山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【日々是好日204】 第5回山岳遭難事故調査報告書

7日に日山協HPに掲載された第5回山岳遭難事故調査報告書
50ページを越えるモノでしたが、興味深く読みました。
今回はその内容について、思いつくままに。

欧米との比較というのが、これまでにはない視点でした。

「湖水地帯の事故報告書とその内容例」
個々の分析データと、地図上に場所を示したもの、日本でもできないだろうか。。。。
実際に計画を立てる際に、考慮するデータとしては、貴重なモノになると思います。
当然、一般への公開が前提です。

「基礎情報の確認」から。
事故調査の回答率は都岳連が高く労山はほぼ半分、日山協が低い。
この傾向はずっと続いているようで、所帯が大きいほど低い率になっているようです。
このデータベースの意義の浸透度の差が出ていると言っても良いかもしれません。

日山協と都岳連の会員増、ちょっと驚きました。
一方、労山は微減が続いているのですね。。。。
3団体の総計、5年で15000人増加。
おおざっぱに言えば、日山協11000人増、都岳連4000人増、労山1000人減。
単純に2003年から5年間の増加率を比較すると、
 日山協33.5%増 労山6.9%減 都岳連105.1%増
日山協が結構な増加率、都岳連は倍増というのが目立ちます。
3団体のそれぞれの割合の変化。
日山協:55.5%→60.8%
 労山:38.3%→28.8%
 都岳連:6.1%→10.3%
このまま行くと、労山が都岳連に抜かれてしまうかもしれません。

組織・未組織にかかわらず、登山者総数の推移というデータがあれば、3団体の会員数の増減から見えてくるモノがあるのではないかと思います。

ただ、変化し続ける登山者の気質に対して、各組織の感覚がどの程度マッチしているのかという差が出ているのかもしれません。

この報告書では、組織登山者を3団体プラス日本山岳会と定義して、約8万人としています。
登山者の総数は600万人とも1000万人とも言われています。
仮に800万人だったとしたら、組織登山者は全体の1%となります。
事故データベースに参加している3団体は計73000人ですので、0.9%。
さらに回答数が4割に満たない状態。
ここからいえるのは、そういうモノとしてとらえる必要があると言うことです。
決して「意味がない」というわけではありません。
すべてを網羅しているわけではない、ということです。

各団体の制度の違いで事故者数に差があるようですが、日山協の回答率の低さ、労山の事故者の高さと数死亡率の低さ、都岳連の死亡率の高さがはっきりと出ています。

① 登山事故の発生状況
「我が国における事故発生状況」で、1989年からの警察庁発表資料をグラフ化しています。
遭難者数は、ほぼ増加の一途。
特にここ10年は倍増です。
一方で3団体の遭難者合計はここ5年でほとんど横ばい。
組織加入していない人の遭難者が増加しているといえそうです。
また、3団体の加盟人数が増加していることからすると、組織加入者の遭難率は下がっているともいえます。

警察庁資料によると、平成18年の遭難者数は1853人。
おなじく2006年の3団体の遭難者数は、計479人。
全遭難者に占める3団体の遭難者は25.8%。
少し前に書いてありますが、3団体の登山者総数に占める割合は1%弱です。
その1%弱の人たちが起こしてしまった遭難事故が25.8%を占めていることになります。
以上から言えることは、組織加入することで、事故に会う確率が、かえって上がるということです。
ま、あくまでも統計の数字上の話です。
(同様のことは日々是好日83で触れました。また、組織・未組織については日々是好日201のコメント蘭でちょっとしたやり取りがありました)

事故発生状況については、欧米との比較が出ています。
各国とも増加傾向だとか。
ただ、日本に限らず、各国の登山人口の推移という母数があったほうが、率を割り出せる面もあるので、そのデータが欲しいところです。
興味深かったのは、「イングランド、ウエールズ」と日本を比較すると、ほぼ半数が無事救出など、だいたい傾向が同じこと。
「フランス/シャモニー」と比べると、負傷者の割合がかなり高く75%前後あること。
ただし、死亡(不明含む)の割合は、英仏と比べても日本のほうが倍以上あること。

やはり登山者総数という、基礎になるべきデータがほしいなあと思いました。


長くなりそうですので、続きは次回以降に。

スポンサーサイト

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2008/07/10(木) 15:15:26|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<【日々是好日205】 第5回山岳遭難事故調査報告書 その2 | ホーム | 【山日記 47日目】 またかい。。。。>>

コメント

RE:第5回山岳遭難事故調査報告

この調査も紆余曲折を経ながらも、何とか第5回を発行し、1000人を超えるデータが集まりました。

異なる団体の、異なる保険が対象ですので単純比較はできないとは言え、管理人さんの分析にもあるようにそれぞれの団体の特徴は出ていると思います。その良し悪しでなく、その特徴にあった事故対策が必要だということだと思います。

組織登山者の方が事故にあう確率が高い、というのはその通りです。
事故は、通常の事故と同じで「その山行の危険性」×「年間に山に行く回数」で表されます。行く回数がゼロなら事故には会いません。10回行く人は、1回の人に比べ10倍の可能性を持ちます。
問題は危険性です。これはその山の持つ客観的危険性と、行く人の主観的危険性が関わりますので数値化は難しいですが、同じ技量なら難しい山へ繰り返し行く方が事故にあう確率は高くなります。従って母数だけの問題ではないと思います。

いろいろな意味で英国モデルは日本にとって参考になります。(道迷いの多さ、中高年の事故の多さ・・・)しばらく英国に学ぶ努力が必要と思います。そういえばクライミングでも昨年英国のウィンタークライマーズミーティングに派遣し、今年は、クライマーズミーティングに派遣しました。多くの得るものを持って帰ってきたようです。どうして英国から優れた登山家が輩出するのか、アルピニズムの原点はやはり英国にあるようです。

  1. 2008/07/11(金) 10:19:36 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

よかっぺさまへ。

この調査、やはり継続することで意味がより重くなっていくものだと思います。
関係者の努力には頭が下がる思いです。
ただ、知人(日山協加盟団体の人間)の中にもこの報告書の存在を知らない人がいました。
もう少し広く、その存在を周知・浸透させる必要があるのかもしれません。
また、回収率の低さを象徴するひとつの側面かもしれません。(ま、本人の意識の問題かもしれませんが。。。。)

>従って母数だけの問題ではないと思います。

なるほど。。。。
のべ山行日数のデータのようなものがあれば、もう少し話は変わってくるかもしれませんね。
ただ、やはり、統計という以上、母数の存在が気になるのです。
とはいえ、母数の取り方は、よく考える必要があると思いました。

>いろいろな意味で英国モデルは日本にとって参考になります。

英国に限らず、良いところや参考になるところは取り入れるべきだと思います。
ただ、そのまますっぽりというのではなく、国内の現状を踏まえた形で、どんなふうに取り入れればよいのか、そこが重要かつ一番難しい点ではないでしょうか。

>その良し悪しでなく、その特徴にあった事故対策が必要だということだと思います。

言わずもがななことですが、統計や数字というのは、全体を知る上での一側面でしかありませんし、限界もあると思います。
統計ものに関しては、それを踏まえたうえで書いているつもりです。
おっしゃるとおり「良し悪し」を断じるものではありません。
今、何が足りないかを知るひとつの方法だと認識しています。
一側面とはいえ、現状を知り、そこから見えてくる足りないものを、どう埋めていくかということが重要だと思います。

そういう意味で、この報告書、大きな意味があるものと思い、毎回じっくりと読ませて貰っています。
また、自分は何もせず、その努力の結果だけを享受していること、ありがたいことだとも思います。

近いうちに、この報告書の後半についての感想などもアップするつもりです。
もう少々お待ちください。
  1. 2008/07/11(金) 11:21:30 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

母数について

原資料をみたことはありませんが、岳人7月号78頁に成瀬さんが、グラフを載せています。これで年代別の登山者数は推測できそうです。
  1. 2008/07/12(土) 22:44:28 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:母数について

よかっぺさまへ。

レス遅れ、申し訳ありません。
いろいろと立て込んでいたもので・・・。

20代50代60代の推移が載っていましたね。
参考にしようと思います。
ああいう統計の存在、全く知りませんでした。
きっと、他にもいろいろとあるのではないかと思います。
どこかで全部をまとめてくれたりすると助かるんですけどね。。。
  1. 2008/07/16(水) 16:48:45 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/tb.php/453-534658c7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

K・T

Author:K・T
山ヤのつぶやき。脈絡はないかも…。
 
~~~~~ メニュー ~~~~~
【日々是好日】
  日記のようなもの
【山日記】
  山に行った記録
【遭難カルテ】
  遭難事故から何を学ぶ?
【事故報告書】
  学ぶことの多いものです
【危険回避の道】
  よりリスクを減らすために
【道具を語る】
  山道具のあれこれ
【山の写真集】
  新旧織り交ぜて掲載予定
【子連れに挑戦】
  我が家的ノウハウです
【自己紹介】
  ごく簡単なものです

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2カウンター

フリーエリア

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。