山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日264】 10月号、2誌ともトムラウシ特集

15日に発売された「山と渓谷」「岳人」10月号。
どちらもトムラウシの特集、10ページを超える力の入れようでした。

普段はどちらも立ち読みか図書館なのですが、今回は両方買ってしまいました。
計1680円の出費は、結構イタかったのですけれど。。。。。

以下、思いつくままに読んでみた感想を。


まず、山と渓谷(以下、山渓とする)。
巻頭に特集を持ってきたのには驚いた。
変わりつつある「山渓」を象徴するトピックの一つかもしれません。

さて、その内容について。

パート1は、参加者の1人からの聞き取りをもとに、「遭難までの経過と問題点」としています。
読んでみて、問題点はどこに?
経過は生々しく伝わってくるのですが、問題点の指摘が・・・・・・・ない。
やられた。。。。。

ひたすら吐く女性(68)の話が出てきます。
吐くと、ものすごく消耗するのですが、何度も吐いた彼女が最初に動けなくなったようです。
このような状態の人、どこかの段階で下ろした方がよかったんではなかろうか?
体調不良なのか癖なのか、その辺は不明ですが、いずれにしても同じだと思います。

パート2検証1気象は「風の恐怖」。
書き出しでまた???
「トムラウシ山の遭難は悪天候が原因でおこった、いわゆる気象遭難である」
天変地異レベルで、人間の判断力を持って避けえないものであれば「気象遭難」であってもいいと思います。
人間のレベルで判断できるものであれば「悪天候が原因」ではなく「悪天候にうまく対処する判断ができなかった」ことが原因であろうかと。。。。
あんまり軽々に「気象遭難」という言葉を使わない方がいいのでは?
原因の究明等の際に「天気が悪かったから」の一言で片づけてしまうような動きにつながりかねないので、そう思うのです。

と、思ったら、末尾に「ガイドの判断が問われなくてはならない」。
判断ミスの可能性を、ちゃっかりと示唆している。。。。

気象の専門家の話などから、当時の風の強さについて説明。
濡れた状態で強風下の行動について書かれています。
で、そんなとき、どうしたらいいか・・・・・・というのは、なにもありません。
登山者としてほしい情報というのは、そういうことだと思いますが。。。。
毎度ながら、食い足りなさが残ります。。。。

パート2検証2ガイドは「悪天候の中を強行」。
副題に「低体温症の兆候を見抜けなかったのか?」。

「遭難の原因はガイドの判断ミスだった。」
山渓にしては珍しく、冒頭ではっきりとガイドのミスを断定しています。
あの白馬の事故のときに、こんなことはなかったような気がしますが。。。。

2ページにわたって文章が展開されていますが、一番役に立ちそうなものは低体温症の症状と対処法の一覧表。
正直なところ、私自身もあまりよくわかっていなかったのですが、少し理解が進んだように思います。

気になったのは、「ツアー登山の特殊性」という小見出しから始まる最後の項。
正直に言って、よく理解できないのです。。。。。
ツアー登山とガイド登山は違う、とでも言いたいのでしょうか。。。。
にしては、違いの説明が不十分で、とても「別物」とまでは思えませんでした。
特に最後の段落、全文を引用します。

「登山は、困難な対象へ挑戦し、それを克服して登頂したり、コースを踏破したりという達成感がある。ガイド登山なら、まだそういう喜びを追及する余地があるが、ツアー登山に関しては、その種の冒険的要素を求めてはならない。その代わりに、限りなく100パーセントに近い安全を保証するべきである。」

「登山は」で始まる1文目は、その通り。
「ガイド登山なら」で始まる2文目から????になってきます。
1文目にあるような達成感や喜び、ツアー登山でも十分得られる余地はあると思います。
いかなる形態であっても、登山の目的は、1文目の言わんとするところじゃないでしょうか。
よって「ガイド登山なら」と言われても、なんだかなぁ。。。。と。
「その代わりに」で始まる3文目。
文章の流れからいえば、ツアー登山はガイド登山と違って、冒険的要素を求めない代わりに高レベルの安全保証が必要、ということになります。
これをそのまま裏返すと、次のようになります。
ガイド登山はツアー登山と違って、冒険的要素を求めてもよいが、その代わりに高レベルの安全保証は・・・・・・・。

書いててコワくなってきました。

パート2検証3登山客は「生死を分けたもの」。
副題は「まず基礎体力。あきらめない意志を強く持つ。」

意志を強く持つ、なんて精神論のにおいがかなりきついですが、それはおいといて。
衣類などの装備と行動中のエネルギー摂取の重要性が書かれています。
これ、大事なポイントだと思います。

で、気になったところは、ツアー会社が用意した装備リストについて。

「ちなみに、ツアー会社が配布した装備リストには着替えは書かれていない。」

最後の方からも引用。

「装備の不十分な人が死亡したという報道もあったが、ツアー会社の配布した装備リストはきちんとしており、登山客はこれを守っていたと思われる。」

さて・・・・・・着替えの記載のないものをきちんとした装備リストといっていいんだろうか?
「守っていたと思われる」って、「守っていた」確証がないわけで、検証が不十分では?

新聞・テレビ・週刊誌などへの反論だろうけれど、すでに出てしまった報道を否定するのなら、もっときっちり詰めた方がいいように思います。

パート3特別インタビュー。
生還した参加者へのインタビューで構成されています。
「『ツアー=寄せ集めの集団』というわけではない。みんなが助け合って下山しようとしていた」の題。

パート1と同様に生々しい状況や、参加者が助け合う場面が浮かんできます。

で、気になったのは表題。
あえてもう一度書きます。

「『ツアー=寄せ集めの集団』というわけではない。みんなが助け合って下山しようとしていた」

おそらくインタビュー中の言葉を短くしたものだと思われます。
その該当部分と思われるのは以下の通り。

「マスコミには「ツアーだから寄り集まりの集団だった」と報じられていましたが、それでも皆さん一生懸命助け合って下山しようとしていました」

なんかニュアンスが違っているような。。。。。
ご本人は「寄せ集めではない」と、明確に否定はしていないように読み取れました。
そもそも寄せ集めでなかった証明がまったくありません。
さらに言えば、パート1で出てきた吐く人のことを、参加者が体調不良か癖なのか、よくわかっていなかったこともあります。
「寄せ集めではあったけれど、お互いに助け合っていた」というところじゃないのかなぁ。。。。

これは、インタビューに応じた側の問題ではなく、インタビューをし、雑誌を作る側の問題だと思いますが。。。。


パート4対談。
JATA登山部会長・黒川氏と日本トレッキング協会理事・越谷氏、司会は編集部。
黒川氏は日本山岳ガイド協会の認定ガイドでもありますが、終始、JATA関係者の姿勢でした。

越谷氏の発言から

「ただ技術と経験があってガイド資格を持っていればいいかというと、それだけじゃないと思うんですね。このガイドと行けば安心だという信頼性ですよね。それをお客さんが判断するのは難しいんですけど。」

事故についていえば、ガイド・業者名の公表というのが一つの方法だと思います。
事故の多い(そのいくらかは「不運」もふくまれるけれど)ガイド・業者であれば、ユーザーとしては安心できにくい。
一つの選択の目安となるのではないかと思います。

黒川氏の発言から。

「ツアー登山を行っている会社のトップのなかにはガイドラインを読んでいない人もいるようなので、まず読んでもらう必要があります。ツアー登山というのは旅行商品の特異な分野であることを旅行会社のトップに理解してもらい、同時に所管官庁である観光庁にもわかってもらうこと、そこが今後のわれわれの課題でしょう。」

以前コメント欄などで触れた、JATAのガイドライン
意外に浸透していないことに驚きました。
業界内の意識レベルの向上からやらなければならないとしたら、えらいことですね。。。




山渓を読み終えて思ったこと。
あきらかに「ツアー登山」と「ガイド登山」の間に線を引こうという意図が見えます。
対談の中などにガイドの資質についての記述があるように、両者は密接につながっているはず。
となると、看過していいはずはないと思いますが。。。。

また、提言や見解が薄いように思いました。
メディアである以上、それなりのオピニオンは必要だと思います。
とはいえ、例の白馬の事故、大日岳訴訟のときから比べると、少しずつそういうものが出始めているようにも思います。


長くなってきたので、岳人については後日。

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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2009/09/22(火) 13:39:59|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

広告主を貶める事は書けませんからねぇ・・・
ミシュランガイドみたく優良ツアー社などの紹介があれば少しは業界の向上が見られるんでしょうけど、
何処が良いか悪いかの判断材料すらない現状では格安などの売り文句で募集を募るのが関の山。
何とかならないものですかねぇ。

連休の槍ヶ岳
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/8e/c75132889de034ed2513a853e1eb0a5c.jpg
http://up3.viploader.net/sports/src/vlsports000174.jpg

上が落ちたら将棋倒しならぬ積み木崩しになりそうです・・・
  1. 2009/09/23(水) 21:32:12 |
  2. URL |
  3. fog #64TjWBNY
  4. [ 編集]

fogさまへ。

判断材料の提供としては、やっぱり情報の公開が必要だと思います。
ただ、現状ではそれもほとんどない状態ですね。
事故を起こしてしまった会社のHP、これまで見たところ、何もなかったようなところが多いのも気になります。


何とかいい方法が見つかればいいのですが。。。。
  1. 2009/09/24(木) 15:10:09 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

今回の特集は山渓と岳人のスタンスの差が良くでていたと思います。
岳人は登山として、登山者として事故を語っていますし、山渓は登山というビジネスで事故を語っています。

ガイドにもアルパインガイドとトレッキングガイドがあるようですので、後者はかなりツアー登山と重複するところがあると思います。
まあ、ビジネスとしてみれば事故の影響を最小に抑えたいわけで、これはガイド登山の事故ではない、ツアー登山の事故だ。それもツアー全体が悪いのではなく一部の会社が悪いのだ。としたくなるのは理解できなくもありませんし、事実そういう要素も大きかったかも知れません。
とはいえガイドレシオを守っていたら今回の事故は起きなかったかと言えばそうでもないように思います。登山技術はもちろん基本的な生活技術も無い人もいる烏合の衆を率いている限り、最悪の事態の発生するリスクは常にあると思います。
そのリスクに耐えられるような体制をとれば非常に高い費用がかかり商売としてペイしないかも知れません。そのリスクを減らすには面倒でも参加者に基本的な登山技術、生活技術を教え、登山教室を経て、合格した人だけがいけるような工夫がいるでしょう。技術を教えたら自分で登るようになるかも知れませんが、また新しいお客さんが来ますし、次のステップに進むときにツアー登山やガイド登山を利用するよう囲い込むこともできるでしょう。

私どもの団体でも、単に指導員を認定するだけでなく、これからは全国的に各種レベルの登山教室をすべきではないかと考えて検討しています。ただ、今までのように無償に近いボランティアではやれることはしれています。続けられるだけの費用は頂く必要があると思います。岩登り、クライミングのうまい人はたくさんいますが、基本的な登山技術、生活技術をきっちり教えられる人は少ないです。

登山界全体で何とかしないといけないという雰囲気はあるのですが、それぞれの団体の立場も影響力の及ぶ範囲も異なり、現状ではバラバラな動きになっており残念です。
  1. 2009/09/24(木) 21:09:35 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

よかっぺさまへ。

>今回の特集は山渓と岳人のスタンスの差が良くでていたと思います。

ああ、先を越されてしまいました。。。。(笑)
そのスタンスの違いについて、拙文、アップしましたので見てください。


>岳人は登山として、登山者として事故を語っていますし、山渓は登山というビジネスで事故を語っています。

個人的には、読者=登山者だと思いますので、登山者の立場から、もしくは登山者に向かって、というほうがいいと思います。

>まあ、ビジネスとしてみれば事故の影響を最小に抑えたいわけで、これはガイド登山の事故ではない、ツアー登山の事故だ。
>それもツアー全体が悪いのではなく一部の会社が悪いのだ。
>としたくなるのは理解できなくもありませんし、事実そういう要素も大きかったかも知れません。

ですね。。。。
ただ、JMGAが調査に乗り出すと発表してしまった以上、「これはガイド登山の事故ではない」というのは難しくなってきたのではないでしょうか。

>岩登り、クライミングのうまい人はたくさんいますが、基本的な登山技術、生活技術をきっちり教えられる人は少ないです。

個人的には、高校・大学の山岳部がそういう場でした。
今頃になって、「ああ、あの時のアレはこういう意味だったのか」と思うこともしばしばです。
後輩には、「こうするもんじゃ!」とやってましたが、理解もないままに、上から教わったままに・・・・だった面があったのですね。
結果としてそれが間違っていなかったのなら、それはそれでいいんですが、もうちょっと考えればよかったなぁと。。。もう遅いか(笑)


国家資格云々も含めて、登山界や業界で統一ルールを作る必要があるところに来ているのではないかと思います。
まあ、組織のメンツやら既得権やら採算性やらといった、障害は多そうですが。。。。

もうちょっと何とかしないと、また、同じようなことが起きるような気がします。

  1. 2009/09/25(金) 10:28:46 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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