山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【危険回避の道9】 第3?の遭難要因

各種統計で、遭難の大きな要因として、「道迷い」と「転倒系(転倒・転落・滑落)」が挙げられています。
この2つで全体の3分の2に達するとか。

当ブログの遭難カルテも項目が100に近づき、確かにこの2大要因の多さは実感しています。が、実はもうひとつ大きな要因が潜んでいるのではないか、ということに思いが至りました。

それは「はぐれる」ということです。

この「はぐれる」という原因・要素で分類した資料は、今のところ見たことがありません。
もちろん、このブログがすべての事例をカバーしているわけではないこと、そして、複合的に要因が絡み合うことは承知の上です。
ですが、「はぐれる」ケース、当ブログ内ですでに10件を上回っています。
遭難に至る、「第3の要因」と言っていいかと思います。

当ブログで扱ったのは12件。毎月発生しています。
●2月
遭難カルテ4 4人パーティー 大学OB♂自力下山⇒通報、3日後大学生♂3人救助(凍傷)
遭難カルテ10 2人パーティー 63♀自力下山、63♀死亡
遭難カルテ13 2人パーティー 44♂自力下山⇒通報、3日後37♂救助(無事)
●3月
遭難カルテ21 9人パーティー 62♀・54♀死亡、58♂・63♂・63♂・60♂・58♂・60♀・56♀は救助
遭難カルテ22 3人パーティー 翌日58♂救助(けが)
●4月
遭難カルテ34 2人パーティー 48♀自力下山⇒通報、59♂死亡
●5月
遭難カルテ60 人数不明 69♂無事救助
●6月
遭難カルテ63 2人パーティー 56♀自力下山⇒通報、2日後77♀無事救助
遭難カルテ68 中国人留学生10人パーティー 翌日中国人留学生2人無事救助
遭難カルテ70 学校登山 翌日11♂無事救助
●7月
遭難カルテ83 4人パーティー 自力下山は3人、2日後64♂重傷
●8月
遭難カルテ94 13人パーティー 12人は無事、翌日64♀無事救助


2人から10人を超す大パーティー、はては学校登山まで…。
積雪期には死者まで出ています。
発見までに数日を要したケースもあります。
分析については各項目で述べました。

共通しているのは、パーティー意識の希薄さ。
これにはリーダーの責任・資質も含まれます。

パーティーは運命共同体と言い換えても差し支えないものです。
リーダーの責任が最も重いのは論を待ちませんが、メンバー全員の連帯責任である部分も否定できません。
全員が無事下山する、メンバー全員の責任であり、その中でリーダーの責任が最も重い、ということです。

パーティーには行動中にはぐれる人が出ないよう、目を配る必要があります。
リーダー1人でカバーできない部分をメンバーが補う、ということになります。
気がついたら、●●さんがいなかった…となると、パーティーの人員把握が出来ていないことになります。
リーダー(もしくはサブリーダー)が最後尾につくのは、この人員把握をひとつの目的としています。

少なくとも、常に視界の中にいる、呼べば聞こえるところにいる。
当たり前のことだと思うのですが…。

「あとからゆっくり行くから、先に行っていて」
これを認めることが、はぐれ遭難のきっかけになるのです。
ペースの遅い人に合わせるというのは基本です。
経験の浅い人にでも、簡単に守れるセオリーだと考えます。
パーティー全員で一緒に行動する、というだけのことですから。

他人のペースに合わせるのがイヤダ!という人。
ペースの合う人か、合わせてくれる人とパーティーを組むことになります。
これなら、いきおい大人数のパーティーは組めないことになります。
そうでなければ単独行を選択するしかありません。

「パーティー行動の基本原則を忘れない」
はぐれ遭難の防止には、最も単純かつ効果的な方法だと思います。



スポンサーサイト

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/08/04(金) 16:24:48|
  2. 危険回避の道
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<【遭難カルテ95】 白馬鑓・槍沢で落石 ツアーの66歳死亡 | ホーム | 【遭難カルテ94】 白馬乗鞍ではぐれた女性無事>>

コメント

当ブログの集大成

集大成は大袈裟だ、と言われそうですが、100例の分析は貴重です。管理人さんの粘り強いご努力に
敬意を表します。評論家の高見からのお説教に反して、事実に基づく説得力は強烈です。

蛇足ながら。一寸したことで「先に行って」と遅れた5分、10分を追いつくのにはあせりますしエネルギーを浪費します。わたしは、パーテイの一人が靴紐を直すだけでも全員が立ち止まって待つ、と習慣付けてきました。それは遅れた奴のあせり、エネルギーを考えてのことだけでしたが、その他に、道迷いの防止にもなることをこの度教えられました。

昔、山屋はリーダーシップ、メンバーシップについて熱く議論しましたが、混迷の現状をみると勉強すべき時がきているように感じます。烏合の衆が遭難多発の原因でしょうから。
  1. 2006/08/09(水) 11:03:21 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:当ブログの集大成

HIKOさまへ。
お久しぶりです。

集大成などと言われてしまうと。。。恥ずかしい限りです。
当ブログには、すべての事例が網羅されているわけではありません。
本来ならそれがある警察庁かレスキュー協議会でまとめてほしい案件です。
ただ「中高年の」ばかりが目立つ分析が多く、毎年同じようなものだったため、気づいたことを述べました。
ただ、「はぐれた」がこんなにあるとは、私自身、驚きでした。
また、「はぐれた」ことが、遭難事故を誘発するひとつの要因になっているとも思いました。

リーダーシップやメンバーシップ。
確かに希薄なパーティーが増えています。
特にツアーや大人数パーティーについては顕著かと思います。
普遍的なものかと思っていましたが、現状ではそうではないようです。
解決策がなかなか見つけにくい話だと思いますが・・・。
  1. 2006/08/09(水) 13:53:20 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

理由をつけて遅れると言うこと

何か理由をつけて遅れると言うことは、すでにその人の中ではいっぱいいっぱいになっているサインなのだと私は思います。
メガネが曇ったから、少し水を飲みたいから。。。特に極限状態では「私はもうだめ」という生からの諦めの気持ちの表れなのかもしれません。
全員を無事に帰したいのなら、リーダーはだめな人に合わせて、全員が一緒に登って、一緒に帰るんだと言う意志を見せることが大切でしょうね。
チリジリになった状態での遭難を聞くにつけ、そういったことを思います。
  1. 2006/10/11(水) 12:45:41 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

でも、20年前もあったんだよね

白馬岳に住んでいた20余年前。

夜暗くなってから、山小屋に入った客が従業員に「一緒に来た人を置いてきたので取りに行って欲しい」と要請がありました。

それを聴いたまわりは唖然。

山の中を人探しに歩くのはその頃も一緒。

ちょうど、それをやった連中が今、60台になって中高年登山してるんだよね。(頭痛い)
  1. 2006/10/11(水) 12:53:51 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

おーのさまへ

上記コメント2本に対し、まとめてのレスですがご了承のほどを。

パーティーの意味が分かっていないのでは・・・と思ってしまいます。
常にくっついていろとまでは言いませんが、最低でも常に視界の中に、声の届くところに、存在が感じられる距離に・・・と思うのですが・・・。
  1. 2006/10/11(水) 19:35:55 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/tb.php/207-6d14fa05
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

K・T

Author:K・T
山ヤのつぶやき。脈絡はないかも…。
 
~~~~~ メニュー ~~~~~
【日々是好日】
  日記のようなもの
【山日記】
  山に行った記録
【遭難カルテ】
  遭難事故から何を学ぶ?
【事故報告書】
  学ぶことの多いものです
【危険回避の道】
  よりリスクを減らすために
【道具を語る】
  山道具のあれこれ
【山の写真集】
  新旧織り交ぜて掲載予定
【子連れに挑戦】
  我が家的ノウハウです
【自己紹介】
  ごく簡単なものです

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2カウンター

フリーエリア

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。