山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【事故報告書9】 富山ハイキングクラブ その2

遭難カルテ133および事故報告書8でふれた件、5月3日付で大品山遭難事故報告書がHP上に掲載されました。
遭難事故発生から約1ヵ月半、比較的素早い対応だと思います。
興味深く拝読しました。


さて、その内容について。

L(リーダー)、SL(サブリーダー)、SP(サポーター)の3人が、パーティー内の指導的立場だったことがうかがえます。
原因・反省点の冒頭で挙げている「今度の山行目的が読図訓練であったにもかかわらず、読図がおろそかであった」。
まさにそこに集約されているようです。


「SLとSPの意見がわかれたとき、全員が地図を広げ、全員で地図と現在地の実際を検証すべきであった」
「リーダーに決定権があるということで説得」
ここがひとつのポイントではなかろうかと思います。

地図、コンパス、GPSと具体的根拠を挙げたSPに対し、SLのルートファインディングの根拠は何だったのか。
もうひとつは、SPの具体的根拠に対して、リーダーはどのように説得したのか。
「リーダーの決定権」のみではなく、ルートファインディングにおける具体的根拠がリーダーにあったのかどうか。
それぞれに根拠があった上での議論であれば、初心者にとって意義深いものだと思います。
そう考えると、ますます、リーダーとSLの根拠が記されていない点が気になります。

結果的に、SPの指摘が正解だったと思われます。
リーダーがそれを退けた根拠がはっきりしないことには、原因に迫りきれていないのではないか、と思うわけです。
また、リーダーやSLの判断の根拠が分からないと、どこにルート判断のミスがあったのかもはっきりしないからです。

以上から、やはり、リーダーとSLのコース判断の根拠が示される必要があったのではないか、と考えます。




今後の対策のⅡに「パーティのバラケが意思の疎通をやりにくくしてしまう」とあります。
これをもう少し大きいものとしてとらえるべきではなかったでしょうか。

「はぐれ」遭難の一歩手前のような気がしてなりません。

リーダーとSPが議論している間、SLはどんどん行ってしまった・・・。
経過報告からは、こんな情景が浮かびます。
固まって行動していれば「メンバー全員で協議でき」たかもしれません。
議論している間もどんどん先行するSLに対し、リーダーの中に「追いかけなきゃ」という焦りがあったようにも思えます。
この焦りが判断ミスを招いた一因かもしれません。

今回のケースで言えば、リーダー・SL・SPの3人は、常にパーティー全体を見渡しておく必要があったと思います。
もちろん、パーティー全員が注意すべき点でもあると思います。
その意識が徹底していれば「ばらけ」ることはなかったのではないでしょうか。
なぜリーダーはSLを止め、議論に参加させなかったのか。
なぜSLは、後続が来ないまま進んでいってしまったのか。
そのあたりの検証も、今後の糧となるのではないでしょうか。

いずれにしても、パーティーのあり方が問われる場面だと思います。



20日には会員対象に報告会が開かれるようです。
ここまでの比較的素早い対応を見れば、組織としての強い危機感の現われだと思います。
また、私自身、好感を持って受け止めています。


穴のない完全な報告書なんて、そうそうできるものではありません。
その穴をいかに埋めるか、というのもひとつのポイントではないでしょうか。
何らかの形で補完されていけば、より意義深いものになると思います。

そういえば、第2稿、第3稿と加筆修正が進められていく報告書、ほとんど見かけません。
そういうものも、あってもいいかな・・・と思います。

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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/05/15(火) 16:21:15|
  2. 事故報告書
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

本当に対策になっているか?

読んでみましたが、すっきり納得できる内容ではありませんでした。
意見が分かれたら全員で検証すべきであったというのはどういうことなのでしょうか?リーダーやサブリーダーよりも知見の高いメンバーがいるということなのでしょうか?それとも多数決で決めるのでしょうか?
意見が分かれたら、どちらの意見が正しいか検証するのはリーダーシップの役割ではないでしょうか?
間違いを主張したSPを、メンバーが説得したように読めます。
サブリーダーが先行したのがリーダーの指示でなければその時点でパーティーは崩れていると言えます。その辺をリーダーの責任にもってくるところが、このパーティーの問題と思えます。SLは先行して偵察したら戻って報告し、検証に加わらなければなりません。SLが危険地帯までひきずりこんだように読めます。
読図には2つの要素があると思います。大きな地形を読み取るものと、細かな地形を読み取るものです。日帰りですから視界があることを前提にすれば大きな地形を読み取るには良い時期ですが、細かな地形を読み取るには不向きでしょう。まして視界がなくなれば読図どころではない時期です。
視界が良くて地図にGPSを持っていて、調査が不足していたという反省は意味不明です。
掲載された地図の間違ったコースがGPSのトレースだとすれば、1229の手前、1300あたりで北に行くべきところを小さな沢を見落とし北東の尾根に行っているように思います。その挽回をトラバースで1229を稜線通し行かずに右へ巻いたことが間違いのスタートでしょう。
高度計のついたGPSか不明ですが、あるべき調整池の高さに池がないのにさらに下っています。どこで誤りに気づいたかの記載もありません。
この反省と対策を読んでいる限り、限りなく事故再発の可能性を感じてしまいます。杞憂であることを祈ります。
  1. 2007/05/16(水) 19:36:18 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

よかっぺさんと同感です。

1229標高点の東側を巻いたのが疑問です。広い尾根で一段高い標高点、ここで下るべき方向を確認するのが普通だと思います。
私の所属会でも読図山行は行っています。当会の読図山行では、全員が常に地図を見ながら行動するのが当たり前で、方向のずれに誰かが気付けば(先頭を歩くものが、わざとルートを外すこともあります)必ずストップがかかります。
以下は私見ですが、体力的な問題もあったのではないでしょうか? 雪が軟弱になってきたのでカンジキ…とありますが、この時点でかなり体力を消耗していて、僅かに登るのも避けてしまったのでは。
基本的な早め早めの対応ができていないことも、事故のもとになっていると思います。
  1. 2007/05/16(水) 22:35:21 |
  2. URL |
  3. 安倍の山伏 #-
  4. [ 編集]

読図について

ついHPの記載につられて読図についてニュアンスが異なる書き方をしてしまいました。
読図というのは安倍の山伏さんが言うように登山の際に地図と磁石を用いて自分の現在地を確認し、進む方向を決定するものです。
従って視界がなくてもピークから下らねばならぬ時も、地図から方角を割り出し、恐る恐る下るのです。傾斜や尾根の太さなど、下りていって地図の地形と同じなら安堵し、少しでも違いを見つけたらやり直しもありうるのです。
展望が良くないとできないと考えているとすれば読図そのものをはきちがえているのかも知れません。
登山とは別に読図があるのではなく登山行為そのものとして読図があるのです。それが登山技術です。
管理人さんが、言っているリーダー、SLの判断の根拠が知りたいということも、読図をせずに彼らが何を根拠に自分たちの下っている尾根が正しいと判断したのか?知りたいということです。
読図訓練というと読図力の向上をはかる目的でしょうが、視界がいいから読図に良い季節と考えているとしたら地形の概念で山を歩いているとしか思えません。道のない山に向かう、それも往復でなく縦走であるのに、地図を見て判断せずに歩く。考えられません。道迷いは、どこで間違えたか、それはなぜか?それはなぜか?のなぜなぜを繰り返すことが大切です。技術上のミスと、パーティーシップやリーダーシップの問題は分けて考える必要があると思います。
  1. 2007/05/17(木) 00:10:39 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

お二方へ

よかっぺさま&安倍の山伏さまへ。
まとめレスとなりますが、ご容赦ください。

なんだか、お二方に補完・整理していただいたようですね。。。
ありがとうございます。


技術上のミスについて。


SPの主張については、報告書である程度根拠が示されています。
が、リーダーとSLについては示されていません。
そのままだと、
>どこで間違えたか、それはなぜか?
が、やはりはっきりとしないことになりますね。
そこが分からなければ、再発防止策としては不十分といったところでしょうか。

尾根上にあって尾根を進む場合、目的地までの視界があれば、読図は必要ないケースもあります。
雪のついた太い尾根でガスっていたら…むしろそういったケースのほうが、読図は重要だと思います。
>展望が良くないとできないと考えているとすれば読図そのものをはきちがえているのかも知れません
これ、まったく同感です。

>地図から方角を割り出し、恐る恐る下る
>下りていって地図の地形と同じなら安堵し、少しでも違いを見つけたらやり直し
やり直し…たいていは登り返しなんですよね…何度やったことか…。

基本的には地図とコンパスが頼り。
高度計やGPSのデータなどで、さらに判断材料を補強する、という感じでいいのではないでしょうか。
その作業を現場で実際にやる、というのが読図訓練なんでしょうね。

1229ピークを巻いたところが、間違いの始まり。
同感です。
ピーク上は、比較的、現在位置確認がやりやすい場所です。
あえてそこを避けたとしたら、
>体力的な問題もあったのではないでしょうか?
>この時点でかなり体力を消耗していて、僅かに登るのも避けてしまったのでは
というご指摘も、あながち外れてはいないかもしれません。
このご指摘、まったく思いもしませんでした。
改めて考えると、平均年齢60歳超のパーティーですからね。。。。



リーダーシップ・パーティーシップについて。

今回の件は、背景が示されていないのですが、SLの独走?がひとつの引き金になったのではないでしょうか。

SLの行動はリーダーの指示によるのか?
なぜリーダーはSLにストップをかけなかったのか?
先行する立場として、SLは後続の状況を確認していなかったのか?

報告書では
「SLがなんとか皆を安全な場所に導こうという強い責任感が、逆にメンバーを危険な場所に導いてしまったがリーダーおよびSPが危険箇所に入るSL自身の安全への配慮を欠いた。リーダーは『もうやめて欲しい』と言うべきであった。」
とあります。
この文面からすると、かなりSLに遠慮した内容だなぁ…という印象を受けました。
リーダーの判断・行動に対する問題点の指摘はあってもいいかと思います。
ただ、SLの行動に問題はなかったのか?
「もうやめて欲しい」はSPに言うのではなく、「止まって欲しい」とSLに言うべきだったのでは?

「SL、SPの判断が優先され、リーダーがメンバー全体をまとめきれなかった」
ともあります。

なんだか引っかかったままだったので、ここでもう一度、参加者の構成を見てみます。
リーダー(53・男)、SL(68・男)、SP(67・男)。
講習者4人は男性(66)、男性(65)、女性(61)、女性(53)。

リーダーは最年少で、最年長はリーダーより一回り以上年長のSL、ついで1歳下のSP。
しかも、このSLはクラブの代表者と報じられていました。

う~ん。。。。このへんになにかあるような、ないような。。。。。



早めの対応は評価しているんですが、内容はもうひとつといったところでしょうか。
  1. 2007/05/17(木) 19:03:30 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

年長の人と山へ行く

少し前に秋田の乳頭山で集団で遭難がありましたが、あのリーダーの方は年長で、本当にベテランでした。その場合、判断には逆らいがたいものがあるかも知れません。
山へ行く場合、年長の方と行く場合、けっこう気を使います。
それも、女性より男性のときに気を使います。私の会にもよく年長の経験の少ない方が入会されます。
5月の尾瀬にそういう方と登り、スキーで至仏から滑り降り、テントに帰ろうとした時、その方がテントはこっちだと違う方を指さされました。地図を開いて説明しましたが納得されません。私がリーダーでしたのでつべこべいうなこっちだでも良かったのですが、あえて彼に付き合って彼のいう方向に歩きました。
当然そちらにはテントはないし、少し行けば地形が違ってきますからおかしい、おかしいと言っておりましたが最後は納得してくれましたし、その後は私の言うことは良く聞いてくれるようになりました。
年長の特に男性はとても頑固な方が多いので、無理に言うことをきかせるより、納得してもらった方が良いようです。ただ、技術レベルが同じか年長者の方が上だとそういう手も使えませんね。今回も同じようなレベルだったのでしょう。
そういう場合、見えていてもポイント、ポイントで地図を出し、相手の確認を求めながら進むのも良いかも知れません。
いずれにしても、リーダーと同じ目的意識を持ったメンバーで構成されるパーティーを至上と考える私のパーティーについての考えをこの指とまれ型のパーティーに求めても無理なのかも知れません。
遭難防止についても、違う対策がいるのかなあと思って悩んでいます。
  1. 2007/05/17(木) 22:00:18 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:年長の人と山へ行く

よかっぺさまへ。

乳頭山の件、覚えています。
記者会見で「遭難したとは思っていない」などと、強気の発言を繰り返されたのには、どうかと思いましたが・・・。

ま、それは置いといて。。。

年長の方と山に行くと、やはり気を遣いますね(笑)。
それだけで疲れてしまうぐらいです。

>年長の特に男性はとても頑固な方が多いので

それ、ありますね。
もちろん、皆が皆と言うわけではありませんが。。。

>女性より男性のときに

そうです、そうです!
女性より男性にこの傾向が強いように思います。
また、逆に考えると、女性の場合はいつまでも「お客さん」でいようとし、「連れてって」の傾向が強いように思います。
ま、これはこれで、ちょっとなぁ・・・と思いますが。。。



パーティーって何?
リーダー、サブリーダーって何?

「この指とまれ」型のパーティーでは、おそらくそういうレベルのことが、よく分かっていないのではないかと思います。
「はぐれ」や「置き去り」型の遭難の遠因に、そういうものがあるように思えます。

実際、「この指とまれ」型での山行を繰り返している組織もあります。
パーティーを組む段階で、人を選ぶ、みたいなことはあって当然だと考えますが。。。。
  1. 2007/05/18(金) 21:36:57 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

パーティーの成立

私たちもスタートは、どこに行きたいで始まりますからこの指とまれかも知れません。
そこでとまった人たちと目標の力関係を見ます。
楽勝か、ちょうどか、ちょっときついか、無理か?
ちょっときつい時は追加のトレーニングをしたり、メンバーを補強したりして行きます。
無理なときは同じ目標でより易しいルートにするか、目標を変更します。
これではじめてパーティーが成立します。

山登りには主観的危険と客観的危険があります。
その山の持つ本質的な危険が客観的危険です。
パーティーの持つ力量が主観的危険です。
上級者が下級者を連れていくと一般的に本人の持つ主観的危険よりパーティーの危険の方が大きくなります。下級者はパーティーに加わることにより危険が少なくなります。
勉強し、練習し、経験を積むことにより主観的危険は少なくなっていきます。登山は一生学習であるといわれるゆえんです。登山学校方式とも言います。

その力関係の検討は会によってやり方が違うかも知れませんが、だいたい山行計画(書)を作成し検討します。そういうプロセスのないところは注意したほうが良いと思います。
  1. 2007/05/18(金) 23:54:50 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:パーティーの成立

よかっぺさまへ。

よかっぺさまのパーティー成立の方法。
ダダをこねる人がいなければ、上手く回ると思います。
それはそれでいいのではないでしょうか。

ウチの集まりはここ10年ほど、大体、毎度同じ顔ぶれです。
また、お互いのレベルも似たり寄ったりです。
人数も5人を越えることは、ほとんどありません。
単独も好きな人間が多いのも特徴のひとつかと思います。
互いの気心も力量も、ある程度把握できている状態ですので、パーティーを組むのは比較的楽です。
また、読図、ルートファインディング、天候判断、突破力などなど…得意技が若干ずれているので、互いに刺激があります。
講習会などに参加したやつが、そこで教わったことをフィードバックするようなこともあります。
まともに新人勧誘をしないままでしたので、このような状態になったのでしょうね。

年齢的に言えば、最年長と最年少で1回りの差。
ただ、全員がタメ口をきくような感じです。
これは実力差がある部分や、やや得意でない部分に関して、最年長の人が教わる・指示に従う、と最初から謙虚であったことが大きいと思っています。
この「部分」について、本人と周囲の見解にずれがなかったことも、大事なことでした。
ウチの集まりが今もあるのは、彼のおかげだろうなぁ、と思っています。


同好の集まりであっても、そのスタイルは様々。
「正解」はひとつではないと思います。

ですが、
>そういうプロセスのないところは注意したほうが良いと思います
というのには同感です。


「この指とまれ」で「大パーティー」で「あとは自分でやってね」となると…なんだか背筋に寒いものが走ります。。。


  1. 2007/05/19(土) 12:01:43 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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