山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【危険回避の道10】 「引き返す勇気」不要論

「引き返す勇気を」

いったい、何年前から言われているのでしょうか。
「進む」よりも「引き返す」方がより安全だ、という前提での言葉です。
たいていのケース、これが当てはまるのは間違いありません。

で、何が言いたいかといえば、「勇気」が必要かどうかということです。

天候や体調が悪ければ、「引き返す」だけ。
どの時点で、またどのレベルで判断するかには難しい面があります。
ですが、必要なのは冷静な判断だけで、「勇気」など持ち合わせてなくても十分「引き返せる」はずです。
極端な言い方をすれば、勇気など持つ必要はなく、冷静に判断できる力を磨くことが重要、ということです。


では、どういった場合に「勇気」が必要なのか。。。
そこには「何が何でも」といった、「進む」ことに対する強い執着がある場合が考えられます。
前提に帰って言えば、「引き返す方が安全」と理解できているのに、あえて「進む方を選びたい」欲求が強い状態でしょうか。
この場合、欲求が理解を上回るのは危険な状態といえると思います。

頂上を踏むことに固執するあまり、冷静な判断や山の楽しみを失った人達に多いケースではないでしょうか。
特に、百名山などのピークハントにこだわる中高年層にこの傾向が強い感じがします。
撤退するのに勇気が必要な人、遭難予備軍ではないかと思ってしまいます。

「また来たらいいじゃないですか。山は逃げませんよ」
「いやいや、もうトシもトシだから、行けるうちに行っとかないと…」
こんな会話をしたことがあります。
年齢的な問題で「山が逃げる」と思っている人でした。
年配の人ほど、その傾向が強いようですし、理解もできますが…。
なんだか追い立てられているようで、かわいそうになりました。
「山が逃げる」と思うことで、余裕を失っては本末転倒ではないでしょうか。


「名誉ある撤退」とか「勇気ある撤退」などといった表記も、記録の中に時折見られます。

撤退するのが妥当と判断しての撤退。
「名誉ある」でもないし「勇気ある」でもありませんし、当然「恥」でもありません。
当たり前のことを当たり前にしただけだ、と思うんですが…。
このような表記にも、「撤退するのに勇気が必要な人」と同様の危うさを感じます。


「山に行く」ということは、「山に行きたい」という欲求からスタートします。
ですが、その時点で「無事下山してくること」という前提が同時に発生します。
ここから求められるのは「冷静な判断力」であって、「勇気」でも「名誉」でもありません。
すべては「無事下山」という前提をクリアするために…ということではないでしょうか。

途中から戻ってくるのも山のうち。
あまりガツガツせずに、「山に行く」ことを楽しめれば良いと思うのです。
「山に行く」と「頂上に立つ」は、必ずしも同じではない、と言えるかと思います。


繰り返しになりますが、どの時点で、またどのレベルで判断するかには難しい面があります。
判断力を磨くこと、常に忘れずにいたいものです。


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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/10/04(水) 13:34:51|
  2. 危険回避の道
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

同感です。

はじめまして、つい先日こちらを拝見する機会があってみていました。
機会あって昨年から愛犬と登山するようになり夏場は単独で山行していました。
犬連れの登山には賛否両論ですが、同じ山を楽しむのに、犬でも仲間でも同じだと思います。
その辺は適当に流していただいて・・・

今回の勇気のことですが、まったくその通りに感じていて、読んでいて同じ考えの方がいるのだとうれしくなりました。
私も40過ぎで山に興味を持って登山しているのですが、特にピークにはこだわっていません。
私にとって重要なのはピークを踏むまでの過程です。
登らなければ見れない景色があるんだなぁと思ったのがきっかけなので、必ずしも頂上でなくていいのです。
頂上で展望がよければそれに越したことは無いのですが・・・
なので、天候が悪かったりして引き返したほうが良い場合になぜ「勇気ある撤退」というのか不思議でした。
おっしゃるとおり勇気ではなく冷静な判断力が必要だと思っていました。
ここから先状況で進めば引き返せなくなるのであればそこで引き返すことは、勇気ではなく判断だと思っています。
行きたい気持ちはわかりますが、山は逃げないからまた今度でいいじゃないですか。
と思っていたのですが、うれしいです。
やはりそういう方の後ろに見え隠れする危険性は否めませんね。

私は単独で技術も自己流で危険きわまりないのですが、その分慎重になることで身を守っています。
遭難の記事は私にとっての勉強です。
これからもいろいろと情報をお願いします。


  1. 2006/10/04(水) 15:03:22 |
  2. URL |
  3. KAZU #-
  4. [ 編集]

Re:同感です。

KAZUさま。はじめまして。

常套句を否定する記事でしたので、少々、恐る恐る書いた記事です。
が、前々から思っていたことでした。
同じ考えの方がいること、心強く思いました。

以前、山で行き合わせた男性。
大きなザックに、マジックで次のように書いてありました。

「引き返す 勇気は俺に ないけれど 突っ込む度胸 もっとないぞう」

プッと吹き出してしまいましたが、なるほどなぁ・・・と感心してしまいました。

きっと多くの人が「勇気なんかいらん」と思ってはいるのでしょうが、あまり声に出して言う人はいないのかもしれません。

今後とも、ともに学ぶ場としていただければ幸いです。
  1. 2006/10/04(水) 16:24:41 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

遭難の記録、教えられることが多いです。

はじめまして。こちらに初めて書き込みです。
遭難の記録、色々と教えられることが多く自分への戒めとして参考にしています。

山歩き=遊び
と思っていますので「笑顔で元気に帰宅」がモットーです。楽しい山歩き、些細なことで取り返しのつかない事故に遭う、なんてことになると家から出してもらえません。

最初は山頂だけに行くことが目的でしたが、山頂から見える 谷 尾根 隣の山 あそこはどうなっているのだろうか?
あの里から登ればどんな景色が見えるのだろうか?と、同じ山域に色々なルートから楽しんでいます。
ときには少しだけ迷って、考えて、悩んで、反省しての繰り返し。ステップバイステップで楽しんでいますよ。

それと石鎚山系 紅葉のピークを迎えていますよ。
  1. 2006/10/04(水) 21:45:21 |
  2. URL |
  3. 紫 雲 #vTm8BAGM
  4. [ 編集]

Re:遭難の記録、教えられることが多いです。

紫雲さま。こんばんわ。

>同じ山域に色々なルートから楽しんでいます。
>ときには少しだけ迷って、考えて、悩んで、反省しての繰り返し。
>ステップバイステップで楽しんでいますよ。

向かう山域は違っても、私も同じようなことをしてます。
おっしゃるとおり、山なんて遊びです。
そんなことで怪我をしたり命を落としたりするのでは、割に合いません。

紫雲さまのHP、なかなか魅力的な山が並んでいます。
四国の山って、楽しむのにはいいフィールドですね。
じっくり腰をすえてかかるに値するものだと思います。

石鎚の紅葉ですか・・・。
天狗の紅葉はなかなか見ごたえありですね。
今年は紅葉の山には行けそうもなく、さびしい思いをしそうです。
  1. 2006/10/05(木) 00:11:41 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

引き返すこと

以前、乞われて、富士山の登山計画を作ったことがあります。初心者が多かったので、ルートタイムの1.5倍くらい見込み、遅くても昼過ぎには頂上直下で翌朝のご来光に備えられるように、という余裕の計画です。
そのとき、出発前にくどく注意したのは、「一緒に行った一人が頭が痛いなど高山病の症状を訴えたら、迷わず全員下山しなさい」ということです。
年長の方から「どうしてだ。置いて登ってもいいだろう」と言われましたが、「高山病をなめてもらっては困ります。死にますよ」と注意させてもらいました。
そのパーティは無事に、こちらの計画通りに余裕で楽しんで帰ってきました。
どうしても、行くことを目的にしていると帰ることを選択しにくくなるようです。

「撤退する勇気」と言いますが、突進することが勇気だと思う方に対して、突進だけでなく撤退することも勇気なんだとやんわりとなだめているように感じます。

私自身は、もともと植物研究の手段として山に入っていました。ですから、たいていは裸地になっているピークに対して、ほとんど興味はありません。通過する必要があれば通りますし、トラバースしてよければトラバースを選びます。調査上、その上に上がる必要があれば、泣く泣く登ります。そんな登山をしてきましたし、それが習慣になっています。だいたい、調査登山はコースタイムの最低2倍はかかりますね。
今では、別の仕事についていますから植物調査などしませんが、低山でも計画を立てるときは、楽して、余裕を持って、歩く以外に楽しみが持てるような計画を立てたいと思っています。
  1. 2006/10/11(水) 09:21:51 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:引き返すこと

おーのさまへ。

>年長の方から「どうしてだ。置いて登ってもいいだろう」と言われました

いますねぇ、こういう人。。。。
頂上に達する以外に、何もないのでしょうかね。
百名山などのピークハンターに、この傾向が強いと思います。

山に入っている間のいろいろなことに、それぞれ楽しみが潜んでいると思います。
テントの夜、晩飯、ビール、核心部、避難小屋、沈殿、水場の休憩、焚き火・・・。
テン場で晴れ沈しての昼寝も大好きです(笑)。
まあ、ピークハンターには分からないかもしれませんが・・・。

「今日はだめだなあ、やめとこうか。
 また来年来りゃいいや。
 行きたい山が1コ増えたようなもんだ。
 よし、来年の予定を考えようか!
 まずは・・・下りたら風呂だな!」

これぐらいの余裕があったら、楽しいと思いますよ。
  1. 2006/10/11(水) 10:24:09 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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