山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【遭難カルテ18】 唐松岳でガイド死亡

【概要】
3月15日午前8時ごろ、北アルプス唐松岳(2696メートル)頂上付近で、11日に入山後、悪天候で下山できなくなっていた名古屋市の山岳ガイド桑原禎蔵さん(53)ら4人を県警山岳救助隊員らが発見、ヘリコプターに収容した。県警大町署によると、桑原さんは死亡が確認され、他の3人は手足に凍傷を負い疲労が激しいが、意識ははっきりしているという。救助されたのは、愛知県犬山市・自営業女性(58)、同県豊田市・会社役員男性(69)、名古屋市・自営業男性(67)。4人は唐松岳に登頂後、12日に下山予定。12日昼ごろから天候悪化、行動不能になり、山頂から南西約200メートル下で雪洞を掘ってビバーク。13日になっても悪天候が続いたため、携帯電話で警察に救助要請していた。桑原さんは、今回の登山ツアーを計画し3人のガイド役を務めていた。13、14日は天候不良で空からの捜索ができず、桑原さんのガイド仲間や山岳救助隊員が地上から捜索したが、4人を発見できなかった。


【概要】
危険回避の道で何度か取り上げた、ガイド登山の遭難です。
なくなった桑原禎蔵さんは日本プロガイド協会所属の登攀ガイドです。
今回が有料のガイド登山だったかどうかは不明です。
が、他の3人の登山経験が1~5年だったとの報道もありました。
有料であった可能性は捨て切れません。
15日午後9時現在、ガイド協会のHPには全く動きがありません。

生存者の話によると、桑原さんはルートを1人で探し回ったり、雪洞を掘ったりしたようです。
15日早朝に呼吸が停止したらしく、恐らく疲労凍死ではないかと思われます。
ガイドとして、最後まで同行者を守ろうとしたことは、当然の行動だったと思います。

八方尾根から唐松岳ピストンは、雪山の初心者ルートです。
中高年の初心者を連れて行けるルートではあります。
今回はガイド込みで平均年齢62、参加した初心者3人の平均は64。
中高年というよりは、高齢者のパーティーといってもいいかと思います。
このパーティーで行くルートかどうか、まず疑問が残ります。

12日に寒冷前線が通過⇒冬型の気圧配置、というのは、10日にでも分かることでした。
このパターンなら、後立山連峰の天候が荒れることなど、当たり前のことです。
なぜ、登頂を強行したのでしょう?
当然、下山するという選択肢もあったはずです。
高齢の初心者を引き連れているなら、当然そうすべきだったと考えます。

ガイド自身に過信があったのか、登頂へのプレッシャーがあったのか。
その辺の事は分かりませんが、いずれにしても、見通しの甘さがあったと思います。

客(?)を遭難に巻き込んだこと、ガイド諸氏はどう考えるのでしょう。
また、プロガイド協会は、今後どう対応するのでしょう。
今後の推移を見守りたいと考えます。
スポンサーサイト

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/03/15(水) 21:09:55|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<【山日記 6日目】 鋸~下山編 | ホーム | 【山日記5日目】 鋸~挫折編>>

コメント

 こんにちは。
 時々、お邪魔しております。大兄ほどの実績も経験も無い単なる山好きの私ですが、今年の遭難の多いのには心を痛めております。遭難者が、私と同じ名古屋ということもあって、資料が比較的多く集まった下記を考えてみました。ご高覧願えれば、幸甚に存じます。

【唐松岳遭難を考察】
 名古屋市在住の山岳ガイド(53歳)が引率する4名のパーティが、北アルプスの唐松岳に登頂後、悪天候のため下山できずに遭難、ガイドが死亡、客3名(58、67、69歳)が救助されるという事故が起きた。
 このパーティが採った行動は、新聞報道およびインターネット各サイト記事を読んで類推すると、概ね、次のとおりである。
 このパーティは、3月11日に八方尾根から入山し、この日は、丸山の手前、標高2360mの「上の樺」の辺りで幕営する。翌12日、テントをそのまま残し、軽装備で登頂を果たした後、残置したテントを撤収して一気に下山する予定であった。
 そして計画どおりに登頂を果たしたが、この頃から天候は急変。ガスにより視界は不良と化し、慌てて下山を始めるが、東へ降りるべきところを南西(祖母谷温泉の方向への尾根)へ降りるというミスを犯してしまう。ここから先の行動の詳細は断片的情報のみで正確さを欠くが、500mくらい降りて間違いに気付いて登り返すが、動けなくなる者が出る。止むを得ず、頂上から100mくらいのところで雪洞を掘って避難して、天候の回復を待つが、翌13日も、次の14日も回復せず、15日の未明にガイドは力尽き、死亡する。この日は、天候が回復して、ヘリコプターによる捜索が可能となって、生存者3名が救助される。
 ここで、この遭難事故を素人の観点で検証してみる。
12日の天候は、朝のうちは青空も見えていたが、昼頃から悪化したとのことである。ということは、彼らが頂上に到着したのが、昼前後と考えられる。上の樺から頂上までのコースタイムは概ね2時間である。積雪期でも、カンジキが不要な雪の状態であれば4時間あれば十分に到達は可能であろう。出発時刻が詳らかでないが、これらを勘案すれば、8時ころの出発ということになる。如何に何でも、この時刻の出発は考えられず、少なくとも1時間は前にテントを後にしたであろうことは容易に推察できる。すると、5時間以上をかけて登頂したことになる。ガイドを除いたメンバーの平均年齢は65歳、登山経験も1年から5年らしい。このメンバーでは、体力不足は免れず、息も絶え絶えになり、のろりのろりと牛が歩くがごとく、やっとの思いで頂上に辿り着いたのが、私たちの姿とタブって目に浮かぶ。そもそも、このパーティの結成に問題があったと思料される。
ついで、上の樺をベースキャンプにして軽装備で頂上にアタックしたという手法についても、結果論からいって問題があった。ガイドはフル装備で同行したかもしれないが、他のメンバーは行動食程度しか持参しなかったようで、以後、3夜を過ごすことは、水、食料、燃料とも不足していた。各人がフル装備で行動をしていたら、結果は違っていただろうことは想像に難くない。
これら2点は出発時点での判断ミスであるが、一番大きなミスは、頂上からの下山時に、本来、東へ降りるべきところを、ほぼ反対の西南方向へ誤って降りたことである。ガスの中で方向を見失うことは往々にしてあるが、頂上で磁石を出して降りるべき方向を確認することを怠らなければ、最悪でも14日に頂上に到達したガイド仲間による捜索隊に救助された公算が大であった。
大きな問題点として、私が気付いたのは以上である。
これを他山の石とし、今後の私たちの山行の糧として生かしたいと思う。
最後に、全力を尽くした末、悲運な最期を遂げられた山岳ガイド、桑原禎蔵氏に衷心より哀悼の誠を捧げる。「安らかに、お眠りください!」
  1. 2006/04/16(日) 12:16:16 |
  2. URL |
  3. 三太夫 #-
  4. [ 編集]

三太夫様へ

詳細な考察、ありがとうございます。
こちらも勉強になります。

コースアウトの件、ご指摘のとおりです。
【遭難カルテ33】で触れたことと同じことですね。

天候判断、メンバーによる行程消化能力の判断と編成など、コースアウトにいたるまでの問題点はいくつかあると思われます。

積雪期に視界がない場合、下降は格段に難度が上がります。
尾根筋でも、支尾根に迷い込みやすくなるからです。
また、意外な場所でリングワンデリングに陥る可能性も出てきます。
昼頃に崩れる天候、ある程度予想できていたはずなので、それを見越した行動をとるべきだったのだと考えます。
スピードが上がらないのなら、天候が崩れる前にテントに戻る必要があったと思います。

そして、コースアウト。
道迷いの遭難が年々増えていますが、まさかプロのガイドが…という思いは消えません。
コンパスなどを利用しての位置確認の重要性を、あらためて示したケースと言えるでしょう。

また最近の裁判では、「引率型か非引率型か」「引率の場合、有料か無料か」というのがひとつの物差しとされています。
また、中高年の団体に多く見られる傾向ですが、「つれていってもらう」という人任せな考えで山に入る人が増えています。
遭難があるたびに、そのあたりが気になって仕方がないのです。

今回の件に限らず、まさに「他山の石」です。
他人の遭難を非難するのではなく、そこからいろいろなことを学べれば、と思います。
  1. 2006/04/16(日) 17:01:45 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/tb.php/46-73793f94
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

K・T

Author:K・T
山ヤのつぶやき。脈絡はないかも…。
 
~~~~~ メニュー ~~~~~
【日々是好日】
  日記のようなもの
【山日記】
  山に行った記録
【遭難カルテ】
  遭難事故から何を学ぶ?
【事故報告書】
  学ぶことの多いものです
【危険回避の道】
  よりリスクを減らすために
【道具を語る】
  山道具のあれこれ
【山の写真集】
  新旧織り交ぜて掲載予定
【子連れに挑戦】
  我が家的ノウハウです
【自己紹介】
  ごく簡単なものです

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2カウンター

フリーエリア

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。