山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ57】 奈良・釈迦ケ岳で男女死傷

【概要】
13日午後2時10分ごろ、奈良県下北山村の釈迦ヶ岳(標高約1800メートル)で、登山をしていた男性から携帯電話で「一緒にいた女性が山頂付近から滑落した。呼んでも応答がない」と110番通報があった。県警吉野署や地元消防団員らが捜索、14日午前10時30分ごろ、女性の遺体を見つけた。女性は千葉県印西市、会社員女性(60)。一行は東京都練馬区の「若葉歩こう会」の50~70代の男性4人・女性13人の計17人で、12日朝から登山をしていた。一行が下山中の同日午後7時10分ごろには、さいたま市見沼区の男性(69)も登山道から転落。他のメンバーは下山し、男性も約2時間後に自力下山中に救助された。釈迦ヶ岳は奈良県南部の大峯山系で、周辺は13日朝から雨が降り続いていたという。

【考察】
まず、山頂付近での情報が少ないので、滑落の原因は不明です。
1泊後の2日目の事故でした。

問題と思われるのは、下山中に1人転落にもかかわらず、他のメンバーは下山していたこと。
転落した男性は2時間後、自力下山中に救助されたとか。
転落後も自力でルートに復帰、再び下山を開始していたと見られます。
その間、他の15人はいったい何をしていたのでしょうか?
もし、彼を置き去りにして下山していたとしたら、最低の集団です。

2度の事故発生で、通報以外は全くパーティーとしての機能を果たしていない状態です。
何があっても互いに助け合い、自力下山につなげるのがパーティー。
単独登山では誰も助けてくれませんが、10人を超える人がいてもこの有様では、話になりません。
皆さん、自分のことだけで精一杯だったのでしょうか?

百名山に50~70歳台の17人の大パーティー。
よく見かける中高年の〝団体さん〟です。
今回の事故で気づいたのは、リーダーの存在が希薄なことです。
各種報道では、全く報じられていない状態です。
少人数の場合よりも、多人数の場合の方が、強力なリーダーシップを必要とします。
人数が多くてにぎやかだけれど、しっかりした指揮系統は存在しない。
そんな集団の危うさ、どう考えるのでしょう。

この手の集団の特徴として、次の特徴が挙げられます。
リーダーは大人数を連れて行ったことを誇る。
参加メンバーは「連れて行ってもらうだけ」。
これはすでにパーティーの体をなしていません。

山へ行くスタイルにはいろいろな形があるとは思います。
しかし、これではあんまりではないでしょうか。




==========追記==========(06.5.17)

続報があったので、追加説明を。

このパーティーのリーダー(71)は登山歴50年・登山ツアーのリーダーを務めて30年。
下山中に転落した男性の実兄です。
男性の転落は、登山道の階段で足を滑らせたのが原因。
女性が滑落した登山道は幅30センチで、後続の女性が斜面を転落していくのを見たという。
携帯電話で110通報し、下山開始。
当時、現場は霧で見通しが悪いうえ、雨も断続的に降っていたという。
参加者によると、その2時間後(午後4時過ぎ)男性が転落。
リーダーは、日没が近いことなどから、弟の救助より仲間の安全を最優先させて山を下ったという。
その後、自力下山した男性は、脳挫傷などで三重県の病院に入院した。
一行は下北山村の宿坊「小仲坊」へ下山。
その後、リーダーを含め3人が救助に向かう。
木下さんは14日、登山道から約150メートル下の沢で遺体で発見された。
女性は首の骨を折り、即死状態だった。

【日々是好日40】に関連記事あり。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/05/15(月) 11:57:24|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:9
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コメント

若干のコメント

5月23日~24日に新聞記者の案内をして現地調査をしました。このスペースには書ききれませんので、恐縮ですが下記HPをお読み戴ければ幸いです。
http://homepage1.nifty.com/oodai/
大台ヶ原・大峰の自然を守る会
  1. 2006/05/30(火) 15:57:05 |
  2. URL |
  3. 田村 義彦 #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

事故当日は台風並の風雨でした

釈迦ヶ岳で転落死亡事故が起きた当日(2006・5・13)、近くの山に仕事で登っていた地元天川村役場の方に会って状況をうかがいました。(06・7・18)

「当日、稜線は台風並の風雨でした。一行は弥山小屋を午前6時20分に出発、事故が起きたのが午後2時過ぎ。5時間くらいの行程に8時間かかっています。弥山からトンネル西口に下山しておれば何でもなかったでしょう。

3月に行方不明になった東京の単独行者に登山口で会いました。その日は狼平避難小屋に泊まると言っていました。翌日は天気が悪くなる予報でしたので、そこから引き返すように言いましたが降りて来ませんでした。その日、2mの雪が降りました。地元の者で3日間探しました。天川側は傾斜がゆるいので上北山側の白川又源流に落ちたのでは・・・」


  1. 2006/07/18(火) 21:43:33 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:事故当日は台風並の風雨でした

HIKOさまへ。

現地での判断を誤ると大変なことになる、ということですね。
エスケープルートの存在、重要なポイントかもしれません。

後段の3月の単独行者の件、おそらく遭難カルテ30のことかと思います。
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/blog-entry-74.html
1日で2メートルの積雪。
紀伊山地付近には全く詳しくないので、そんなに降るのかと驚きました。
1日でも早く見つかることを祈ります。
  1. 2006/07/19(水) 15:31:25 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

恥ずかしながら

申し訳ありません。遭難カルテ30までさかのぼって読んでいませんでした。また新聞をあまり読まない私は、当時各紙で報道されたことも全く知りませんでした。しかも、ごく最近、その方が私の所属する山岳会の会員であることを知って驚きました。実は先日、現場近くまで行っていたのですが、捜索もせずに下山して申し訳のないことをしたと思っています。

大峰では、春以来すでに2人死亡、1名行方不明、1名重傷です。世界遺産登録が陰を落していないでしょうか・・・遠来の方ばかりです。

それにしましても、ご承知のように、何故か、近年、春になってからドカ雪が降るようになりましたね。
中級山岳の雪は冬でも湿っていて衣服を濡らし、体温を奪いますが、春の雪は更に恐ろしいです。
衣服・装備が軽量化し、保温力も各段に良くなっているのに、人間の脆さはあまり良くなっていないとは皮肉です。
  1. 2006/07/21(金) 00:57:03 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:恥ずかしながら

HIKOさまへ。

書いた本人が記憶していたまでのことです。
気がつけば駄文も200本近くにまでなってしまいましたので、すべて目を通すには骨も折れると思います。
お暇なとき、もし気が向いたら読み返してみてください。

私自身、紀伊山地方面には一度も行ったことがないのです。
いつかは行かねば・・・と、思うのですが・・・。

100名山ブーム以来、有名どころには中高年の団体を中心とする登山者が集中しています。
世界遺産登録で、一躍、有名どころの仲間入りをはたした結果、人が集まるということになってる面は、確かにあると思います。

地球温暖化の影響か、段々気象に関するセオリーが通用しなくなってきている部分があると思います。
冬には冬の厳しさがありますが、春の雪、秋の雪・・・両方とも私は身構えてしまいます。

アップしたのは装備の性能と、登山者の年齢。
下がったのは登山者のモラル・能力・技術・・・とまで言ったら言いすぎでしょうか・・・。
  1. 2006/07/21(金) 11:33:48 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

200本とはすごい!

表題は、200件の事故をすごいと言ったわけではなく200件もの事故をピックアップされて考察を加えられた執念のすごさに対してです。アバウトでヌエの時代に正論を主張し続けることは稀有なことであるだけに有意義です。継続は力なり。開かれた場であるために、たまには誹謗中傷もあるでしょうが、お続けください。それにしても、ROMの発言がほしいですね・・

>アップしたのは装備の性能と、登山者の年齢。
下がったのは登山者のモラル・能力・技術・・・

思わず膝をたたきました。
  1. 2006/07/21(金) 22:51:46 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:200本とはすごい!

HIKOさまへ。

200本近い駄文のうち事故を扱ったものは、まだ100件に届いていません。
このなかには、しょーもない「日記」モドキも含まれています(笑)。

また、「正論」かどうかは、自分では何とも言えません。
メディアベースの情報をもとに、私見を述べているに過ぎないので、異論のある方もいらっしゃるかと思います。

ROMの発言について。
少々重いテーマが多いので、なかなか発言がしにくいのかもしれません。
気づかなかった視点を提供してくださった方、反論を展開してくださった方、そして背中を押してくださった方。
みな、ありがたく受け取っています。
これまでのところ、私には何の不満もありません。
みなさんの発言が、自分の糧となればよいと思っています。
また、その議論の過程が、他の人の参考になっているようなら、望外の喜びです。

本格的?に山をはじめて、もうすぐ四半世紀になります。
装備の進化、自らの衰え、いろいろな場面に遭遇してきました。
「アップしたのは・・・」のくだり。
思ったとおりのことを書いたつもりでしたが、そんなにウケるとは思いませんでした(笑)。
  1. 2006/07/22(土) 13:27:19 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

まさに

老害です
  1. 2009/08/15(土) 10:10:20 |
  2. URL |
  3. 大金博 #-
  4. [ 編集]

Re:まさに

大金博さまへ。

時に私もそう思ってしまいそうになることがないとは言えません。
ですが、その一言で片付くような問題ではない、と思いますがね。。。。。
  1. 2009/08/19(水) 13:37:31 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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 さしてアクセスも上がらないブログ書いてるくせに人様のブログ紹介ってのも何ですが・・・。 「山道を行く」 えてして“変わり者”の多い“山屋”の世界ですごく良識的・常識的な方だと推測させられる文章で綴られていらっしゃいます。 特に【遭難カルテ】のコメントは
  1. 2006/05/16(火) 05:35:33 |
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