山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【事故報告書10】 みろく山の会

遭難カルテ21でふれたみろく山の会の仙ノ倉山の事故。
昨年3月の発生ですが、1年2ヶ月後の20日に仙ノ倉山北尾根遭難事故追悼山行を終えてという表題で、事故報告書が公表されました。

少々時間はかかりすぎたか…の感はありますが、内容的にはほぼ要件を満たしているかな。。。。

一方で、なんだかなあ…と思う点もいくつかありました。



気象判断。
可能な範囲でリアルタイムの情報を入手する努力が足りなかった点は、報告書で指摘されています。
初日(18日)の幕営が15時ごろ、とあります。
となると、16時の気象通報から18日正午の天気図作製、というのは可能なはず。
どうしてこの点には触れられていないのでしょう?
「17日の天気図では、18、19日の荒天が予測できなかったかもしれませんが、入山してからもラジオや携帯電話のiモードなどで慎重に天候を判断して、悪くなることが予測できたら撤退も検討すべきでした。」
とあります。
18日の天気図は入手可能なはずで、判断する上でのデータが積み重ねられたはずですが。。。
「19日「雨か雪」を承知で入山した」のですから、より天候には敏感でもあっていいのでは。。。
また、ラジオについては「個人的には持っていましたが、共同装備として位置づけておくべきです」とあります。
天気図用紙も!と思うのは、私だけでしょうか。。。。。。
ここには疑問が残ります。



「携帯電話は電池の消耗を少なくするためにスイッチを切っておく場合がありますが」とあります。
低温下では携帯電話などのリチウムイオン電池は著しく劣化します。
スイッチを切り冷やさないように注意していれば、ある程度は防げますが、やはり不安は消えません。
乾電池式の充電器もあわせてもって行くべきだと思いますが。。。



「CLやSLが過大に担ぐ傾向がみられます。パーティー全員が分担するようにすべきです」
「装備を分担する場合でもシュラフは個人のビバーク用具であり、万一のことを考えると他人が担ぐべきではありません」
う~ん。。。。。。こんな状態で今までやってきていたとは。。。。



最後に書かれている、ザックカバーの件。
「今回の事故は、ザックカバーをつけていたために起こったのではなく、ザックカバーをしまうために立ち止まり、隊列から離れてしまったことと荒天にあります。冬山でも、湿った雪やみぞれなどが降る場合があり、一概にザックカバーは不要とはいえません。強風のなかでも、飛ばされないような工夫をすべきです」
さて、湿った雪やみぞれへの対策とか、飛ばされない工夫自体はいいんですが。。。。
何度か飛ばされる光景を目にしましたし、私も飛ばされかかったことがあります。
「風が強いとヤバイなぁ…」と、私なんぞはぼんやり思ってしまいます。
さらに雪の斜面に、ザックカバーをつけて著しく摩擦係数が低くなったザックを置く…。
流されてしまう方が怖いのですが…。

「当時の湯沢の気温から推定すると現場の気温はマイナス10度くらいと考えられます」とあります。
となると、「湿った雪」や「みぞれ」は、考えられないのではないかと思います。
そういった状況では、ザックカバーは不必要、ということになります。
事故発生前のクレバス内での休憩中に外すという選択肢もあった、と思います。

「原因はザックカバーをつけていたから」という声が寄せられたのでしょう。
それに対して、いささか「そんなことはない」という、頑なさのようなものが垣間見えた気がします。

ザックカバー自体の必要・不必要ではなく、当時の状況下での必要・不必要についての言及がないのが残念です。

道具も状況に応じて使い分けることが必要ではないでしょうか。
そこの視点がほしかったなぁ…と、思います。



しかし、管理とかランク付けとかが好きな会だなぁ…と。
所帯が大きくなると、そっちに行くしかなくなるんでしょうか…。
その辺が、少々寂しい気がしました。



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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/05/22(火) 20:27:01|
  2. 事故報告書
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

気になること

私も読んでみましたが、管理人さんの指摘以外に次の点が気になりました。
事故の原因として2人がパーティーを見失ったことという表現をはじめ、隊列を離れないことという表現もあります。この会では、きっとCLが先頭を行くことがあたりまえだったのかなと思います。
私はCLは原則的にラストを歩くと教えられて来たのでとても奇異に感じました。この事故は亡くなった2人や荒天のせいで起きたのでしょうか?私はこのパーティーも本当の意味でのパーティーでなかったと思います。CLの指示無く分かれることはあってはならないことだと思います。
中高年の会でそれができないなら雪山や登はん的な登山はすべきでないと思います。
  1. 2007/05/24(木) 23:59:11 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:気になること

よかっぺさまへ。

>CLは原則的にラストを歩くと教えられて来たので・・・

私も同じです。
言われてみれば、CLがラストにいなかった点、確かに不思議ですね。。。。

>このパーティーも本当の意味でのパーティーでなかった

パーティーと、その中での意思疎通や指揮系統。
「はぐれ・置き去り」型の遭難で、毎回不思議に思う点です。
私にとっては「当然」と思っている部分が欠落しているケースが出てきます。
そういう場合「パーティーとして機能していなかった」という表現を使うことがあります。

パーティーシップとは何ぞや?みたいなもの。
よかっぺさまや私が、教えられ、考えているものから変質しているのかもしれませんね。。。

>中高年の会でそれができないなら・・・

この部分、基本的には「中高年に限らず」だと考えています。
ただ、私がキャッチした「はぐれ・置き去り」型事例では、若い人のものはほとんどありません。
「中高年特有の」とまでは言い切れませんが、少なくとも「中高年に多い」とは言えると思います。
今時の山は、どこに行っても中高年ばかりなので、結果的にそうなってしまうのかもしれませんね。

かくいう私も、いよいよ中高年の仲間入りを果たしてしまいましたが・・・。
  1. 2007/05/25(金) 11:51:36 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

公募登山化していないか?

会員が多くなり、お互いのメンバの力量もわからなくなり、リーダに連れて行ってもらうメンバが出てきているとすれば、公募登山と化しているようにも思います。
私には、大きさを誇らずに、もっとメンバ各自の満足度、充実度に注意をすべきように思いますね。たぶん、数人の気の合う仲間の方が登山としては充実しているはずですから。
  1. 2007/05/28(月) 17:18:26 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:公募登山化していないか?

おーのさまへ。

「凍りついた小屋のなかに、三十人ものわが●●員がひしめいた。その元気ぶりはみごとだった。」

とある山の会の記録から引用しました。
●●の部分には組織の名前がありましたが、伏せることとします。
まさにおーのさまのおっしゃる「大きさを誇る」といった内容です。
この会はこの記録とは別の山行で、40人超の高齢者の大所帯で遭難事故を起こしています。
>お互いのメンバの力量もわからなくなり、リーダに連れて行ってもらうメンバが出てきている
という状況だったのでしょう。。。

以前、よかっぺさまがおっしゃっていた「この指止まれ」型。
所帯が大きいほど、その問題は大きくなると思います。
所帯が大きいことを誇る、群れたがる。。。。。。
高年齢者ほどその傾向が強いように思いますが、そう思うのは私だけでしょうかね。。。
学校登山以外で、若い人の大所帯はほとんど見たことがないもので。。。。

ご指摘のとおり、組織が大きくなればなるほど、組織内公募登山化していると思います。
また、所帯が大きくなるにつれて「連れてって」型のメンバーも増えると思います。
どこかに「大勢なら安心」といった心理が働いているのではないでしょうか。
これって、全く「安心」の根拠がないと思うんですが。。。

大きさを誇る。
私にも違和感があります。。
  1. 2007/05/29(火) 16:36:34 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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