【概要】
31日午後3時40分ごろ、北海道積丹町の積丹岳(1255メートル)で札幌市の会社員男性(38)が、下山途中に行方不明になった、と同行した仲間から警察に通報があった。男性は31日朝に仲間と3人で同町婦美の登山口を出発しスノーボードで入山。午後一時半ごろ山頂に着いたが、吹雪のため山頂付近でスキーで降りた友人とはぐれたらしい。その後、男性から8-9合目間で雪洞を掘り、簡易テントでビバークしていると無線で連絡があった。1日正午頃、道警山岳救助隊5人が山頂南側斜面で、男性が穴を掘ってビバークしているのを発見(稜線に倒れていた、の報も)。男性は衰弱してほとんど動けない状態だったという。発見から数分後、男性と救助中の隊員3人が雪庇を踏み抜き、約200メートル滑落した。隊員3人にけがはなく、自力ではい上がった。救助隊はソリに男性を収容、約1時間かけて尾根の方向に50メートルほど引き上げた。引き上げる隊員を交代するため、いったんそりを近くの直径約5センチのハイマツに結びつけたところ、この木が折れて、今度はそりが滑り落ち再び男性が行方不明に。悪天候で視界が悪いため、この日の捜索は打ち切られた。2日朝から捜索を再開、午前7時40分、標高約1000メートル付近の斜面でソリに乗った状態の男性を発見、札幌市内の病院に搬送したが、死亡が確認された。救助中に滑落事故が起きたことについて道警は「限られた人数の中で、やむを得ない判断だった」としている。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、北海道新聞などからデータ引用・抜粋)
【考察】
一旦は救助隊に収容されながら。。。。。
何とも痛ましい限りです。
さて、今回も「はぐれ」てしまった事故でした。
前項では山スキーの女性。
今回はスキー・ボード混成パーティーの事故と言えそうです。
また、同じ北海道というだけでなく、山頂付近ではぐれてビバークなど、事故のパターンにも共通している部分が多いように感じました。
スキー・ボードの区別なく、滑降時には移動速度が速くなります。
このため、下山時に視界が悪いときには、メンバーの所在を把握し続けることがより重要になってきます。
このため、ごく短い距離でピッチを切る必要があり、滑降の楽しさは大きく減ってしまうことになります。
吹雪など、天候がよくないときには早めに切り上げるなどの方法があったのではないか。。。。。
ツェルトや無線機を装備していたことから、装備面から見れば意識が低かった訳ではないと思います。
ただ、パーティーのあり方という面については、どうだろうか。。。。。
これは前項でも書いたのですが、メンバー全員の連帯責任だと思います。
はぐれたときの状況が不明なので、一般論ではありますが。。。。。
今回の件で、特異な点は救助中に2度滑落があったことです。
個人的感想ですが、1度目の滑落はやむを得ないのかな。。。。と。
ビバークしていた雪洞から引き出している間に雪庇崩落というのであれば、他に方法はないように思います。
2度目について。
直径5センチのハイマツ。
支点として適当かどうかは、現場の斜度や雪面の状況などがはっきりしない以上、是非を論じることはできません。
複数の支点を取っていれば・・・とか、もっとしっかりした支点をとか、思わないでもないですが。。。。。
現場が、そのような支点がとれるような場所だったかどうか。。。。
個人的な話ですが、以前、某県警の救助隊員と一緒に、しょっちゅう遊んでいました(
こちら)。
各都道府県警で、救助隊の力量にも当然ばらつきがあります。
北海道警がどうなのか、正直なところ私には分かりません。
が、少なくとも、富山や長野、岐阜などは特別な存在だと思います。
登山者(救助してもらう側)の立場から、危険を冒してまで助けに来てくれる立場の人たち(警察)などにあれこれいうのは、どうかとも思う面もあります。
ですが、今回の救助中の滑落については、警察の方でしっかり検証して、救助技術の向上に役立ててほしい。。。。。
そう願うのみです。
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- 2009/02/03(火) 11:56:32|
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