山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日108】 レスキュー協と事故報告書 その2

さて、前回予告どおり、「事故報告書」について考えたことを。

最初に断っておきますが、この手の調査は、組織だったものでない限り、不可能です。
そして巨大組織がともに調査・分析に当たっているということは、今後の遭難対策の流れを決める可能性があると考えています。
以下、ケチをつけるような内容が続きますが、この部分だけは変わりません。



まず、事故調査と会員数の推移。
会員数は日山協41089人、労山20728人、都岳連5340人。
おおざっぱな比率にすると「日山協:労山:都岳連=8:4:1」
日々是好日83で「組織:未組織=1:85」と、試算しました。
(この数字は根拠となるものに諸説あり、正しいとは限りません)
これを掛け合わせると、「未組織:日山協:労山:都岳連=1105:8:4:1」となります。
まず調査のパイの小ささを念頭に置く必要があります。
小さいから意味がないというのではありません。
「パイは小さい」けれど、「組織登山者の遭難事故調査」として読めばよいということです。



会員数は日山協・都岳連が徐々に増加しているのに比べ、労山は減少傾向。
増減はともかく、ここで不思議な点があります。
都岳連は日山協傘下団体ですが、それぞれの会員数がカウントされている点です。
この日山協会員数は、都岳連分を除いた会員数と言うことでしょうか。
なんとも不思議なものです。

さらにもう一点。
前回の事故報告書で、日本山岳会は「当会は現在、本調査グループへの参加を検討中」とあり、2名分のデータ提供をしています。
(今回は参加していないようですが…。)
日本山岳会は都岳連傘下となっており、会員数は約5635人(H17年度末)。
都岳連会員数が5340人とすると……???なことになります。

日山協会員数は都岳連会員&日本山岳会員を除いたもの。
都岳連会員数は日本山岳会員を除いたもの。
そういうことになるのかな?

母体となる会員数から???が飛び交う状態です。



事故者数は日山協90人、労山334人、都岳連14人。
これも大雑把な比率で「日山協:労山:都岳連=6:24:1」。
会員数比率の「8:4:1」からすると、????な結果になっています。

対会員事故比を裏返して、事故者数÷会員数(遭難確率)の比率を出すと「1:8:1」。
労山だけが異様な遭難確率の高さになります。
2003年と2004年も、ほぼ似たような数字です。
額面どおり受け取るとすれば、「過去3年間、労山会員のほうが8倍遭難しやすい」となってしまいます。
本当にそうなのかなぁ?

事故者数は都道府県レベルの組織に報告されたものの集計かと思われます。
この時点で、各団体の基準が異なることが予想されます。
まず、ここから統一しないと、ベースの部分にねじれが発生します。
労山のほうがより厳密に(まじめに?)遭難者数をカウントした、というところでしょうか。。。



続いてアンケートの回収率の推移。
日山協 17%⇒33%⇒0%(!)
労山 38.5%⇒37.4%⇒24.3%
都岳連 50%⇒100%⇒85.7%

驚いたのは2点あります。

まず、最大組織の日山協(事故者数90)から1件も報告がなかったこと。
毎年のように回収率最下位でしたが、とうとうこんな結果になりました。
何があったのか分かりませんが、かなりヤバイ感じがします。
報告書内でも危機感がにじみ出ていますが、来年以降の「事故報告書」の存続に大きな影響がありそうです。

もうひとつは、都岳連の回収率の高さ。
ほかの2つが4割に満たない回収率なのに、8割を超える…異様な突出ぶりです。
組織が一番小さいので、意識が浸透しやすいのか。
組織自体のアンケートへの意識が高いのか。
そのへんはよく分かりませんが、とにかく目立つ数字です。



遭難対策活動の両輪として
(1) 遭難の現状を正確に把握し、対策を講ずること
   (A)遭難全体を統計的に分析する方法
   (B)個々のケースを分析する手法
(2) 救助技術を高めること
が挙げられています。

おもに「事故報告書」に求められているのは(A)の遭難全体を統計的に分析する方法かと思われます。
(1) 全体について、個人情報保護の流れから「あまり神経質になると中止せざるを得なくなる」とあります。
統計的なものにまではかかってこないだろうと思いますが、情報流出なども含めてのものでしょうか。
少々及び腰になっている感もありますが、それよりも日山協の報告ゼロの方が「中止」への影響は、大きいように思います。



とりあえず、今回はここまで。
ベースになる部分だけでもいろいろあるもんですね。



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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/12/06(水) 21:24:31|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7
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コメント

ご考察に対する補足

報告を見ていただきありがとうございます。
理解する上で、少し補足させていただきます。
(私はその筋のものです?)

まず母数の人数ですが、これは保険の加入者数です。それぞれ別に保険を持っています。
実際の人数はJMAが7万人ほどです。都岳連が3万人くらいと思います。比率が高いのは全国規模のJACやJFAなどが東京で加盟しているためです。

事故者の数も持っている保険によって違います。労山は、駅でころんだから入っています。山から帰って腰痛なども入るようです。多少、モラルの違い(出しているのだからもらわな損?)もあるようです。

把握率の差は都岳連は自前の保険なので義務化しています。労山もそれに近いですが、山の事故とはいえないものが多くあるためです。JMAは保険会社丸投げの弊害でしょう。

今年の4月から保険業法が改正(正しいかどうかは何を基準にするかです)されました。労山は徹底抗戦で法律違反状態、都岳連は届出して2年の延長(特例)・少額短期会社めざし模索中。JMAは7年の延長(特例)で、保険会社と真っ向交渉中。これらの行方も気になるところです
  1. 2006/12/23(土) 11:21:31 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #-
  4. [ 編集]

Re:ご考察に対する補足

よかっぺさまへ。

補足説明、ありがとうございました。
保険の関係からの数字ということなんですね。
日山協の回答ゼロの理由、分かった気がします。

保険業法改正ですか。。。
山登りも社会の中の・・・とは思っていましたが、密接なつながりがあること、改めて思いました。

  1. 2006/12/25(月) 11:27:11 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

お役にたてれば幸いです

管理人さんこんばんは お役にたてればさいわいです。
私は、その筋の活動をしております。外から見るとふがいないと思うでしょうが、中から見てもやっぱり同じですということはないですが、山岳会の共益のための組織から登山者の公益のための組織への変換-普通の登山者にとって活動がよくわかるようにしたいということで登山技術も多分管理人さんと同じくらい、さらに浅学菲才を省みず取り組んでいる団塊の最後くらいの世代です。
登山者の公益と言ってもまとまったものがない。最近、ウェブでいろいろ役に立つことがあったので、ウェブを覗いてみようとしてこのサイトにたどりつきました。もっと早く気がついていればコメントしたいことがたくさんありました。「はぐれる」「ガイドとリーダー」「引き帰す勇気」など、どうして登山界でもっと問題にして議論しないのか、不思議でした。このサイトでそのような議論をされていることは貴重だと思います。
私はほとんど連れていく山行ですが、たまに大先輩に連れていってもらうことがあります。その時に感じる安堵感、連れて行ってもらうのは楽で楽しいなと思います。技術や体力はこちらが上です。知識や装備もこちらが新しい。でも、知恵です。知恵がないと良いリーダーにはなれないと思います。大先輩の知恵にはかないません。ガイドや指導員の検定では知識、技術、体力の検定はあるのですが、知恵はありません。そんなことも折々のテーマで議論に参加させていただければと思います。
あまりその筋が書き込むと発言しにくい、ということであればおとなしく拝読させていただきます。よろしくお願いします。
  1. 2006/12/25(月) 20:46:53 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

ご苦労様です

「山岳会の共益のための組織から登山者の公益のための組織への変換」と言ってしまえば簡単かもしれませんが、未組織登山者が多い(相対的に組織登山者が少ない)現状で、そういった転換をすること自体、大変なことだと思います。
かといって、組織登山者自体も、若手が減り、中高年の初心者が増えるなど変貌してきていると伺います。総じて、手間だけが一部の方にかかっているのではないか、と心配です。
いろいろな方が来るようです。(私もその一人ですが)お手の空いているときにでも、いろいろな方の相談や意見の相手になってあげてください。
よろしくお願いします。
  1. 2006/12/26(火) 14:07:53 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:お役にたてれば幸いです

よかっぺさまへ。

大体、おーのさまのコメントで言い尽くされているような気がしますが(笑)。

基本的には、前向きに考えていただけるのであれば、どなたでも歓迎します。
初心者と自ら仰る方や、かなり壮絶な経験を積まれた方など、いろいろな人が書き込みをされますが、それぞれに価値のある言葉が多いと実感しています。
ですから、「その筋」の方の書き込みも、いっこうに問題ありません。
気が向いたときに、思ったことや考えたことを書き込んでいただいて結構です。

分類上から言えば、私も大多数を占める未組織登山者の1人です。
入手できる情報も、誰でも手に入れられるものしかありません。
そしてなにより、登山界よりも自分自身のために運営している個人のブログです。
そのへんだけご理解ください。

以前別のところでも書いたのですが、もう一度。
互いに意見が食い違うことがあるかもしれません。
その場合にでも、削除はしない方針です。
その中から、新たに見えてくるものもあるのではないか、と考えるからです。
ですから、批判や指摘であっても結構です。

いくつか書き込んでいただいた内容、随分と参考になりました。
今後もよろしくお願いします。
  1. 2006/12/26(火) 15:36:28 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

これからの時代なら・・・

勝田マラソンでも、1万人くらい走りますが陸連登録競技者は1割もいないと思います。どういうスポーツでも未組織の方が圧倒的に多いと思います。

登山界でも、昔は組織登山者が先頭を走っていたのですが、いまはそうでも無いようです。無理に昔に戻す必要はないでしょう。これからはホームページやブログがもっと発達しますから組織にはいらなくとも知識は手に入ります。装備だって専門店や会の先輩の経験より知識が広がり選択範囲も広がるでしょう。情報が組織に入らなくとも入手できる時代です。
これからの時代ならウェブを使ってもっと価値ある情報が伝えられると思います。ウェブの素晴らしさはマスコミと違って情報伝達が双方向であるということだと思います。マスコミや書物は相手がどう理解したかわかりませんが、ウェブなら知識を知恵に変える可能性があると思います。
組織化をあきらめるわけではありませんが、もっと情報を発信してそれを受け止めてくれるというゆるい組織化もありではないかと思い始めております。
(ここでの発言がそうだということではありません。)
  1. 2006/12/26(火) 20:13:48 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:これからの時代なら・・・

よかっぺさまへ。

かつて「3人寄れば山岳会」という頃があったと、父から聞いたことがあります。
詳しくいつごろ、とは分かりませんが、山岳会の全盛期だったのでしょう。
個人思考の強まりとともに、山岳会という「組織」の魅力が、相対的に減少したのだと思います。
(絶対的な意味では目減りしていないと思います)

ただ、従来どおりのあり方では組織率低下、高齢化などの問題は、進行するだけで、解決には至らないんだろうなぁ・・・と思います。

そいういう流れの中で、求心力や魅力といったものの再構築がなされないと、この傾向はさらに進むのではないかと思います。
ただ、その再構築の方法が、誰にも見えてこない。。。
現状はそういったところではないでしょうか。

新しいつながりの形。
ネットを利用して、というのもひとつでしょう。
双方向というのは、確かにポイントでしょう。
組織的なつながりよりも、個人同士でのつながりが、これからはより大きなウエイトを占めることになると思います。

従来型ではない、ゆるやかなつながり。
整理しなければならない問題も多々あると思いますが、ひとつの可能性として、考える意味のあるものだと思います。
  1. 2006/12/27(水) 13:22:43 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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