山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ111】 日帰りの70歳、滑落し死亡

【概要】
2日午後8時10分ごろ、岐阜県揖斐川町の三国岳(1209メートル)から下山中だった京都市左京区、無職女性(70)が、登山道から約70メートル下の岩場に滑落した。3日午前8時半ごろ、県防災ヘリが女性を発見、病院へ搬送したが、頭の骨を折っており、死亡が確認された。女性は所属する日本山岳会京都支部の男女会員8人と、2日朝から日帰りの予定で同岳南の左千方(させんほう)(1197メートル)へ登山していた。途中で道に迷って行程が予定よりも大幅に遅れたため、三国岳の北東にある夜叉ヶ池に向けて下山していた。事故後、グループは付近で夜を明かし、3日午前7時5分ごろ、揖斐川町の川上集会所から、京都市内の男性(64)が通報した。
(毎日新聞、読売新聞よりデータ引用・抜粋、死亡者のみ実名報道)


【考察】
山岳会名が報じられないケースが多々ある中、「日本山岳会」の看板は、マスコミにとって重いもののようです。

以前にも書いたのですが、「日本山岳会員」と「山のベテラン」。
必ずしもイコールではないということを考えれば、この「日本山岳会員」という言葉の重み、疑問に思うところです。
会の歴史自体は日本で最も古いものです。
が、実力は普通の山岳会並みと考えてもいいのではないでしょうか。

死亡者が70歳、通報者が64歳。
2005年12月の資料によると、日本山岳会の会員平均年齢は64歳だとか。
すでにりっぱな「高齢者団体」に近い存在だと思います。

その「日本山岳会員」の起こした事故です。
日帰りで道に迷い、ビバーク。
しかも滑落による高齢者死亡事故。
マスコミにとっては、格好のネタかもしれません。

今回の事故、発生は午後8時過ぎ。
すでに真っ暗になってからの発生です。
行動すべき時間は過ぎているはずで、夜間強行軍の意図は何だったのでしょうか。

行程遅れによる焦りがあったことは予想の範囲内です。
が、暗闇の中を行動するに当たり、全員がヘッドランプなどを装備していたかどうか…。
報道内容からはうかがい知れません。

また、ベテランが9人もいて、地図読みとルートファインディングをしていれば道に迷うことも考えられません。
この9人の詳細が不明なので、これ以上なんとも言えませんが…。

日本の登山界をリードしてきた日本山岳会の歴史と功績。
それを否定するつもりはありません。
その貢献は、他の追随を許さないもので、大いに尊敬しています。

ですが、「日本山岳会=スゴい山ヤの集まり」という図式。
すでに崩壊していることに気づくべきではないでしょうか。
今回の事故は「中高年パーティーの70歳滑落死。道に迷い、行程遅れ」とすべきだったと思います。


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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/09/05(火) 20:16:35|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

恥ずかしながら

日本山岳会が槍玉にあがったのはこれで2度目ですが、在籍44年の会員として沈黙を破る愚を冒してささやかな駄見を書きます。本当は、現状の問題点を分析したいのですが長文になってこの場にふさわしくないので、片言隻語にとどめます。

>「日本山岳会」の看板は、マスコミにとって重いもののようです。 とありますが、肩書き好きで勉強不足のマスコミが「日本山岳会=ベテラン」の先入観で「軽く」書くだけの話で、「重い」という意味はないにではないでしょうか。
そしてご指摘の通り、>、「日本山岳会=スゴい山ヤの集まり」という図式。 すでに崩壊していることに気づくべきではないでしょうか。全く同感です。「スゴイ山ヤ」は現役を退き、沈黙を守っています。

そして新入会員は、まるで、ツーリストビユーローと勘違いしたのか、どこかの山へ連れて行ってくれるだろうと入会してくる老人が後を断ちません。甚だしきは、晩餐会で皇太子と同席できるからと入ってくる愚かな老人もいます。ご指摘の通り、入会基準をゆるめたため登山経験のない人でも誰でも入れます。労山と一緒でしょうか?

しかし一方、豊富な登山経験を持つ思慮深い会員がこの現状を憂え、歴史と伝統を継承しようと苦悩しているのも事実です。管理人氏も認めるように近代登山において日本山岳会が果した役割は否定し難いものがあり、それを誇りに、現状に眉をしかめながら私は在籍しています。

ところで、最後に管理人氏にぜひお願いしたいのは、、再三のコメント書きこみで繰り返してきたように、老化による肉体と精神の退行によって「日本山岳会のいかなベテラン」にしても遭難するという事実です。

これは、自分が退行現象を体験して初めて知りました。持久力・瞬発力の低下、バランスの劣化、集中力の欠如など初心者もベテランもありません。お若い管理人氏には納得し難いことでしょうが事実です。

富士山を庭のように登っていた二人の先輩が遭難したとき、若かった私は納得できませんでしたが、いまに至って納得できました。冬の富士は風が舞います。ピッケルで確保していても逆方向から烈風にあふられればバランスを失います。若ければ耐えられますが老人では無理です。

このブログを読ませていただいて、70代になれば、死と二人連れで歩いていると考えるべきだと最近つくづく思います。管理人氏の事故分析に老化のファクターをぜひ加えていただきたいのですが、その情報を正確に伝える能力を今のマスコミには期待できないのが残念です。



  1. 2006/09/12(火) 17:02:03 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:恥ずかしながら

HIKOさまへ。

 「重い」に対して「軽い」ですね。確かに「軽く」書かれています。が、マスコミが内容をよく知らぬまま「重い」と判断して「軽く」書いている、というのが現状だと思います。「重い」の裏返しが「軽い」と言ったところでしょうか。

 >「スゴイ山ヤ」は現役を退き、沈黙を守っています。
 >豊富な登山経験を持つ思慮深い会員がこの現状を憂え、歴史と伝統を継承しようと苦悩しているのも事実です。

 おっしゃる意味、よく分かります。この沈黙と苦悩に全てが表れていると思います。近代の日本登山界を牽引してきたのは日本山岳会に他なりません。が、現状は…。

 かつては私自身も「日本山岳会に入ろう」と、本気で思っていました。いろいろと調べていくうちに、その熱意もだんだん冷めてしまいました。

 ある日本山岳会員の方の「今の日本山岳会は年寄りのサロンみたいなもんじゃ」との言葉。今でも忘れられません。自分の持っていたイメージが崩れ、悲しくさえなりました。

 くどいようですが、そして誤解もないと思いますが、念のため。
 日本山岳会を批判しているわけではありません。「日本山岳会だから」といって、特別に大騒ぎするほどのことではないと考えているだけです。どこにでもあるような、中高年主体の山岳会と変わらない、と言いたいだけです。書きながら悲しくなりますが…。

 >老化による肉体と精神の退行によって「日本山岳会のいかなベテラン」にしても遭難するという事実です。

 そのとおりだと思います。私自身も不惑を前にして、学生時代のようなパワーがなくなっていること、山に行くたびに痛感します。それは、筋力、持久力、瞬発力等々を含む総合的な体力のことです。加齢による体力低下については、以下のエントリで一度書きました。もし未読でしたら、ご覧ください。
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/blog-entry-51.html

 年齢との関連、個々のケースに当てはめるには、若干難しい面があります。それは、個人データが少なすぎるからです。また、原因や回避法を考えることもひとつのテーマであります。ですが、今後はもう少し「加齢による退行」について考えてみようと思います。

 
 なお、お言葉を返すようですが、一点だけ。「精神の退行」についてです。
 全てとは言いませんが、これは本人次第で防げるものと思っています。体力や集中力が低下しても、その事実を冷静に把握し、「身の丈にあった山」を考える。これも精神の部分だと思うからです。
 ただ、そうでない方が増えているのかもしれませんが・・・。少なくともその部分は退行しないよう、自らに戒め続けていこうと思います。


  1. 2006/09/13(水) 00:01:13 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

感謝

ブログという匿名の不特定多数を対象にした場で日本山岳会について会員として述べることは当然内外からの批判を覚悟してのことですが、少なくとも管理人さんには山ヤとしての心情をいささかご理解いただけたことに感謝します。

>日本山岳会を批判しているわけではありません。「日本山岳会だから」といって、特別に大騒ぎするほどのことではないと考えているだけです。どこにでもあるような、中高年主体の山岳会と変わらない、と言いたいだけです。書きながら悲しくなりますが…。

全く、全く、この通りです。

少なくとも登山の実践においては、小人数の同人組織のほうがはるかに質の高い登山を行っていることは衆知の事実です。
その意味では、定年退職者のツーリストビユーロー化した日本山岳会には過去の栄光しか存在しないのかもしれません。学閥が牛耳るサロンであることは否定し難い歴史的事実です。しかも会員が平等であるべきクラブが官僚化して上下関係ができているのも奇異なことです。

しかし、このような現象は、人間の組織である以上どこの山岳会にでもあることで珍しいことではないでしょう。近代登山史に残した業績はすでに過去のもので、それを継承しようと苦悩するのはごく少数者に過ぎず、多くは観光登山者との違いがほとんどありません。事改めて取り上げるには値しません。

さて、「精神の退行」などと意味不明な表現をして申し訳ありません。しかもそれを見事に>、「身の丈にあった山」を考える。これも精神の部分だ。と受けとめてしていただいたことに敬服いたします。おっしゃる通りです。錯乱した老人の想いを見事に整理していただいたことに、重ねて感謝します。

老人登山者は、人に連れられて登るだけで良しとせず、「身の丈にあった山」を自分で見つけるべきです。それが、社会に対するせめてもの責任です。老化により自己中心的に凝り固まり、他者の批判に耳をかさないのが特徴ではありますが、このブログで言い続けていただきたいと願います。
  1. 2006/09/14(木) 08:36:42 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:感謝

HIKOさまへ。

身の丈にあった山」を考える。
これは基本であり、年齢や経験に関わらず、山を志す全ての人が常に考える必要があると考えています。
トレーニングなどで伸ばすこともできますが、何もしなければ縮んでしまいます。当然、加齢も1つのファクターです。

縮むことが悪いわけではないのです。縮んだ現状をしっかり把握していればよい、だけのことです。
ただ、「連れられて登るだけ」の人は、その意識が希薄(ほぼゼロ?)なのでしょう。
そして、年配の人にそれが多いのでは・・・という想いは同じかと思います。
HIKOさまと私は、その点において同様の違和感を持っているのだと思います。

難しい問題でうまく書くことができずにいるのですが、ゆっくりと取り組んでいこうと思います。
また、それを考えるのも、実は楽しいこと(?)なのですが。。。
  1. 2006/09/14(木) 10:18:28 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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