【概要】
10月31日午後3時20分ごろ、宮崎・鹿児島県境の霧島連峰・韓国岳(1700メートル)で、小学5年生の男児(11)が行方不明になったと下山した家族から警察に通報があった。男児は31日午前11時20分ごろから、両親・祖父・妹の5人でえびの高原から韓国岳に入山。2合目付近から「先に行くね」と言って1人で先行。その後、家族が頂上についても男児の姿はなく、下山後に父親(40)が通報した。捜索の結果、11月2日午後0時26分、鹿児島県側の8合目付近の沢で肺停止状態の男児を発見、搬送先の病院で死亡が確認された。現場は韓国岳山頂から鹿児島県側の大浪池に下る登山道のほぼ中間地点から、西へ150-200メートル外れた沢の底。沢の水は枯れており、男児はあおむけに倒れ、はいていた靴の片方がなくなっていた。近くに帽子、ペットボトルなどが点々と落ちていた。死因は低体温症で、死亡推定時刻は1日未明から早朝にかけてとみられる。頭部の骨折のほか、右目周辺は広く内出血していた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、共同通信などから、データ引用・抜粋)
【考察】
中高年や高齢者という話が多かったのですが、子供が亡くなる事故。
子を持つ親として、痛ましい限りです。。。。。
また、子連れで山に行く機会の多い者として、考えさせられる事故でした。
九州の山は屋久島以外は全く手付かずなので、個人的には具体的なイメージがわきにくい。。。
えびの高原から韓国岳へのルートは1時間~1時間半で、比較的のぼりやすい山だそうです。
事故のあった31日は好天で、登山客も多かったようです。
おそらく、頂上でお弁当を食べてから下りてくる計画だったのではないかと思います。
「先に行ってくるね」
小学5年生といえば元気の盛り。
親といえども、ついて行くのはなかなかのものだと思います。
妹や祖父の年齢が不明なのですが、その人たちとのペースも合わなかったのではないかと思います。
あまりにゆっくりだと、先に行きたくなる。。。。。。。
周りの人にどんどん追い抜かれるとなおさら。。。。
その辺の抑制が効かないのも子供ならではでしょう。。。。
31日に事故発生。
登山客が多かったにもかかわらず、発生の瞬間を目撃した人はいなかったようです。
もし、家族と一緒のときであったなら。。。。。
少なくとも発生場所は特定できるし、死亡推定時刻が1日だったこと、死因が低体温症であったことなどから、別の展開があったことは容易に想像できます。
えびの高原の2日午前8時の気温は4度だったそうです。
この事故の少し前に、大山に行ってきました。
標高はほぼ韓国岳とほぼ同じですが、正午ごろの頂上の気温は1ケタでした。
朝夕はかなり冷え込んだと思われます。
子供と歩いていて思うこと。
思わぬほうへ行こうとする、思わぬところでコケる・・・・・。
まさに「思わぬこと」の連続です。
フラフラと崖の方へ行くのを何度ひきとめたことやら。。。。
やはり、常に一緒に行動することが一番大事なことだと思いました。
一方で、親は衰えゆくのみですが、子供は成長まっしぐら。
親にとっては、体力的にだんだんきつくなっていくことも間違いありません。
それでもなお・・・・・一緒に行動できる方法を考える必要があると思いました。
また、防寒着や食糧は毎回多めに持っていくようにしているのですが、実際には親がいないと役に立ちません。
持っていくものが弁当と上着だけだったら、何かあった時に対処できないことは言うまでもありません。
個人的には、ウチはまだなんとか一緒に行けるように思います。
(そろそろ嫁さんはキツいなんて言ってますが・・・・)
ですが、自分の体調・体力の管理も、重要になってくるんだなぁ・・・と、気を引き締める必要がありそうです。
登山者の高齢化が問題視されて何年にもなります。
子連れ・家族での登山というのは、この問題への一つの答えかもしれません。
ただ、大人だけのパーティーで行くのと比べると、気を配ることがはるかに多く、疲れることもしばしばあります。
ですが、笑顔で「また行こうね」と言われれば、「よっしゃ!」となるものでもあります。
一方で、リーダーやガイドなどの責任とは全く違う「保護者としての責任」という、とてつもなく重いものがある。。。。。
改めてそう思った事故でした。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2009/11/04(水) 15:00:12|
- 遭難カルテ
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ファミリー登山を悲劇にしないために 保護者やリーダーが危機管理をきちんと認識しておく必要・・・・・・・・・・・・
- 2009/11/05(木) 09:44:02 |
- 新立教大学院・21世紀:危機管理研究会のプログ