山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【事故報告書12】 大牟田岳稜会・抜粋版

遭難カルテ142で触れた剣の遭難事故。
報告書の概略版ともいえる資料を見つけました。
大牟田岳稜会関係者から福岡県山岳連盟に提出された報告書の抜粋が掲載されています。
「報告書からの抜粋」部分のみ抜粋します。




遭難事故の内容と原因

1.事故発生月日 平成19年9月25日(火)
2.発生場所   北アルプス 剣岳の北方 小窓付近(標高 2,400m)
3.天候     9月24日(月)  晴れのち曇り
          9月25日(火)  小雨、ガスにより視界不良
4.遭難者    8名(57歳、59歳、62歳2名、63歳、65歳、66歳CL、69歳)

5.遭難事故の原因
(1)剣山頂から北方稜線は上級者向きコースにもかかわらず、ルートを熟知していなかった。
(2)池の谷乗越通過以降、ルート上のポイントを確認していなかったため、現在地点がわからなくなり、道迷い状態となる。(2万5000分の1の地形図は持っていたが確実にチェックしていなかった)
(3)小窓のコルまで行ったにもかかわらず、三の窓と誤認したため自力での脱出の方法を見つけることが出来なかった。
(4)メンバーの年齢構成から判断してルート選定に無理があった。





原因の(1)(4)からみると、遭難カルテのコメント欄で指摘のあった、計画段階で破綻しているような感じです。

(1)についていえば、計画段階の話。
準備不足としか言いようがありません。
よく整備された一般ルートであれば、そこまでの準備は必要ないかもしれませんが。。。。
(4)についても、(1)同様に計画段階の話です。
今回のような高齢パーティーには無理のあるルート選択だった、と読めました。
確かに無理があるなぁ・・・とは思いますが、「メンバーの年齢構成から判断して」という部分、明確な基準というのは難しいかもしれません。。。
しかし、具体的な対策が欲しいところではあります。
登山者の高齢化が進んでいるのは周知の事実です。
いまや登山者の主流を占める、といっても過言ではないと思います。
そういった状況の中で、他人から指摘されるのではなく、自ら原因に「年齢構成」を挙げたこと、少なからず驚きました。
(そうではない人を何人か見てきたもので。。。。。)

(2)について。
「上級者向きコース」であり「ルートを熟知」していないのなら、より注意すべき点でしたが、そこがおろそかになっていた、ということでしょう。
地形図は持っていたにもかかわらず。。。。悪く言えば、宝の持ち腐れ状態です。
道迷いの典型的原因と言えるかもしれません。
普段から、こまめな位置確認を習慣付けておくこと。。。。
あらためて読図の重要さを思いました。

(3)については、(2)にともなって発生した原因という部分があると思います。
ただ、ちょっと気になることがあります。
「自力での脱出の方法を見つけることが出来なかった」とあります。
これは「戻る」ということも不可能だったということを指すのでしょうか?
この「脱出」という中に「戻る」も含まれているのかどうか、はっきりしません。
抜粋・概略版ということで詳細が不明なのかもしれません。
ただ、道に迷ったとはいえ、なぜ引き返すという選択肢をとらなかったのか、もう少し詳しく知りたいところです。

また、27日までの予定で食糧を持っていたと報じられていました。
救助要請は25日の朝。
積雪期でもなく、2泊3日分の食糧を持っており、「比較的しっかり」した装備を持ち、けが人もいない。
そんな中で救助要請をした事情。
そのへんも詳細が欲しいところです。
報道された情報だけ見れば、「安易な救助要請」のように見えます。
「実際は違う」というのは、詳細な報告書からしか見えてきません。



これも抜粋版のためかもしれませんが。。。。。。

最も重要と思われる、「対策・教訓」が見えてきません。
なぜ、どのようにして事故に至ったか、まずはその分析と検証。
次に、ではどうすればよかったのか、そして今後どうすべきか。
この部分が見えてこないことが残念です。
提出された報告書において、事故原因の分析までは進んでいたのだと思います。
ただ、そこから導き出される反省と教訓、私はそれが一番知りたいところです。



それぞれのポイントにおける判断などの是非や検証。
それを考える上で、詳細な行動記録は欠かせません。
詳細な報告書、公開されるといいんですが。。。。。



ちなみに、大牟田岳稜会も福岡県山岳連盟もHPを持っていません。
(私が見つけられないだけかもしれません。。。)
WEB上で報告書が公開されることは、ありえないかもしれません。。。。。




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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2007/10/25(木) 01:24:43|
  2. 事故報告書
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10
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コメント

想像通りかな?

もうひとつ詳しい状況はわかりませんが、装備やお話から見るとまったくの中高年のハイキングクラブではなさそうです。
と言って、統制のとれたオールラウンドな山岳会のパーティーでもなさそうです。

行くための計画・準備の段階で遭難予備軍であるという感想に変わりはありませんが、そういう人たちが仮に行ってしまったとすれば、「安易な救助要請」ではなかったかも知れません。

小窓と三ノ窓を誤認していたのですから、迷ってからいくら地図を見ても、地形が理解できなかったことでしょう。動き回ったかどうかは不明ですが、北方稜線で、道迷いというよりルートを失ったら、この年令のパーティーでは焦燥感や不安感でかなり体力を消耗することが想像されます。

もし、気力・体力が十分なパーティーだったら進む方向の選択肢は多くないので、全員で動かず、技術のあるものが偵察に行き、地形を把握できたと思いますが、池の平山の壁に行き詰ったのなら仕方の無い選択かも知れません。

この稜線では、小屋の主人の注意を聞かず、前年にガイドと同じルートを行ったからと言って向かった夫婦がルートを間違え遭難しています。登る技術だけでなく、ルートファインディングや判断力を必要とするルートです。
  1. 2007/10/28(日) 09:00:43 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:想像通りかな?

よかっぺさまへ。

>行くための計画・準備の段階で遭難予備軍であるという感想・・・

同感です。

>小窓と三ノ窓を誤認していたのですから、迷ってからいくら地図を見ても、地形が理解できなかったことでしょう。

抜粋版にもあるとおり、やはり読図が甘かったようですね。
現在地点の誤認も、そこに起因する部分が大きいと思います。
あれっ?と思って地図を見直す際に、現在位置を誤認している可能性もある、と思っていたほうがよさそうですね。
そういう意味では他人事ではすまされないような気がします。

救助要請、安易であったかどうか。
詳細が出てこない限り、決め付けるのは早いですね。
おっしゃるとおり、あの場合にとりうる唯一の「仕方の無い選択」だったかもしれません。
また、ルートを失ってからどう行動したのか、やはり詳細が知りたいところです。

>登る技術だけでなく、ルートファインディングや判断力を必要とするルートです。

自分の技術や力量に見合っていれば、なかなか楽しいものなんですけどね。。。
ルートファインディングしながら・・・というの、結構好きです。

今回のパーティー、力不足のまま、それを知らずに突っ込んでしまった・・・ということかもしれません。
  1. 2007/10/29(月) 14:38:59 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

腑に落ちない点

 管理人様、よかっぺ様
 報告書の概要の中で、腑に落ちない点があります。

 それは、
(2)池の谷乗越通過以降、ルート上のポイントを確認していなかったため、現在地点がわからなくなり、道迷い状態となる。(2万5000分の1の地形図は持っていたが確実にチェックしていなかった)
の部分です。

 池の谷乗越まではマーキングやケルンも多いようなので、現在地確認ができていたことはわかりましたが、その後、現在地がわからない道迷い状態のままでどうやって小窓までたどり着けたのかが不思議でならないのです。

 このルートを経験されている御両名のご意見をお聞きしたいのですが、ルート上の各ポイントの現在地把握をした上で、各ポイント毎に、どこから登りに取り付くのかや、どちらの方向に下るのかがわかっていないと、視界の悪い中では、そう簡単には先へは進めないルートのようにも思いますが、いかがなものでしょうか。それとも、所々にはマーキングがあって、現在地がわからなくても先に進むことが可能なのでしょうか。

 また、小窓から先へ行く場合、池ノ谷山に登らずに、小窓雪渓をしばらく降りてから左岸に取り付いて池ノ谷小屋に向かうルートになっているようなのですが、今回のパーテイーの装備にアイゼンが含まれていたのかどうかも気になっています。
  1. 2007/10/30(火) 00:13:21 |
  2. URL |
  3. ちよ #-
  4. [ 編集]

字句修正

 先ほどの文章に字句の間違いがありましたので修正します。失礼します。

 池ノ谷山→池ノ平山
 池ノ谷小屋→池ノ平小屋
  1. 2007/10/30(火) 00:24:53 |
  2. URL |
  3. ちよ #-
  4. [ 編集]

Re:腑に落ちない点

ちよさまへ。

このルート、マーキングやケルンのほかに踏み跡が断続的にあります。
アイゼンの引っかき傷や、歩行に伴うと思われる岩の磨耗したところもあったりします。
ですので、それをたどれば
「今どこにいるか、イマイチわからんけど、とりあえずこっち行けばええやろ」
ということで、足元さえ見えていれば、ある程度進むことは可能だと思います。
もっとも、不安は付きまといますが。。。。。

尾根通しではなく、ピークを巻くときにも、よく見れば進むべき方向が分かる場合もあります。
もちろん、雨などの作用でできた踏み跡モドキや、迷ったためにできた?踏み跡もありますが、そちらは少し行けば行き詰るので、私はそれほど迷いませんでした。
また、アイゼンの引っかき傷は、積雪期・残雪期のもので、無雪期には進めなくなるところもあったように思います。
もっとも、私が行った時には視界が良かったことや、同行者の力量なども、迷わなかった理由のひとつだと思います。
さらに言えば、15年ほど前の記憶なので、当時と同じ条件であればですが。。。

空荷で数十メートル単位の偵察を繰り返し、進むべき方向を決めてからザックを担ぐ。。。
このようなルートの時には、なんとなく、そういうやり方をすることが多いです。
このルートに入ったとき、八ツ峰ノ頭を過ぎたあたりで、進むか戻るかを決めることにしていたと記憶しています。



アイゼン。
報告書が出ない限り、それがよく分からないのですね。。。。
ハーネスを付けた姿をテレビで確認できたほかは、「比較的しっかりした装備」と報じられていただけですからね。。。



以下、全くの余談です。

20代半ばの頃までですが、毎年夏にはこの方面に行っていました。
実は、私はアイゼンを持って行っていませんでした。
ピッケルとキックステップでやっつける、というのが当時の私のやり方でした。
源次郎や八ツ峰を縦走して真砂のベースに戻るとき、長次郎雪渓はグリセードで下降。
一緒に行った新人(ある程度訓練はしていましたが)には、スタカットでザイルをつなぎ、「コケたら止めてやる。行け!」なんてことを。。。。

今はもう、アイゼンなしなんて、絶対にできませんし、しようとも思いませんが。。。。

それなりの技術や体力(筋力か?)があれば、アイゼンなしでもどうにかなると思います。
ただ、かなり限られた人になるように思います。
平蔵谷をグリセードで降りていく人を見たことがあります。
「すげ…。自分にゃ絶対無理。。。。」と思いました。

剣、雪渓、アイゼン…
3つの単語がそろうと、なぜかこのことが思い出されます。

思い出話に浸るようになるとは、トシをとったもんだと。。。。。


  1. 2007/10/30(火) 17:38:45 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

Re:腑に落ちない点

言葉で説明するより、WEB検索で「剣岳 北方稜線」と入力してみてください。
くわしいルート図や写真がでてきます。
剣の本峰から北上すると、本来小窓は一応やれやれといったところなのですが・・・
そこを三の窓と思い、小窓に向かい池の平山に直接向かおうとすればそれはとても難しいと思います。
この時期には行ったことがないですが、小窓の雪渓も小さくなっているはずでアイゼンがいるかは微妙でしょう。少なくとも夏なら小窓までにも雪渓をわたるところがでてきます。
本当に10秒で、検索できるものを調べずに行ったのなら実力を過信していたのでしょう。
天気が良ければすぐ間違いに気づくはずですが、五里霧中だったのだと思います。天気が良くないと読図できない人が多すぎるので、もっと微細地形から現在地を確認して進むという訓練を普及させる必要があるかも知れません。
  1. 2007/10/31(水) 06:24:33 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

事前の情報収集

管理人様、よかっぺ様

 いろいろご示唆いただきましてありがとうございます。
 行き当たりばったりで山に行くのが楽しいという人(遭難予備軍?)もいますが、実力以上の難しいルートであればなおのこと、実際に山行を実行できるかどうかを判断したり、実行した場合のリスクを察知したりするために、事前の情報収集が重要ですね。

 よかっぺ様のご指摘どおり、行きたいルートの情報を、インターネットで簡単に得られる世の中です。(ただし、特に個人のHPに載っているルートの「所要時間」については、一般の人より短い場合が多く、アテにはなりませんが。)

一般の高齢者にとっては、地図を見るのも老眼では億劫でしょうし、パソコンをさわるのも大変かも知れませんが、がんばってもらうしかしょうがないですね。
 
 

  1. 2007/10/31(水) 21:37:37 |
  2. URL |
  3. ちよ #-
  4. [ 編集]

Re:事前の情報収集

ちよさまへ。

事前の情報収集の重要さ、同感です。
一方で出たとこ勝負の宝探し的な楽しみというのもあると思いますよ。
読図ができることなど、ある程度の前提はありますし、多少の情報は必要ですが。。。。
あまりに微にいり細をうがちすぎるほどの情報があったら、ちょっとつまらないかも。。。。。
とはいえ、実際に現場に行ったら、事前情報以上のことがてんこもりなことのほうが多いですが。

所要時間については、個人HPであれ「山と高原地図」やガイドブックであれ、やはり参考程度にとどめておくべきでしょうね。
当然、個人差もあるでしょうから。

>一般の高齢者にとっては、地図を見るのも老眼では億劫でしょうし、パソコンをさわるのも大変かも知れませんが・・・

なるほど。。。
読図がおろそかになる原因のひとつかもしれませんね。。。
  1. 2007/10/31(水) 22:22:43 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

RE:事前の情報収集

WEBだけでなく、この地域についてのガイド本もいくつか出ています。
もちろん、楽しみが減ると事前調査しないという選択肢もあります。
ただ、そうするとリスクが増えるのも事実ですから、技術に自信がない限り無理はしないほうが良いでしょう。

今回も、天候が悪かったのですから無理せず下りて一般道をあがるということもできたわけです。
事前調査が不足し、行ってみたらけっこう厳しい、天候も悪いとなれば、何でどんどん突っ込んだのか?
そこの心理を知りたいと思います。

所要時間は人それぞれですし、こういう雪渓や難所のあるところではその時々の条件でも大きく違います。まさか偽装している人はいないと思いますので早いタイムがあればそれも事実です。あまり遅い人は恥ずかしいという意識がはたらくのか公表しませんので、全体的には早くなるのかも知れません。あくまで参考にしかなりません。
ただ、AからBまで30分、BからCまで60分という記録があり、あなたがAからBまで45分かかったら、BからCまであなたは90分かかる可能性があるという比較はかなりできますので、早い記録はそれなりに参考に活用すべきだと思います。
  1. 2007/10/31(水) 22:34:44 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:RE:事前の情報収集

よかっぺさまへ。

>今回も、天候が悪かったのですから無理せず下りて一般道をあがるということもできたわけです。
>事前調査が不足し、行ってみたらけっこう厳しい、天候も悪いとなれば、何でどんどん突っ込んだのか?
>そこの心理を知りたいと思います。

そこが最大のポイントの一つでしょうね。
同じような状況に至ったときに、何に気をつけなければならないか、それが含まれていると思います。
でもまあ、報告書が出ない限り、それを知ることはできないのが残念です。
  1. 2007/11/03(土) 02:17:53 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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