山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ113】 北アで不明の63歳男性、無事救助

【概要】
新潟県糸魚川市から長野県境の白馬岳(2932メートル)へ1人で登山中に連絡が取れなくなった東京都武蔵野市、無職男性(63)が16日朝、糸魚川市の蓮華温泉近くで6日ぶりに救助された。男性は4泊5日で白馬岳を縦断登山する予定で、8日に糸魚川市を出発。9日に宿泊予定だった朝日岳の山小屋「朝日小屋」に10日早朝、「予定のコースをあきらめて蓮華温泉に向かう」と携帯電話で連絡があったあと、行方不明になっていた。捜索中の新潟県警ヘリが16日午前9時すぎ、朝日岳(2418メートル)の五輪尾根付近の沢の中で動けなくなっている男性を発見、救助した。「寒い」と訴えるなど衰弱はあるが、外傷はないという。現場は蓮華温泉の西約5キロの、朝日岳から蓮華温泉に向かうルートから外れた尾根付近の沢の中。道に迷い、沢の水と持参のチョコレートなどで飢えをしのいでいたとみられる。
(朝日新聞、毎日新聞、NHKよりデータ引用・抜粋。遭難者は実名報道)


【考察】
台風13号接近の中、良くぞ持ちこたえた、というところでしょうか。

さて、道迷いの事案ですが、今回は不可解な点があります。
なぜ「蓮華温泉」なのか、です。

8日に親不知をスタートして、白鳥小屋泊。
そして9日に朝日小屋宿泊予定だったようです。

不可解な点とは、9日と10日の行動です。
9日に朝日小屋にたどり着けなかったとすれば、どこかでビバークしたことが考えられます。
白鳥小屋から朝日小屋、1日の行程としては、かなりの距離になります。
たどり着けない場合も、ある程度予想できます。
なぜたどり着けなかったかの分析も必要ですが、話を先に進めます。
9日にビバークして、10日朝に朝日小屋へ「蓮華温泉に向かう」と連絡。
これは朝日小屋に予約を入れていたためと考えられます。
9日には電波状況が悪く、10日にやっと携帯がつながった…というところでしょうか。

で、本題に戻ります。
蓮華温泉と朝日小屋の分岐「千代の吹上」からの所要時間です。
朝日小屋へは1時間半に対し、蓮華温泉へは4時間強。
白馬岳を目指していたのなら蓮華温泉に向かうのは、事実上、登頂断念ということになります。
この時点で何かがすでに起きていたのでしょうか?

分岐手前でアクシデントに見舞われた場合。
朝日小屋のほうが近いので、あえて蓮華温泉を選ぶ理由が見つかりません。
自力で下山できるが、一刻も早く下山する、という場合にのみ、「蓮華温泉」という選択肢が生きてくるはずなのです。

なぜ蓮華温泉なのか、まずそこのナゾがもっとも興味深い点です。
というのは、朝日小屋に向かうか引き返せば、迷わなかった可能性が高いからです。



さて、この男性。
自らHPブログを運営されており、ちょっとした有名人(?)のようです。
そこに書いてある内容からすると、
「1996年11月10日の川苔山を第1回とし過去6年9ヶ月の間に519山積上げ、2003年9月14日念願の三百名山を達成しました。海外登山はH14年9月にアフリカ最高峰キリマンジャロ(5895m)登頂を果たし、今年1月には南米最高峰アコンカグア(6959m)に登る事が出来ました。」
この文面からすると、50歳を過ぎて山を初め、猛烈な勢いで登り続けていることが伺えます。
そのバイタリティーには感心するほかありません。

そして、ブログ。
今回の山の準備段階から、入山日の親不知~白鳥小屋の記録までが掲載されています。
そして、ここにも不思議な記述を見つけました。
装備の「量が多すぎるので(中略)ツエルト、フライは今回外しました」というくだり。
「軽量化のため、ツエルト&フライは置いていき、テント本体のみ持っていく」というふうに読めるのは私だけでしょうか。
軽量化であれば、テントよりもツエルトを持っていくべきだと思うのですが…。
1日10数時間の行動が予定されており、ビバークの想定も必要です。
ツエルトどころかテントも持っていないとなると…首を傾げざるを得ません。

このブログへ、男性の知人と思われる方からの心配のコメント。
そして無事救助の後には、それを喜ぶコメントが並びました。
知人・友人の方々のお気持ちは大変よく分かります。

そして一方で、知人ではない方々のコメント。
「良かっただけですませないで救助された事実とその状況を報告してください」
といった、やや厳しいものもありましたが、経緯や報告を求めるものが多々ありました。
山に関心のあるものとしては、これもある意味当然の反応かとも思います。

知人・友人とそうでない方々との温度差はあるものの、どちらも理解できる範囲です。
今後、心無い言葉が並ばないことを祈るのみです。
そして、ご本人が回復された暁には、ご自身の手による報告が掲載されることを期待したいと思います。



事故報告書6に関連記事(2006.09.29)
日々是好日88に関連記事(2006.10.05)
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/09/20(水) 03:10:50|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

自信過剰な方のようですね

この方のブログを見ました。
おそらく、ほとんど反省されていないように思います。同じようなお年の方よりも丈夫なようですが、ご自分の経験値について十分以上に過信されていますね。
たぶん、また、どこかで捜索隊や県警のやっかいになりそうですが、それも命があれば。
謙虚さが欲しい。
  1. 2006/10/10(火) 13:05:21 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:自信過剰な方のようですね

おーのさまへ。

表題を見て、「オレのことを言われているのか?」と、一瞬、ドキッ!!としました(笑)。
本文を読んで、ほっとしたところです。
(小心者ですから・・・)

この方、遠からずどこかで騒ぎを起こしそうな気がしないでもありません。
ですが、今後は事故のないように願いたいものですね。
まあ、この人に限った話ではありませんが…。

自信と過信の境目、なかなか難しいものです。
自分はどこまでなら自信を持っても良いのか、自問自答が続くと思います。
  1. 2006/10/10(火) 19:24:01 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

ツエルト&フライ

> 「ツエルト&フライは置いていき、テント本体のみ持っていく」というふうに読めるのは私だけでしょうか。

ツエルトとツエルト用のフライでは無いでしょうか?よくある組み合わせですよ
  1. 2006/10/11(水) 22:01:12 |
  2. URL |
  3. まめた #-
  4. [ 編集]

Re:ツエルト&フライ

まめたさまへ。
こんばんわ&はじめまして。

なるほど、そういうことかもしれませんね。
そう言えば、ツエルト用のフライ、ウチにもあります。

自分が持って行っている場合、装備計画に「ツエルト」と書いても「ツエルト、フライ」とは書いたことがないことに気づきました。。。

ただ、ゴアのテントの場合、季節によってはフライを置いていくケースがあったもので…。
でもまあ、テントとツエルト、縦走では両方持っていくことはありませんね。

ご指摘ありがとうございました。
  1. 2006/10/11(水) 22:12:08 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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