山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【遭難カルテ165】 北海道のトムラウシ山・美瑛岳で10人死亡

【概要】
16日午後3時55分ごろ、北海道新得町のトムラウシ山(2141メートル)に登った19人のパーティーが悪天候のため山頂付近で動けなくなっていると、パーティーの1人から110番があった。19人は東京のアミューズトラベルが企画した登山ツアーの一行で、50~60代の客15人(男性5人、女性10人)と、同行の男性ガイド(旅行関係者という報も)4人。(14日に旭岳から入山。白雲岳、忠別岳などの大雪山系の尾根を縦断し、16日にトムラウシ山から下山する予定だった。16日夜に道警に入った連絡によると、山頂付近で数人が強風や寒さのため動けなくなり、一部のメンバーは下山を開始していたが、一部は山頂付近に残っているという。山頂に残っているガイドからツアー会社に「4人ぐらいが駄目かもしれない」という内容のメールが届いたという。17日に入り、5人が自力で下山。道警などのヘリに13人が収容されたが、8人が死亡した。ガイド1人はトムラウシ山には登らず避難小屋に残ったため、遭難時は18人だったという。死亡が確認されたのは、名古屋市の女性2人(68&62)、名古屋市の男性(66)、愛知県弥富市の女性(69)、岡山県倉敷市の女性(64)、浜松市の女性(59)、広島市の女性(62)、広島県廿日市市の男性ガイド(61)。無事が確認されたのは仙台市の女性(68)、浜松市の女性(55)、愛知県清須市の男性(65)、岐阜市の男性(69)、広島市の男性(64)と女性2人(64&61)、山口県岩国市の男性(61)、札幌市北区の男性ガイド(32)、愛知県一宮市の男性ガイド(38)。自力で下山した愛知県の男性(65)によると、16日午前5時30分ごろ、避難小屋を出発したが、すでに強風が吹いていたという。男性は「『こんなので大丈夫か?』と思ったがツアーは決行された。数時間して1人目が倒れ、さらに2人目が倒れた。『起きないと死んじゃうぞ』と言ったが、寒くて自分が死にそうだった」と話した。また、一行とは別に単独で入山していた茨城県笠間市の男性(64)とみられる遺体も収容した。
また、16日午後5時50分ごろ、美瑛岳(2052メートル)でも、茨城県つくば市の登山ツアー会社オフィスコンパスから道警に「登山中の6人のうち、女性ツアー客1人が低体温症で動けなくなったようだ」と連絡があった。一行はツアー客の女性3人と男性ガイド3人の計6人で、16~18日にかけて、十勝連峰を縦断する予定で、占冠村トマムから入山し、テントを張りながら、十勝岳を経由し、美瑛岳に向かっていたという。道警は17日午前0時40分ごろ、美瑛富士避難小屋で兵庫県姫路市の女性ら(64)ら3人を発見し、さらに避難小屋から南西の標高1850メートル地点で野営していた3人を発見した。女性は既に死亡していた。兵庫県姫路市の女性(55)、埼玉県草加市の女性(62)、北海道在住の男性ガイド(32)、札幌市の男性ガイド(27)、茨城県つくば市の男性ガイド(34)は無事救出された。道警は二つの遭難事故について業務上過失致死容疑でツアー会社側に対する捜査を始めた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、共同通信、NHKなどからデータ引用・参照)



【考察】
近接する山で遭難が同時に発生、10人もの人が亡くなる大きな事故が起きてしまいました。
何ともやりきれない思いです。

さて、報道では中高年のツアーの遭難というトーンで書かれていました。
中高年、百名山、ガイド付きツアー・・・・。
今どきの山のひとつの側面を象徴するような組み合わせだと思いました。

2つのグループについてざっと見てみます。
客は60代女性10人、60代の男性5人、50代女性3人。
60代の女性が過半を占めている状態です。
今どきのツアー登山の年齢・性別、だいたいこのような感じでしょうか。
死者で見ると60台女性6人と66歳男性、59歳女性。
客が60代女性中心なら、ほぼ同じ割合で出ることになります。

どちらも山中2泊3日の縦走で、トムラウシ山は3日目、美瑛岳は初日に当たります。



以下、気になる点を順に。

年齢の高いグループを引率していくには、少々無理があったんではないかと。

特にトムラウシ山のほうは、人数が総勢19人という、完全に「団体さん」状態です。
ガイドレシオ云々以前の状態ではないように思います。
また、山中で2泊するならそれなりの装備が必要で、荷物も重くなります。
テントなどの共同装備をガイドが持つようですが、それにしても日帰りよりははるかに重いものになります。
客がその負担に耐えうるかどうか、そこに判断の誤りがあったのではないかと思います。
当然、お天気が崩れた場合の想定もしておく必要があります。
業者の幹部は「17回同じ行程でツアーをやっているが、これまで事故はなかった。天候の不運もあったのでは」とコメントしていました。
これまで大丈夫だったから・・・というのは、往々にして落とし穴だったりしますけどね。。。。

また「天候の不運」で片付けてよい問題ではなかろうと思います。
例の白馬の事故のときもそうでしたが。。。。
それが許されるのは、天変地異レベルのときだけです。
果たして今回はそのレベルだったでしょうか?

「天候の不運」というよりも「天候判断のミス」ではないでしょうか。
自力で下山してきた男性のコメントが、それを物語っているように思います。
3日目で、客にも疲労が蓄積されていることを考えれば、別の方法もあったのではないかと思います。

客が全員本州から来ていることを考えると、帰りの飛行機のことが気になっていたのかもしれません。
もしそういう面があるとすれば、ツアー登山の危険な面になりうるかもしれません。

また、美瑛岳のほうについては、入山日。
この日に「天気良くないんで、やめましょう」とは言いにくいかもしれません。
天候悪化の程度にもよると思います。
台風直撃なんていうレベルなら言いやすいけれど、そこまでのものではなかったわけですから。
関西・関東からわざわざ来て、初日に「やめます」って言われたら、客のほうも「えぇ~」ってなると思います。
感情の面のコントロール、すごく難しいことだと思います。

また、テントや食糧などをガイドが持つこと。
半ばポーターと化しているのではないかと思います。
ガイドとしての能力よりもポーターとしての能力を求められていたりはしないだろうか。。。。
少し気になりました。

自分たちのナベ・カマ・テントは自分たちで持つ。
寝床も自分で何とかするし、メシだって自分たちで何とかする。
そんなことが当たり前だと思ってきましたが、ツアー登山では違うようです。
その当たり前の積み重ねが、山で生きる力のようなものを強くしていくんではないかと思います。
なんだかうまく表現できなくてもどかしいのですが。。。。


亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

スポンサーサイト

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2009/07/17(金) 13:24:29|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<【日々是好日257】 ツアー登山の事故と問題点 | ホーム | 【日々是好日256】 映画、見てきました。>>

コメント

全容がわかりませんので推測も入りますが、気象遭難では片付けられないと思います。
すでにそういう気象状況になっているのに突っ込んで行ったわけですから天候の判断ミス(と言ってもすでに悪くなっているのでその影響の判断ミスか、もっと早く回復すると判断したか?)と、客の体力、体調の判断ミスが考えられます。
北アの営業小屋ではなく、避難小屋泊ですし、前日も雨の中歩いており、どこまで体力が回復していたか?寒くて十分寝られなかったのではないか?荷物も重くなるので着替えを持たず濡れた衣服だったのではないか?トムラウシの手前ですでに出発から6時間、悪天の影響を抜いてもかかりすぎており、低体温の兆候がすでにでていたのではないか?小屋へ引き返すタイミングがあったのではないか?
3日行程の3日目で留まるか、前へ進むかしか選択肢はなかったとは思いますが、判断が甘かったように思います。
一方で行動を中止したパーティーもありますし、行動して無事下山したパーティーもあります。調子の悪い人に引っ張られて稜線で長時間行動となり全体が低体温になった可能性も否定できません。客の装備、体力が不足していた可能性も否定できません。
エベレストでは10人に1人が死んでいます。公募登山者だけではありませんが、自分の力で行けないところにガイドが連れて行ってくれると考えていたら、それは危ない考えです。ヨーロッパのガイドはまず客が連れて行くルートを登る力を持っているか確認するそうです。客も自分の登山の完成をガイドに確認してもらうためにガイドを雇うそうです。
とてもいびつな日本的なガイドの、さらにいびつなツアー登山という形態はさまざまな矛盾を持っています。この事故が生かされ、その矛盾が解決されることを期待したいと思います。
  1. 2009/07/18(土) 00:03:05 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

近い日程で登った方々のブログです

大雪山・旭岳~トムラウシ縦走: ハイジの山歩記~ひとりごと~
http://haiji.cocolog-nifty.com/diary/2009/07/post-1b25.html

大雪・トムラウシ・十勝岳(トムラウシ編)。: たけぱぱ
http://tabipapa.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-f824.html
  1. 2009/07/18(土) 16:25:39 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集]

まだ、報道のニュースしか入手できていないが、同じ避難小屋に泊まり、無事下山した6人パーティーの話と、遭難したパーティーの女性の話で歩いていたらポカポカしてきたという記事が参考になった。
ポカポカしてきたというのは、すでに低体温症の兆候と思われる。身体が低温から身を守るため手足などの末端への血液の供給を減らすため身体の中心はかえってポカポカしてくる。低体温症で遭難した人は服を脱いでしまっている人も多い。しかし、手足に血液が行かないのでやがて歩けなくなるのである。
無事下山したパーティーは荷物を体力にあわせさらに分担し、力をあわせ一気に危険地帯を通り抜け下りている。自立登山者には可能であったが、非自立登山者にはできないことである。

20代の時に北アで救助のために台風のときに白馬山荘から雪倉避難小屋を往復したことがある。(朝から8時間行動し、2時間休憩し5時間行動)救助なので最初からきっちりした格好をして出かけた。最初の3時間は問題なかったが、19時頃から寒さを感じツエルトをかぶって何か食えば大丈夫だろうと休憩したが震えがでて飯を食うどころでなく必死の思いで小屋まで帰ったことがある。今同じ行動をしたら無事帰る自信はない。状況が同じではないが、その経験からすれば3時間で安全地帯へ抜けられないなら私は突っ込むのは躊躇すると思う。

最初に出発するかどうかの判断ポイントがあり、そこで出発と決めた時にガイドもそう考えて最初ピッチをあげようとしたのだろうが、ついて行けなかったようである。そこで引き返すかどうかの判断ポイントがあったと思われる。
それを過ぎたらどのような強力なガイドがついていても、どんなにガイドが必死になって動いても事態を変えることはできなかっただろう。あと1度チャンスがあったかも知れない。もっと早くダメになる前に客が「もうダメ」と言ったら、引き返せたかも知れない。

最初の計画がわかりませんが、エスケープのない縦走のときはやはり1日は予備日がいると思います。早くおりたら自由行動の観光日にすれば良いので、宿の問題もあると思いますが、命には代えられないと思います。
  1. 2009/07/18(土) 21:22:44 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

北海道新聞Webによりますと、投げ眼に参照させてもらいます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
道警などによると、アミューズ社が企画したツアーは14~16日の2泊3日の日程。死亡したのはパーティー19人のうちツアー参加者の59~69歳の男女7人と男性ガイド1人の計8人。死因は低体温による凍死とみられる。

 道警は事故後、アミューズ社の松下政市社長をはじめ、無事だった同社ガイドの男性(32)=札幌在住=などから任意で事情聴取し、登山計画の内容を確認。

 同社のトムラウシ山の計画表によると、行程は一日の歩行距離が長く標高差もあり、天候急変の対応も困難だったことが判明。緊急時の延泊などを見込んだ予備日もなく、17日には帰りの飛行機の便が設定されていた。また、同行したガイド3人のうち、2人はトムラウシ山への登山経験がなかったことも分かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やはり相当な無理があるようです。それとテレビのニュースで見えたのでは、旅費が15万円台となっていました。
金額を考えると予備日を設けると言うことが、つまり金額が又高くなると言うことから、なかなか無理になるのでしょう。
やはりツアー主催社は費用対効果を、求めすぎているのではないでしょうか。
参加者のレベルの問題もあるでしょうが、予備日を設けないという募集登山が内包する問題が出てしまったと、ガイドで飯を食う人たちは反省してもらいたいと思います。
  1. 2009/07/18(土) 22:00:13 |
  2. URL |
  3. 元山男 #-
  4. [ 編集]

よかっぺさまへ。

その後の報道で、少しずつ詳細が明らかになってきています。
近いうちに続報も含めて再度まとめてみようと思いますので、少々お待ち下さい。
気象判断、客の体力・状態の判断、その双方にミスがあったと思われるという点、同感です。
>最初ピッチをあげようとしたのだろうが、ついて行けなかったようである。
この点なども、まさにそうなんだろうと思います。

>一方で行動を中止したパーティーもありますし、行動して無事下山したパーティーもあります。

そのようですね。
明暗を分けた理由、必ずあると思いますが、理由の考察は次項にて(ただいま考え中)。

>とてもいびつな日本的なガイドの、さらにいびつなツアー登山という形態はさまざまな矛盾を持っています。

ご指摘の通りで、エベレストなどの商業登山も同様の危険をはらんでいると思います。
ガイド・業者や客もそのいびつさに気づいていないか、気づいていても目をそらしているか。。。。
何とも危うい感じがします。

低体温症については、年齢が高くなると体の調節機能が低下する、というような記事もありました。
60歳代中心の客ばかりなのであれば、そのあたりにもっと神経質であってもいいのかもしれませんね。



無記名の方へ。

ご紹介のブログ、拝見しました。
北海道の山に疎いもので、現場の様子など、とても参考になりました。

今後のお願いですが、何がしかのハンドルネームを入れていただけませんか?
コメントのやり取りなど、対話の際に何かと不便なものですので。。。。



元山男様へ。

>予備日を設けないという募集登山が内包する問題が・・・

そうですね。。。。
予備日については、よかっぺさまからもご指摘がありました。
予備日がないことで突っ込む選択をする可能性は高まると思います。
また、遠方から飛行機で・・・となると、余計、スケジュールに縛られることになろうかと思います。
例の白馬の事故のときも九州から、という点では今回と共通していると思います。

>やはりツアー主催社は費用対効果を、求めすぎているのではないでしょうか。

そういう面はあると思います。
ただ、これまでにも事故が起きていながら、ほとんど改善されていないように思います。
果たして今回はどうでしょうか。。。。

人の命よりも「経済」が優先されるような結果になったら、ちょっとあんまりだなぁ・・・と思います。



  1. 2009/07/19(日) 06:34:01 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2009/08/13(木) 23:17:20 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

管理人様へ、
私のブログリンクを貼っていただいたようで、感謝いたします。
この事故については直前に登っていただけにかなりショッキングでした。
21年前にも富良野岳から旭岳まで縦走しており、楽しい想い出がたくさん残っている、いい山なだけにこんなに死者が出たことには残念であるとしか言いようがありません。
事故の原因をしっかりと把握して今後このようなことが起きないようにツアー会社はしっかりと対策を講じていただjきたいと思っております。
  1. 2009/09/01(火) 13:01:21 |
  2. URL |
  3. たけぱぱ #v3oY86aw
  4. [ 編集]

たけぱぱさまへ。

はじめまして。

貴サイトへのリンクを張ったのは、無記名でコメントを残された方です。
また、貴サイトも拝見し、参考にさせていただきました。
ありがとうございます。

>事故の原因をしっかりと把握して今後このようなことが起きないようにツアー会社はしっかりと対策を講じていただjきたいと思っております。

そうですね。
ただ、これまでがなかなかそうならなかったので、ちょっと不安はあります。
登山道や山小屋の整備ではなく、ツアー会社の主体的な改善を願うばかりです。
  1. 2009/09/01(火) 22:10:40 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://yamayakenta.blog51.fc2.com/tb.php/540-d3b443d8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

K・T

Author:K・T
山ヤのつぶやき。脈絡はないかも…。
 
~~~~~ メニュー ~~~~~
【日々是好日】
  日記のようなもの
【山日記】
  山に行った記録
【遭難カルテ】
  遭難事故から何を学ぶ?
【事故報告書】
  学ぶことの多いものです
【危険回避の道】
  よりリスクを減らすために
【道具を語る】
  山道具のあれこれ
【山の写真集】
  新旧織り交ぜて掲載予定
【子連れに挑戦】
  我が家的ノウハウです
【自己紹介】
  ごく簡単なものです

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2カウンター

フリーエリア

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。