大日岳訴訟和解で始められた文科省の
安全検討会。
最終的な
報告書がまとめられました。
HP上では、第7回の開催案内まで更新されています。
内容は、正直に言ってあまり具体的なモノではありません。
いろいろな点を上げて、「以上
文登研はよく考えてやってね」みたいな感じです。
数時間の会合を7回程度、微にいり細をうがったものを求める方がムリなことでしょう。
とはいえ、おおまかな方向は示されました。
あとは、文登研がどう実行していくかという段階に入ったのでしょう。
で、文登研がこの報告書を受けてどうしていくのか、その課程が見えるといいんですが。。。。
ま、あんまり期待はできないかな。。。。
この検討会に対して、ずっと不満を抱いていた
遺族の方たちが
要望書を文登研に提出しました。
この検討会。
4回目以降は会議終了後に、遺族と国側の話し合いが持たれています。
そのたびに、遺族側が要望→国側が拒否、の繰り返し。
検討会、そもそもは、裁判の和解に基づいてできたものです。
せめて双方が納得できるとまではいかなくても、妥協できるレベルで進めることはできなかったんだろうか。
遺族に対しての国側。
不親切というか、誠実さを欠くというか。。。。。
「検討会作ったんだから、それで十分じゃん!議論の方向性?こっちの勝手だろ!」
遺族のHPから見ると、文科省生涯スポーツ課の鈴木・前課長&坂元・現課長の対応、こんな感じに見えます。
報告書にも文登研の言葉にも、そして遺族たちの声にも、「再発防止を」というのがあります。
積雪期の研修、再開された場合でも、大日岳でやるようです。
ということは、将来的にも、研修会で事故現場を通ることはあるはず。
「同じ場所で同じ事故を起こさないために」という一点においては、「なぜそこで事故が起きたか」は大きな意味を持つと思います。
今回の検討会や報告書は、そこを避けて通りました。
遺族の不満は、突き詰めるとそこに尽きるのではないでしょうか。
ま、文登研や研修会の体制をどうするかも重要な問題であることには変わりありませんが。。。。
以前、何度か触れましたが、航空・鉄道事故調のようなものがあったらなぁ・・・と思います。
当時の講師をされていたガイド各氏。
何の意見も聞こえてきません。
国と遺族、そして、もう一方の当事者だと思うんですがね。。。。
改善すべき問題点、実はわかっているんじゃないですか?
その声が、どれだけ役に立つのか、わかっているんじゃないですか?
そもそも、一度でも、検討会の傍聴に出向きましたか?
ガイド各氏、若い学生を育てようという志を持って、講師を引き受けたんだと思います。
教訓を残す、今後に生かすという作業に、なぜ積極的に関わってこないんだろうか。。。。
ミスをしないに越したことはないけれど、人間である以上、誰でもミスをするはずです。
ミスした後、どうフォローするのかというのは大事なテーマだと思います。
(「ミスはなかった」と言い張るなら、それはそれで・・・)
すでに責任を問う「裁判」という場は終わりました。
フォローするのに、検討会の場が一つのチャンスだったと思います。
事故と現場での判断。
遺族。
今後の方策。
講師であったガイド各氏には、それらに正面から向き合ってもらいたいのだけれど。。。。。
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- 2008/08/30(土) 00:02:40|
- 日々是好日
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ウチの長男は今日から学校。
2学期制なもんで、夏休みスタートも1週間遅れで、終わりも少し早く、実質1ヶ月。
父ちゃんにとっては、目の回るような忙しさ。
当然仕事は普段どおりあるわけで、嫁さん→仕事、長男→学童保育、次男→保育所。。。。
長男が普段は「学校+学童保育」だったのが「学童保育オンリー」になっただけでした。
シフト職場とはいえ、時に連休がつきます。
「んじゃあ、山行くか!」となったのですが、なかなか。。。。
次男がナントカナントカ肺炎になり、嫁さんと交代で睡眠時間を削りつつ面倒を見て。。。。
すっかり疲れた夏でした。
で、夏休み最後の日だった昨日の朝。
「宿題全部できたか?」
「うん。全部できた」
「どれどれ、見してみぃ」
「ええけど・・・父ちゃんの宿題、まだやで!」
「えっ?そんなんあったっけ???」
なんと、見に行く約束をしていた映画があと一本残ってた・・・・・・・。
嫁さんはニヤニヤしながら「よろしくね」と、出勤。
というわけで、次男も保育所を休ませ、男3人で近所の映画館へ。
「仮面ライダーキバ/炎神戦隊ゴーオンジャー」
きましたね。。。。
チビどものハートをワシ掴み、ストライクゾーンど真ん中!
飽きずに毎週日曜日、朝7時からテレビに釘付けですからしかたない。。。。
ま、自分が子供のときのことを思えば、当然か。。。。
場内が真っ暗になって上映が始って、近日公開・予告編の一発目が。。。。
「大決戦!超ウルトラ8兄弟 9月劇場公開!!」
やられた。。。。チビどものスケジュールには、きっちりと刻まれているようだ。。。。
映画が全部終わって・・・・というか、終わる直前に。。。。
「さらば仮面ライダー電王 10月劇場公開!!」
スミマセン。。。。もう。。。。許してください。。。。ホントに。。。。。
さて、子供向け映画ではありますが、1シーンだけ。
俳優の金山一彦さんがインドアクライミングをするシーンがありました。
ほんのちょっとしたシーンですが、ほ~、なかなかやるなぁと。
子供向け映画の一場面に出てくる程度には認知されているんだなぁと思いました。
昔見た映画「スター・トレック 5 ― 新たなる未知へ」の冒頭。
カーク艦長が岩登りしてたのを思い出しました。
そういえば、もうひとつ昔々のこと。
マイルドセブンのCMを見て、テレマークを始めた自分がいます。
あのCM、映画館のスクリーンで見たときには、テレビ以上に「かっこええなぁ~」と。
その後、「見るとやるでは大違い」というのを、身をもって経験しましたが。。。。。
親子ともども、無事、夏休みの宿題を終えました。
やれやれ。。。。
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- 2008/08/28(木) 12:57:21|
- 日々是好日
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遭難カルテ155でふれた、白馬の土砂崩落事故から思うことをとりとめなく。
白馬大雪渓の事故、よく目につきます。
実際の死者はだいたい年に1~2人。
大雪渓を通る人は、白馬村観光局によると7~8月だけで1万人だとか。
単純に言えば、1万人に1~2人の死亡率となります。
これが高いか低いかは、人によるのでしょうが。。。。
この1万人。
地元の観光資源という意味で言えば、結構大きいものでしょう。
冬はスキーがありますが、夏は登山に頼る部分が大きな割合を占めていると思います。
今回の崩落事故を受けて、大雪渓は入山禁止になりました。
その後、解除を巡っての綱引きが行われています。
ソースは
こちら。
大台ケ原や乗鞍では、自然保護と観光を巡っての綱引きがありました。
今回は事故と観光の綱引きなので構図は少し違っていますが、やはり観光の方は同じ論理のように思います。
前項でリスク周知の取り組みがあることを紹介しました。
リスクがあることにふたをして、「いらっしゃいませ」とやってる場合ではないと思います。
そういう意味では、非常に前向きな取り組みだと思っています。
今回のことで、せっかくの流れに逆行することにならないだろうか…と、危惧を抱いたりします。
何でこんなに人が集まるのか。
地元の自治体や業者のPRに対する努力もあるでしょう。
「白馬」「大雪渓」というネームバリュー、「お花畑」「設備の整った山小屋」というオプション、「便利なアプローチ」という立地。。。。
そのあたりが大きな理由かと思います。
三大雪渓の中で、白馬だけに「大」がついてますね。。。。
針ノ木や剣沢と比べると、アプローチは至便ですし、山小屋といったら雲泥の差ともいえます。
一方でガイドブック等では落石について多少は触れられているものの、初心者コースのような扱いです。
そういった状況ですので、リスク周知の取り組みは、とても意味のあるものだと思いました。
人気のルートとなり、人が集まれば、ツアーやガイドのコースとしても重用されます。
今回はそんな中でのガイドがらみの事故でした。
亡くなったガイドの野間氏。
客(?)の女性をかばうような姿で見つかったようです。
「自らの生命を賭して、職責を全うしようとした」という一点から見れば、警察官の殉職のようなものでしょうか。
「さすがプロ」という思いがわいてきます。
ですが一方で、素直に「手放しの賞賛」を贈ることができない自分がいます。
客の安全を確保するのがガイドの仕事とするならば、客をかばうのは、当然の行動と言えるからです。
普段仕事をやっていて、して当然のことをやっても、「できて当たり前」という評価しか得られません。
ビジネスにおいては、頑張ったとか一生懸命やったとかは、ゼロではないにしても、あまり評価されません。
当然以上の成果を出して初めて評価されるようなところがあると思うのです。。。。
ですから、賞賛するようなことなんだろうか?と思ってしまったりもします。
さらに、あの天候の中で行動した判断。
(プロガイドではないという意味での)素人でも、入山・行動中止の判断をした人が何人もいました。
結果、その判断は正しかったことになりました。
なのになぜ?ということは、ご本人が亡くなられているので、今となっては知る由もありませんが。。。。
以上により、やっぱり手放しでは・・・と思ってしまうのです。
それと、やはり、山岳ガイド、まだまだビジネスとしては未成熟なのかなぁ・・・と。
責任や補償の話になったときにどうなるか。
今回の事故でも、その辺の話はほとんど出てきません。
あの大日岳訴訟のとき、講師だったガイド各氏の発言。。。。。
講師たちをかばうような、意味不明な発言をしていたガイド各氏。。。。。
一方で客になる側からは、今回の事故を受けて「ガイドの鑑だ」という手放しの賞賛の声。。。。
なんだか気持ち悪い気がします。。。
土砂崩落。
実は地すべりだったようです。
落石よりも発生の確率はずっと小さいのではないかと思います。
だからといって、「不運」「災害」といった言葉で片付けられるんだろうか?
台風接近時などの大雨が予想されるとき、テレビの天気予報で、地すべりや土砂崩れへの注意を呼びかけるのは毎度のこと。
落石の多い大雪渓であれば、なおのこと注意が必要になるのではないかと思いました。
大雨のときや、10日や1週間なりの積算雨量、時間雨量などに応じて入山禁止の措置を取るなどの必要があるのかもしれません。
安全を確保することを目的にした規制という考え方です。
確かに事故は減るだろうなぁと思います。
ただ、天気や雨量、地形などなど、多くの要素をを考えて判断するのが山の醍醐味であり、楽しみでもあると思います。
規制によって、その醍醐味が損なわれてしまうのもなんだかなぁ・・・と。
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- 2008/08/25(月) 17:49:20|
- 日々是好日
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【概要】
19日午後4時10分ごろ長野県警大町署に白馬岳(2932メートル)の大雪渓付近で、「幅約30メートル、長さ約70メートルにわたって土砂崩落があった」と白馬岳の長野県山岳遭難防止常駐隊から通報があった。山頂近くにある白馬山荘に宿泊予定の3パーティー8人のうち2人と連絡がとれていないという。その後2パーティー6人とは連絡が取れ、登山を中止していたことがわかった。行方不明になっている2人は、松本市の山岳ガイド野間洋志さん(35)と、神奈川県大和市の無職女性(65)。提出されていた計画書では、2人は18日に入山し白馬尻荘に宿泊、19日に大雪渓を通って頂上付近にある「白馬山荘」に宿泊。20日に杓子岳を経て21日に下山する予定だったという。大雪渓上部の葱平(2300~2400メートル)付近で捜索した常駐隊が、野間さんの名前が書かれたザックを発見。中に手つかずの昼食の弁当が残されていた。19日午前11時ごろに登山者が崩落跡を見ており、午前10時半から同11時10分の間に崩落があったとみられる。白馬村は村役場内に対策本部を設置、大雪渓ルートを登山禁止とした。当初は大雪渓南側の杓子側からの崩落と報じられていたが、実際は北側の白馬岳川からで、長さ約100メートル、幅約50メートルと当初の見立てより大規模だった。捜索隊は20日正午過ぎ、崩落現場で2人の遺体を発見・収容した。また、現場付近では新潟県長岡工業高等専門学校の教授で、山岳部顧問の男性(62)も行方不明になっており、崩落に巻き込まれた可能性もあるとして捜索が続けられている。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、共同通信、時事通信、中日新聞、信濃毎日新聞などからデータ引用・抜粋)
【考察】
雪渓上の落石には、大雑把に言うと2つのパターンがあります。
①岩肌がはがれることで発生―――これは音がするので、ある程度、身構えることができたりもします。
②雪渓上の石が動き始めて発生―――こちらは音もなく飛んでくるので、かなり怖いものです。
今回は①の規模の大きいもので、予測すること自体は難しかったのではないかと思います。
「雨が強いなら雪渓には踏み込むな」
ずいぶん昔にそう教わりましたが、どちらかというと、②への対応でした。
雪渓は、高温や日差しよりも、むしろ雨によって融解が進みます。
雨→融雪→雪渓上の石がバランスを失う→落石
それへの対策としての教えでした。
18日の天気図を見てみました。
朝鮮半島に前線を伴った低気圧があり、これが進んでくると天気が荒れる。。。。
入山の前日に、比較的簡単に読みとれるものだと思います。
実際、19日午前5時37分には長野県北部に大雨洪水注意報が出ていました。
19日の雨は、簡単に予想できる範囲のことだと思います。
報道された中から、雨に関する部分をピックアップしてみます。
・ 村役場は19日午前8時の降り始めから午後3時までの雨量は61ミリを観測
・ 白馬村では、午前11時までの1時間に17・5ミリ、正午までの1時間には14・5ミリ
・ 白馬岳の雨量計は19日午前10時に1時間あたりの降水量が24ミリ、夕方までに118ミリ
・ 白馬村では13日から17日朝までも雨
・ 猿倉では午前7時ごろから雨が降り始め、午前10時から午後2時にかけては1時間に最大22ミリの強い雨。午後3時までに計111ミリを観測
・ 猿倉では14日午後と、16日夕方から17日昼すぎにかけてもそれぞれ計50ミリを超えるまとまった雨
・ 白馬山荘周辺でも15日と17日はまとまった雨が降り、19日も午前9時から午後3時までの累積降水量が41ミリに
事故当時はかなり強い雨が現場で降っていたこと、事故発生の一週間以内にもまとまった降雨があったことが分かります。
降雨についての山小屋関係者のコメント。
「今思えば雨が続いていたので崩落の条件がそろっていたのかもしれない」(白馬山荘)
「山では2~3日雨が続くことはよくあり、今回が特に多いとも思わなかった」(猿倉荘)
危機感が薄かったのか、あの程度の雨脚は「ありふれたもの」だったのか。。。。
そのあたりの判断はつきかねます。
今回のガイド山行での事故です。
野間氏は
日本山岳ガイド協会加盟の
安曇野山岳ガイドクラブ所属で、ガイド協の会員名簿にもその名前があります。
地元拠点のガイドですので、白馬という山を良く知っていたのではないかと推測できます。
が、今回の雨の中で、何をもって登山続行の判断をしたのかは不明です。
一方、地元の山岳ガイド組織
白馬山案内人組合の倉科光男氏は9日午前7時半に猿倉で自らガイドを務めるトレッキングツアーの中止を判断。
周囲の登山客らに引き返すよう助言したと報じられていました。
「気象情報をしっかりつかんでいれば、防げた事故ではなかったか」だそうです。
結果的に、2人のガイドが、その判断で、明暗を分けることになってしまいました。
捜索活動に携わった北ア北部地区遭対協関係者のコメント。
「相当の雨量があり、登山を控えてもらいたかったという思いはあるが、落ち度と言えるかどうかは何とも言えない」(白馬山案内人組合長・降籏義道氏)
「朝から雨で天候が荒れることは予測できた。常識的にみて引き返すべきだった」(同事務局長・石田弘行氏)
余談ですが、降旗氏はガイド協副会長、石田氏はガイド協会員です。
プロのガイドではない一般の登山客の中にも行動を中止した人も多くいたようです。
コメントにその判断のもとになったものが垣間見えます。
「大雪渓を通り、栂池に向かおうと思っていたが、雨がひどく引き返した。19日の午前10時半ごろはどしゃ降り状態だった。視界も悪く、10メートル先がやっと見えるほどだった」
「19日午前10時過ぎから風雨がすごくて、予定を変更して途中の小屋に避難した」
「トレーニングは積んだが、あの雨の中で進もうとは思わなかった」
「雨のひどさなどから、下山を決めた。登山道は川のような状態で10メートル先で小規模な土石流や落石も目撃した。地盤はかなり水を含み、危険だと感じた」
今回の現場付近では2005年8月に杓子側からの崩落で2人が死傷する事故がありました。
このときにもほぼ同様に、雨が降り続いた後に事故が発生したようです。
事故を受けて、地元はどうしていたか。。。。。
昨夏の様子を
こちらのサイトが報じています。
残念ながら、リスクについて登山客に明示する方向へ転換して2年目の事故ということになります。
天候チェックと判断が重要なことは言うまでもありません。
ですが。。。
「雨が強いなら雪渓には踏み込むな」
それだけで防ぎえた事故だったのではないでしょうか。
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- 2008/08/22(金) 12:47:06|
- 遭難カルテ
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今年の夏は、プール通い。
1日休みは、毎度市民プールへ。
長男が、スイミングスクールには行きたくないけど泳げるようになりたい、とのこと。
父ちゃんの出番で、毎度、特訓です。
その間、次男は保育所、嫁さんは仕事。
25メートルプールで、最初の頃は片道15回かかりました。
それでも4~5回目あたりで、片道5回ほどで泳げるようになりました。
上達が実感できるためか、「父ちゃん、次のプールはいつ?」と。。。。
自分が山や岩登りを始めた頃のことを思い出しました。
やはり励みになることというのは、人間にとって重要なスイッチですね。
テレビではオリンピック。
長男は水泳になると、じっと画面を見つめています。
「北島、金メダル!」なんてのが、スイミングスクールがはやるのに一役買っているのかもしれません。
ところで、登山の世界と五輪、ほとんど縁がないように思いました。
調べてみると以外にも、IOCにはUIAAが、JOCには日山協が加盟していました。
クライミング競技なら、オリンピックになったりしないだろうか?
もしなったら、結構、いろんな効果があるように思うけれど。。。。
テレビを見つつ、ぼんやり思ったのでした。。。
8月の勤務表には連休が2回。
山行の計画を立てたのですけれど、次男が熱を出し、計画はお流れ。
五輪TV観戦の8月になりそうです。。。。。
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- 2008/08/13(水) 21:45:56|
- 日々是好日
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なんども触れてきた話ですが、懲りずに。
大日岳訴訟和解に基づく安全検討委。
中間報告についての
意見募集の結果が公表されていました。
あわせて
意見公募時には中間まとめだった報告書が、完成版(?)としてリンクされています。
6月11~24日、意見募集。
7月9日、第7回検討会開催案内。
7月16日、第7回検討会。
7月30日、報告書完成。
8月6日、意見募集結果と報告書公開。
時系列で行くとそういう感じでしょうか。
385人&1団体から593件の意見が寄せられたとか。
他の意見募集案件をざっと見てみたのですが、とりわけ多いように思います。
「その結果、寄せられたご意見はございませんでした。」なんてのが、けっこうありました。
また意見が寄せられていても、30件に満たないものがほとんど。
3ケタとなると、かなり少ないようです。
そんな中で600件近いとなると、関心が高かったといえるかも知れません。
報告書では、寄せられた意見、反映されたものとそうでないものがありました。
いずれにしても、すべての意見に検討を加えるとなると、かなりの時間とエネルギーを要すると思います。
そのいきさつがどんなふうだったのかはわかりません。
なんせ文部科学省の
検討会HPは、毎度ながら更新が遅いもので。。。。
議事録を見てみないと何ともいえません。
ちょっと気になるのは
遺族の方たちのHPのほう。
第6回までは報告が更新されていました。
そろそろ第7回検討会の報告が出るのかも知れません。
さて、肝心の報告書。
見るべき所は多いのですが、ややぼんやりとしたところというか、抽象的というか。。。。
もう少し踏み込んで具体的に。。。。と思うところがあります。
まあ、7回程度の検討会ですから、このあたりが限界かも知れません。
報告書を踏まえて
文登研が詳細を決める、という部分がかなりあるように思いました。
さて、その詳細、公表されるんだろうか????
もやもやしたものは残っているのですが、一つの区切りを迎えたことには違いないようです。
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- 2008/08/11(月) 23:18:14|
- 日々是好日
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【概要】
6日午後1時半ごろ、中央アルプス・檜尾岳(2727メートル)の山頂北側の尾根で、登山中の女性2人が落雷に遭った。千葉県松戸市の無職女性(67)が意識不明になり、7日朝、長野県警ヘリに遺体で収容された。頭部に落雷を受けた跡があり、即死状態だったという。同行していた愛知県の女性(68)にけがはなかった。この女性によると「彼女が先を行き、自分は約4メートル後方を歩いていた。遠方で雷の音がした。遠くだったので大丈夫だと思ったが、突然体を飛ばされ10分ほど意識を失った」という。2人は6日朝、千畳敷から入山し、2泊3日の予定で空木岳(2864メートル)を経て越百山まで縦走する予定だった。女性は雷の直撃を受けて意識のない友人を現場に残し、午後6時40分ごろに(約4時間かけて、の報も)宿泊予定の「木曽殿山荘」に自力でたどり着き、山荘を通じ同署に救助要請した。2人は登山仲間で大学時代の友人。二十数年の登山歴があった。当時は雷雨の天候で、周囲に登山者はほとんどいなかったという。
(毎日新聞、読売新聞、産経新聞、時事通信、信濃毎日新聞よりデーター引用・抜粋)
【考察】
高齢者の女性2人パーティーの事故。
痛ましい結果になってしまいました。
この事故のほぼ10日前には白馬岳で落雷事故。
下界でもその翌日に神戸、5日には東京で、「ゲリラ豪雨」と言われる雷雨の事故が相次ぎました。
雷への警戒心、ちょっと薄かったりはしなかっただろうか。。。。
この日は大雨警報と雷注意報が出ていました。
千畳敷からの入山ということで考えると、始発のロープウェーが千畳敷に着くのは8時過ぎ。
決して早いスタートとは言えません。
そのまま極楽平経由で檜尾岳までは3時間程度の行程。
これからすると、途中で休憩を取ったとしても、12時ごろには檜尾岳に着いていると思われます。
実際には檜尾岳手前で午後1時半頃、落雷に遭っています。
始発のロープウェーに乗れていなかったとしたら、その時点からつまずきが始まっていたと言えます。
また、始発に乗っていて午後1時半に檜尾岳の手前というのであれば、歩行ペースが計画に合っていなかったのではないでしょうか。
まさか宝剣や木曽駒をも経ての縦走だったのでしょうか?
それはちょっと考えにくいのですけれど。。。。。
檜尾岳から木曽殿山荘までは約3時間の行程。
正午に檜尾岳にいたとしても、山荘着は午後3時ごろ。
事故遭遇が午後1時半ですから、その後順調だとしても午後4時半着。
へたすれば、午後6時なんて事もありうる状態だと思います。
以前、個人的には午後1時メドに行動終了ということを書きました。
が、今回のケースは計画段階ですでに午後にかなり食い込んでいる状態です。
雷注意報が出ていることからしても、無理な面がある計画だったのではないでしょうか。
初日の行動は、スタートを早い時間に設定できないことも含めて考えると、とりあえず檜尾避難小屋泊としておくのが妥当だったのではないかと思います。
その時点での判断で、それ以降の行動続行は当然アリではあります。
目視に加えて、ラジオをつけるなどして、雷雲が近くにあるかどうかを調べることも可能だと思います。
避難小屋に入っていれば、雷のリスクは大きく軽減できます。
(水の確保を除いて、個人的にはいい避難小屋だと思います)
木曽殿山荘が宿泊予定だったこと。
もし予約をしていて、「何が何でもたどりつかなきゃ」となれば、判断に狂いが生じる可能性もあると思います。
ビバーク装備の携行とともに、雷のおそれによりキャンセルするぐらいの柔軟性は、持ち合わせておくべきだと思いました。
(ほとんど営業小屋を使ったことがないので、実感は若干薄いですが。。。。)
島田娘から檜尾岳を経て空木岳に至る稜線、吹きさらしで、身を隠す場所はあまりないという印象です。
そうなればなおのこと、早着きの計画を立てるべきではなかったろうかと思います。
ま、稜線をはずしてハイマツの中に姿勢を低くして雷をやり過ごすという選択肢はあるかとも思いますが。。。。。
救助を求めて移動したこと。
携帯電話等は、落雷によって使えなくなっていたのではないかと思います。
ですが、千畳敷へ引き返す選択肢もあったのではないでしょうか。
超えなければならないピークの最高標高は、進んだときが熊沢岳の2778メートル。
戻ったときは島田娘の2858メートルですので、微妙な感じです。
檜尾岳から木曽殿山荘へも千畳敷へも、稜線歩きでほぼ3時間。
事故にあった場所や、雷雲の高さや流れる向きにもよりますが、どちらも微妙な感じがします。
進むにしても戻るにしても、雷雨の中の稜線上となると、やはり危険が大きい。
となると、檜尾根を下りてしまう選択肢もあったと思います。
こちらは4時間ほどの下りで檜尾橋のバス停に出られます。
しらび平発の終バスが17:10なので、檜尾橋はその10分後ぐらいになります。
バスの時間を見越して、という話にはなりますが、終バスをはずしてもあとは車道を1時間ほど。
実際に使えるかどうかはともかくとして、少なくとも事前にエスケープルートのひとつとして抑えておく必要はあると思います。
また、事故発生直後、避難小屋をのぞいてみたのでしょうか?
避難小屋は山頂から少しだけ下った場所ですので、たいして時間はかかりません。
携帯などが故障していたとしても、小屋に誰かが避難していれば、もう少し早い段階で通報できた可能性があります。
中アは千畳敷周辺を除けば、静かな山ですので、誰もいなかった可能性はあります。。
ですが、山頂近くでの事故であれば空荷で走る、ということもアリかもしれません。
救助を求めた方の行動の詳細が不明なので、実際にどうしたのかはわかりませんが。。。
事故当時、「遠方で雷の音がした。遠くだったので大丈夫だと思ったが…」との話。
この「遠方」というのがどの程度かは不明です。
少なくとも音がした時点で「ヤバイなぁ」ぐらいには思う必要があったのかもしれませんね。
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- 2008/08/08(金) 13:56:06|
- 遭難カルテ
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以下、長野県警の
遭難週報より。
7月22日
66歳 女性 滑落 負傷 宝剣岳で縦走中、スリップして約15メートル滑落。
62歳 女性 転倒 負傷 針ノ木岳からの下山中、転倒。
75歳 男性 転倒 負傷 ツアー登山中、白馬大雪渓で転倒負傷、自力で山小屋に着いたが行動不能。
7月25日
57歳 女性 転倒 負傷 杓子岳縦走中、転倒し負傷。
66歳 女性 転倒 負傷 白馬岳登山中、転倒し手首負傷、自力で山小屋に着いたが行動不能。
7月26日
55歳 男性 その他 死亡 白馬大池小屋で食事中、急に倒れ、死亡した。
59歳 男性 滑落 負傷 北鎌尾根縦走中、支点のハーケンが抜けて約5メートル滑落。
52歳 男性 転倒 負傷 蓼科山登山道の切り株につまづいて転倒し、負傷した。
59歳 女性 転倒 負傷 双六岳登山道で転倒して負傷、自力で山小屋まで着いたが行動不能となった。
7月27日
51歳 女性 転倒 負傷 白馬鑓ヶ岳縦走中、転倒して負傷、翌日下山途中に行動不能となった。
60歳 女性 転倒 負傷 五竜岳ツアー登山で縦走中、転倒し、負傷した。
66歳 男性 落雷 負傷 白馬岳縦走中、落雷により負傷したが、自力で避難した。
60歳 女性 落雷 無事 白馬岳縦走中、落雷により行動不能となったが、自力で避難した。
54歳 男性 落石 死亡 前穂高岳縦走中、落石により死亡した。
日々是好日206と併せて読んでいただければ、7月下旬、いかに事故が多かったかということが見えてくると思います。
19~27日の19日間で20人の遭難者。
長野県だけで毎日1人以上が遭難していることになります。
漠然とした意味で「冬山は危ない」なんてよく言われますが、こんなペースだと「夏山だって危ない」なんてことになりはしないだろうか。。。
山岳遭難多発で初の「注意報」なんて記事が出ていました。
年齢が44~75歳で、40代1、50代前半3、50代後半4、60代前半5、60代後半6、70代1。
日々是好日207で書いたように、警察が「中高年」という言葉にこだわるのも仕方がないように思います。
昨年の遭難統計と似たような感じで、50代後半と60代に集中する傾向があります。
この時期に、長野県の山に入っていたのは中高年だけではないはず。
となると、この期間の遭難する確率は。。。。。。。
少なくとも30歳代以下は0%と言えます。
山域では北ア、とりわけ白馬岳周辺に集中しています。
中高年登山者に高い人気のある山ですから、年配の登山者がかなり集中しているのでしょう。
夏山の遭難増加、大町署が注意喚起のポスターなんて記事もありました。
いくら県警が注意喚起をしたところで…という思いはあります。
まずは登山者本人の自覚ではないでしょうか。
知識、技術、体力、経験、判断力。。。。
冷静に自分や周囲の事象を見ることが必要だと思います。
決して人が多いところが安全ではない。
むしろ、そちらの方が事故が多いのかもしれません。
夏の白馬岳周辺、毎年のように年配の方の事故が多発しています。
しかもパーティーであってもツアーであっても、事故は起きています。
はたして白馬方面に入山する人の何割にその意識があるのだろう。。。。
また、(本屋で立ち読みをした限りでは)ガイドブックなどにはそのあたりのことがほとんど触れられていないのが現状です。
車で走っていて、「事故多発地域、安全運転を」と言う看板を時折目にします。
夏の白馬周辺には「事故多発山域、安全登山を」と言う看板でも出した方がいい?
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2008/08/01(金) 23:37:57|
- 日々是好日
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