山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日156】 あの事故から1年

10月2日の朝日新聞より引用。(死者の氏名はこちらで伏せました)

ガイドを書類送検へ 北ア4人遭難死亡 悪天候で強行
 北アルプス白馬岳(標高2932メートル)で昨年10月、九州からの7人のパーティーが遭難し女性4人が死亡した事故で、長野県警大町署は同パーティーを引率した福岡県大牟田市の山岳ガイド、田上和弘さん(49)を業務上過失致死の疑いで近く書類送検する方針を固めた。悪天候の中で登山を強行した点などに過失があったと判断した。同署は1日、田上さんから同容疑で事情聴取をした。
 同署の調べによると、同パーティーは昨年10月7日朝、雨の中を富山県側から出発。白馬岳山頂下にある白馬山荘を目指す途中で遭難した。田上さんは救助を求めて山荘に1人で向かい、山荘従業員らが救助に向かったが、9日、福岡市の○○○○さん(当時66)、○○さん(同61)姉妹ら4人の凍死が確認された。
 天候は7日午後にみぞれから雪となり、最後は吹雪に変わったという。当時、三陸沖で急速に発達した低気圧に寒気が吹き込む冬型の気圧配置だった。同署はこうした状況に加え、営利目的のガイド登山で一度に4人が死亡した点も重視したという。
 ○○さん姉妹らは数年の登山歴があり、以前から田上さんのガイドで登山をしていた。
 中高年登山ブームを受け登山ツアーやガイド登山が盛んになるなかで、事故の際、ガイドや添乗員が刑事責任を問われるケースも出てきている。99年9月、北海道・羊蹄山に登ったツアー客の女性2人が凍死した事故では、旅行社添乗員が業務上過失致死罪で禁固2年執行猶予3年の有罪判決を受けている。




10月4日の信濃毎日新聞より引用。

白馬岳で4人死亡遭難事故で大町署がガイド男性と実況見分
 北アルプス白馬岳(2、932メートル)で昨年10月に九州からの7人パーティーが遭難し女性4人が死亡した事故で、大町署は2、3日、引率した福岡県大牟田市の登山ガイドの男性(49)を伴い、遭難現場を実況見分した。同署は、業務上過失致死容疑での立件も視野に調べを進めている。男性ガイドは3日、取材に対し「自分も、どうしてこうなった(遭難した)のか分からない」と述べた。
 2日、署員と男性ガイドの計7人が富山県の祖母谷(ばばだに)温泉から入山。遭難時のルートをたどり、パーティーが吹雪に遭った現場の状況などを確認、3日下山した。男性ガイドによると、「(署員に)聴かれたことを、ここがこうだったと思い出して話した」という。
 男性ガイドについて、山岳関係者などからは天候の悪化が予想される中で、登山を決行した判断を疑問視する声もある。大町署はこれまでに、生還したメンバーらから遭難時の様子など聴いており、さらに複数の関係者から話を聴き、ガイドの天候判断が妥当だったかなどを調べる。同署は「立件の判断は年明け以降になる」としている。
 男性ガイドが事故後に現場を訪れたのは初めて。3日の下山後、「(遭難のことは)毎日思い出しており、忘れられない。事故の原因は、自分でも分からない部分がたくさんある」と話した。



昨年10月の白馬岳の遭難事故。
当ブログでも何度か触れてきました。
遭難カルテ119日々是好日91日々是好日101日々是好日103日々是好日126など)


もう1年たつのか・・・というのが、最初に浮かんだ言葉でした。
あらためて亡くなった方のご冥福を祈るとともに、生きて還られた方が心身ともに少しでも立ち直れることを願ってやみません。



「業務上過失致死の疑いで近く書類送検」
「業務上過失致死容疑での立件も視野に」「同署は『立件の判断は年明け以降になる』としている。」
両紙のトーンが違いますが、実際はどうなんでしょうか???
まあ、複数のマスコミ記事の内容が食い違うことはままありますが。。。。

手続きから言うと、この後、警察が書類送検するかしないか。
書類送検された場合には、警察から検察の手に移り、起訴か不起訴か、という分かれ道に。
起訴されれば刑事裁判がスタートすることになります。
また、これとは別に、遺族らが提訴すれば、民事裁判もスタートすることになります。

予想通りというか何と言うか、サブガイドの女性の存在が、全く消えています。
実質的に責任能力がないと判断されたのでしょうか。
事故当時にも書いたことではありますが、「サブガイド」という存在、やはりよくわからないものでした。



今回の事故で考えたいことを整理してみました。
ポイントは2つ。

まずは、なぜ?という原因。
そこから得られる教訓というものは、かなり役に立つものだと思います。
現在のところ、田上氏の所属協会の日本アルパインガイド協会、その上部団体の日本山岳ガイド協会、勤務先の登山用品店ラリーグラスとも、事故報告書のようなものは公表していません。
事実経過だけの報告であっても、いろいろと考える材料にはなるのですが。。。。
それに検証や考察が加えられると、すくいとれる教訓が多いのではないかと思います。
まあ、捜査段階ですので、詳細の公表は控えているのかもしれませんが、その辺が一段落したら記録の公開を待ちたいところです。
ご遺族や事故に遭われた方の心の傷をえぐるようなものになりかねないことは、承知しています。
ですが、明日はわが身でもあります。
気の毒に思う気持ちは当然ありますし、死者を貶めるためでもなく、責任を追及するためでもない。
ただただ、我々末端の登山者が得られる教訓というのは重要なもので、類似遭難を減らす一助になるのではないかと考えるわけです。



もうひとつは、事故とプロガイドの責任。
事故が報道された後、天候判断や装備、行程などについてのコメントや論評、ガイド諸氏の間からも出ていました。
が、「プロの責任」についてコメントされたガイド諸氏はあまりいなかったように思います。
この傾向は、大日岳訴訟のときも同じでした。
この国のガイドの方々、責任の話になると、とたんに口が重くなるのでしょうか。。。。
アマチュアである一般のリーダーとどう違うのか、ガイドの方自身の考えを知りたいところなのですが。。。。
日々是好日155でも触れた件にも、沈黙している方のほうがはるかに多いのが現状です。
個人的には「営利目的のガイド登山で一度に4人が死亡した点も重視した」というのは、当然の帰結だと思います。
ガイド登山における死亡事故、その法的責任がどのように扱われるのかがひとつの焦点だと思います。
また、くどいようですが「サブガイド」とは何だったのか。
個人的にはそこがどうしても理解できません。
田上氏の説明を待つほかはありませんが。。。





以下、些細なことですが。。。。4点ほど。


マスコミの報道自体が、すべてをカバーしていないことは承知の上で。
事故からほぼ1年たった田上氏のコメント。
「自分も、どうしてこうなった(遭難した)のか分からない」
「事故の原因は、自分でも分からない部分がたくさんある」
コメントしたすべての言葉が記事にされたわけではないでしょうが、ちょっとねぇ。。。。
これだけ見れば、思考停止状態にも見えます。。。。。。
確か事故直後の記者会見で「気象判断のミスだと思っている」と発言されたはずですが。。。。。



日々是好日155で、厳罰化は事故抑止につながるとは考えにくいが、現状の罰則は緩すぎると思う、と書きました。
また、日々是好日126で、アルパインガイド協会が田上氏を厳重注意処分にしたと書きました。
捜査や裁判の行方を見たうえで改めて…というのであれば理解もできますが。。。。。。。
さて、処分はこれでおしまいですか?



田上氏の勤務先の代表者・浦一美氏について。
「福岡市山岳協会会長、日本山岳ガイド協会会員、全九州アルパインガイドクラブ代表、日本山岳会会員」と浦氏の肩書きを記したページは、いつの間にか消えていました。
(というか、ラリーグラスHPからのリンクが切れた状態でここに残っていました)
H19年度の日本山岳ガイド協会役員名簿には、理事の中に浦氏の名前が見られます。
昨年11月13日付で浦氏による白馬岳遭難事故についてが掲載されました。
その中で浦氏は、「報告書は年内には作成されるものと思いますが、恐らくアルパインガイド協会から公開されると思います」と発言。
さらに、アルパインガイド協会の上部団体である日本山岳ガイド協会の倫理委員会で討議されるようなことを述べています。
その倫理委員会、どうなったかは不明ですが。。。。
何が言いたいかといえば、あまりにドライな対応ではないかと言うことです。

登山に直接かかわりのある職場の上司として
募集の案内を置くことを許可したショップの代表者として
同じ地元の、山の世界の重鎮として
職業ガイドの先輩として
上部団体の役員として…

浦氏は田上氏を指導する立場にあったと考えるのは、自然なことと思います。
となると、その対応ぶりには首を傾げざるを得ません。。。。

また、事故直後、ラリーグラスの掲示板には多くの書き込みが殺到しました。
誹謗中傷の類もなかったわけではありませんが、興味深い考察や分析、感想なども多くありました。
が、いつの間にか掲示板は閉鎖されており、その代わりかどうかは分かりませんがブログが開設されていました。
残念ながら、少なくとも以前の掲示板のようなものではないような印象を受けました。

また、10日ほど前に見たときにはスタッフ紹介にあった田上氏の部分が、今日見たらすっぽりと削除されていました。



朝日新聞。
同社の100%子会社に朝日カルチャーセンターがあります。
その朝日カルチャーセンター福岡健康の講座の中に、10月~3月の6ヶ月コースで「中高年の登山入門」というのがあります。
この講座の講師には、浦氏とともに田上氏の名前があります。
記事では「近く書類送検へ」としていながら…。
なんだか、ちぐはぐな印象を受けるのは私だけでしょうか??





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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/10/08(月) 12:49:40|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:4
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コメント

いろいろと問題はありそう

ガイドの問題は前のトピックスに譲るとして、この例だけでなく、北海道・大雪で立件された遭難事故や先ほどの剣岳の立ち往生など、九州から遠征したパーティの突っ込み事故が多いように感じます。

人口だけを考えると、圧倒的に関東や関西の方が多いように思いますが、九州の団体ばかりが目立つのは地域的な問題がなにかあるのでしょうか?
  1. 2007/10/09(火) 11:19:02 |
  2. URL |
  3. おーの #rmbFb8ac
  4. [ 編集]

Re:いろいろと問題はありそう

おーのさまへ。

九州からのパーティーの件。

実際に因果関係があるのかどうかは分かりません。
ただ、関東・関西に比べて人数は少ないとしても、九州からではアクセスに時間とお金がかかります。
そのあたりから「せっかく来たんだから」という心理が、より強く働くことはあるかもしれませんね。
近場に住む人と比べて、「また来たらいいや」と簡単に思えない気持ち自体は理解できます。
特にお年を召された方や、仕事などでなかなか休みが取れない人でしたらなおのこと「次なんてあるかどうか分からない」と思っても仕方ないかもしれません。

ただ、その心理が「突っ込み事故」の遠因にあるとしたら、やはりきちんと考える必要があるのではないでしょうか。
  1. 2007/10/09(火) 12:35:08 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

礼賛いたします

山の遭難、事故などのリポート、こうして集積してくださっていることに深い感動を覚えました。膨大な情報源からの収集抜粋には多大な労力が必要、大変な作業かと感じ入ります。しかしこうして公開されネット社会の「知見」となれば、ここから学ぶべきことがたくさんあぶり出されてくると思います。ひいては山の事故が少しでも回避されるきっかけになれば、嬉しいことですね。今後も掲載内容に期待いたします。松本市在住、無雪期尾根歩き専門、42歳。
  1. 2007/10/09(火) 18:15:09 |
  2. URL |
  3. いま #-
  4. [ 編集]

Re:礼賛いたします

いまさまへ。
はじめまして。

過分のお褒めを頂き、お尻がこそばゆい感じです(笑)。

手の空いたときに報道記事をつなげて何が見えるか。。。。
気になった事故をピックアップすることで書き連ねてきました。
ただ、情報が薄いもの、関心がわいてこなかったものなど、何件も字にするのをを見送っています。
忙しいときにもほったらかしにすることも、ままあります。
所詮、個人のサイトですので、そのあたりが限界かと思っています。

また、多くの方からコメント欄で気づかなかったり見落としていた点の指摘や、異なる視点の提示があったりして、私自身も勉強させてもらっています。

気がついたことなどありましたら、気軽に書き込んでください。

松本在住とはうらやましい。。。。(笑)
  1. 2007/10/09(火) 18:42:23 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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