山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日265】 10月号、2誌ともトムラウシ特集 その2

前項に続いて、今回は岳人10月号。

山渓とダブらなように、ということを念頭に置いてみます。

146ページからという、真ん中よりやや後ろの場所で展開。
1ページ目のみカラーで、後はモノクロページ。

事故までの行動概要が4ページにわたって一覧表になっています。
時系列で概要をたどるとともに、参加者へのアンケート?も添えられており、全体像を把握するにはいいのではないでしょうか。
些細な突っ込みを入れるとすれば、「事故までの」ではなくて、「ツアー開始から捜索終了までの」なんですが、ま、そんなことは置いといて。

続いて4ページにわたる本文があります。
全体を俯瞰しての総論的なものだと理解しました。

「ツアー登山のメリット!? 登山ブームとツアー登山」
参加者の言葉、引用します。

「荷物をそろえるだけで、なんの予備知識も身につけずに行かれる。ツアー登山の良さはそこにあると思っていました。今回も2日前に荷物を揃えていたていたらく・・・・・・。でも、やはり山に行くにはこれではいかん、改めてそう思いました」

ツアー登山のメリットをそう考えている人は多いのかもしれません。
事故にあった方が絞りだした「これではいかん」の言葉。
重く受け止めなくてはならないものでしょう。


「原因はどこにあったのか ツアー登山の中身」
場所取りのため避難小屋に残ったガイド補助。
残されたのは人だけでなく、装備類もあり、この装備が原因の一つと指摘。
なんと、その中に10人用テントやコンロなどがあったようだ。
それを持って出発していれば別の展開があったかもしれない、と思います。

後半の部分でお金の問題に触れています。
ツアー・ガイド登山とそうでない登山の最大の違いのうちの一つが、このお金の問題。
従来、事故があった時には、あまり触れられることのない領域でした。
ですので「よくぞ!」と思いました。
1ツアーで200万円を超えるお金が動くこと、正直言うと驚きました。
事故のツアー、後続のツアー、7月下旬に4ツアー・・・・・・。
アミューズトラベルのヒサゴ沼避難小屋使用ツアーで、7月だけで1200万円を超える金銭が動くことになります。
金銭の問題については厳しい指摘が続きます。

「北海道のツアーが「ドル箱」といわれるゆえんだ」
「ツアー会社は、トムラウシ山を、〝振れば金出る打ち出の小槌〟としか見ていなかったのではないだろうか」


かなり強烈な言葉が並ぶが、同感。
むしろツアー会社からの反論が見てみたい気がしました。

「会社第一のツアー計画 押し出し型ツアーの実態」
さきほど触れた1組しかない装備について。
必要な装備だからこそ、避難小屋までは運んでいたわけです。
後続のツアーにとっても必要なもののはずで、本来なら2グループで2組の装備が必要ということになります。
だのに、なぜ、1組なのか?
事故にあったツアーは避難小屋まで、後続のツアーは避難小屋から先だけ。
そういうふうに必要性が区分できるもんなのかな。。。。
もう少し、そこに切り込んでもよかったと思います。
「会社側にとって楽な効率重視・経費削減型」ではあるけれど、会社側の見解がほしかったなぁ。。。。

「さまざまなことが、山登りの常識から懸け離れてはいないだろうか。会社側のツアー形態に最悪の結果を招く要因があったことは否定できない」

おっしゃる通り。

「バラバラになった19人 人数が多すぎるのではないか」
当サイトでも触れた点です。

「一行はバラバラになってしまったのではなく、ツアー主催者であるガイドたちが「バラバラにしてしまった」といえる。」

厳しい指摘ですね。

「なぜ引き返さなかったのか いくつかの理由」
ガイドと客の年齢差からくる基礎体力の差を、理由の一つに挙げています。
これはちょっと気づきませんでした。

最も先行したガイドのザックに4人用テントがあったこと、初見です。
せっかく持っていたのに役立てられなかったなんて。。。。。。。

「生死を分けたものは何か 生存者の話から見えてくること」
装備について、参加者の証言と写真から「おかしなところは見受けられなかった」としています。
山渓よりは具体的ですが。。。
かなうならば、具体的に全員の装備を調べられれば、なおよかったのかなぁ。。。と。

参加者の言葉。
「ツアー客はみんな烏合の衆。遠慮とお客意識がある。それもみな『ツアー』だから」
「だから、自分を前に出すのではなく、ガイドを信じてついて行くんです。でも、今回は裏切られた感が否めない」

ツアー登山の中身を象徴しているような気がしました。

アミューズ社が配った装備表に、地図・コンパス・ライターなどが必携装備ではなかったと指摘。
このことへの評価は割れるかもしれないと思いますが、山渓は「きちんとしていた」。
ここに両誌のスタンスの違いが見て取れる気がします。
個人的には最低限の身を守るための道具は必要不可欠だと思います。

再び参加者の言葉。
「アミューズのガイドは若い人が多いためか歩幅は広く、段差のある個所などの歩き方も後続のツアー客を考えたものではないです。だから、ガイドは『道案内人』であって、命をあずける人ではないのだなと日頃から思っていました」

日頃から、というあたりに、常連さんのような気がしました。
全然信用がないですね。。。。。
「命を預ける人ではない」のであれば、なおのこと地図やコンパスは必要になってくるのではないでしょうか。
少なくとも装備リストは顧客の評価と見合っていなかったと言えそうです。

「ガイドの登山センス 経験と実績の先にあるもの」
論旨はおおむね同感です。
ただ、気になったのが一点。

「ツアー会社に聞いてみたいことは山ほどある。」

今回の岳人への最大の不満はここです。
それを聞いて記事にしてもらいたかった。。。。。
取材に応じなかったのであれば、そのように書けばいいと思います。
そのことも含めて、事故後の対応に関する記事になったのではないかと思うからです。
取材していないのか、取材に応じてもらえなかったのかは不明ですが、残念。。。

「事故から一カ月以上が経過 それぞれの動き」
事実関係はすでに報道されたもののまとめ。
参加者の心の傷、痛々しい。。。。。

「最後に トムラウシ山は危険な山なのか 神々の遊ぶ庭に新しい避難小屋はいらない」
避難小屋新設については以前こちらで書きました。
私も「いらない」と思います。



「低体温症とはなにか 夏でも死に至る危険」
山渓と比べると、ずっと具体的。
メカニズムや対処法が記されています。
読んでおいて損はないと思います。


「ツアー登山の安全性を考える」
溝手弁護士による稿で、ツアー登山ならではの危険性や問題点が挙げられています。

「ツアー登山で引率者が対処できる範囲を超えた登山は、ガイドが個々の客の力量を把握したうえで客との間の信頼関係を前提とする少人数のガイド登山の形態をとるべきである。」

山渓ではよくわからなかったツアー登山とガイド登山の線引きが、少しわかったような気がします。
ただ、ツアーの引率者もガイドなんですよねぇ。。。。


「日本のツアー登山 山のプロガイドの進むべき道とは」
末尾の段落を引用します。

「山岳ガイドが国家認定資格となることが最善の道なのかどうかは、まだ多くの検討すべき点がある。しかし、現状のまま曖昧に進み続けることは、そろそろやめなければならない時がきているのではないだろうか。」

ほとんど無法地帯と言っていいような現在の「ガイド」という肩書については、繰り返し触れてきました。
日本山岳ガイド協会設立への熱い思いが記されています。
それはその通りだと思います。
ですが、その一方でアルパインガイド協会が離脱するような事件?も起きました。
進むべき道を示すうえで、触れておいてもよかったのではないかと。。。。。
その事実と、その意味、それを伝えるのも山岳雑誌には必要なように思います。



また長々と書いてしまいました。
もう少しだけ書きたいことがあるので、もう一回だけ、この項、続けます。。。。



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