山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ141】 六甲で8日ぶり、男性生還

【概要】
17日午前1時半ごろ、兵庫県尼崎市の男性理容師(64)の妻(60)が「夫が六甲山に登山に出掛けたまま戻ってこない」と尼崎南署に届けた。男性は16日午前10時ごろ、妻に「五助山を通って、有馬に行く」と言い残し1人で外出。携帯電話は持っていなかった。24日午後5時40分ごろ、六甲山頂から南西に約4キロ離れた神戸市東灘区の住吉霊園で、墓参りに来た人(35)が、つえをついて歩く男性から「遭難していた」と告げられ110番、東灘署員が男性を保護した。男性は墓参りの人に名乗り、「今日は何日ですか。数日間何も食べていません」などと話したという。男性は入院したものの、腕にすり傷を負うなど軽傷で、意識ははっきりしていた。男性は普段と違うコースを登っていたが、霧のため道に迷い遭難。砂防ダムのたもとで沢の水を飲み、チョコレートを食べて救助を待ったらしい。この日になってリュックサックを捨て杖を頼りに下山したという。兵庫県警は17日からヘリコプターを出動させ60人体制で捜索、24日までに延べ約200人が六甲山中を捜索していた。
(朝日新聞、毎日新聞、時事通信、神戸新聞よりデータ抜粋・引用)



【考察】
前項と同じく、8日ぶりに保護された事故でした。

前項と共通する点で、生還につながったと思われる点。
季節的に気温の高い時期であったこと(神戸は8日間とも真夏日で熱帯夜)。
標高1000メートルを切る、いわゆる低山であったこと。
沢筋にいて水の補給が比較的容易だったこと。
このあたりが挙げられると思います。

さて、六甲。
三連休の中日に入山し、次の三連休の最終日に発見されました。
もともと人通りの多い山ですので、なぜこんなにかかったのか・・・。
それほど深い山というわけではない、ということからすると、2日目から積極的に動くことで、道に出られた可能性が高かったのでは…と思ってしまいます。
前項と違って、特にけががあったわけでもないので、動くこと自体は可能です。
ここが前項と大きく違う点だと思います。

もちろん、危険箇所はあると思いますが、見晴らしのある場所へ移動し、現在位置を特定できれば、ルート復帰も可能ではないかと思います。
天候を調べてみました。
16~24日の神戸は18、19、24日は曇りで、あとの5日間は晴れ。
標高のそれほど高くない六甲であれば、山手だけ連日ガスがかかっていたとは考えにくいのです。

また、公式には通話エリア外ですが、稜線付近なら携帯電話が通話可能だった可能性があります。
個人的な経験からいえば、公式通話可能エリア外から通話できたケースは結構あります。
携帯電話を持っていれば、別の展開があったのかもしれません。

また、普段とは違うコースとはいえ、慣れた山。
そこに気の緩み(?)のようなものがあったのかもしれません。
地図等を持っていたかどうかは不明ですが・・・。


迷わないために、ということは、すでに何度か書いてきたので、今回は書きません。
ただ、迷った後の対応。
「動かず体力を温存する」というのは、基本原則です。
が、今回のケース、そうすべきだとばかりは言えないように思います。

基本原則、それはそれとして押さえた上で、状況から得られるすべての選択肢を並べて、柔軟に判断する。
そんな必要があるんだなぁ…と思いました。

最後に。
いくつもの偶然が重なったとは言え、大きなけがもなく生きて戻れたこと、何よりでした。


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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/09/27(木) 19:30:59|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<【遭難カルテ142】 剣で8人、無事救助 | ホーム | 【遭難カルテ140】 京都北山、8日ぶり男性救助>>

コメント

動いた方が良いかどうかはケースバイケースかも

 私は六甲には疎いので、地元の人からコメントしてもらえればいいと思いますが、遭難者が迷った可能性の高い山域、8日ぶりに下山した住吉霊園とその北方にある五助山(636.6mの三角点)、五助山の両側にある五助谷、西滝ヶ谷(水晶谷)を、国土地理院HPの閲覧システムhttp://watchizu.gsi.go.jp
から有馬の地形図を検索してながめておりました。
 谷筋には砂防ダムや滝の多い急峻な地形です。昨年秋に西宮市の職員が、山上の凌雲台から下山途中に崖から落ちて遭難し、3週間ぶりに代謝の冷蔵庫状態で発見されたのもこの辺りだったのでしょうね。
 谷を下るのは危険が伴うのは当然として、尾根や稜線に上がるにしても急斜面をよじ登って転落の危険が伴うかも知れません。何とも言えませんがかなり慎重に行動されたのでしょう。ケガもなく、気温も高く、雨も降らず、風もない環境であれば、水、非常食を食いつなげばそんなに簡単に死ぬことは
ないですし、そのうちに救助に来てもらえると思われたのではないでしょうか。ただ、昨年秋の例でも、発見されるまで3週間もかかっています。地形条件の悪い場所の捜索は困難を極めるのでしょう。
  1. 2007/09/27(木) 22:53:31 |
  2. URL |
  3. ちよ #-
  4. [ 編集]

ケースバイケース

ちよさまへ。

昨年の事故、ありましたね。。。
当初は「焼肉のたれが生死を分けた!」なんて話でしたが、ふたを開けてみると。。。

今回の現場付近、私も疎いのですが、あなたと同じく地図を眺めました。
ご指摘のとおり、ケースバイケースであろうと言う点は同感です。

登り返すことにも下ることにも危険が付きまとう可能性があるのはおっしゃるとおり。
慎重の上に慎重を重ねた末の結果なのかもしれません。

ただ、気象条件が厳しいわけでもなく、けがをして動けないわけではない。
さらに、比較的人里が近く人通りも多い六甲という点から考えると、他の選択肢はなかったのだろうか?ということが言いたかったのです。

まあ、詳細がこれ以上入ってこない状態では、ここらあたりが限界かもしれませんね。。。

  1. 2007/09/28(金) 16:21:54 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

登山者の自助努力

管理人様へ

>ただ、気象条件が厳しいわけでもなく、けがをし>て動けないわけではない。
>さらに、比較的人里が近く人通りも多い六甲とい>う点から考えると、他の選択肢はなかったのだろ>うか?ということが言いたかったのです。

 探してもらうのをただ待つだけでなく、登山者自身も自助努力をしてこの場を乗り切るべきだとのご意見ごもっともです。結果的に8日目に意を決して下山されたのですが、捜索に関わっておられる大勢の方々の苦労や家族の心配を考えれば、もっと早く行動を起こす選択肢も当然あったと思います。

 こういうケースのためにも、悪場から脱出する技術を登山者自身が本来は身につけていなければならないのでしょうが、私自身もなかなかそこまで修行が足りません。
  1. 2007/09/28(金) 21:14:07 |
  2. URL |
  3. ちよ #-
  4. [ 編集]

想像することが難しい

不思議な遭難ですね。
六甲は、道のない谷を探すほうが難しく、急峻なと言われればそれまでですが、別に滑落や転落して事故地点に来たわけではなく歩いてきたわけですから何とも想像ができません。
ただ、手軽に入れるのでその分、地図や磁石を持たずに入る人も多く、霧で迷うことはありえますが、1週間も続くはずはなく、杖で下りられたと言うことは進退に窮する岩場に入り込んだわけでもなさそうです。技術的な要素の可能性はあまりないと思います。
ただ遭難、道迷いには心理学的な要素も強いので霧の中、道に迷ったということで「対応の仕方が判断できなくなる」ような状態になったのかも知れません。非常事態の時に普段の倍の力をだせる人もいれば、半分の力を出せない人もいます。目の前で滑落した人を見ただけで歩けなくなった人を見たことがあります。
  1. 2007/09/28(金) 23:31:21 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

ちよさま&よかっぺさまへ。
まとめレスとなりますが、ご容赦ください。

救助を待つだけでなく自ら動く選択肢。
よかっぺさまのコメントの前半のような事情であれば、より重みを増してくるのではないかと思います。
ただ、現状の情報では、それが正解だったとまでは言い切れません。

>悪場から脱出する技術を登山者自身が本来は身につけていなければならないのでしょう

おっしゃるとおりだと思います。
一番重要なポイントかもしれませんが、一番身に付けるのが難しいのかもしれませんね。。。。
また、ここまでできれば十分、というものでもないのでしょう。

>遭難、道迷いには心理学的な要素も強いので・・・

ああ、それもそうかも。。。。
冷静さを失わない、口で言うのは簡単ですが、実際にはこれまた難しい。。。。
普段からいろいろと考え、イメージを膨らませて、といったトレーニングが必要なのかもしれません。
根拠のない思い込みのようなもの、やはり危ういと思います。
アタマとココロを鍛えるほかはないのかもしれませんね。。。
  1. 2007/09/29(土) 19:21:02 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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