山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ150】 中ア・和合山で雪崩、67歳男性死亡


【概要】
9日午後4時45分ごろ、中央アルプス・和合山(2911メートル)の南側斜面で、雪崩が発生し、登山中の男女6人パーティーのうち3人が巻きこまれた。午後5時20分ごろ、同パーティーから「雪崩に巻き込まれ、1人の意識がない」と現場近くのホテルを通じて県警駒ケ根署に連絡があった。男性4人、女性2人のパーティーは山岳写真の撮影で知り合った仲間で、岡山、山梨、神奈川、福岡の4県から山岳写真を撮りにきていた。9日午後1時40分ごろ、「駒ヶ岳ロープウェイ」千畳敷駅を出発し、宝剣山荘を目指していた。同山荘を拠点に2泊3日し、11日に下山予定だった。事故当時は、3人ずつ二手に分かれて行動しており、後続の3人が雪崩に巻きこまれた。雪崩に巻き込まれた3人のうち、神奈川県平塚市の男性会社員(47)と岡山県真庭市の主婦(62)は自力で脱出したが、岡山市の会社役員男性(67)は頭から出血し意識不明の重体。先行の3人は無事で宝剣山荘に向かい、2人は午後7時ごろ、ホテル千畳敷へ下山したがいずれも軽傷。この日は朝から雪が降り続いており、風はあまりないが、雪で視界が悪い状態が続いていた。一行が千畳敷駅を出発する前、地元の「中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会」の担当者は「天気が崩れるから、きょうはやめた方がいい」と伝えていた。登山開始から2時間近くたったころ、男性会社員は、山側から新雪がさらさらと流れ落ちるのを見たという。これは、地元山岳関係者が「チリ雪崩」と呼ぶ雪崩の前兆現象とみられるが、男性会社員は、「途中で引き返すべきだったかもしれない」「過去に何度も登ったコースだったので、登り続けてしまった」と話している。現場に残されていた男性は11日10時15分ごろ、県消防防災ヘリコプターに遺体で収容された。岩などに頭を強打して死亡したとみられる。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、信濃毎日新聞よりデータ引用・抜粋)


【考察】
中ア・千畳敷の雪崩については、何度か触れてきました(日々是好日104など)。
ロープウェイで上がったところは、標高2600メートルのカールの底。
まとまった積雪があれば、「雪崩の巣」とも言える場所です。

事故発生当時近くに居合わせた人のブログによると、状況がさらに見えてきます。
そのブログの写真などから見ると、和合山に突き上げる尾根の左側(南側)で発生した雪崩のようです。
また亡くなった人のHP掲示板に、同行者が当時の状況を書き込んでいます。

個人的に何度も足を運んだルートなので、その経験から。
千畳敷からは8割方、浄土乗越へ谷筋を全速力のラッセルではい上がることになりました。
あとの2割弱は、和合山に突き上げる尾根を末端から詰めるというものでした。
残りの少々は撤退or待機。
その判断の元にしていたのが「補導員」の助言や忠告でした。
具体的に言うと、ホテル千畳敷で計画書を出す際に、天候・気温の推移や積雪の状況などを根掘り葉掘り聞くことです。
それを聞いた上で得られた助言を、最大限に尊重する、というものです。
というのも、彼らの知識や情報は、ほぼ定点観測に近いモノだと、個人的には考えているからです。

ガスっているときには、ホテルの食堂でメシを食いつつ、「昼までに視界がなければ撤退」なんて相談をしたこともありました。
雪崩の走路をさけるようにして稜線へ抜けるので、視界が悪いときに突っ込む度胸がありませんでした。

なんでこんなことをくどくど書くかと言えば、視界・天候が悪い中、補導員の忠告・制止を振り切っての入山だったからです。
報道にもありましたし、例のブログにもありました。
一方、当事者たちの掲示板書き込みでは、全く触れられていません。
最終的には自分たちの判断と言うことにはなりますが、こんないい情報をなぜ生かせなかったのか。。。。
最後はそこに行き着きます。

今回の制止・忠告は地元遭対協の人の言葉ですので、天候や雪の状態が悪くても客を山に入れてしまうどこかのツアーガイドとは、根本的に言葉の重みが違うと思いますが。。。。


「過去に何度も登ったコースだったので・・・」
遭難カルテ144147149などで、同様の発言がありました。
慣れている場所だからといって、毎回同じ状態ではないこと、つねに意識しておく必要がある、ということだと思います。


これは結果論かもしれませんが、もし、ヘルメットをかぶっていれば・・・とも思います。
雪崩に対しては「三種の神器」について、よく言われます。
今回は、雪面に体の一部が出ていたため、ビーコンまでは必要ではなかったようです。
しかし、岩が出ている場所であれば、「三種の神器」+「メット」とすべきなのでしょう。
また、埋まってしまった場合に、顔の前に空間ができる可能性もあるんじゃないかと思います。
まあ、当然のことといえば当然ですが。。。。。


昨年の2月、宝剣岳で写真撮影に来ていた男性が亡くなりました(遭難カルテ127)。
重い撮影機材と、するっと2600メートルまで上がってしまうロープウェイ。
遭難カルテ148で「お手軽」という言葉を使いましたが、気の緩みみたいなものと無関係と言えるのだろうか。。。。。

ロープウェイの存在の是非ではなく、それを使う側の意識の問題だと思います。

歩いて上がろうが、ロープウェイで上がろうが、そこは2600メートルのカールの底であることに変わりない。。。。。
自らもそれを忘れずにいようと思います。

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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2008/02/17(日) 22:51:45|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

自然公園における指導について

私も自然公園指導員に任命され、ときどき任務に励んでいますが、登山に関しては「自然公園利用者の各種の事故を予防するため、登山・・・につき、それぞれ適切な指導を行い事故を未然に防ぐ・・・」とされているだけで、指導しかできません。
相手が聞かなければ中止させることはできず、その点はアメリカの国立公園などとは大きく異なっており、強制力はありません。
高山植物の盗掘のような現行犯についてはある程度の強制力はあるのですが、安全については、どんなに危険な状態でも100%事故が起きるとは言えず、歯がゆい思いをすることも多いです。

夏ですが越後の山でカメラマンが雪渓の写真を撮っていて事故にあわれましたが、猟師山を見ずではないですが、カメラマン山を見ずになっているような気がします。いくらお金とヒマをかけているからもったいないと思ったり、いい作品を撮りたい、仲間と楽しみたいと思っても自分の命と引き換えはありえないと思います。山に対してもっと謙虚になるべきだと思います。
  1. 2008/02/21(木) 23:14:01 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:自然公園における指導について

よかっぺさまへ。

指導員、ご苦労様です。

指導員や補導員の助言・忠告・制止など、強制力・拘束力は確かにないでしょうね。。。
ただ、そういった人たちからの情報については、現状では受け取る側の問題だとしかいえません。
ものすごく重要だと思う人もいれば、今回のように振り切って行ってしまう人もいます。
今回の遭対協の人も「『やめた方がいい』と忠告したのに・・・」という思いがあるのではないでしょうか。
なんともやりきれないですね。。。。

>猟師山を見ずではないですが、カメラマン山を見ずになっているような気がします。
>山に対してもっと謙虚になるべきだと思います。

同感です。
山岳写真愛好家の事故が増えているように思います。
楽しみ後ろにある危険に、もっと意識をやっておいてもいいのでは、と自戒しつつ。。。
  1. 2008/02/22(金) 22:29:41 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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