山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ74】 ツアーの中高年12人下山せず

【概要】
27日午後11時半ごろ、北海道の神威岳(1601メートル)に上った中高年登山客ら12人が予定日を過ぎても下山しないと、ツアーを企画した東京都台東区の旅行会社ウッドウインズツーリストから北海道警浦河署に通報があった。登山ツアーに参加していたのは、東京、神奈川、埼玉に住む55-71歳の男女10人と、登山ガイド1人、旅行会社の社長の計12人。27日午前6時ごろふもとの神威山荘から神威岳登山に出発、午後5時に旅館に戻る予定だった。山荘近くの沢が雨で増水し渡ることができず、ガイドの判断で全員が沢沿いで夜を明かした。28日午前8時、添乗員として同行した同社の岡村康之社長(54)が救助を求め自力で下山し、「仲間が山中で待機している」と救助を求めた。警察や地元山岳会などが現場に向かい、午前9時ごろ、約10メートル幅の沢にロープを渡し、全員を無事救出した。現場では二十七日昼ごろから夜にかけ一時強い雨が降り、沢の水は腰まであったという。

【考察】
ツアー型登山の遭難事故です。
このてのツアー型、参加者はほぼ中高年で占められており、高齢者の姿も多く見られます。
今回も55~71歳と、典型的なパターンです。

ツアーに参加する人たちとは「お金を払って連れて行ってもらう」というタイプで、自分(自分たち)で計画して山に行く考えは、きわめて希薄な人たちです。
ということは、山の技術レベルも…大体予想がつこうと言うものです。

ツアー登山とは、「登山」というよりも「体験型の団体観光旅行」と言ったほうがいいかもしれません。
この類のツアー参加者に、原因分析、事後対策を求めるのはムリな話でしょう。

さて、山中で進むに進めず、戻るに戻れず。
この状況にいたった原因はなんでしょう?

まず、ガイドの判断に問題があったと思われます。
天候判断はおそらくその最たるものでしょう。
続いて参加者の力量把握にも甘さがあったと思われます。
この2つ、間違いがなければ、進退窮まることもなかったと思います。

そして、補助ロープは持っていっていなかったのでしょうか?
添乗員の社長は救助を呼びに戻れました。
ということは、ロープがあればガイドと社長でフィックスは張れたはずです。
そうしなかったところを見ると、持って行っていなかった疑いが濃くなります。
当然携行すべき装備だと考えますが…。


今回取り上げたい話題は、もう一点あります。
このウッドウインズツーリストというツアー会社。
日本旅行業協会旅行業ツアー登山協議会の会員です。
この協議会が2004年6月にツアー登山運行ガイドラインを策定しています。
この中に以下の下りがあります。
「救助活動終了後速やかに報告書を作成し、事故原因究明活動をおこなうこと」
さて、この報告書、どのように生かされるんでしょうか?
ウッドウインズツーリスト社はツアー報告のブログ山遊紀行をもっています。
ここに詳細が記述されるでしょうか?
商売優先か、事故の反省⇒安全への配慮か、それをはかる一つのものさしにはなると思います。

営利型の場合、主催者の責任は通常の山岳会よりもはるかに重くなります。
同好の人の集まりの山岳会が検証と啓発をかねて報告書を出します。
(出さずに、忘却のかなたへ…なんてところもありますが…)
この手のツアー会社が事故を起こした場合、あんまり報告書を目にしたことがありません。
やはり商売に差し支えるからかな?などと勘ぐってしまいます。

いずれにしても、今後の推移を見守りたいと思います。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/06/29(木) 19:53:58|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

ツアー登山の山岳事故に関しては、おっしゃる通り営利的なものなので、引率側の責任は重大ですし、現場判断もレベルのわからないメンバーを引き連れていくのですから、より慎重に行うべきものだと思います。
神威岳の遭難騒ぎに関しても、詳細はわかりませんが、ガイドの判断力、ザイル不携行?という装備面の不備など含め、原因を追求し、明確にしなければならないところだと思います。

ただ、おっしゃることに少々反論があります。
「ツアー型の参加者は「お金を払って連れて行ってもらう」というタイプで、自分(自分たち)で計画して山に行く考えは、きわめて希薄な人たちです。
山の技術レベルも…大体予想がつこうと言うものです。 」

という下りです。
確かにそういう方も多いでしょう。しかし、そういうカラーの人達は、ツアー登山参加者に限らず、山岳会においても少なくありません。
それなのに、ツアー登山に参加する人という総称で判断するのは間違っています。
また、ツアー登山をそのように登山の意識・技術レベルの低い方を連れて行く営利目的のもの、というような批判的意見もどうかと思います。

最近のツアー登山は、引率側の事故回避に対する意識レベルも高くなってきています。
お客側も、しっかり登山技術がある方でも、ある程度年をとると「家族が単独で行くと心配する。ツアーだと安心して送り出してくれるから」といって参加する方が多いのです。
また、絶対行きたかった山という確固たる信念を持ち、自分で計画を立てたけれど、交通不便だからツアーを利用するという方もいます。技術的に不安だから、ツアーガイドにフォローしてもらって、少しレベルの高い山に登りたいという方・・・
ツアー登山に参加している方は、必ずしも自分で計画することに希薄な方、依存心の強い方ばかりではありません。ツアーでも地図を持参し、ルートをチェックし、タイムを付け、ガイドが教える花の名や山座同定をメモし・・・と自分で山を学び、楽しむ姿勢をしっかり持っている方が大勢います。

貴方はツアー登山に参加したことがありますか?
ツアー登山=こういうものと語るなら、一度参加してからご判断下さい。もちろんツアー登山の会社レベルもお客もピンキリで、おっしゃる通りのこともあるでしょう。
でもそれは、山岳会も同じで、私はむしろ趣味として楽しんでいる山岳会に、いつまでたっても「連れて行ってサン」が多い気がします。
それをツアー登山客と限定されることに反感を憶えましたのでヒトコト言わせていただきました。
  1. 2006/07/06(木) 17:00:27 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集]

「反感」への回答

内容の濃いコメント、ありがとうございました。
いただいたコメントから、考えたことを記します。



  貴方はツアー登山に参加したことがありますか?
  ツアー登山=こういうものと語るなら、一度参加してからご判断下さい。

「客」という形ではありませんが、引率側の手伝い(ガイド・補助)で何度か参加しました。
もちろん、わずかながらの報酬も頂きました。
そのときの経験も含めて思うところを述べています。
要するに、何度か参加してから、「こういうもの」と語っているわけです。
現在では、もう、とても参加する気にはなれませんが…。


  そういうカラーの人達は、ツアー登山参加者に限らず、山岳会においても少なくありません
  それは、山岳会も同じで、私はむしろ趣味として楽しんでいる山岳会に、いつまでたっても「連れて行ってサン」が多い気がします。
  それをツアー登山客と限定されることに反感を憶えました

仰るとおり、山岳会だろうとハイキングクラブだろうと、「連れて行ってサン」はいます。
特に所帯の大きいところほど、その傾向が強いようです。
ですが、今回はツアー登山で発生した遭難の項目ですので、そちらに絞って書いています。
「ツアー登山中の遭難発生」から「ツアー登山の問題点を考える」ということです。
ですから、山岳会のことについて、今回は触れていないわけです。
決して「山岳会にはいない」などというつもりはありません。


  最近のツアー登山は、引率側の事故回避に対する意識レベルも高くなってきています

当然のことで、別に評価するほどのことだとは思いません。
何件か裁判になり、判決ではツアー会社やガイド側の過失が認められています。
そういう現状で、「意識レベルも高く」ならなければ、そちらのほうが問題です。
ですから、「意識レベルも高くなってきて」いるのは当たり前のことです。
むしろ今までが、その意識レベルが低すぎたのではないでしょうか。
やっと重い腰を上げはじめた…というふうに理解しています。


  しっかり登山技術がある方でも、ある程度年をとると「家族が単独で行くと心配する。ツアーだと安心して送り出してくれるから」といって参加する方が多いのです

技術と言う中に、基礎体力や柔軟性なども含まれるとお考え下さい。
こちらの言葉が足りずに真意が伝わっていないようなら、ここで補足しておきます。
まず「ツアーなら安心」の根拠が理解できません。
現にツアー登山でも事故は何件も発生し、死亡事故も起きています。
家族にそのあたりの説明をキチンとされているのでしょうか?
また、ツアーの場合、他の参加者の事故に巻き込まれるケースだってありうるわけです。
都合の悪い部分を伏せているのでは、理解を得たとは言えないと思います。
むしろ、「家族をだましている」に近いのではないでしょうか。
そして、「単独」がダメなら「ツアー」というのも、安易に過ぎる気がします。
「パーティーを組む」という選択肢だってあるはずですが…。
なぜパーティーと言う選択肢をとらないのでしょう?
「しっかりとした技術」、独学で身に付くものではありません。
技術が身に付くに至る過程で、必ず仲間が出来るはずです。
そうすれば、パーティーを選択するのが自然です。
パーティーを組めないような孤独を愛する人が、ツアーを選択するのは明らかに不自然です。
「ある程度年をとると家族が心配する」について。
それまでは家族のOKが出ていたと言うことでしょう。
なぜ、どの時点で「心配される」ようになったのでしょう?
それまでが単独でも可だったのなら、それを継続すべく説得するのが筋ではありませんか。
当然、加齢による体力低下はありますから、それに見合った山に変えるのは当然のことです。
実力以上の山に、他人を当てにした「一方的依存」があるとしたら、そこが間違いの元ではないでしょうか。


  技術的に不安だから、ツアーガイドにフォローしてもらって、少しレベルの高い山に登りたいという方

これは、どう考えても「連れて行ってサン」にほかなりません。
自らのレベルを上げるべく技術を身につけるほうが先決です。
あきらかに「一方的依存」です。
互いに助け合う「相互依存」とは根本的に違います。


  絶対行きたかった山という確固たる信念を持ち、自分で計画を立てたけれど、交通不便だからツアーを利用するという方

ツアーの方が便利と言うのは貸し切りバスを意識しているのだと思います。
ですが、バスで入れるところなら、タクシーや路線バスでも入れるはずです。
ですから、貸し切りバスよりは時間がかかるかもしれませんが、ツアーでなければならない必然はありません。
また、交通部分だけツアーを利用するが、山中は利用しない、などというケースは聞いたことがありません。
自宅から山に行き、自宅に帰るまで。
アプローチも含めて、計画するのが筋だと思います。
それを放棄してしまえば、ゼロとは言いませんが「計画することへの意識が希薄」と言わざるを得ません。


以上のことから、こう考えます。
意識・技術レベルが高く、「一方的依存心」がない人。
ツアー登山客のうちに、どれほどいるでしょうか。
「総称で判断するのは間違っています」とのご批判でした。
むろん、ゼロとはいいません。
が、私の経験から言えば、9割以上の方が「連れて行ってサン」でした。
まさに「登山の意識・技術レベルの低い方を連れて行く営利目的のもの」でした。
ですから、「体験型の団体観光旅行」という表現を使いました。
大半のケースが当てはまる際に「総称」するのが間違いだとは思えません。
「ごく一部の例外」については、こちらの言葉が足りなかったかもしれませんが…。

山に行くきっかけとしてツアー登山があった、というのを否定するつもりはありません。
そこから、楽しみ方を学び、計画し、技術を身に付け、自分で山にいけるようになった人、何人か知っています。
山ヤとして自立された方たちで、その必要もありませんから、二度とツアーに頼ることはないでしょう。
ですが、「客」はリピーターが多いのが実情です。
これは、山ヤではなく「体験型の団体観光旅行」の客以外のなんでもありません。


長々と反論に対する反論を書きました。
が、営利的引率者の責任の重さ、原因の追究と明確化については、全く同じ意見です。
今回は参加者ではなく、引率側の問題提起が本意でした。
ですが、参加者の視点をいただけたことには感謝しています。
また何かありましたら、よろしくお願いします。

なお今後は、できれば、「Name」と「Subject」の欄への記入をお願いします。
  1. 2006/07/07(金) 15:01:00 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

了解いたしました

私の反論にお応え頂き、ありがとうございました。
「今回は参加者ではなく、引率側の問題提起が本意でした」
ということで了解しました。、
「意識レベルも高く」ならなければ、そちらのほうが問題です。ですから、「意識レベルも高くなってきて」いるのは当たり前のことです。

というツアー登山の引率者側についての考え方も
同意見です。

当方は引率者側です。ツアー登山のガイドも行っておりますが、常々、登山に対する自己管理と自己責任を顧客に啓蒙しながら、また、自分自身も山に謙虚に向き合って登山を楽しんでいると自負しています。所属山岳会でも、どうしてもリーダーとして連れて行く立場の山行が多く、ツアーの客も山岳会のメンバーも時として大差ない、むしろ、ツアーの顧客の方が、ツアーという既成の登山行程に便乗して、確かに計画立てにおいては「依存型」かもしれませんが、山に対する考え方はしっかりしている、と感心することも多い今日この頃です。
もちろん、どうしようもない方もいます・・・。
また、私自身、もしツアーを利用するとしたら、「交通が便利で安上がり」というメリットにおいてのみ利用すると思うので、根本的にはツアー登山を推奨はしていません。
ただ、登山を楽しみたいと思う登山初心者が、ツアー登山や山岳会をきっかけとしたい、というニーズがあるのは確かで、そういう方々にいきなり「安全登山の重要性」を細かく説きし、「依存心」を捨てろ言っても、すぐに理解するのは難しいでしょう。
なので、前述したように「登山に対する自己管理と自己責任を顧客(または山岳会の新人さん)に徐々に啓蒙して行きたいと考えて、山へ引率しています。

それで、自立して行く方は自立していきます。自立している方も時にはツアー登山を利用することがあるでしょう。

ツアーを利用するもしないも、時にリーダーやガイドなど引率者がいるとしても、依存型にならず、個人個人が自立して山へ行っていただきたい、そうなるように、自分へも言い聞かせながら、山の後輩や顧客にアドバイスしていこうと思っています。

なんか、よくまとまりませんが、
これからのツアー登山について引率側、また顧客側から考えるのに、良い意見をいただきました。
ありがとうございました。
  1. 2006/07/21(金) 14:05:06 |
  2. URL |
  3. itsuki #-
  4. [ 編集]

Re:了解いたしました

itsukiさまへ。

前回の『「反感」への回答』へのご返事ですね。
書き方が少々きつかったかな・・・と、反省しております。
が、こちらの意思が伝わってほっとしています。

仰るとおり、初心者にとっての山への導入においては、ツアーや山岳会はニーズもあり、意義のあるものです。
最初は誰でも初心者ですから、その間は「一方的依存」でいることは当然のことです。
かくいう私も、最初は「連れてってサン」でした。
ですから過程としての「一方的依存」を批判するつもりはありません。

ですが、自らの意思でいつまでもそこにとどまっている人達が問題ではないか、ということです。
そしてそれを助長するような内容のツアー登山と、その引率者にも問題があると考えます。

山岳会においても、何年か先には新人全員がリーダーに、というのが理想ですが、現状はなかなかそうはいっていません。
リーダー自体が固定されてしまい、次の世代が育っていない、なんてことはよくあるようです。
特に中高年主体で所帯が大きいところほど、その傾向が強いように思います。
「自立した登山者へ」の過程に、年齢は関係ないと思うのですが、なかなかそうは行かないものかもしれません。

私自身はツアー登山に参加して、幻滅してしまった者です。
ですがitsukiさんの仰る
「ツアーを利用するもしないも、時にリーダーやガイドなど引率者がいるとしても、依存型にならず、個人個人が自立して山へ行っていただきたい、そうなるように、自分へも言い聞かせながら、山の後輩や顧客にアドバイスしていこうと思っています。」
については、少なからず心を動かされました。

営利に走ったガイドではなく、そのような志を持った人が増えていかないと、この国の登山はダメになってしまう。。。そして、客の意識も向上しなければ。。。
そんなふうに思いました。

今後のご活躍を祈ります。
そして、また、ご意見などありましたら、遠慮なくコメントを残していってください。
たとえ反論であったとしても、考える材料をいただけること、そして議論を深めていけること、ブログをやっていく上で、何よりの喜びです。
  1. 2006/07/21(金) 18:10:10 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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