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山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

【日々是好日246】 テレビを見て思ったこと

年度末。
毎度ながら、やたらと忙しい。
それでもWBCの決勝の日はお休みで、自宅にてテレビ観戦。
寝不足でもあり、最初は半分寝ていたが、結構興奮して見てしまった!
日の丸を背負った試合、力が入る自分がいました。

一瞬、「ウチのチビどもにも野球を…」なんて考えたりもしましたが。。。。。



Jリーグはあんまり好きじゃないんですが、日本代表の試合は応援してしまいます。
オリンピックも、結構、本気で見てしまいました。

そこにはヒーローやスーパースターといった、あこがれの存在がいる世界。
「日本で見ている子供たちに夢を」なんてコメントは、選手たちの間からはちょくちょく出てきます。
子供の間でスイミングスクールがはやっていたりするのも、北島選手の影響が結構あるんじゃなかろうか?




さて、スポーツとしての登山。

今現在、ヒーローやスーパースターといった存在の人は、いないのではないかと思います。
山野井泰史氏や平山ユージ氏など、その筋で著名な方は何人かいます。
が、映像メディアで多くの人の注目を集め…という存在ではありません。

スポーツ選手の活躍、映像メディアの与える影響は、とてつもなく大きい。。。。
それが少年スポーツに大きく影響しているはずだと思います。
ただ、当然ながら、一部のメジャーなものに限られます。
現時点では、登山はその部類には入っていません。。。。
スポーツニュースにすら出てきませんから。。。。。



登山が、テレビでガンガン流れるようになったらどうなるだろう?
そのこと自体の善し悪しは、当然、あるんだろうけど。。。。。

競技色が薄いので、あんまり見ていてドキドキしないかも知れません。
もちろん、クライミングコンペなど、一部のものはのぞいてですが。。。。
(かつての国体山岳競技なんてねぇ。。。。)

少しそういうことを考えてみましたが、あんまりイメージが湧いてきません。

想像力が貧困な状態なのかな?




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  1. 2009/03/26(木) 23:48:22|
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【日々是好日245】 滑り納め(多分)

18日、(多分)今季最後のびわ湖バレイへ。

お天気は快晴。
風は穏やか。
ぽかぽかして、気持ちのいい1日でした。
スキーよりも昼寝が似合うような感じでした。

コースは半分近く開いている状態だったけど、草や土の見えているところも。。。。
むしろ暖冬・雪不足の中、よくここまでもったと言うべきか。。。

全面シャーベット状態で、結構筋力を要するものでした。
おまけに黄砂の後だけに、滑っていると突然、急ブレーキが掛かり。。。。
2度ほど、前のめりにすっころびました。

Hさんほか、3人のテレ屋さんと遭遇。
道具もレベルもまちまちなのがほほえましいのですが。。。。
ヘルメットの方以外は少しずつお話ができました。

HさんはWBCの韓国戦を見るか滑りにくるか迷ったそうです。
試合の真っ最中にゲレンデにいたのですが、レストハウスを含め、ここにはほとんどテレビがない。。。。
もしテレビがあったら、スキーそっちのけで観戦してたかもしれません。


夕方、帰宅してからバタバタで、車に荷物は積みっぱなし。
なんとか板だけはおろしたけれど。。。。。


今日19日は、各地で夏日だったとか。
季節の移り変わり、早いものです。
30の半ばごろから、よけいそう思うようになってきました。


WBC、昨日は韓国に負けたけど、今日はキューバに勝ちました。
ガンバレ!

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  1. 2009/03/19(木) 23:41:55|
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【日々是好日244】 12日目は霧のびわ湖バレイ

13日の金曜日。。。。

雨は降ってるけれど、せっかくの休みだから・・・とびわ湖バレイへ。
駐車場も雨。

駐車場も、なんだか異様に空いている。。。
バス乗り場の所の駐車場までするっと車が入ったほどでした。

で、ロープウェーに乗ってゲレンデへ。
上の方はガス。
高度が上がるにつれて、ロープウェーの中までガスってきた!


風も結構強くて、ロープウェーがゆらゆら。。。。

ロープウェーを下りて、さて・・・・どうするかな?と思っていたら、いつものHさんがいた。
天気が悪いのでどうしようか・・・・と迷っておられるようでした。
しばらくだらだらしていると、旧知のEさんにばったり。
Eさんには去年も奥伊吹でバッタリ遭遇。
「いや~お久しぶりですぅ」でした。

Eさんの足回りを見ると・・・・・布靴!!
板はWキャンバー!!

恐れ入りました。。。。。



さて、せっかく来たんだから・・・ということで、ゲレンデへ。
白銀の世界を通り越して、白一色の世界!

リフトに乗っても、前のリフトが見えません。。。。。
視界は10㍍切ってたんでしょうね。。。

滑り出しても、傾斜が読めません。
ゲレンデのどの辺にいるのか、わかりません。
何度も何度もすっころびました。

本番の山スキーなら・・・・考えるだけで、ぞっとします。。。。


リフト乗り場から少し離れたところで休んでいると、ガスの中からボードのお兄さんが現れました。
「あの~、リフト乗り場ってどっちですか?」
遭難寸前だ!!!(笑)

「だいたいこの向きでまっすぐ行ったら、たぶんあると思いますよ」
なんてアバウトな答えか!

しかし、自分でもそうするしかないんだから仕方がない。。。。。



小雨、強雨、濃厚ガスの三重苦。
昼ごろに全リフト営業中止の放送あり。
なお、ロープウェーも運行が不安定なため、「下山できなくなるおそれがあります」だとか!

HさんEさんとともに、一目散にロープウェー乗り場へ。

ロープウェーの中にあるディスプレイ画面をのぞくと、20m/sの風だとか!

今季、もっとも厳しいびわ湖バレイでした。


下山後、3人で昼飯。
Hさんにご馳走になってしまいました。
それどころか、その後、Hさんのお宅にまでおじゃますることに。。。。。
ありがとうございました。

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  1. 2009/03/16(月) 23:18:00|
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【山日記53日目】 2家族でポンポン山

3月2回目の日曜日。
長男の保育所時代の同級生のご一家とポンポン山へ。

本当はスキーに行く約束でしたが、当てにしていた奥伊吹が、壊滅状態。
びわ湖バレイは大混雑が予想されるため、パス・・・・・。
ということで、ポンポン山になりました。

メンバーは親が4人。
子供が7歳、7歳、5歳、3歳の男の子ばっかり4人。

山登りっぽいこと自体が初めてのご家族で、行ってみるまではワクワクしていたそうです。

で、初めての子供がいるのなら・・・ということで、本山寺ルートでピストンすることにしました。



登り始めて、ウチの兄弟2人は、慣れた道だからか、快調に飛ばす。
長男の同級生も、しっかりついて行っていた。

3歳児・・・いがいにゆっくりだけど着いてくる!
やるなぁ!

ご両親が思っているよりも、ずっといい調子。


天気予報では曇りだったけれど、ほぼずっといい天気。
まあ、にぎやかなパーティーでした。


快晴の頂上でお弁当。
それがすんだら、4人でかくれんぼを始めた。
周りの人は笑っていたが。。。。。。

もともと週末は人の多い山なので、静けさを求めてやってくる人はいないとは思うけれど。。。。



下りに入って、やはり歩き慣れの差が出始める。。。。

うちの2人は走る走る!
ついて行くこっちが汗をかくほどだった。

7歳児は、それでもなんとか。。。。。
3歳児は、遅れるけれど、まあ、しょうがない。

この3歳児。
キャリアに乗りたがらない。
乗り慣れていると、結構簡単に乗ってくれるのだが、「イヤ!」
下のチビに聞いてみると、「乗るのは小さい子だけだから!」

「自分はお兄ちゃんだ!」というプライドの証しかもしれない。。。。。



途中、すっころんでひざをすりむいた子供が1人いる以外は問題なく下山。
子供は元気だわ。。。。




いつもの温泉に直行。
チビどもは・・・・・・全員、男風呂に来やがった。。。。。
風呂までにぎやかなものでした。。。。

お母ちゃん2人はのんびりとお湯につかっていたようです。
ウラヤマシイ。。。。。



初めての山登りでしたが、楽しんで頂けたようです。
「靴はどこで売ってるの?」「ザックは?」と、装備購入を考え始めたようでした。

「また一緒に行きましょう」ということでした。
めでたしめでたし。

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  1. 2009/03/11(水) 23:42:30|
  2. 山日記
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【日々是好日243】 唐松の事故 別項②

遭難カルテ163の続きです。
また日々是好日242の関連です。



6人パーティーについて、遭難カルテの方に、以下のように書きました。

  年齢と性別で整理すると、以下の通り。
    滑落したのは51歳と52歳の女性。
    現場に残ったのは44歳と45歳の男性。
    下山したのは73歳の男性と63歳の女性。
  このあたりに、判断の理由があるのかもしれません。
  報道にも「高齢の2人が下山」というのがありました。

「高齢の2人が下山」と、あえて「高齢」と言う言葉が入っているのは、それを理由に先に下山したということではなかろうか。。。。。

また、先に下山したEさん(♂73)のコメント、以下のようなものがありました。

高齢の自分をいつも気遣ってくれる最高の山仲間だった」(読売新聞)

今回の事故に関する報道で、「高齢」という単語を数回目にしました。
なんだか今回の事故のキーワードのようにも思えてきます。



さて、今回の内容はパーティーについて。

互助関係がパーティーのメリットのひとつであることは、繰り返し述べてきました。
今回はうまく機能しませんでしたが。。。。。

なぜ、うまく機能しなかったのか。

2人が滑落した時点で、先に下山した2人のうち1人ないしは2人ともが、パーティーレベルのセルフレスキューという観点から言えば、戦力外であった、と言えそうです。
先に下山した事実が、それを物語っています。
そして今回に関して言えば、その理由が「高齢」であったということでしょうか。

結果的に、4人で現場に残り救助に・・・と言う展開を取りえなかったパーティーだった、ということになります。
そして、それが四分五裂状態の原因だったのではないでしょうか。

これって、パーティーとしておかしくない?


計画段階からちょっと無理があったのかな?


天気等のコンディションが良い状態であれば、何事もなく下山してきたことでしょう。
ただ、そんな状態で無事下りてきたからと言って、パーティーの力量がそのルートに対して十分とは言えません。
パーティーを組む以上、何かコトが起きたときにどれだけの対処ができるかがポイントです。

コトが起きてしまった今回、結局、パーティーの力量が不足していたということになります。
少なくとも、ビバークに耐えられないメンバーがいる時点で、このコースに入るパーティーとしては力不足だったのではないかと思うのです。

おそらく、そこまでのことは考えないまま、パーティーを組んで山に入ってしまったのでしょう。
計画段階で、すでに考慮すべき要素が抜け落ちているまま。。。。



今回はたまたま「高齢」と言う言葉がたびたび出てきたのですが、装備や経験など他にもいろいろと「力不足」の要因はあると思います。
ただ、登山者の高齢化が言われる昨今ですから、「高齢」というのもその要因のひとつであることは間違いないと思います。



「単独登山は控えましょう」という看板が、登山口にあったりします。
ただ単に、2人以上のパーティーを組めばそれでいい、ということにもならないんではないかと。。。。。
そのルートに対して力量不足であれば、かえってそれも危険な気がします。

まず、計画段階からパーティーの意義やその意味、力量を考えること。
パーティーの本質について、山岳雑誌等でももっと取り上げてもらいたいものです。
また、自分のこととしても、毎回考える必要があると思いました。



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  1. 2009/03/10(火) 14:25:18|
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【日々是好日242】 唐松の事故 別項①

遭難カルテ163の続きです。

6人パーティーで滑落したうちの1人Bさん(♀52)と、単独で滑落したGさん(♂31)。
2日、一緒に救助されたことを受けて
「単独で入山していたGさん、Bさんと出会えたことは、ある意味で非常に幸運でした。」
と書きました。

事故発生後、先に下山して無事だったEさん(♂73)が、この件について残したコメントが報じられていました。

2日夕、Eさんは対策本部で、「風雪をしのぐ十分な装備を持っていないBさんが助かったので、残る3人も大丈夫」と話した。

十分な装備を持っていなかったって、どういうことだろう?
そのような状態で入山・行動していたとしたら、そこに問題があるように思います。

基本的に、ビバークに耐えうる装備は、各人が持つべきです。
事故に遭遇してしまったら、1人で救助を待たなければなりません。
今回のように2人が出会ったのは、とてつもない偶然の産物だろうと思います。
ですので、「十分な装備を持っていない」という言葉に、大きな引っかかりを感じるのです。
まあ、滑落時に装備を失ったとすると話は別ですが。。。。。

十分な装備を持っていなかったBさんがGさんと出会い、ビバークの後、生還しました。
そこにはGさんと彼の持っていた装備の存在が大きかったのではないでしょうか。
となると、幸運だったのはGさんよりも、むしろ、Bさんの方ではなかったんだろうか。。。。。
もちろん、Gさんにとっても幸運であったことは変わりありませんが。。。。。

Eさんのコメントを見て、そんなふうに考えてしまいました。



このEさんという方。
実に多くのコメントが報じられていました。
前もって無事下山したため、多くのマスコミに囲まれたのでしょう。
後にCさんが〝リーダー格〟とされましたが、当初は〝パーティーの代表者〟のような扱いでした。

彼のコメントのうち、気になったものがいくつかありました。

Eさんはまた、本県側に委ねられた捜索態勢について、「なぜ長野側から救助が来ないのか」と疑問を投げかけた。

仲間が事故に遭い、焦る気持ちやいらだちはあったのでしょう。
それはそれとして、理解できることだと思います。
ただ、ちょっと言い過ぎたのかな。。。。。

同じ記事の中で、続けて以下のように書かれていました。

現場の唐松岳は、地上から近づく場合、長野県側から入山した方が早いが、県警地域室は「長野県警の山岳遭難救助隊は装備と隊員を集めるのに(富山県警より)時間がかかる。態勢が整った富山県警が向かった方が良いと判断した」と話している。

また、別の記事でも以下のように書かれていました。

富山県警山岳警備隊は1日の事故当時、立山連峰で約30人が訓練中。長野県警が県内の山岳遭難救助隊の装備や人員を編成するよりも早く捜索に向かえると両県警が判断。捜索隊の中心として長野県入りし、救助に向かった。日本山岳会に所属し、登山に関する著書も多い魚津市の佐伯郁夫さん(73)は、「訓練中だった警備隊は、装備もそろっており普段よりも素早く出動が出来ていたはず。適切な判断だ」と指摘する。

引用したのは、すべて読売新聞の記事なんですが、悪くいえば、2階に上げてからはしごを外した格好になります。
言った方も言った方ではありますが。。。。


もし事故に遭い、マスコミに囲まれてしまったら。。。。。。。
いろいろな思いが駆けめぐることになると思いますが、やはり言葉を慎重に選んで使った方が良さそうです。
コメントしたことのすべてが記事に載るわけではないですし、取材する側にどう料理されるかは分かったものではないようですから。。。。


(本文中の斜体字は新聞記事からの引用。氏名は伏せました。)

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  1. 2009/03/07(土) 23:49:18|
  2. 日々是好日
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【遭難カルテ163】 唐松岳で女性2人滑落し1人死亡。救助の男性も死亡。

【概要】
1日午前11時半ごろ、富山、長野県境の北アルプス唐松岳(2696メートル)の山頂付近で、登山中の女性2人が富山県側に滑落したと同じパーティーの仲間が110番した。一行は登山仲間の男女各3人。28日に八方池山荘で宿泊し、1日に唐松岳に登頂して下山する予定だった。滑落したのは大阪市此花区、栄養士女性Aさん(51)と愛知県豊橋市、会社員女性Bさん(52)。Aさんは約200メートル滑落して右足を負傷し、動けない状態。Bさんは行方不明に。東京都葛飾区の会社員男性Cさん(44=リーダー)と、同豊島区の事務職員男性Dさん(45)が現場に残り、東京都練馬区の男性Eさん(73)と愛知県知多市の女性Fさん(63)は先に下山した。6人は1日午前7時頃、宿泊先の八方池山荘を出発し、午前11時頃に唐松岳山頂に到着。昼食を取り、午前11時25分頃、一列になって下山を始めたところ、前から2番目を歩いていたAさんと、3番目のBさんが、氷の上に積もった新雪に足をとられ、一瞬で滑り落ちたという。現場は頂上から約2~3メートル下の岩場で、積雪は約20~30センチだった。富山県警山岳警備隊員が捜索に出動したが、悪天候などで1日の捜索は断念。2日には富山県警山岳警備隊8人、長野県警山岳遭難救助隊2人、山小屋関係者1人の計11人が八方池山荘から入山。長野県警ヘリや富山県防災ヘリも出動した。富山県防災ヘリが2日午後4時20分頃、唐松岳の稜線下約500メートルにいたBさんと、一行とは別に単独で入山していた富山県魚津市の団体職員男性Gさん(31)を救助した。GさんはBさんより先に同じ場所で滑落し、2人で救助を待っていたという。2人は両手足に凍傷を負うなどしたが、命に別条はないという。2日はBさんら3人とは連絡が取れなかった。3日午前7時すぎ、Cさんから携帯電話で警察に「山荘付近にいる」と連絡があり、富山県警のヘリコプターが午前7時20分ごろ救助した。午前8時ごろ、山頂から約200メートル下の斜面で、Aさんが遺体で見つかった。また、午前9時50分ごろ、山頂から長野県側約200メートル下の「唐松沢」でDさんの遺体を収容した。死因はいずれも凍死だった。Dさんは当初、携帯電話で県警と連絡をとっていたが、2日朝から不通になっていた。富山県警が、救助されたCさんに話を聞いたところ、Aさんは1日午前11時半ごろに、山頂から約200メートル下に滑落。Cさんは現場に下り、2人はテントで同日夜を越した。2日朝に、CさんはAさんと別れ、救助を求めて山頂近くの山荘に行き、山荘の壁に寄りかかって過ごしていたという。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、共同通信、東京新聞、NHK、KNBなどからデータ引用・抜粋)



【考察】
2人が滑落し、うち1人は救助され、1人は死亡。
救助のために現場に残った人も亡くなるという、痛ましい事故でした。

概要をさらに要約します。

1日  単独のGさん(富山♂31)が山頂直下で滑落
     同じ場所でAさん(大阪♀51)とBさん(愛知♀52)が滑落。
     リーダーのCさん(東京♂44)とDさん(東京♂45)が現場に残り、救助に向かう。
     Dさんは携帯電話で110番通報、Eさん(東京♂73)とFさん(愛知♀63)は下山→無事。
     Aさんは現場から下り、Cさんを見つけビバーク、Dさんは連絡係として稜線付近でビバーク。
     Bさんは滑落後、Gさんと出会い、一緒にビバーク。
2日  午前6時、Dさんと警察が最後の連絡。
     朝、CさんはAさんと別れ、唐松頂上山荘へ移動。
     BさんとGさん、救助される→凍傷、生命に別状なし。
3日  朝、Cさんの携帯がつながり、救助される→凍傷、生命に別状なし。
     AさんとDさん、相次ぎ遺体で発見→死因は凍死。

今時点で分かっている流れは、こんな感じです。


冬の唐松岳、結構事故が多いところかもしれません。
1月にも事故があり、2人が亡くなりました。
中央アルプス・千畳敷のように、八方スキー場のゴンドラが利用できることもあり、手軽な印象があるのかもしれません。

冬の唐松、3回ほど行ったことがあるのですが、ひたすら強風だった印象が強く残っています。
そのほか、頂上直下にちょっといやらしいところがあった、という程度です。
ただ、条件が毎回同じ訳ではないので、その印象がすべてということにはなり得ませんが。。。。

単独で入山していたGさん、Bさんと出会えたことは、ある意味で非常に幸運でした。
6人パーティーの通報がなければ、捜索の立ち上がりが遅れていたことは間違いないと思います。
同じところで滑落、2人とも大きなけががなく、ともにビバークできたことは大きかったのではないでしょうか。
この件については、いずれ別項で述べたいと思います。



AさんとBさんが滑落したときの状況。
2人が一瞬でという報と、約1分の間を開けて次々という報がありました。
また、AさんとBさんのどちらが2番目でどちらが3番目なのかも、両方の報道がありました。
報道による情報も、かなり錯綜しているようです。

一瞬で、と言うのであれば、足下の雪が一斉に流れたのだろうか?
アイスバーン上の新雪は、状態によっては一気に流れたりします。
そうであれば、一瞬で2人が・・・というのもうなずける話です。

1分の間をおいて、というなら。。。。目の前で仲間が滑落し、動揺したのだろうか?



長い長い前振りでしたが、やっとこさ本題です。
今回は(も?)パーティーについてです。

事故発生後、2人が下山している点。
「はぐれ」たりしたことが元で起きた事故ではありませんから、いわゆる「はぐれ・置き去り型」とはちょっと違います。
ですが、2人が滑落した後、救助と下山にパーティーを分けたのには何らかの意図があったと思います。

現場に残れば、その日のうちに救助隊が来る保証はないので、当然、ビバークを想定する必要があります。
また、現場での捜索・救助、けがの手当てなど、かなりのエネルギーを必要とします。

年齢と性別で整理すると、以下の通り。
  滑落したのは51歳と52歳の女性。
  現場に残ったのは44歳と45歳の男性。
  下山したのは73歳の男性と63歳の女性。
このあたりに、判断の理由があるのかもしれません。
報道にも「高齢の2人が下山」というのがありました。

ですが、基本的にパーティーを分けるのはどうかと思いますが。。。。。
ただ、その判断の根拠に何があったのかによっては、評価は変わってくると思います。
分けたほうが良いと判断した理由とか、分けざるを得なかった理由とか。。。。
この点についても別項で述べたいと思います。



事故発生後、救助に向かった2人は別行動を取ります。
これが明暗を分けることになりました。

稜線を外して高度を下げることで、雪崩の危険を除けば、ビバークの条件はおおむねよくなります。
吹きさらしの稜線でのビバークとなると、かなり厳しい。。。。
2日朝の最後の連絡の折、Dさんは元気な様子だったと報じられていました。
また、山荘の鍵の開け方を警察が伝え、小屋の中に避難するよう指示したようです。
にもかかわらず、長野側の谷から遺体で見つかりました。
風に飛ばされたか足を滑らせたかではないでしょうか。

連絡係。
事故の一報を入れることは重要ですし、その後も連絡が取れるにことに越したことはありません。
ただ、一報の後、2人が別行動を取ってまで・・・という気がします。
基本的には2人で救助に向かい、3人で捜索隊を待つべきだろうと思います。
2人の別行動の意図などが不明ですので、これ以上は言えません。
この件については、生還したCさんの証言を待つほかはありません。



Cさんの行動について、疑問が2つほど。
まず、報道に「Cさんは1日、滑落したAさんに付き添い、別々のテントで夜を過ごした。」とありました。
別々???一緒に過ごすものだとばかり思っていましたが。。。。
ただ、報道が事実と違う可能性は、毎度ながらあります。
ですので、別々だったか一緒だったか。。。。。
もし報道が正しいとするならば、やはり不可解な行動だと思います。

次に、2日朝、Cさんは現場にAさんを残して唐松頂上山荘へ移動します。
通常、けがをして動けない人を残して移動することは考えられません。
そもそも救助に向かい、付き添った事実からも、不可解さが残ります。
このあたりにも、Cさんの証言を待つほかはないようです。



今回の事故、結果的にパーティーが、文字通り四分五裂状態に陥っています。
  ①事故発生で、A+B+CDEFの3分割。
  ②2人下山で、A+B+CD+EFの4分割。
  ③現場に残った2人が別行動でA+B+C+D+EFの5分割。
  ④CさんがAさんを見つけ、AC+B+D+EFの4分割。
  ⑤CさんがAさんと別れ、再び、A+B+C+D+EFの5分割。
こうやって並べてみると、EさんとFさんがともに下山した以外は、2度にわたって1人ずつの状態。
ほとんどパーティーが崩壊していると言えそうです。

何かコトが起きたときの互助関係が、パーティーを組むことのメリットのひとつだと思います。
事故当時の現場の状況など細かい情報がないことを承知のうえで敢えて言えば、そのメリットが生かされることなく、事故が大きくなってしまったのではないでしょうか。

今回の件は、パーティーの構成・体制やトラブルがあったときの行動に、不可解な点と無理があったように思います。
詳細について、もっと情報があれば。。。。見方が変わる可能性はあるんだけれど。。。。



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  1. 2009/03/06(金) 13:55:25|
  2. 遭難カルテ
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