山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ131】 氷ノ山で女性、遺体で発見

【概要】
5日午前2時40分ごろ、京都市内の女性から「母親が氷ノ山(1510メートル)で遭難している」とを通じて、兵庫県警養父署に通報があった。遭難したのは同県豊岡市の会社員女性(54)。京都に住む二女(23)の携帯電話の留守番電話に、4日午後6時から同7時の間に「遭難している」「助けて、近くに滝がある」「寒くて死にそう」などと計5回、携帯電話で連絡があった。5日午前0時半ごろ、二女から京都府警に捜索願が出された。携帯電話の位置探索から養父市福定の山中にいることが判明したが、その後、電波が不通となった。その後の捜索で、女性の車が氷ノ山中腹にある福定親水公園に止まっているのが見つかった。入山ポストに入っていた入山届によると、4日午後2時40分に入山し、同6時に下山予定で、1人で入山しているとみられる。標高1300メートル付近にある避難小屋にある備え付けメモに、女性の署名とともに「4日午後5時9分」「雪が少ない。長靴のみで楽勝でした」などと書かれていた。5日の捜索は日没で打ち切り。6日午前10時20分、登山道から約400メートル離れた滝つぼで死亡しているのを、5日から捜索していた登山仲間が見つけた。場所は標高約850メートル付近にある不動滝。身元の確認を急いでいる。小屋からの下山途中で遭難したとみられる。氷ノ山山中にはほとんど雪は残っていないが、現場付近は4日から5日にかけ激しい風雨。6日の現場付近は朝から雪だった。女性は地元の登山グループ「但馬山友会」のベテランメンバー。氷ノ山もたびたび1人で登っていたという。
(朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、神戸新聞よりデータ引用・抜粋)



【考察】
各社報道分から、多少時間の錯綜があるのですが、概要はざっと以上のようだと思います。

福定親水公園から入山したのであれば、この避難小屋は氷ノ山越避難小屋となります。
標高は1300メートル付近と報じられていましたが、より正確に言えば1250メートル付近。
避難小屋からの稜線は兵庫・鳥取県境で、小屋に至るルートは鳥取側からもあります。
個人的感想ですが、このルートは特に難所があったとは記憶していません。
比較的しっかりとした道で、あまり迷うようなところもなかったように思いました。


さて、今回提起したいのは遭難したときの通報先です。

時系列のおさらい。
4日 午後2時40分入山。
   午後5時9分、避難小屋。
  (この後遭難事故発生)
   午後6時~7時、娘の携帯留守録に5回連絡。
5日 午前0時半、京都府警に捜索願。
   午前2時40分、京都府警から兵庫県警養父署に通報。
   日没まで捜索活動。
6日 午前10時20分、遺体発見。


娘への最初の通報を午後6時とすると、所轄の養父署に連絡が届くまで8時間半かかったことになります。
家族への連絡は否定しませんが、直接、養父署なり兵庫県警なりに連絡をしていれば・・・。
もちろん、そうすることで助かったかどうかは分かりません。
ですが、現場から状況を伝え指示を仰ぐことはできたのではないか。。。
そうすることで別の展開があったのではないか、と考えるわけです。
少なくとも、午後6時~7時の間は電波が届く範囲にいたわけですから、電話番号さえ分かっていれば、通報は可能なはずです。

周知のとおり、警察は縦割り組織であり、縄張りがあります。
京都府警が「氷ノ山で遭難」とだけ聞いたとしたら、兵庫県警と鳥取県警のどちらに連絡するか、ということを考えるのでしょう。
兵庫・鳥取県境の山なので、当然と言えば当然のことです。
いちおう両方に声はかけておく、という方法もありますが、そうしたかどうかは不明です。
おそらく、携帯電話の発信場所特定をして、それから兵庫県警に連絡した、ということだと思われます。

警察組織の弊害(?)とするならば、改善されるに越したことはありません。
しかし、現実にそうなるには多くの問題があり、解決には時間がかかります。
そういった現状から言えば、養父署に通報するのが実際にはベストだったと思います。
入山するところの所轄警察署の電話番号は、事前に押さえておく必要がある、と言ったところでしょうか。

また、家族に登山計画が伝わっていれば、遅くても5日午前0時半には養父署に連絡が入ったことになります。
家族であれ所属山岳会であれ、万一のときに連絡をするところには、詳しい計画を伝えておくべきだったのでしょう。



遭難から捜索開始に至るまでの時間。
数分で明暗を分ける場合もありえます。
今回は夕方の発生で、最初の娘への通報と日没はほぼ同じ時間。
ですので、養父署へ直接通報したとしても、夜間の捜索が行われるかどうかは微妙です。
入山時間が午後2時40分というのは、遭難・捜索のことを考えると、少々遅いように思います。



この「但馬山友会」について。
兵庫県山岳連盟にも兵庫県勤労者山岳連盟にも、属していないようです。
独立系組織と言った方がいいのでしょうか。
捜索には会の関係者も出たと思われます。
統計上、今回のケースは組織・未組織のいずれに分類されるのでしょうか?
些細なことですが、ちょっと気になりました。。。


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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/03/09(金) 20:53:10|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

携帯での通報について

管理人様
いつもはROMのみですが、お世話になっております。Star Ferryと申す山初心者です。

>入山するところの所轄警察署の電話番号は、事前に押さえておく必要がある、と言ったところでしょうか。

遭難時の通報先ですが、緊急の場合が多いので各警察署ではなく(所轄を調べるのも手間ですし)、
そのまま「110番」で大丈夫だと思います。
携帯からでも、基地局所轄の県警(本部)につながるはずです。
今回事例で万一、鳥取県警側に通じたとしても、状況から兵庫県警に転送(通報)したと思います。
余計なお節介かもしれませんが、老婆心ながらお知らせしておきます。

なお、各警察署の加入番号はすべて「0110」に統一されておりますので、「0XX-XXX-0110」を覚えておくというのも一つの方法ではあります。
  1. 2007/03/10(土) 09:21:49 |
  2. URL |
  3. Star Ferry #LLiucU3E
  4. [ 編集]

Re:携帯での通報について

Star Ferryさまへ。
はじめまして。


なるほど、方法は他にもある、ということですね。
いずれにしても、警察なり消防なりに、迅速に通報が入れられる道を用意しておくことが、今回の件から重要だと思いました。

私自身は、携帯の電話帳に所轄警察署か都道府県警地域課を入れることにしました。
臆病すぎるかもしれませんが、鳥取→兵庫という転送が、少々気になるもので。。。。

「0110」の件。
言われて見れば、確かにそのとおりでした!
知らなかったなぁ・・・。

また、気づいたことがありましたら、いろいろと教えてください。
  1. 2007/03/10(土) 15:39:52 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

もしも・・・と思ってしまいます

非常に残念な結果となってしまいました。
私も一時氷ノ山がホームグラウンドでしたので、とても残念に思います。
転・滑落をしたわけでなく、ほんの少しの道迷いですから、もしもが2つもあれば助かったと思います。

もしも出発があと3時間早ければ
もしもきちんとした雨具とツエルトを持っていれば
もしも迷った時点でためらわず登り返して避難小屋まで行けば
もしも110番していれば
もしも単独でなかったら

夕方で薄暗く、ところどころ雪があれば間違えるポイントはいくつもあります。下りの方がはるかにルートファインディングは難しい。
それにしても避難小屋から登山口の間で下山中に迷い込む可能性のある沢で、滝のあるところと限定されれば探すポイントはそんなに多くないと思います。小屋から1時間しかおりていないのですから。
連絡がスムーズに行かず、初動が遅かったことや常設の救助隊のないことで無理ないかも知れませんし、おそらく最初の夜を越えられなかったのかも知れませんが、ヘリの発達、地元の高齢化によりいわゆる捜索能力は落ちてきているような気がします。
形ばかりの訓練よりも、沢を登ったり、岩尾根を登って地形を熟知する方が、役に立つとは思うのですが救助に行かれる方は必ずしも登山が趣味ではありませんので無理かも知れません。
行方不明の場合の平均的な捜索期間は3日ですので、最低3日間生き延びられる装備と食料をどんな時にもザックに放り込んで置けばと思います。

  1. 2007/03/11(日) 15:20:41 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

少し下山時刻が遅い気がします

午後5時9分に避難小屋ですから、冬至頃の暗さではないとしても遅いように思います。特に、天候は下り坂ですから、当日の下山をあきらめて避難小屋に泊まることも考えるべきだったのではないか、と思うのですが、地元の方、如何でしょうか?
  1. 2007/03/12(月) 23:30:17 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

お二方へ

よかっぺさま&おーのさまへ。
まとめレスですが、ご容赦ください。

今回は通報先について絞ってみました。
ですので、その辺は改めて触れることはしません。
ただ、ご指摘の点(もしも・・・という点)など、他にもいろいろと思うことはあります。

事故に遭われた方が、このコースをどの程度熟知していたかは分かりません。
下山時間は確かに遅い気がします。
そもそも入山時間が遅いように思います。
ただし、ご本人が何らかの意図をもって、初めからその時間設定をしていたのであれば、また見方が変わるかもしれません。

>最低3日間生き延びられる装備と食料をどんな時にもザックに放り込んで置けばと思います。

どこに行くにしても、そこが重要かもしれませんね。。。
学生時代から何度も足を運んだ山だけに、残念でなりません。
  1. 2007/03/13(火) 22:34:31 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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