山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日205】 第5回山岳遭難事故調査報告書 その2

さて、更新に間が空きましたが、前項の続きです。

②事故者年齢分布について

よく出てくる中高年というのは40歳以上、高齢者とは65歳以上。
ま、役所が決めた線引きですが。。。

毎度のように話題にされるのが中高年ですが、今回の資料はちょっと違っていました。
40歳代以下が28%で60歳代に及ばないという表記、なかなか珍しいと思いました。
また、50歳代以上を足すと、全体の72%を占めることになります。
このことから「中高年の遭難が多い」というよりも、「50歳以上の遭難が7割を越す」と表現した方が、より実像に近いのではないかと思います。

22.9%の50歳代を縮小域、60歳代と70歳代以上(計49.1%)を拡大域としています。
登山者の高齢化が、遭難者の年齢分布にもそっくり反映されていると見ていいのかもしれません。
世代別に見ても19歳未満から40歳代は横ばい、50歳代は減少と見て取れます。

次の男女別での比較からすると、5年間で男性は70歳代に向けて変化。
一方の女性は50・60歳代をピークに固まりつつあります。
大雑把に言えば、70台に入ってから、男性は同じように山を続け、女性はレベルを下げたり足を洗っている、ということかもしれません。
ただ、今後10年たったら、この女性の変化も男性と同じように変わってくる可能性はあります。

男女別の事故年齢の比較。
女性が50~65歳の間で、男性を大きく引き離しています。
これも特徴のひとつでしょう。

ただ、以上のデータに、男女別、各年代別の登山者数のデータを重ねることができれば、「率」というものが見えてきます。
「数」の比較に加えて「率」の比較をすることで、より実態に近づくのではないかと考えます。
これは、このあとに続く各国データについても同じです。

この各国データ、イギリス湖水地方については「日本と山岳事情が似ており一番比べやすい」とあるのですが、よく理解できませんでした。
「山岳事情が似ている」という点の、具体的説明がないためではないかと思います。
とはいえ、それぞれの国で全然違うことに、改めて驚きました。
こんなに高齢者の側に偏っているのは、日本の特徴といえそうです。



③登山目的

組織・未組織の違いや各国との比較。
山へのかかわり方や、レスキューへの取り組み方がそもそも違ったりするので、何ともいえません。



④事故態様

道迷いが突出しています。
これには20人の団体(パーティー?)が道迷い遭難をしてしまった場合、件数は1でも人数は20となってしまうということがあるのではないかと思います。
件数と人数を重ねることで、事故発生とパーティーの規模との関係がある程度見えてくるかもしれません。



『先ず目指す目標は「死亡率の低下」である』

これまで5回の報告書を通じて、一番明確に打ち出された方針だと思いました。

死亡率「自殺>家庭内事故>交通事故>登山>自然災害」。
なかなか面白い比較だと思いました。

死亡率の年次変化、欧米各国に比べると倍以上だということは知りませんでした。

各団体別の死亡者データについて。
労山が高齢者に多いというのがありました。
前項で触れた中に、労山の会員減少の話とあいまって、なんだかなぁ・・・と。。。。
各団体の平均年齢や年齢分布をを比べてみたらどうなるだろう?
登山者の高齢化が言われる中、組織としては最も労山にそれが反映されているのかもしれません。
ま、労山関係者にとっては大きなお世話でしょうけど。。。。




「事故データの活用(案)」

出版やWEB上での公開、是非やってほしいと思います。
情報を得ることで、「知らなかった」は減らせると思うからです。

一方で、少々不安が。。。。。

この報告書。
日山協HPには7月7日にアップされました。
労山都岳連レスキュー協のHPにはいずれも、今のところアップされていません。

また、ネット上で検索をかけても、この報告書、ほとんど話題に上っていないようです。
いくら情報が公開されても、この状態ではちょっとなぁ。。。。と思ったりもします。
先だって、組織登山者であるにもかかわらず、この報告書の存在を知らない人がいた、という話を書きました。
実際のところは、案外、そんなものかもしれません。
せっかくの情報なのに、もったいない。。。。

公開とともに、その存在や意味をもっとアピールする必要があるんじゃないかなぁ・・・・などと考えてしまいました。。。。


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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2008/07/17(木) 11:45:36|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

RE:第5回山岳遭難事故調査報告書 その2

本当によく見ておられるので、関係者としてはほんの少し言い訳を、いえ解説を追加します。
イギリス湖水地方の「日本と山岳事情が似ており一番比べやすい」についてですが、日本の道迷いも森林限界より上ではぐっと少なくなります。スイスなどもほとんどありません。イギリスは1000メートル前後の山が大半で、いわば里山との境もないし、牧羊のための獣道も多く道迷いの事故が多いのです。また、イギリスでは高年のウォーキングが盛んです。スイスでは高年は日向ぼっこしながら双眼鏡で山を見るイメージですが、イギリスではかくしゃくとしてウォーキングに挑みます。従って高年のところにも事故のピークがあります。また、標高は低くとも大西洋からくる寒気で冬は非常に厳しい気候条件となります。
死亡者については都岳連はアルパインクライマーの事故中心ですから若いです。日山協はデータ不足なだけで労山と大差ないと思います。ただし、労山はかなり早い時期にハイキング層を取り込みましたので、その部分は高齢化しているかも知れません。
日山協のハイキング層の取り込みはこの5年くらいです。
HPの件、この調査はレスキュー協が行っておりますが、レスキュー協のHPはもともとこの調査に関しては日山協へのリンクです。都岳連は、日山協の加盟団体ですので、日山協HPにあれば良いという考えです。
PRが足りないというのはご指摘の通りです。本来なら7月に行われた全国山岳遭難対策協議会で講演すべきだったのですが、いろいろあってできませんでした。でも、山岳雑誌や全国紙にもそろそろ登場するはずですので、徐々に浸透するかと思います。
HPだけで浸透させるのは難しいですね。日山協の山岳共済会のHPも、かなりコンテンツを充実させつつあるので、ぜひ一度見ていただきたいのですが、それをどうすれば伝えられるか、それがまた問題なのです。
  1. 2008/07/18(金) 20:51:25 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

よかっぺさまへ。

湖水地方の解説、ありがとうございました。
疑問が解けたと思います。
講演ではその説明もあったのでしょうね。

都岳連は以前、HPに掲載していたと記憶しています。
労山は、ただ遅れているだけなんでしょうかね。。。


ただWEBに出たものを読んで、「あれが足りない」とか「ここがわからん」とか、ほとんどケチをつけてばかりなのかも知れません。
ただ、それをまとめられた関係者の方への敬意は忘れていないつもりです。
指摘をする(ケチをつける?)にしても、しっかり読み込むことが最低限の礼儀だと思っています。
また、けなすことが目的ではなく、より多くの人に知ってもらい、考えてもらえたら・・・と思うのみです。
いろいろな角度から光を当てた方が、より実像に迫れるのではないかと考えています。
少なくとも私にとっては、とても有用な資料ですから。。。。。


警察庁資料も今日、WEBに出ました。
また考えたことを書いてみます。
  1. 2008/07/18(金) 22:51:44 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

SAR研究会

この事故調査をまとめられている関西大学の青山先生が代表をするSAR研究会が近々立ち上げられる予定です。SARというのはSearch And Resucue の略です。9月23日神戸登山研修所にて集まる予定です。
興味のある方は jma-24@b-star.jp までお問合せください。
  1. 2008/07/25(金) 06:18:53 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

Re:SAR研究会

よかっぺさまへ。

情報提供ありがとうございます。
文部科学省の安全検討会の中の議事録に、青山氏の発言がありましたね。
「専門家ばっかりが集まって」とのこと。
ちょっと敷居が高いのかも。。。。なんて思ったりもします。。。。。
  1. 2008/07/27(日) 18:51:16 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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