山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【事故報告書6】 迅速かつ詳細&少々の不思議

遭難カルテ113で触れた事例。

遭難した男性、ご本人のブログに、かなり詳細な記録を掲載しています。
16日に救助され入院、24日に退院し帰京。
記録がアップされたのは、27日。
記憶の薄れないうちに書き留めておくこと、とても重要なことだと思います。
そして、報告したという事実については、高く評価したいところです。



そして、「今回の遭難・救助の要因と反省。」の記事。
十分に回復していないまま、まとめられたものと思われます。
ご本人のまとめられた反省点に、自分なりの視点を加えて、問題を洗い出してみます。

①計画。
ご本人が認めているとおり、ムリのある計画でした。
「行けるはず」と思ってしまうところは、誰しもにあるところです。
自信と過信の違い、判断は難しいところです。
今回は結果的に、「過信」だったようです。
そもそも昭文社の山地図のコースタイムを元に計画したようです。
が、あのコースタイム、個人的にはけっこう当てにならないものだと思っています。
参考程度にはなるでしょうが…。
恥ずかしながら、大事に至らなかったものの、何度か「ダマされた…」と思ったことがあります。

②行動判断。
初日がコースタイムの1.5倍近くかかっていたようです。
ここから自分の体調を判断すれば、突き進まずに戻る選択肢があったはずです。
白鳥小屋から戻ることについては触れられていません。
翌日が12時間行動なら、1.5倍して18時間。
これはすでに不可能に近い時間だということは明らかです。
初日の行動終了時に「自信」と「過信」の違いに気づくチャンスがあったと思います。

③荷重が過重だった点。
ご本人も、ザックが80Lで水が3.5Lあり、総重量が19Kgだったと認めています。
「なるべく10kg超迄で納まるように」すべきとはご本人の弁。
ですが、ここで不思議なことがあります。
ザック重量は2~3Kg程度、水が3.5Kgで、
ザック重量と水重量を引いても、装備は13Kg前後になる計算です。
しかもここにはツェルトは含まれていません。
小屋泊まり装備で、これは多すぎる気がしますが…。
装備内容のブラッシュアップが必要かと思います。
いったい何を持って行っていたんだろう???

④ツェルト不携帯。
ご本人も「どんな場合でもツエルトは縦走の際はザックに」。
そのとおりではあります。
ただ、装備リストから外した経緯がわかれば、もう少しよかったのですが…。
それについては触れられていませんでした。

⑤山地図と地形図。
予定を変更して蓮華温泉へ。
予定ルートは2万5千図があったものの、蓮華温泉方面は山地図がたよりだったそうです。
エスケープルートも含めて地形図は持参すべきでした。

⑥蓮華温泉へのルート変更。
以前通ったことがある、というのがひとつの理由だったようです。
そこに落とし穴があったことも、ご本人が述べておられます。
2泊目のビバーク明けで、来た道を戻る、という選択肢もあったのですが…。
記憶の新鮮さ、より詳細な地図。
下山にあたり、最も確実な方法だったと思います。
なぜ、蓮華温泉を選択したのか…そこの経緯も重要かと思います。

⑦迷ってからの行動。
登山道への復帰を試みず、沢に何度も踏み入れていたようです。
原因として「自分のその時の神経が異常であった」と分析されています。
そこに至る経緯として、前日(2日目)の行動が長時間にわたった点を挙げています。
「①行動判断。」の項で書きましたが、初日終了時点で、すでに判断を誤ったことが響いたようです。

⑧助言の扱い方。
朝日小屋の予約をした段階で、「厳しい」との内容のアドバイスを得ていたようです。
これは朝日小屋管理人の日記(2006.09.17)にも記されています。
このアドバイス、かなり確度の高い情報だと思うのですが、どう取り扱ったのか。
そのあたりには触れられていません。

⑨読図判断
道迷い遭難ですから、当然、そこに何らかのミスがあったことは間違いありません。
この点については、これ以上言うべきことはありません。



比較的情報が多いので、色々な分析ができました。
十分とは言えませんが、ご本人の体調などを考えれば、よくまとめたものだと思います。
この点に関しては、素直に評価したいと思います。





以下は余談ですが…。
この「今回の遭難・救助の要因と反省。」の記事について、多くのコメントが寄せられています。
罵詈雑言に類するものも多少ありますが、厳しい指摘は(すべてではありませんが)おおむね冷静な文章ではないかと思いました。
また、お仲間と思われる方々が、ご本人をかばうコメントを残しています。
双方とも、個人的には理解できるものです。

ただ、指摘についてご本人が相当参っているらしく、段々コメントが気弱なものになっています。
詳細なデータと冷静な分析、それは大いに進めるべきでしょうし、議論も進めるべきでしょう。
そしてご本人もそれを受け入れ、あるいは反論し…。
双方向メディアのひとつの可能性を示していると言えるかもしれません。

ですが、心身ともにダメージの大きいご本人のことを考えると、ここまでの記述で、ひとまずよくやった、と言えると思います。

消化不良な部分が残っていることは否めません。
ですが、ご本人の本復を待ってからでも遅くはないと思います。
原因や真相の「追究」と、個人に対する「追及」は別のものでしょうから。。。

まずは、ご本人の心身の回復を祈るのみです。




日々是好日88に関連記事(2006.10.05)
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