山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ124】 元旦の富士山で3人滑落、1人死亡


【概要】
1日午前、山梨県側の富士山7~8合目付近で滑落事故が3件相次ぎ、1人が死亡、2人がけがをした。いずれも初日の出を見るため単独で登山中だったとみられる。午前6時55分ごろ、「8合目付近で男性が滑落した」と近くにいた登山者から110番があった。救助に向かう途中の山梨県警ヘリコプターが午前9時半ごろ、8合目付近で、通報とは別の男性が滑落するのを目撃。男性は4合目付近まで1000メートル以上滑落、収容され病院に運ばれたが、脳挫傷で死亡した。男性の身元は、4日に東京都港区の飲食店従業員(34)と判明した。この男性は初日の出を見るため12月31日夕に5合目から友人3人と登り始め、1日午前7時に8合目で友人と分かれた。登頂後に1人で下山中、バランスを崩したらしい。通報があった男性は横浜市金沢区の会社員(33)で、単独で山頂を目指していた9合目付近でアイゼンを誤ってズボンに引っかけ約200メートル滑落。ヘリでつり上げようと試みたが、強風のため同日は断念。2日朝、再び救助に向かったが、悪天候のため午後には打ち切られた。男性とは同日午前9時ごろまで、携帯電話で連絡が取れていた。3日午前7時40分ごろ、県警ヘリコプターに救助され、病院に運ばれた。男性は腰の骨を折るなどの重傷を負ったほか、両手足が凍傷になっているという。救助を待つ間、雪洞穴の中で通り掛かった登山者らが体に巻いてくれた寝袋にくるまっていた。けがなどで体の自由がきかなかったため、ザック内の食料や水は口に入れられず、服のポケットにあった非常食を食べ、顔の回りの雪で水分を補ったという。また、1日午前10時半ごろには東京都練馬区の会社員男性(37)が倒れているのを、通り掛かった登山者が発見した。男性は右足の骨を折る重傷で、県警ヘリで病院へ搬送された。「7合目から150メートルほど滑落した」と話している。甲府地方気象台によると、1日午前の富士山頂は快晴。事故当時、現場付近は積雪が固まるアイスバーン状態で、強い風が吹いていた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、時事通信からデータ引用・抜粋)


【考察】
山梨側の7~9合目付近という、比較的近い場所で、午前7時ごろからの約3時間半に、立て続けに起きた事故でした。
初日の出は富士山頂で。。。いたって日本人的な発想。
そう思って山に入った人が、かなりいたことの裏返しでもあります。

富士山のような独立峰は風当たりが強く、標高も高いことから斜面が凍結しやすいことは周知の事実でしょう。
まさか、アイゼン・ピッケルなし、なんてことはないと思いますが。。。



装備を持っていても、転落・滑落は防ぎきれるものではありません。
特に風が強いときの耐風姿勢や、滑落時の停止動作、ある程度の訓練が必要です。
さらに、絶対確実に止まるものでもありません。
訓練のあるなしで、停止の可能性が変化する、と言ったほうがいいかもしれません。
また、滑落し始めると、早い段階で停止できなければ、どんどん加速することも多いのです。
亡くなった男性、恐らく停止動作が間に合わなかったのではないでしょうか。
1000メートル以上の滑落、ということでしたが、一部報道では1300メートルともありました。



今回の事故要因と直接の関連はなさそうなのですが、「はぐれ」。。。
亡くなった男性は事故の2時間半前から3人の同行者と別行動をとっています。
ここに、なぜ?が付きまとうのです。

ヘリコプターに目撃されていたのは、随分まれなケースで、そうそうあることではありません。
自分の経験から言えば、突風で体制を崩したときに、同行者がザックをつかんでくれたおかげで難を逃れたことがあります。
すべてのケースに当てはまるわけではないですが、同行者がストッパーになることもありうると思います。

パーティーを組んでも、行動は別。
そんなのが最近の流れなのでしょうか。



つづいて2日ぶりに救助された男性の件。

アイゼンをズボンに引っ掛ける。
これは私もときにやります。
おかげで古いオーバーズボンは裾がボロボロになります。
慣れるにしたがって回数はかなり減りますが、ゼロにはなかなか。。。
ただ、転倒するに至ったことはないのが救いでしょうか。
ピッケルもアイゼンも「転ばぬ先の…」といった面がありますが、そのアイゼンが原因の滑落と言えるかもしれません。



そして、最も気になった点。

雪洞を掘ったのは通りがかった登山者や、警察官といった報道もありました。
報道された情報が断片的なので、推測を交えざるを得ませんが、以下はそのつもりでお読みください。

男性のけがの程度から推測すると、とても自力での雪洞は考えにくいところです。
そして、通りがかりの人がシュラフを体に巻きつけてくれたとのこと。
ポケットの行動食と顔の周りの雪で水分を補ったとか。
これがもし本当ならば、雪洞を掘ってくれた人はいたけれど、周りに誰もいないままのビバークということになります。
誰かそばについているだけで、消耗はかなり防げたと思います。
少なくとも「ザック内の食料や水は口に入れられず」、なんてことにはならなかったのではないかと思われるのです。
通りがかったのであれば、せめて付き添ってやれば、本人の不安も少しは減じられたかもしれません。
さらに途中でバッテリーが切れたと思われる携帯電話も、数台あれば連絡が途絶えることもなかったかもしれません。

二次遭難の危険など、状況が許さなかったことも考えられます。
また、報じられていないだけで、実際に誰かが付き添っていたのかもしれません。
この部分は、本人の口から状況が語られるまで、詳細は不明です。

六甲の事故で「焼肉のたれ」騒動もありましたので、報道内容がひっくり返ることもありえます。
ご本人の回復後、詳細が語られれば、もう少し状況が分かるのでしょうね。



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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/01/05(金) 20:26:32|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

富士山の滑落事故の件

管理人様はじめまして。富士山で滑落、ビバークされた方の事故について、下記ブログにそれらしき記事が載っております。ご参照下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/fujisann_37762001/26409905.html
  1. 2007/01/06(土) 12:59:26 |
  2. URL |
  3. ゆたか #-
  4. [ 編集]

富士山の滑落事故の件

ゆたかさまへ。
はじめまして。

ご紹介のブログ、読んできました。

 ・事故当時は風も弱く穏やかな天候だったこと。
 ・滑落後、鳥居にぶつかって停止したこと。
 ・けが人に付き添った人がいたこと。

このあたりはマスコミでは報じられていませんでしたね。
目撃者情報であれば、より正確なものだと思います。
報道内容からは分かりえないこと、毎回頭の痛いところです。
やはり、そのブログにもあったとおり、アイゼンのひっかけが原因でしょうかね。

なにより、付き添った人がいたことにほっとしました。
通りがかった人がいたのに、誰もついていなかったとなると・・・・嘆かわしい限りです。。

貴重な情報、ありがとうございました。
  1. 2007/01/06(土) 15:21:47 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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