図とあわせて分析、数日間の予報を自分なりに立てたりします。
練習というかシミュレーションというか、山に行かない日常でもできることですね。
山に行かない日々、体力・技術のトレーニングに目がいきがちですが、こういうのもあっていいのではないでしょうか。
今夜から北八ツへ、ちょこっと遊びに行ってきます。
私の予報は、明日は、降ったり止んだり。
明後日は晴れたり曇ったり。
風は2日ともゆるゆる・・・。
さて、当たるか外れるかは、現場で分かります!
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2007/06/09(土) 19:43:30|
- 日々是好日
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山中でのヘリコプター墜落事故が続いています。
4月9日に水晶岳で
アカギヘリコプターのヘリコプターが墜落し、乗客と機長の2人が死亡、8人が重軽傷。
そのときは、「ふ~ん。えらいこっちゃなぁ・・・」と思いました。
ですが、ここで取り上げるつもりはありませんでした。
今月2日、今度は恵那山で
東邦航空のヘリが墜落。
操縦していた方が亡くなりました。
続いて4日、奥穂高岳でまたもや東邦のヘリが墜落。
今度の場合には、死者は出なかったのが、せめてもの救いでしょうか。。。。
あの「東邦」が続けて・・・というのに、驚きました。
長野で遭難、救助に民間ヘリ…となると、「東邦」。
私の頭の中には、こんな構図が出来上がっていたからです。
東邦のヘリが飛んでくるとお金がかかる…でも、命には代えられない…。
そんなふうにも考えていました。
現在、東邦航空では山小屋への荷揚げなどの物資輸送作業などを停止。
夏山準備を控えている山小屋には影響が出始めているようです。
長年培った技術と信頼があるため、おいそれとかわりが見つかるものでもないのでしょう。。。
山岳地帯での運航には「日本一」との声もあるようです。
国土交通省鉄道・航空事故調査委員会も現地での活動を開始しました。
事故原因の調査がある程度進むまで、一部業務停止は現状のままかもしれません。
山岳遭難発生時、長野県警のヘリだけでは対応できないときに出動要請がかかる、という状態だったと思います。
もともと東邦航空に何十機ものヘリがあって機体に余裕がある、というわけではないはずです。
2機を失ったこと。
山小屋への影響にとどまらず、今後の遭難救助活動にも影響が出るのでは…と思いました。
小屋の営業に関する問題が小さいと言うわけではありません。
ただ、救助・捜索に関して東邦航空が担ってきた役割の大きさと重みを考えると・・・。
なんだか複雑な気分です。。。。。。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2007/06/06(水) 20:38:20|
- 日々是好日
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自転車の話。
山に行くのに、いいトレーニングになるのではないでしょうか。
休みの日には私も遠乗り?に出かけます。
乗っていると、段々、いい自転車が欲しくなりますが、嫁さんの顔が浮かぶと…。
長距離のロード、心肺機能の強化にはもってこいです。
ですが、筋力的にはどうだろう?
山を歩くときと同じ筋肉を使っているのかどうか、ちょっと分かりませんね。
瞬発力を高める「速筋」ではなく、持久力をつかさどる「遅筋」のトレーニングに向いているので、基本的にはいいのだと思います。
ただ、自転車自体、それはそれでなかなか楽しいのです。
バタバタ続きで、今年はまだまともに乗れていないのですが。。。。
(そろそろ欲求不満がたまってきた。。。)
ジロ・デ・イタリア、やっと終わりました。
ディルーカの強さが光った大会でした。
テレビでずーっと観戦していて、やはりすごいなぁと。
横で見ていたチビが
「父ちゃんも、あんなんできるん?」
「ムリムリ。なんせ、食ってるもんが違うから…」
「ふ~ん」(不審の目)
答えになってませんね。。。
ジロ観戦を始めてから、チビどもはすっかり自転車にハマっているようです。
こちらが休みのたびに、「自転車乗りに行く!」。
付き合うコッチは、トレーニングどころか。。。。。。
「次は山行こか」
「え~~」
やれやれ。。。。。。。。。。。。こっちもに欲求不満が。。。。。。
今週末あたりは、山に行きたいもんです。
話は変わりますが、ここのところのコメント欄。
返事を書くのにも随分とエネルギーを使います。
それだけ中身の濃い話が続いているのでしょう。
難しい問題、多様な考え方、知らなかった知識…やはり得るものが大きいと思いました。
皆さんに感謝するばかりです。
こちらは言葉の使い方ひとつとっても、伝えることの難しさ、日々痛感するばかりです。
更新間隔があいたとしても、やはりそちらが大事なのかな・・・と思っています。
なるだけ丁寧に返事を、とは思うのですが、至らぬ点も多々あるでしょう。
どうぞ、その点はご容赦ください。
引き続き情報・意見交換の場として利用していただければ幸いです。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2007/06/05(火) 19:49:31|
- 日々是好日
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