山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ133】 50~60歳代の7人、無事救助

【概要】
21日午後7時45分ごろ、富山市本宮の大品山(1404メートル)付近に登山に出掛けた7人パーティーの男性から携帯電話で「山頂から下山中に沢に入り込み、道が分からなくなった」と110番があった。7人は「富山ハイキングクラブ」に属する53~68歳の男性5人、女性2人。富山県警は7人に対し、その場を動かないように指示。22日午前6時50分ごろ、県消防防災ヘリが標高約680メートルの沢すじの急斜面でテントの生地を振る7人の姿を確認。3回に分けて7人を引き上げ、ふもとまで搬送。午前8時15分までに、全員を救助した。けがなどはない様子。7人は、21日朝、日帰り予定で大品山に「読図訓練」のため登山にでかけ、立山山麓スキー場のらいちょうバレーゴンドラ駅から入山。午後7時45分ごろ、下山中に沢に入り込み道が分からなくなったという。救助要請後、7人は固まってツエルトをかぶり、寒さをしのいだという。一行はGPSを携帯していたが、途中で その指示に従わず誤った道に迷い込んでしまったらしい。発見されるまでの間、7人は木の幹とそれぞれの体をロープで結び、転落しないようにしていた。夜は頭からテントのシートをかぶって寒さをしのぎ、歌を歌って助けを待ったという。大品山は、この時期には積雪があるが、ふもとのスキー場付近からのリフトを使えば、山頂まで1時間ほどで行くことができ、ハイキングコースも整備されている。以下はリーダーを務めた男性(53)の弁。「大変ご迷惑おかけし、それと同時にありがたいと、これで生きて下に戻れる」「他の登山者の足跡を深追いし過ぎ、本来通るつもりだった尾根よりひとつ手前の尾根を下ってしまった」「一度下りた事があるので軽い気持ちで皆を導いてしまった。異を唱えたメンバーがいたが、自分で思い込んでしまった」「大品山は過去にも来たことがあった場所なので、自分の判断で下山する道を決めてしまい戻れなくなった」。
(共同通信、NHK、富山新聞、日本テレビ、北日本放送よりデータ引用・抜粋)



【考察】
富山ハイキングクラブのHPより3月の行事予定を見ると、3月21日には読図訓練山行とあります。
読図訓練に出かけて道迷い遭難……なんとも皮肉な結果になりました。


読図訓練ということなので、参加者全員が地図・コンパスは携帯していたはずです。
さらにGPSまで装備していた。
にもかかわらず、道に迷う…。
「その指示に従わず」「異を唱えたメンバーがいた」…。
ちょっと言うべき言葉が見つかりません。
せっかくの道具があり、疑問の声を上げたメンバーがいたにもかかわらず、リーダーの「思い込み」のほうが優先された結果と言うべきでしょうか。

読図訓練でありながら、「他の登山者の足跡を深追いし過ぎ」。
トレースの「引力」のようなもの、改めて考えました。
自分も結構無自覚にトレースに乗っていたことが、多々あったと思います。
いったんトレースに乗っかってしまうと、読図がおろそかになる面があると思います。
「無条件」に信じてしまう、とでも言えばいいでしょうか。
先行者がルートをロストしていたら・・・。
そういうことを考えると、後々、ぞっとします。
トレースがあったとしても、時に立ち止まって確認する作業は、やはり必要なようです。



今回の件、残念に思うことが一点。

ツエルト(?)やロープなど、ある程度のビバーク装備は持っていたようです。
一夜は無事に過ごし、全員がけがなく救助されたことから、ビバーク対応もできていたと思います。
言い換えれば、一晩程度のビバークには十分耐えうるパーティーだったと思います。

そういうパーティーであればこそ、ビバーク明けに自力下山の道を探る、という方向に進まなかったことが残念なのです。
もう少し自力でどうにかできなかったんだろうか。。。との思いが残ります。

もし、1日下山は遅れてでも自力で下りてしまったなら、「遭難」とはならないと思うのです。



「大事に至る前に」という救助要請、分からなくもありません。
けが人や亡くなる人を出す前に、と言う意味では理解できます。
県警の「動くな」という指示も、救助・捜索する側からすれば当然かと思います。
が、一方で「安易な救助要請」も問題になっています。
今回が「安易」に相当するものなのかどうかは分かりませんが、他に道はなかったんでしょうか。。。
あったようにも思えるので、残念な気がするのです。


どうしようもない場合には、救助を求めるほかはありません。
どこまでが「安易」で、どこからが「妥当」かの線引きは難しいと思います。
ですが、最後まで、「自力下山」への努力は、怠らずにいたいと思いました。

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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/03/24(土) 16:49:04|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

足りないのは知恵と古典的標識

雪山で読図訓練というのは???目的が良くわかりませんね。
積雪で地形も変わりますし、吹雪やホワイトアウトになれば読図どころでは無いはずです。
しかも、行動を見るとあまり読図もしていないし、装備は一応揃っていてビバークはできたようですが、GPS始め、うまく使いこなせていないようです。
いろいろ知識はあっても、知恵までいっていないようで、これを契機にもうひと頑張り知恵にしていただきたいところです。
前に紹介された遭難もそうですが、最近は雪山に標識を持たない登山者が増えてきました。視界がなくなった時にポイントとなる標識を見つけたときの安堵感を知っているものにとってはやめられませんが、あまり入門書には紹介されていません。
天気の良いときの写真ばかりですから、必要性を感じないのでしょうか?
  1. 2007/03/26(月) 23:37:15 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:足りないのは知恵と古典的標識

よかっぺさまへ。

HPに「お知らせ」のような文章が載っていましたね。
よく読んだ上で、改めて記事にしますので、少々お待ちください。

>視界がなくなった時にポイントとなる標識を見つけたときの安堵感・・・

私自身、しょーもないところでリングワンデリングしたとき、「標識」をみつけて、猛烈な安堵感に包まれたことがあります。
ホワイトアウトの中で枝尾根に間違って入り、登り返したことも度々・・・。
それでも雪山を続けているのだから、やはり、「やめられません」の世界なんでしょうね。。。
この「安堵感」、よく分かります。。。

この経験のおかげで、視界がなくなりかけたら、すぐに逃げることを意識するようになりました。
毎回逃げるわけではないのですが、どこかに「逃げるとしたら・・・」ということを、アタマの中に入れておく、ということです。

>天気の良いときの写真ばかりですから、必要性を感じないのでしょうか?

天気が良いのは、ただラッキーなだけ。
悪い方が多い・・・と、常に思っている必要があると思います。
天気が悪くなければ、雪は積もらないのだから。。。
写真の世界が当たり前、と思い始めたら、そこから危険信号が始まっていると思います。
その分、晴れたときの喜びもひとしお・・・なんて思いますが・・・・。
  1. 2007/03/27(火) 22:31:38 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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