山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【日々是好日110】 非常食のこと

10月に六甲山で行方不明になり、24日ぶりに救助された西宮市の公務員男性(35)の話。
バーベキューの帰りにケーブルカーの切符をなくし、ウィンドブレーカー・ジーパン・サンダル・リュックサック姿で「歩いて帰る」。
意識不明で倒れているところを登山者に発見され、救助されました。

登山やハイキングという意識すらなかったのでは?と思い、遭難カルテへの掲載を見合わせました。

が、ちょっと気になる続報が出てきたので、取り上げることにします。



「命綱は"焼肉のたれ"」
新聞の見出しを飾ってた言葉です。
発見場所が砂防ダムの堤防ということで、水はある程度確保できたかと思います。
が、10月とはいえ冷え込むことに違いなく、今でも足に凍傷が残っているそうです。
エネルギーの消費を考えると、水だけでは生きていけないはず。。。
生還の理由が分かりませんでした。

焼肉のたれ・・・そんなもので・・・と、正直驚きました。
マスコミもやはり、そこに驚いたのだと思います。



今回のことから考えたいのは、非常食のこと。

高カロリーで摂取しやすく、調理の手間がかからない…。
求められる条件は、いくつかあります。
この件では、それが焼肉のたれだったわけですが…。

非常食は、予備食や行動食とは別にする必要があります。
そこで、山の食料についてまとめてみました。

予定食:予定通りに食べるもの。加熱を想定。
行動食:行動中に食べる。昼食兼用でレーションと呼ぶ。高カロリーで手間いらず。
予備食:予備日程に入った際の食糧。予定食と同程度。
非常食:非常事態に食べる。行動食と同程度?

大きくはこんな感じかと思います。
緊急事態には全部を混ぜて食いつなぐことになります。
予定通りに行程を消化したら、予備食と非常食はまるまる残るはずです。
(結構、最終日や最終夜に盛大に食べることはありますが…)

私の場合、行動食と非常食はごっちゃになっています。
残り日程を考えつつ行動食を食べるわけですが、大体、半分以上残ることが多い。
残ったぶんが予備食となるわけです。

この方法、面倒がなくていいのですが、ひとつ問題があります。

行動中に食べるもの、やはり食べやすいものから、になります。
非常食として残るのは、若干食べにくいものや、食欲をそそらないものが多くなりがちです。
これでは非常事態に不安が残ります。。。
ちと、考える必要アリかと思いました。



単独行でヘロヘロになったとき、テントを張るのでいっぱいいっぱいになったことがあります。

当時は引き返すことを知らず、突き進むのみ。
しかも予備日なし。。。
(今考えると、オソロシイ…ただのアホでした)
今日行けるところまで行かないと…と、日が暮れるまで地吹雪の中を12時間近いラッセル。
のろのろと整地し、ふらふらと設営。
やっとテントに入ったものの、とても飯を作る元気も、食欲もありませんでした。
シュラフを出したら、それに入るのも面倒な有様。
とにかくすぐ口に入るものを…ということで、食糧袋を探ると…。
コンデンスミルクのチューブがありました。
お茶にするためのものでしたが、ほとんど1本を吸い尽くし、泥のように眠りました。
(さすがに天気図はつけられずでした)

夜半に空腹と寒さで目が覚め、やっと飯を作る気になりました。
なんとか暖かいものを食べて、生き返った気分でした。
翌朝、生まれて初めて、自分の判断で「撤退」しました。
なんとか遭難せずに下山でき、「あのまま進んでいたら…」と思うと、ぞっとしたものです。
15年ちょっと前の3月の遠見尾根のことでした。

以後、ザックには必ずコンデンスミルクが1本入っています。
十分かどうかはわかりませんが、ないよりはマシなんでしょうね。


今回のニュース、非常食のことを考えたり思い出したりするいい機会でした。



==========追記(2006.12.20)==========

この男性が回復し、19日に退院、記者会見を開きました。
それによると…。

・遭難数日後に意識を失った。
・体温が22度まで下がり、脳が“冬眠”状態に。
・発見されたときは心肺停止状態だったが、病院で蘇生。
・焼肉のたれは、何度かなめた程度。

大雑把にはこんな感じです。
生還の決め手になったのは、焼肉のたれでなく“冬眠”状態だった、ということです。

マスコミとともに「焼肉フィーバー」に踊らされる結果となってしまいました。。。

そういえば、似たようなケース日々是好日54にもありました。
スポンサーサイト

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/12/12(火) 21:04:52|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:9
<<【日々是好日111】 暖冬とスキー場 | ホーム | 【道具を語る13】 天気図用紙>>

コメント

地元の報道では

最近、ちょくちょくROMらせて頂いています

この男性はリハビリ中ではありますが退院予定も立っているそうで、ひとまずよかったかと。

都市にここまで隣接している1000m級の山は、国内で六甲山だけ。
アクセスの良さもあって気軽に行けるけれども、山は山と改めて思わされました。

サンダルで午後3時あたりから下山口を捜すうち、崖から転落し、腰骨折
よじ登ろうとして、また転落して、あの砂防ダムの場所までいったとのこと。

携帯電話は雨で使用不可で、その場でひたすら救助を待っていたそうです。

神戸方面は、この10月の平均気温が過去最高、台風も来なかったのは非常に幸運で
雨も、弱い雨が2回ほどでした。
あとはバーベキュー後で、水と焼肉のタレがあったおかげですね。

どれかひとつでも欠けていたら・・、です。

ブログに書かれている通り、ハイキングという意識もなかったでしょうが
街の感覚で来ている人が大半です。

六甲山の過去5年の救助件数が290件、少なくない数と思います。
  1. 2006/12/14(木) 18:01:59 |
  2. URL |
  3. 六甲野郎 #9MbXUtpk
  4. [ 編集]

Re:地元の報道では

六甲野郎さまへ。
はじめまして。

六甲山って、阪神地区の人からすれば、本当に裏山のように見える存在ですね。
その距離的な身近さを、難易度などの身近さと錯覚しがちなところはあるかもしれません。
5年で290件っていうのは、その表れでもあると思います。
しかし、そんなに多いとは・・・正直、びっくりしました。


今回の件、仰るとおり、焼肉のたれ以外にもいろいろな条件が重なっての幸運だと思います。
1日も早く社会復帰できるといいですね。
  1. 2006/12/14(木) 20:37:33 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

北の国のしがない、山好きな自分ですが。
こちらのブログを読まさせていただいてると
自分もワクワクと、今度あの山行こうかなとか
思いはぜております。

自分は、多少乱暴な計画で登山しても
実際事故や遭難にあったことはないのですが
登山という趣味は、遭難や事故というリスキーなものがセットでもあるのだなと
改めて考えさせられました。
  1. 2006/12/15(金) 03:04:14 |
  2. URL |
  3. イオニ #-
  4. [ 編集]

非常食のこと

高槻付近のハイキングが今は主体なので非常食といっても
チョコレートと飴ぐらいしか持ってないですね。予備食という概念
でいえば少し朝ごはんを多くパン一個余分に持つ程度かな
なにしろ早朝上って昼前には家に帰る山歩きなので厳重では
ありません。
でも六甲のことですが谷が急峻なので落ちると大変だなあと
2度ほど歩いて感じています。今年は暖かかったので今回の遭難
のかたも九死に一生を得たのかもしれません。
  1. 2006/12/15(金) 19:50:06 |
  2. URL |
  3. kazuo #-
  4. [ 編集]

お二方へ

イオニさま。はじめまして。

レス遅れて申し訳ありません。

>登山という趣味は、遭難や事故というリスキーなものがセットでもあるのだなと・・・

そうなんですよね。
若さ(無知?)ゆえの特権か、私も深く考えずに突っ走っていたころがありました。
自分の記録を見て、今にしてぞっとするようなものもあります。
あの勢いというかエネルギーというか、そういうものは、それはそれとして魅力ではありますがね。。。
学生時代や独身の頃に比べて、実際に山に行く機会が減ったため、やっと考える作業にたどり着いた感があります。



kazuoさま。こんにちは。

レス遅れ、申し訳ありません。

非常食や予備食って、その山のスタイルによって変わるものだと思います。
ご自分にあったものを考えて準備すればいいのではないでしょうか。

六甲の方、生きて戻れて何よりです。
確かに今年は暖かかったですね。
六甲野郎さまのコメントにもあるとおり、気象条件には恵まれたのでしょう。
  1. 2006/12/16(土) 10:58:26 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

たれではなく、冬眠

退院するまで回復し、会見をしたそうです。

当初、焼肉のたれを食べながら飢えをしのいだと伝えられていましたが、実は焼肉のたれは辛くて食べられず、飲まず食わずで冬眠状態にあったとか。

会見の記事
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061219-132569.html

そういえば、動物園の熊も冬眠に誘導されたようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061219-00000002-san-soci

しかし、自然界でも野生動物が冬眠から覚めないというケースがあります。
このため、一歩間違えば凍死するかもしれなかったですから、幸運だったとしか言いようがありません。
  1. 2006/12/20(水) 08:47:57 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:たれではなく、冬眠

おーのさまへ。

今朝、新聞を見て目が点になりました(笑)。

「生還のカギは“焼肉のたれ”」・・・
全然違うじゃないか!!!!
あの報道はどうなったんだよ!
と、怒っても仕方がありませんね。。。

しかし、人体の神秘というかなんというか。。。
良くぞ生きて帰った、と言う感じでしょうか。
今日から職場復帰もしたようで、何よりでした。
  1. 2006/12/20(水) 16:16:57 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

どうして見つからなかったの

はじめまして。六甲で2週間助かったことより発見されなかったことが奇跡だと思います。ただ、ある人から聞いたのですが誘拐の時と同じように警察の捜索は道から棒でつつくだけとか。これで見つかるようなら遭難しないとのことです。これでは奇跡でもなく当り前です。
どうして見つからなかったのか、何が抜けていたのかという反省が無いときっと進歩は無いと思います。見つかったのは検討違いのとんでもない方向でも無いように思います。ヘリの普及で地上捜索能力が落ちたのかも知れません。
  1. 2006/12/21(木) 22:01:33 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:どうして見つからなかったの

よかっぺさまへ。はじめまして。

警察の捜索方法からのアプローチ、今まで考えもしませんでした。
そういう視点もあるのですね。

何が抜けていたのか、兵庫県警は考えているのでしょうか?
六甲野郎さまのご指摘にあるとおり、六甲山は遭難事故が多発している地域のようです。
なのに・・・と考えると、ちょっと不思議な気がします。

確かにヘリの普及で、地上捜索能力が低下しているのかもしれませんね。。。
まあ、これは、兵庫県警に限った話ではないと思いますが。。。
  1. 2006/12/25(月) 10:52:05 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/tb.php/295-5f4a2e47
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

K・T

Author:K・T
山ヤのつぶやき。脈絡はないかも…。
 
~~~~~ メニュー ~~~~~
【日々是好日】
  日記のようなもの
【山日記】
  山に行った記録
【遭難カルテ】
  遭難事故から何を学ぶ?
【事故報告書】
  学ぶことの多いものです
【危険回避の道】
  よりリスクを減らすために
【道具を語る】
  山道具のあれこれ
【山の写真集】
  新旧織り交ぜて掲載予定
【子連れに挑戦】
  我が家的ノウハウです
【自己紹介】
  ごく簡単なものです

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2カウンター

フリーエリア

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。