山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日145】 昨年の遭難統計

先月下旬警察庁から昨年の遭難統計が発表されました。
詳細は近いうちに警察庁HPにアップされると思います。
各報道機関の報道内容をかいつまんで言うと、下のとおり。
・遭難件数は前年比35増の1417件。
・遭難者は前年比169増の1853人。
・死者・不明者は前年比5増の278人(遭難者中の15%)。
・遭難件数、遭難者数、死者・不明者数は過去最悪(統計は1961年から)。
・目的別では登山(1271人、69%)、山菜・キノコ採り(376人、20%)。
・中高年(40歳以上)が遭難者の8割(3年連続8割超)、死者・不明者の9割を占める。
・高年齢者(50~74歳)の遭難者は1156人で、全体の7割近くを占めた。
・年代別では、60代が535人(29%)、50代が425人(23%)、70代が312人(17%)と続く。
・単独での遭難は497人で、全体の27%。
・単独遭難者に占める死者・不明者の割合は26%。
・原因は道迷い(714人、39%)、滑落(286人、15%)、転倒(204人、11%)の順
・通信手段は「なし」が56%、携帯電話が38%、無線機などが6%。


昨年、遭難は確かに多かった。。。。
史上最悪、統計上からも裏付けられた形になりました。


まずは、数と分布の話。

相変わらず、大半が中高年といったところでしょうか。
8割超となると、さすがに多い。。。
特に60代と50代に集中している感じです。

4人に1人は単独行者。
道迷いは4割。
半数以上が通信手段を持たず入山。
大雑把に言えばそんな感じです。


毎度のように言われる中高年の話。

確率からすると、中高年登山者総数が不明なので、「中高年が遭難しやすい」と、単純には言えない事になります。
中高年、遭難者数は8割だけど、登山者総数の9割超を占めている…となると、遭難確立は低い・・・。
こんなこともありうるわけです(多分、ないと思うけど…)。
どうせなら、そっちの統計もあわせてやってもらえれば、もっと具体的に見えてくるんですけどね。。。
同様に単独登山者の遭難割合などにも同じことが言えると思います。

通信手段の有無について。

死者・不明者に通信手段の有無をクロスさせると・・・。
今回はそのデータがないので推測になりますが、おそらく通信手段「なし」が、全体よりも高い割合を示すと思います。
となると、「通信手段を持っていたほうが助かる確率が高い」となります。
「携帯電話は電波の届かない所も多いので注意してほしい」なんていう当たり前のことを注意するよりも、こちらのほうがよほど説得力があるのでは…。

携帯電話、結構通じるものだと思いがちです。
実際に「こんなところで通じるなんて…」というケースもありました。
ですが、南アの稜線上ですら通じなかったこともあります。
正直なところ、現地に行ってみなけりゃわからない。。。。
せめて主要山域だけでも携帯電話通話可能エリアマップのようなものがあれば、随分参考になると思います。
通話不可のエリアに入るなら無線機を持っていこう…なんて考えられるからです。
無線機に関しても同様のマップがあれば、なおいいと思いますが。。。。


単独行の場合と中高年の場合、遭難者中の死者・不明者の割合が全体よりも高くなっています。
こういうふうに見えてくれば「なるほど、そういう傾向なんだ」と思えるわけです。
これは単独や中高年というデータに、死者・不明者のデータをクロスさせているわけです。

年齢・性別と遭難原因や時期などをクロスするなど、他の方法もいろいろあるでしょう。
複数の統計データを組み合わせることで、より具体的な傾向がわかります。
そうなると、対策を考える際にも、随分参考になるのではないでしょうか。
また、計画書の有無や「はぐれ・置き去り」型の統計も欲しいところです。



現状では事故統計、警察に頼るほかはないと思います。
ガンバレ警察庁!とは思いますが、まあ、あまり期待できないでしょう。。。。

昨年分のまとめ統計が、半年後に出る。。。。
もっと早い時期に出せると思います。
なんでこの時期なんだろう???
「本格的夏山シーズンを前に」という、啓発・注意喚起の意図があるのかもしれませんね。



今日から富山で全国山岳遭難対策協議会が開かれています。
この警察庁の統計も、議論の材料のひとつになることでしょう。
ただ、この会議の内容、WEB上では見つけられませんでした。。。。
(知っている人がいたら教えてください)
その中身、実になることが多いのではないかと思います。
会議自体に出席できなくても、ネット上でその内容がわかる。。。。
そんなふうになればいいのですが。。。



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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/07/05(木) 15:05:20|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

今年も多そうですね

そろそろ、梅雨も終盤になり、梅雨明けの便りと共に夏山シーズンの開幕ですが、すでに数件の遭難のニュースが入っていますね。しかも、いつもの場所で、というおまけ付きで。
とりあえず、山行の計画を立てられている方は安全に気をつけていってらっしゃい!
  1. 2007/07/09(月) 09:13:51 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:今年も多そうですね

おーのさまへ。

>すでに数件の遭難のニュースが入っていますね。
>しかも、いつもの場所で、というおまけ付きで。

そうですね。。。。
ただ、統一地方選・参院選と大型選挙の年のせいか、昨年に比べてマスコミの報道がかなり薄いように思います。
一方で、ガイド・ツアーや大人数といった象徴的なものも少ないように思います。
データが少なくて、遭難カルテ掲載見送りが続いているのが現状です。
ま、遭難自体がないに越したことはないのですが。。。

  1. 2007/07/09(月) 16:15:53 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

全山遭で感じたこと

以下は、私の個人的な感想です。
講演は城所さんの「山の気象遭難 事故と対策」でした。内容的にはわかりやすかったのですが、気象遭難という言葉が免罪符のように聞こえます。誰も予測できない気象の変化により遭難したのなら気象遭難で良いと思いますが、明らかに予測される悪天に突っ込み遭難しているのを気象遭難と言うのはおかしいと思いました。
平成18年の事故概況は管理人さんが書かれた通りですが、書かれていないデータで無事救出が927人と232人急増しています。遭難、事故と呼べないものも通報があれば統計にのるということで、本当に考えなければならないのは死者の増加だと思いますが、その原因には触れられていません。
消防の方の講義は、ようやく消防も70年代の三つよりザイルから新しい用具を採用する動きになってきたといううれしい知らせです。
溝手さんの「指導者・引率者の法的責任」は、いままでの主張通りの内容で、目新しいものはありませんでした。引率登山が、その形式で法的責任を問われるとするなら、公募登山やこの指とまれ登山は引率登山に該当せず法的責任を問われないということで、法の限界を感じました。
分科会は3つにわかれるので、学校登山の分科会をのぞきましたが、面白い内容でしたが紹介は別な機会にします。
いずれにしても、個々の議論は価値あるものですが、これを実現していくプロセスがなければ意味のない会議になってしまいます。それをどうするという分科会がないのが残念です。
なお、最新のレスキューや遭難対策の展示の中で今年は蓄光塗料の展示が2社ありました。標識が統一され夜間でも視認できる材料が使用されれば道迷いの防止に役立つと思いました。
  1. 2007/07/09(月) 21:32:59 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:全山遭で感じたこと


よかっぺさまへ。
お待ちしておりました!(笑)
会議出席、ご苦労様でした。



「気象遭難」という言葉、確かに軽い使われ方が目立ってきたように思います。
おっしゃるとおり、完全に予想外の場合以外には…と、私も思います。
昨年のケース、大半は「気象遭難」ではないと思われますが…。
「気象」への向き合い方、やはり真剣であるべきではないでしょうか。

無事救出のデータ、正直驚きました。。。そんなにいたんですね。。。
安易な救助要請も、問題があろうかと思います。
基本的に最後まで自力下山の道を探る、救助要請は最後の手段…と、私は教わりましたが…。
まあ、どこまでが「安易」かという線引きは難しいですが。。。
おっしゃるとおり、最も大事なのは死者でしょう。
無事戻れたこと自体は良しとすることもできますから。。。

法的責任の件。
裁判自体が先例に拘束される性格を持つので、新しい視点は難しいかもしれませんね。
引率型か否か、営利目的か否か、未成年か否か。
裁判の傾向を見ると、その3点が分岐になっているようです。
個人的には、引率型・営利目的型の場合には、それなりの法的責任を追うべきだと思いますが…。

>個々の議論は価値あるものですが、これを実現していくプロセスがなければ意味のない会議になってしまいます

そうですね。。。。
実際に議論やその結論が実効性を持つものに…というのは、重要でかつ難しい問題だと思います。
まずは、その会議・講演・議論の内容を、広く知らしめるところから始められれば…と思います。
本文にも書いたのですが、WEB上で閲覧できるようにというのも、ひとつだと思います。
ヤマケイや岳人がページを割いて、その内容を紹介するのもいいかとおもいますが、あまり期待できそうにないですね。
多くの人がその意識を持つようになるところから動き出すものもあるんじゃないかと思っています。

蓄光塗料と看板統一の件、なかなか興味深いですね。
そういった細かい話は、議論の俎上に乗りにくいかもしれませんが。。。。。



いずれにしても、そういった議論を積み重ねている人たちがいること、少なくともまだまだ捨てたもんじゃないなぁ…と思います。
あとはそれをどう生かすかに、かかってくるのでしょう。

  1. 2007/07/10(火) 01:08:30 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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