山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ138】 鈴鹿・鎌ケ岳で2人死傷

【概要】
11日午後4時半ごろ、三重・滋賀県境・鈴鹿山脈の鎌ケ岳(1161メートル)に登った津市の無職男性(79)と女性会社員(59)が下山しないと、女性の家族から県警津南署に通報があった。2人は登山仲間で、9日早朝、津市を出発し四日市市の宮妻峡から日帰り予定で入山。女性が出発前に家族に渡した計画書では、宮妻峡を9日午前7時半に出発。水沢岳(1030メートル)を経由し午後2時半に鎌ケ岳に到着。この後下山し、同6時半には帰宅予定だった。計画は通常5~6時間で回れるコース。ところが、9日午後6時半ごろ、携帯電話で女性が家族に「帰れない」「友人の家に泊まる」と連絡。10日午前5時40分ごろに「これから帰るので食事の用意をしてほしい」と連絡があったが、その後連絡が途絶えていた。12日早朝からの捜索で、登山口で男性の乗用車が見つかった。13日午前7時5分ごろ、宮妻峡キャンプ場駐車場北西約600メートルの、登山道から約50メートル下のカズラ谷で2人が倒れているのを発見。男性は低体温による衰弱で死亡、女性も腰の骨を折るなどの重傷。女性は「道に迷い、登山道から外れた道を宮妻峡に向かったが、途中がけから約15メートル下の沢に落ちた」と話していたと言う。下山中の10日、がけから男性が滑落し、助けようとした女性も落ちたらしい。女性は動けなくなり、沢の水を飲むだけで3日を過ごし、救助された。2人は数年前から一緒に登山をしており、鎌ケ岳の登山経験もあるという。男性は山登りのベテランで、ハイキングや登山大会を主催している「津峠の会」の会長。同会は、県山岳連盟加盟団体で最も古く80年近い歴史がある。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、中日新聞、時事通信よりデータ引用・抜粋)


【考察】
この山域には行ったことがないのですが、予定のコース、初心者には若干厳しいけれど、展望もよく、ポピュラーな人気ルートだったようです。
報じられた中から、コースについての地元関係者のコメントを拾うと。。。
「鈴鹿山脈の三重県側はガレ場、急傾斜も多い」
「専門家でなければ難しいというものではない」
「登山道以外にいろんなルートがあって迷う人も少なくない」
以上から推測すると、だいたいの難易度のイメージが浮かんできます。

通常5~6時間の予定であれば、無理のない計画といえるでしょう。
道迷いの有無については、報道ではあまり触れられていませんが、やはり、迷った末と考えるのが自然でしょうか。

さて、今回の事故が起きた原因。
捜索に加わった県岳連幹部は「9日は気温が高く体力の消耗も激しかったのだろう」と推測しています。
ちなみに9日の津市の最高気温は31.9度、最低気温は25.2度でした。
ただ、この方は「山の事故は複合的で、これが原因と断定できない」とも話しています。
無理のない計画ではあっても消耗が激しく、途中でビバーク。
一夜明けて下山中にルートを外れ、転落したのではないでしょうか。
年齢を考えると、消耗も激しかったのではないかと思います。
その蓄積された疲労も、原因のひとつかもしれません。

また、道に迷い、登山道を外れて歩いていたとすれば、消耗も余計に大きくなるし、転落の危険も高まります。
もしコースアウトしてしまったら、無理に最短コースを選ぶよりも、遠回りでもより安全にルート復帰すべし。
自らにそう言い聞かせることにします。



些細なことかもしれませんが、疑問がひとつ。
女性の家族への連絡についてです。
時系列で整理すると
9日午後6時半ごろ→「帰れない」「友人の家に泊まる」
10日午前5時40分ごろ→「これから帰るので食事の用意をしてほしい」
以上から、少なくとも10日早朝時点では2人とも無事であったことが伺えます。
疑問に思うのは「友人の家に泊まる」です。
この言葉、複数の報道機関が報じていましたが、触れていないところもありました。
もちろん、これ以上の会話があったことは間違いないと思います。

家族に心配をかけないために出てきた言葉だったのでしょうか。。。。。
少なくとも、現在位置や体調など、なるべく詳細に伝えておくべきだったのではないでしょうか。
そうした内容の会話があれば、それも報じられていたことと思います。



今回の事故は経験豊富な方が亡くなった、痛ましいものでした。
県岳連幹部の間から「まちの山岳会として、市民への登山の普及に長年尽力した人だった」と惜しむ声が多くあがっていたようです。
さすがに「本望だろう」などという、愚かなコメントはありませんでしたが。。。。。。

ベテラン、無雪期、人気コースで、経験あり……。
年齢的なものを差し引いたとしても、やはり驚きが残ります。



今回の事故で、県岳連幹部のコメントに興味深いものがありました。
「普通の登山道にも危険が潜んでいる」
「落石があったり枯れ葉を踏んで足を滑らせたりと、登山道でも危険は多くある」
「登山道を通ることに集中してほしい」
などです。

今夏、詳報が少ないので扱いませんでしたが、登山道での転倒や登山道からの転落事故が多発しているように思います。

私自身も数え切れないぐらい、山で転んできました。
幸い、一度も大事には至っていませんが、そのせいか「転ぶぐらいは当たり前」みたいな感覚すらあります。

転ぶ(転倒する)ことについて、もっと正面からきちんと向き合わなければなぁ…と思いました。


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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/08/14(火) 18:05:16|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:11
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コメント

こんにちは。

気象庁のサイト(気象統計情報>過去の気象データ検索>日ごとの値)によると、8月9日の津市の気温は最高31.9/最低25.2℃でした。なお鎌ヶ岳のふもとの四日市市では31.8/24.2℃です。平均湿度は81%ですから、蒸し暑い1日だったと思います。

私も最初にこのニュースを目にしたとき、電話の内容が気になりました。
9日夕の時点でビバークを決めていたはずで、このとき事実を伝えていれば家族の人は1日早い10日夜に通報していたかもしれません。
  1. 2007/08/14(火) 20:26:15 |
  2. URL |
  3. ぴら #-
  4. [ 編集]

ぴらさまへ。
お久しぶりです。

天候データ、あまりに数字が違ったので確認しました。
こちらの転記ミスでした。
誤って別の日のデータを打ち込んでしまったようです。
ご指摘ありがとうございます。
本文の方も修正しました。

電話の内容の件。
どうにも不可解ですね。
おっしゃるとおり、事実を伝えていれば、救助・捜索の要請が早まり、違った展開があったかもしれません。
そこに何があったのか、当事者のみぞ知る世界ではありますが。。。。
  1. 2007/08/15(水) 09:50:22 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2007/08/17(金) 09:01:23 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

連絡の難しさ

つい、最近にも似たようなケースで天城山で野営すると携帯で連絡した方が、翌日自力で下山したところを無事救助されたというニュースがありました。

自力で下山したのを救助というのも変だとは思いますが、要請があって出動したら、登山者の行動とは関係なく無事救出とならざるを得ないのかも知れません。

私もいつも日帰りでもビバークできる仕度はしておりますが、予備日は持っていませんのでビバークするときは連絡しないと救助隊がでてしまいます。(通常は事故の通報がない限り、待機し翌朝情報をとってから出動となる)従って多くは救助されないための連絡となります。

ところが、中高年で組織登山者でないと、連絡すると、すぐ救助ということになります。それがいやで異なる内容を告げたのかも知れませんし、連絡の時点では余裕のビバークだったのかも知れません。しかし暑さと睡眠不足で高齢者の方は体力が回復せず翌日事故を起こしたのかも知れません。これとて推測の域を出ませんが。

対策としては、やはり連絡のときに救助の要否を明確に伝えるべきと思います。そして、個人の方の場合は救助不要の場合でも、一応、警察等に救助不要だがその地域でビバークの連絡だけはしておく。
そうすれば翌日、救助が必要に変わったときも初動が早くなる可能性があるし、天候急変等の事態では独自判断で動いて頂ける可能性もでてくる。
もちろん自力で下山し、連絡がとれた時にはその旨連絡しなければならないが。

連絡がとれる場合は、なぜビバークする事態になったのか、現在地が把握できているのか、安全なところか、体調はどうか、水や食料はなどの情報も的確に伝える必要があることは言うまでもない。

とれなければ始まらないが、とれたらとれたで難しいのが連絡である。
  1. 2007/08/20(月) 22:18:42 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:連絡の難しさ

よかっぺさまへ。

ご指摘の点、悩ましい限りです。。。。

下山日がずれ込むこと、ありうることなのですが、予定通りでなければ救助隊が出てしまうこと、ありますね。
本当にヤバい場合、連絡が早ければ早いにこしたことはありません。
ですが、そうでなかった場合には、ちょっと困ったことになります。

連絡がつく場合であれば、やはり救助要請の可否、キチンと伝えておくべきなんでしょうね。
救助不要が要救助に変わったら、その時点で連絡を・・・。
いつでもどこでも連絡ができるわけではないので、余計ややこしいことにもなりかねません。

>とれなければ始まらないが、とれたらとれたで難しいのが連絡である。

そのとおりですね。。。


ただ、今回の連絡内容、やはり???な感がぬぐえません。。。

「連絡」のしかたやありかたみたいなもの、もっとよく考えてみる必要がありそうですね。
  1. 2007/08/21(火) 14:28:07 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

なんだろう?

「山登りのベテランで、ハイキングや登山大会を主催している「津峠の会」の会長。同会は、県山岳連盟加盟団体で最も古く80年近い歴史がある。」
と言う割には山行計画を会に提出しないんですかね?してあるなら、ビバークが必要になった段階で会の幹部にでも状況を説明しておくとか、そういう手段ってないのでしょうか?
もうひとつ、推測でしかないのですが、二人のパーティだと言っても、79歳に山まで車の運転までさせてしまうんですから同行している女性のポジションってあまり主体性がなかったのかもしないなあ、と思いました。詳しい情報がないですから、どういった事件が起きたのかはわかりませんが、なにか、危うさを感じてしまいます。
  1. 2007/08/21(火) 16:10:48 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:なんだろう?

おーのさまへ。

亡くなった方、かなりのご高齢です。
これまでの実績、営々と積み上げてこられたようで、地元から惜しむ声も相当あったようです。

一方でいかにベテランであっても、年齢的な衰えから逃れることはできません。
最近、高齢の方にもお元気な方が大勢いらっしゃるので、ただ、年齢だけをもって。。。というのは、少々疑問が残ります。
ですが、ご指摘のように、「車の運転までさせてしまう」というあたりに、違和感が残りますね。。。

>ビバークが必要になった段階で会の幹部にでも状況を説明しておくとか・・・

会として、会員の山行をどのように把握し、管理しているのか、ちょっと分かりません。
ただ、女性の電話は通じていたようなので、この会の関係者に、「下山が遅れる」など、何らかの連絡はできたと考えるのが自然だと思います。

組織の体制のようなものを再考するきっかけになりうる事故なのかも知れませんね。
  1. 2007/08/22(水) 19:40:36 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

組織化のメリット

> 組織の体制のようなものを再考するきっかけになりうる事故なのかも知れませんね。

そうですね。

せっかく、組織化されているのだから組織化されているメリットを活用されて、最悪の事態にしない仕掛けを構築されることを望みたいですね。
山に行かない家族にはなかなか説明しにくくても、同じ登山を共有する仲間なら事情を共有し、事態に対する知恵なども借りられるだろうと私は思うのだけれど。
会長は面子があってだめでも、同行者ならばなんとか話せるんじゃないかな?
いくら経験があっても、私だったら79歳と同行するなら着いて行くのではなく、サポートを考えてしまいます。むしろ、経験者と一緒なら、自分で主体的に考えて、それを経験者の判断とすり合わせることで多くのことを学べるんじゃないか、と思うのですが。
その辺がなんか見えてこないので残念です。
  1. 2007/08/24(金) 09:39:03 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:組織化のメリット

おーのさまへ。

連絡のありかた、組織のあり方。
この二点を考えるきっかけになるケースだったと思います。

いくら経験があったとしても、やはり80歳近い方と同行するとなれば、さすがにおんぶにだっこというわけにはいかないと、私も思います。
知識、経験、知恵・・・そのようなものは、ずいぶんたくさん身につけていらっしゃることは前提としてもです。
いくら個人差があるとはいえ、体力的な面まで何かを求めていいんだろうか・・・。
となると、同行の女性の主体性にかかわってくると思います。
その辺の詳細は分かりませんが、車の運転が男性だったことは事実のようです。
その一点だけで判断はできませんが・・・。


今回、この男性の所属していた会の動きが、全く見えてきませんでした。
これは、報じる側の問題かもしれませんが、電話での通報内容からすると、どうなんだろう?と思ってしまいます。

事故対応という点から見れば、この会、どうだったんでしょう。。。。。



未組織登山者のデメリット、そのまま当てはまる組織ばかりなら、組織化を進めるのは難しいかもしれませんね。
  1. 2007/08/28(火) 10:07:24 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

高齢者と登山

遭難統計のところのコメントで、70代の事故率は平均の4倍というデータを出しましたが、これは母数に70代も入っていますので、他の年代と比較すればもっと高いということになります。

また、最近高齢者の方と付き合って感じたのは、昨日まで頭脳も明晰で、お元気で、飲んでおられた方が突然亡くなられることがあるということです。それも1件や2件ではありません。

家におられてもそうなのですから、さらに環境の厳しい山ではその確率が高くなると思います。技術や経験でカバーできなくなっていることに気づかれていない高齢者の方は意外と多いと思います。

まわりも、いい加減やめられたらとは言わず、まだまだお元気で、大丈夫ですよとしか言わない。本人は本当はいろいろな局面でこんなはずではないという経験をされているはずですが、気持ちとしては行きたいし、まわりもそそのかすのでその気になる面も多いようです。それは似非ベテランでなく、本当のベテランに多いように思います。
  1. 2007/08/28(火) 22:43:25 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:高齢者と登山

よかっぺさまへ。

私の最初の山の師匠だった父。
いまや70歳代半ばなのですが、懲りずに山に向かっています。

「そろそろいい加減にした方が。。。」と言うと、煙たがられます。
何度も言ってはいるのですが、あまり聞く耳は持っていないようで。。。
おそらく回りから「まだまだお元気で、大丈夫ですよ」なんて言われているんでしょう。。。。

「行きたい気持ち」は衰えるよりも、むしろ強まっているように思います。
一方で、ある程度「技術や経験でカバーできなくなっていること」にも気づいてはいると思います。
だから「いい加減に・・・」というのは煙たい。。。。
そんな感じなんでしょう。

「70代にしてはすごい」。
父を知る地元の人はそう言います。
ですが「70代にしては」であること、分かっていると思うんですけどね。。。。

身内の愚痴みたいで、すみません。。。。



自分のこととして考えると。。。。

やはり、体力的なもの、絶頂期からすると大幅に落ちていること、山に行くたびに感じます。
「あのころならこれぐらい何でもなかったのに・・・」と、悲しくなるほどです。

年配の方にも、元気な方はいらっしゃいます。
ですが、他人は他人で、自分は自分。
やはり、年齢を重ねることで、行く山の質も変えなければならないし、いつかは引き際が来る。。。。

そう考えることにしています。
しかし、こに引き際ってのが、難しいように思います。。。。
  1. 2007/08/29(水) 17:24:59 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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