秩父で起きた遭難事故、救助に向かった埼玉県防災ヘリコプターが墜落し、搭乗していた7人のうち、5人が亡くなりました。
まずは亡くなった方のご冥福を祈ります。
まず、遭難したのは
労山都連盟の9人パーティー。
そのうちの川崎市の女性(55)が滝つぼに転落し、救助要請がなされたのが発端です。
おそらく救助に向かった人たちは、職務でもあり、強い使命感を持っていたと思います。
また、救助作業の困難さは十分承知していたことでしょう。
それだけに余計に胸が痛みます。
趣味の登山で遭難し、助けに来てくれた人が亡くなる。。。。。。
あってはいけないことのような気もします。。。。
事故の分類から言えば、航空機事故としてカウントされることになるでしょう。
しかし、りっぱな二重遭難とも言えるのではなかろうか。。。。
昨年の9月にも、穂高で遭難者救助に向かった岐阜県防災ヘリが墜落し、乗員3人が死亡する
事故がありました
山岳遭難者救助中の墜落事故ということで、ずいぶんと騒がれました。
そして、1年もしないうちにまた・・・・。
そもそも防災ヘリは、消防活動や救急活動、災害救助、復旧活動支援などをするために配備されたもので、決して山岳遭難救助を大きな目的にはしていません。
埼玉県の場合、ドクターヘリが夜間飛行できないため、夜間は防災ヘリでカバーしていたようです。
それがこの事故を受けて、夜間のドクターヘリ的運行ができなくなったとか。
国からの補助金は受けてはいるのでしょうが、基本的には埼玉県民のための存在なのです。
よく「行政のヘリはタダだ」というようなことを言います。
私自身、何度も口にしたことがあるし、このサイトでも字にしたことがあると思います。
事実としては間違いないことです。
ただ、軽々しく言葉にしていい話ではなかった・・・・。
反省しなければなりませんね。。。。
今回の事故を受けて、登山者への風当たりが強くなることもありえると思います。
なんで遊びに来たヤツのために・・・・ご遺族の中には、そんな思いを持つ人がいてもおかしくありません。
そして、その思いには、その通りです・・・としか答えられません。
以前、長野県では救急車の搬送有料化が議論されたことがあります。
それが再び再燃したとしたら。。。。
いろいろなことを、甘んじて受ける他はないかもしれません。
遭難救助は、ヘリに負う所が大きいのは周知の事実です。
登山者として、もう一度真剣に考えてみる必要があると思いました。
事故原因は事故調査委が調べることになりました。
航空機の運用や救助隊員のトレーニングなど、そのへんの登山者の安全対策よりもよっぽどしっかりしているのではなかろうか。。。
それでも、今回のような事故は起きてしまうんですね。。。
さて、今回の事故で滝つぼに転落した女性は、その後に死亡が確認されました。
ヘリの事故報道に隠れて、転落事故自体はほとんど報道内容が薄い状態です。
関係者が「ご迷惑をおかけした。申し訳ない」とコメントしている姿は、テレビでも見ました。
今回のパーティー、労山都連盟の
沢教室だったようです。
要するに、労山都連盟が行った沢登りの講習会ということです。
その講習会で事故があり死者が出てしまった。
さらに救助に来たヘリが墜落し。。。。。。
労山都連盟が、一連の出来事をどのように総括するのか。
今後に注目したいと思います。
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- 2010/07/27(火) 04:15:21|
- 日々是好日
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トムラウシの事故から1年になります。
JMGAの報告書(PDF91ページ)が出たころ、バタバタしていて何も書けなかったので、そのあたりも含めてまとめて書きます。
毎日新聞に以下の記事が出ていました。
①
ガイドの刑事責任、1人脱落時の判断焦点か ②
遺族ら疑問なお ガイド、謝罪繰り返すだけ2本の記事とも1年を迎えるにあたって、書かれたものです。
順に見ていきます。
まず記事①から引用。
同社の契約ガイドの経験がある京都市の山岳ガイド、山形昌宏さん(47)は「あるツアーで『日程に余裕がない』と会社に抗議したら『料金が高くなる』とはねられた」と明かす。「今回、ガイドが引き返さなかったのも、会社のことを考えたからではないか」
ただし、こうした体質は業界全体の問題でもある。事故・災害情報が専門の青山千彰・関西大教授は「参加者募集のパンフレットでは美しい山の写真を前面に押し出し、危険性に触れない。説明責任が欠如している会社が大半だ」と指摘する。それでもなお、民事はともかく刑事事件としてアミューズ社を立件するかどうかは微妙だとのこと。
法律の問題となると、現実とはかけ離れたことがままあります。
ま、それは言ってもせん無いことですが。。。。。
ガイド協会の報告書でも、ツアー会社の問題点が明記されていました。
問題があるけれど、刑事裁判上は微妙、ということです。
以前書いた
観光庁のアンケート結果からも、業界全体がヌルいことが分かります。
それでもツアー登山に群がる人たちがいる。。。。
個人的には、もう、理解不能の世界です。
仮にガイドだけが立件され、有罪となったら。
ただでさえツアー会社に対して、ガイドは立場が弱いようです。
そんな中、ガイドだけが・・・・・。
それでいいんだろうか?と考えてしまいます。
再び引用。
今回の遭難では、ツアー客側にも問題がなかったか議論となった。ここ10年ほどで増えたとされる旅行会社主催の「ツアー登山」は、単独では難しい山に挑める一方、ガイドに頼り切りになる「おまかせ登山」にも陥りやすい。日本山岳ガイド協会の事故報告書も「登山者として自立できていない」と認識の甘さを批判している。「おまかせ」。
ガイドのみならず、ポーターまでいるツアーも結構あります。
アミューズ社のツアーでも、テントなどを客が担ぐことはないようです。
そういった「おまかせ」が一つの「売り」だったりもするのでしょう。
で、そういうところに「自立できていない」客が群がる。。。。。
ほとんど負のスパイラルが延々と続くということになります。
「登山者として自立できていない」と言い切ってしまうのは簡単かもしれません。
ただ「自立できていない登山者」を生み出してきた背景はどこにあるのか。。。。
そこに踏み込まない限り、解決の道筋は見えてこないと思います。
続いて、記事②から引用(個人名は伏せました)。
「ガイドがいたのに、どうしてこんなことになったのか」。1年間、疑問を抱えて過ごしてきた。だが事故後、ツアーを企画した「アミューズトラベル」(東京都)からは示談を促す書類が送られてきただけで、説明会は開かれていない。4月に事故原因などの質問書を送ったが「(2月に公表された)日本山岳ガイド協会の報告書を弊社の見解とする」との回答が来ただけだった。
遭難の翌日、アミューズの社員が遺族の前で「ガイドの判断は適切だった」と漏らした言葉は、今も頭から離れない。原因究明をあきらめるつもりはない。●●●さんは今月、再び質問書を送った。
愛知県弥富市の●●●●●さん(当時69歳)の夫●さん(71)はこの冬、妻の姿を夢に見た。着物姿で穏やかな表情。「やっと帰ってきたな」。語りかけると、目が覚めた。
昨年12月、生還したガイド2人が自宅を訪れた。「中止すべきだったのではないか」。いくら問いかけても、2人は謝罪を繰り返すばかりで具体的な説明はなかったという。浜松市の●●●●●さん(当時59歳)の夫●●さん(60)も「会社は何の情報も出してこない」と憤る。
こうした不満に対しアミューズ社は「報告書を真摯(しんし)に受け止めて安全対策に取り組んでいる。(遺族へは)それぞれに対応している」と話している。さて、遺族たちは納得がいかないようです。
いかなる答えであったとしても、納得することはないのではないかと思いますが。。。。
さて、ここで気になったのが、アミューズ社とガイドの、遺族への対応。
示談を促す書類を送り、生還したガイドが遺族を訪ねたことはわかります。
が、それ以上のことは、全く触れられていません。
まず、アミューズ社の対応から。
会社関係者が遺族のもとを訪ねたのだろうか?
示談を促す書類を送ることと、質問に対して「ガイド協会の報告書を弊社の見解とする」というだけの回答。
これが「真摯に受け止め」た会社の対応だろうか?
遺族が納得することはなくても、誠意が伝わる方法はいくらでもあると思います。
このような木で鼻をくくったような対応をする会社が、今でもツアー登山を続行しています。
「ガイド協会の報告書を弊社の見解とする」
以前にも書いたのですが、当時のアミューズ社代表とJMGA傘下組織のマウンテンツアーガイド協会の当時の代表者は同じうえ、協会連絡先は今も変わらずアミューズ社内となっています。
これは「アミューズ社 = マウンテンツアーガイド協会」といっても過言ではないと思います。
で、ツアー会社であり、ガイド組織でもある集団。
そんな集団が、報告書すら作れなかったのは周知の事実です。
いくらJMGAが報告書を作るとしても、自分たちの手でまず作れたのではないかと思いますが。。。。
というか、報告書を作る能力自体が欠如していたともいえると思います。
それでも、アミューズ社のツアー登山は続行中です。
アミューズ社のHP。
トップページ冒頭に事故の件を表記しています。
事故があったのかなかったのか、分からなくしてしまう業者やガイドが多い中、この一点だけは評価していいと思います。
ちなみに、同じ時に美瑛岳で1人が亡くなった
オフィスコンパスのHPには、全く記述がありません。
また同社社長の
ブログにも、記述はありません。
これって、特別なことではないようです。
過去にも何度かツアー・ガイド登山のことを書いてきたのですが、ほとんどが同様の対応。
まるで事故がなかったかのような、楽しい記述が続いているケースがほとんどです。
話をアミューズに戻して。。。
同社サイトの中に
安全登山への取り組みというページがあります。
突っ込みどころ満載なんですが、一点だけ。
今回の添乗員、ガイド、サブリーダーともに経験豊かで実力を持ったスタッフを配置しましたが、結果として遭難事故となってしまいました。今後のスタッフの選定は「安全山行委員会」の委員を中心に執り行い、 リスキーなプランにおいては、危機対応の力を中心に歩行クラスや山の難易度に応じたツアーリーダー(ガイド)選びを今まで以上に慎重に選定いたします。この事故は
JMGA会員のガイドをリーダーに選定したツアーの事故です。
「経験豊かで実力を持ったスタッフを配置しました」
ということです。
で今後はどうするかというと
「ツアーリーダー(ガ イド)選びを今まで以上に慎重に選定いたします。」
だそうです。
さて、フワフワした言葉が並んでいますが、具体的に何を言っているのか、さっぱり分からないんですが。。。。
JMGA会員ガイドをリーダーに置いていたにもかかわらず、今後は「今まで以上に慎重に選定いたします」。
ここって、JMGAが怒るべきところでは?
自分のところのガイド資格に、絶対の自信を持っていたら、ではありますが。。。。。。
自分のところで出した報告書で、原因の一つにガイドの判断ミス、って出てしまった以上、言いにくいでしょうけど。。。。
一方のJMGA。
自分のところのガイドの判断ミスと報告書に出てしまった時点で、何をしたんだろう?
ここのHPって、ほとんど更新されないので、全くわからないんですよね。。。。
報告書を出したから、それでおしまい・・・・なんて、ねぇ。。。。
ガイド資格の信頼性を揺るがしかねない事故だったと思いますが。。。。
生還したガイドが遺族のもとに出向いて、謝罪のみを繰り返したこと。
刑事立件される可能性がある以上、うかつなことは言えない立場であることは差し引いて見てもいいかと思います。
また、遺族との対面も、かなりつらいことだと思います。
(遺族の方がもっと・・・というのは、ちょっと横へ置きます)
アミューズ社とちがって、遺族に直接向き合う姿勢は評価してもよいかと。。。。
まさか、ガイドが社を代表してなんてことには。。。。。
実際のところ、どうなんでしょうね。
ただ、遺族の心情を考えると、謝罪以外の何か(情報なり言葉)を、少しでも出すべきだったかもしれません。
ここはちょっと難しいところですね。。。。。
事故から1年。
ツアー・ガイド登山の問題点が浮き彫りになった事故でした。
また、1年を経過することで、その後の対応のまずさや、危機感の薄さ・鈍さも見えてきたように思います。
多くの人が亡くなった事故なのに、それが十分に生かされているだろうか。。。。。
どこまでやっても十分にはなりえないかもしれません。
ですが、もうちょっと何とかならんのか・・・・・という思いが消えません。
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- 2010/07/16(金) 22:27:31|
- 日々是好日
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山ガールってのが一部ではやっているんだそうな。
知人から、山ガールの特集が載っている雑誌を借りました。
読んでみて、正直なところ、クラクラして。。。。。
それは紛れもなく、ファッション誌だったからです。
そういうものに免疫のない自分にとっては、刺激が強すぎた!
目がチカチカして、長時間見るのは、ちょっとツラい。。。。
頂上でモデルさんがはにかみながら、きっちりひざを曲げて、バンザイジャンプ!
頭痛がしました。。。。
あの「夏山○ョイ」が正統派ですごく硬派に思えるほどでした。
雑誌にはあれやこれやとグッズの紹介。
これがまあ、ほとんど服。
次から次へと「カワイイ」「ふわモコ」。。。。。
全然ついていけない。。。。。
さて、ちょっと気を取り直して。
最近の流行についていけないのは、オジサンの証拠。
40過ぎてる以上、当然、オジサンであることは、動かしがたい事実。
「兄ちゃん」といわれると、ちょっと戸惑ったりします。
年相応にありたいと思うのだけれど、なかなかこれが難しい。。。。
で、肝心の山ガール。
いろいろと知人をあたって聞いてみました。
年代層はおおむね20代後半から30代だそうです。
中学1年の時に、英語で習った「ガール(girl)」って、「少女」じゃなかったっけ?
改めて辞書を引いてみたら「ガール=女の子。少女。若い女性。」。
30過ぎて「ガール」ですか。。。。
ま、世間には「小泉チルドレン」とか「小沢ガール」とか、年齢的にはずっとトンデモナイのがいることは承知してますが。。。。
で、30代半ば2児の母である嫁さんに聞いてみた。
「あのさあ、お前ってさあ、ガールなん?」
「・・・・・何が言いたいん?」
と、にらまれてしまった。。。。。。
(ま、ちょっとホッとしたのは事実です)
で、その雑誌類を嫁さんに見せてみました。
「ふ~ん。。。。」
「こんなん欲しい?」
「えぇ~?こんなんよう着んわ!だって・・・(以下自主規制)」
どうやら「女の敵は女」ってのも、あながちウソではないらしい。。。。。
ウチの嫁さんが変なだけかもしれませんが。。。。。
で、この間、例のごとく裏山をウロウロしている時のこと。
バリバリの山ガールファッションに身を包んだ女性の3人組と遭遇しました。
「こんにちは」と、普通の挨拶はしたけれど、やっぱりこちらが引いてしまった。。。。。
なんとなく、近寄れないのです。
オ○サンの団体さんに近寄れないのと同じレベルの反発力が働いて。。。。。
以上、うだうだ書いたことは、あくまで個人的感想ですので、横に置いといて。。。。
相変わらず、前置きが長い。。。。。。。
30代の女性登山者が増加しているとのこと。
山ガールの流行がその背景にあるとすれば、ファッション先行で、内実が伴っていないのではないかと思いました。
「山に行く」ことが目的ではなく「そのファッションで山に行く」ことが目的になっているような。。。
身につけるものから入るとい意味では、両手にストックを持ち、サポートタイツを身につけると、どこにでも行けると思ってしまう中高年初心者と同じレベルかもしれません。
例の雑誌を改めて見てみると、その感がより一層強く感じられます。
で、山で注意すべきポイントというのがありました。
まず「日焼け」、次に「虫さされ」。。。。
読んでて、ほとんど呆然。。。。
このような雑誌を作っている人たちって。。。。。
それと、このような雑誌を見て山に行き始める人たちって。。。。
大丈夫かな?
この年代の遭難がじわじわ増えている現状と、何か関係があるのかもしれません。
さて、次世代育成の話、何度か書いてきました。
ここから先、10年、20年とたって行ったらどうなるのか・・・ということです。
中高年だらけの山の世界からすると「山ガール」、「若い」部類になるでしょう。
ですが、15年もたてば、そろって「中高年」に分類されてしまう人たちともいえます。
ですので、「次世代」と呼ぶには、ちょっとムリがありそうだなぁ。。。。。
とはいえ、この「中高年だらけ」の世界に、新しい風をいれたことは間違いありません。
登山者の年齢構成を変える、ひとつの動きと言っていいかもしれません。
流行とともにやってきた人たち。
流行が去るとともに、いなくなってしまうかもしれません。
ある意味では、今までいなかったタイプの「異人種」です。
異質であることを理由に毛嫌いするのもどうかと。。。。
今時点で「ケシカラン!」という前に、これからどうなっていくのか、しばらく様子を見ようかなと思います。
個人的には近寄りがたいんですけどね。。。。。
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- 2010/07/14(水) 22:55:01|
- 日々是好日
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会社の連中と飯を食いに行った時のこと。
社内の付き合いって、面倒なのでほとんど出撃拒否。
いつもはそれで切り抜けているけれど、この日ばかりは捕まった。。。。
ま、サラリーマンですから、断りきれないときもあるわけで。。。。
そんなときは隅っこの方でおとなしくして。。。。と。
どういうわけか、山の話が降ってきた。
ヤバイヤバイ。。。。。
50代後半の上司♂(3児の父)。
山歩きでも始めてみようかと思っているとか。
「君、山登りするんだって?」
「はあ、まあちょこちょこと」
「何かポリシーとか信念みたいなものがあるのか?」
「いやぁ・・・・ないんですけどねぇ。。。」
「んじゃあ、達成感とかか?」
「そういうのんでもないんですけどねぇ。。。」
「そうか。。。。」
会話終了。
もうひとつ。
最近山歩きを始めたらしい30代の同僚♀(独身)。
「自然の中を歩いてると、癒される感じがしていいですよね」
「いやぁ・・・・どうやろ。。。。」
「。。。。。。」
会話終了。
家に帰ってから考えてみました。
会社の飲み会には向かないタイプだな、オレ!って、そんなことはどうでもいい。。。。
上司との会話から。
バリバリ働いてきた人だけに、「信念」「ポリシー」「達成感」ってのが大好きな人です。
分担やノルマはこなしますけど、それ以上の仕事はちょっと・・・という私とは、ある意味で正反対。
登山に興味を持っている、とのこと。
たぶん、定年後の時間の過ごし方なんかを考えているんだろうなぁ。。。
で、60歳になって、「信念」やら「達成感」やらをキーワードに山へ・・・なんてことになるんだろうか?
それじゃあ、仕事と変わらないじゃん!なんてことは、言いませんでしたが。。。。
60代登山初心者誕生の前段階を見た!といったら言い過ぎかな。。。
体力維持・健康増進ということを考えているようでした。
我が身に置き換えて考えたら・・・・・・。
山に行く前に、その不健康で不摂生な生活の方を何とかしろ!ってな感じだ。。。。
そっちの方が、よっぽど効果がはっきり出る、と確信を持って言える!
なんだか、自分がダメ人間に思えてきた。。。。。同僚との会話から。
キーワードは「癒し」らしい。
厳しい、つらい、苦しい・・・・・出てくるのはそんなことばっかりの自分からすると、夢のような世界の話。
まあ、癒されることが皆無なわけではないけれど、やっぱり違うなぁ。。。。
吹雪の中で胸までのラッセル、ビビリながら進む岩稜や岩登り。。。。
ずぶぬれの下山日、(学生時代の)信じられない重さのザック。。。。
落ちたり、こけたり、凍傷になったり。。。。
全っ然、癒されてません!30代の女性登山者が増加中らしいけれど、その流行に乗っている状態なんだろうか?
ま、あんまり突っ込んで聞くと疲れそうなのでやめましたが。。。。
2人とも、キーワードがありました。
自分はどうだろう?と思ったのですが・・・・・しばらく考えても「ない」。
「信念」と「ポリシー」は、まったくなし。
それは「信念」を持って断言できる!(笑)
「達成感」と「癒し」は・・・・・下山後の風呂の中で、似たような状態かな?
お湯につかって
「ああ、やっと終わった。やっぱり風呂はいいなぁ」みたいな。。。。
そのあと布団の中で
「ああ、やっと終わった。やっぱり布団はいいなぁ」みたいな。。。。
ますます、自分がダメ人間みたいな気がしてきたゾ!で、なんで山登るんだろう?
あんまり考えたことがなかったなぁ。。。。
マロリーの「
そこに山があるから」は、いろいろと深い意味のある言葉です。
個人的には「
そこに(未踏峰の世界最高峰のエベレストという)
山があ(り、自分はその頂に真っ先に立ちたいと思ってい)
るから」という意味だと理解しています。
で、自分はというと、ちょっと困ってしまいました。
これまでのことを考えると、いろいろと大変なことが多かった方が印象深く記憶されています。
楽勝でスルスルっと終わってしまった山への印象は、やっぱり薄い。。。。
マゾっぽいかもしれませんが、やっぱりなにがしかの負荷がかからないと、面白くないのですね。。。。
結局、「好きだから」以外の答えが出てきませんでした。。。
「何が好きなの?」って聞かれると、腕組みして「う~ん」と、唸るだけです。
が、たまには真剣に考えてみよう。。。。
山に行くと、普段の生活では感じられない「死」が、なんとなく近くに感じられるのです。
そんな状態だから、山にいる間は、言いようのない緊張感が体中にまとわりつきます。
もやっとした緊張感の中で「自分は次にどうするんだ?」という自問自答と行動を重ねていきます。
その繰り返しの中で、ちらちらと「死」が見え隠れします。
遭難しかかった時には、かなり現実に近いものとして感じました。
なるべくそれを感じることがないように・・・と思い、自分の持っている知識や経験や技術の引き出しを一つ一つ開けながら、打てる手を打ちます。
知らなかったことを知り、気づいていなかったことに気づかされることで、引き出しは増えていく。。。
ただ、「死」を感覚的に垣間見るような中で過ごしていることが、自分の「生」を感じている時でもあります。
「死」を意識することで、自分の「生」を感じる。。。。
下山して街に入ると、この緊張感から解き放たれます。
緊張でカタくなった精神と体を、風呂でほぐし、布団で休める。。。。。
そうすることで、自分の「生」を改めて実感するのでしょう。
いうなれば、自らの「生」の自己確認をしているのかもしれません。
その実感が薄まると、一種の中毒症状のようなものか、山へ行きたくなってしまいます。
山に行っているその瞬間よりもむしろ、下山した後に思い返すことが、自分は好きなのかもしれません。
そういう山だからこそ、一緒に行く相手は選びます。
むしろ、単独の方がどっぷりと浸れます。
普段は働いていて、休みも家やら子供のことやらで、あまり自由にはなりません。
数少ない機会だからこそ、濃い内容を求めてしまうところはあるかもしれません。
コースの難易度やハードさは、内容の濃淡に多少の差が出てくるでしょう。
ですが、低くても易しくても、内容をある程度濃くすることはできると思っています。
ただ国内においては、標高が高いとか、有名どころだとか、百名山だとかは、ほとんど意味を持ちません。
現在の自分のおかれている状況と、現在の自分のポテンシャルなどの制約から、行ける山は限られています。
多くの制約の中から、生きたいところを選ぶ自由ぐらいはあるべきだと思います。
その自由は他律的なものではなく、自立的なものであるべきだとも思います。
バイブルやガイドブックには縛られたくはない。。。。
地形図を見ながら、唸るのも醍醐味のひとつでしょう。
あぁ~、長々と観念的?になってしまった。。。。
自分でもなんだかうまく表現できないもどかしさが。。。。。
キーワードにすると「生の自己確認」・・・・・ちょっとムリがあるか?
一言でスパっっ!!と言い切れる人って、ある意味幸せで、ある意味すごいんでしょうね。。。
ま、人それぞれだから、自分はそれでいいんだろうけど。
山に行く理由なんて、100人いたら100通りなんだろうなぁ。。。。
山の魅力、一言で言い切ったり、人に伝えたりするのって、難しい。。。。。。
自分の語彙が少なかったり、構成力が貧弱なだけかもしれんけど。。。。。。
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- 2010/07/04(日) 12:05:51|
- 日々是好日
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少し前のニュース記事から。
最年少更新は不可能に=エベレスト登頂、中国も年齢制限(時事通信)
ニュース記事って、すぐ消えてしまうので、大まかな内容を。
エベレスト・中国側ルートで、秋から18~60歳までの年齢制限がかけられる。
最年少登頂記録争い過熱が影響か。
ネパール側はすでに16歳以上の年齢制限あり。
5月に13歳の米国人少年が登頂成功した記録の更新ができなくなった。
エベレストなんかにゃ行くことは、この先もないだろうから、個人的にはどっちでもいい話。
ま、それは置いといて。。。。。
ずいぶん前に
こんな記事を書きました。
今後は中国側からの最高齢記録更新もできなくなった、ということですな。
もう一本、
こんな記事も書きました。
中国側からは、年配(61歳以上)のツアー参加者も締め出される格好ですかね。
エベレストの商業公募型登山、チベット側が中心だと聞いたことがあります。
登山料の差があることが、ポイントの一つだとか。
実際の所どうなのか、詳細は知らないのですが。。。。。
少なくとも、公募隊に参加しようという年配の方は、ネパール側からしか登れなくなったということです。
ツアー業者には、少なからず影響が出るんでしょうかね。。。。
最年少だとか最年長だとか、そんな記録に懸命になる人もいるんですね。。。。
今回のことも含め、この年齢規制。
「登山の自由が損なわれた!」という人もいるんでしょうね。
一方で「そこまでしなけりゃならなくなった」という向きもあると思います。
どっちかというと、今回はそっちかな。。。。
日本にも剣岳と谷川岳に登山条例という、立派な規制があります。
法律などの規制が増えることは、あんまり歓迎できませんが、ま、仕方のない面もあろうかと。。。。
今回のニュースでは、「最年少記録争いの過熱を懸念」というのがひとつのポイント。
中国もネパールも、登山料収入がある中での規制ですから、「あんまり来ないでね」というのではありません。
ただ60歳までという部分にも注目していいんじゃないかな・・・・と、思いました。
海外登山のツアー客。
年配の方が多いようですから。。。。。。
「最年少」とか「最年長」とかの記録。
それはそれですごいことなんでしょうけど・・・・・・・・・。
テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2010/07/01(木) 07:25:16|
- 日々是好日
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