山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日288】 昨年の遭難者の統計 その2

前項からの続きです。

様態別について見ていきます。

総計中高年非中高年項目内比率(%)
人数割合(%)人数割合(%)人数割合(%)中高年非中高年
総数76961006115100156410079.6320.37
滑落127316.58107517.5819812.6684.4415.55
転倒98512.8385213.931338.5086.5013.50
転落3845.003285.36563.5885.4214.58
道迷い301739.29230237.6571545.7276.3023.70
疲労4626.023515.741117.1075.9724.03
病気6198.064928.051278.1279.4820.52
落石560.73410.67150.9673.2126.79
雪崩1241.61651.06593.7752.4247.58
落雷240.31140.22100.6458.3341.67
悪天候1241.61971.59271.7378.2321.77
有毒ガス000000----------------
鉄砲水300.39260.4340.2686.6713.33
野生生物襲撃1612.101362.22251.6084.4715.53
不明1702.211552.53150.9691.188.82
その他2503.261812.96694.4172.4027.60

全体でみると、道迷いがほぼ4割を占めているのが目を引きます。
以下、滑落、転倒、病気と続きますが、道迷いはこの3項目の合計とほぼ同じ。
いかに多いかということがわかります。

年齢別でみると、滑落、転倒、転落はやや中高年が、道迷いと疲労はやや非中高年に高い数字が出ています。

まず注目したいのは「雪崩」。
非中高年にかなり高い数字が出ています。
前項で書いた、山スキーと同じ傾向でしょうか。
この2つ、密接に関連しているんじゃないかと思うんですが。。。。。

目的別・様態別に、もっと詳細な年齢分布や、死亡・負傷などの内訳が分かれば、より具体的に現状を見られると思います。




続いて年齢別。
5歳刻みで17の階層に分けた統計が出ています。
人数は今さら・・・なので、割合のみ4年分表示します。
単位は%、〇数字は順位。

年代H18H19H20H21総計
14歳以下2.973.652.954.603.56
10代後半1.241.441.712.541.75
20代前半2.813.043.362.732.98
20代後半2.862.713.003.843.12
30代前半⑩3.94⑧4.81⑨3.93⑧4.894.39
30代後半⑦4.86⑨4.76⑨3.93⑩4.564.51
40代前半⑧4.75⑩3.87⑧4.50⑦4.944.52
40代後半⑨4.59⑦5.37⑦5.48⑨4.705.02
50代前半⑤8.96⑤7.63⑥7.04⑤6.957.60
50代後半②13.98②14.55③12.11④10.3612.63
60代前半①15.76③13.88①16.71②14.2415.11
60代後半③13.11①14.77②13.09①14.4413.83
70代前半④10.58④9.51④10.24③11.1310.37
70代後半⑥6.26⑥6.58⑤7.35⑥6.146.56
80代前半2.052.713.262.692.68
80代後半0.970.550.931.100.90
90歳以上0.320.170.360.140.25
不明0.000.000.050.000.01

上位10位を3つに分けてみます。

まず上位グループ。
50代後半、60代前半、60代後半、70代前半。
 大雑把に言えば65歳前後10年というところです。
この“4強”が、常に上位4位までを占めています。
構成比も、ほぼ毎回10%超。
4つの平均でも10%を軽く超えてしまいます。
この4つだけで、全遭難者の過半数を占める結果になっています。
中高年の遭難が・・・というよりも、この4つの年代層が極めて多いというほうが、より正確だと思います。

続いて第2グループ。
50代前半、70代後半。
上位グループの前後の年代になります。
この2つは、常に5位・6位で、大雑把に言えば7%前後。
上位グループ予備具軍としての50代前半、それを通り過ぎたばかりの70代後半といったところでしょうか。
80代前半になると、数字が半減するのも興味深い結果になっています。

そして第3グループ。
年代が下がって、30代前半、30代後半、40代前半、40代後半。
この4つはもみ合いながらも、常に7~10位に位置しています。
平均するとおおむね4%台。

わずか4年分ですが、年々分布のピークがじわっと年代を押し上げているような感がします。
登山者の顔ぶれが同じならば、毎年1歳ずつ上がり、5年で入れ替わる計算になります。
もし、そうなのであれば、30年後には遭難件数がぐっと減る、ということになります。
が、実際はそんなことにはならないと思います。

少し前にも書きましたが、この項目にも詳細なデータが欲しかったなぁ。。。。。残念。




次に単独行。

全体に占める件数と人数の割合(%)を出してみました。
H18H19H20H21総計
単独件数35.0734.3036.6639.8036.58
人数26.8228.1530.9431.9929.57
非単独件数64.9365.7063.3460.0263.42
人数73.1871.8569.0668.0170.43

単独登山者の割合が、じわじわ増えているようです。
4年で事故件数:3割5分→4割、遭難者:2割6分→3割となっています。

個人的な印象で言うと、予想以上に多いなぁ・・・と。
全登山者のうちの単独の割合がわからない以上、多いかどうか、はっきりとしたことはいえませんので、あくまでも印象です。。。

単独・非単独の、被害程度の内訳(%)を比較してみます。
H18H19H20H21総計
単独死亡21.5320.6319.5719.1920.12
不明4.433.933.344.804.14
負傷34.2131.4332.6131.9332.50
無事39.8444.0144.4844.0843.24
非単独死亡10.629.8510.199.9410.15
不明0.370.460.601.130.65
負傷35.2539.8537.6832.2335.95
無事53.7650.7351.5456.7053.25


これから見ると、単独行で遭難した場合、死亡率が1割高く無事救出される率は1割低いといえます。
また、単独行で遭難した場合、4分の1が死亡・不明となり、非単独が1割程度であることと大きな開きがあります。

同行者がいない状態で遭難すれば、現場の特定がはるかに困難になるので、単独の方が不明の割合が高いのは、当然の結果だと思います。

次に、全遭難者に占める単独遭難者の割合を見てみます。

H18H19H20H21総計
死亡・不明46.4048.2648.7550.4748.55
死亡42.6345.0646.2547.5845.43
不明81.4876.9271.4366.6772.87
負傷26.2324.0227.9431.7927.52
無事21.3625.3727.8826.7825.43

死亡不明が年々増加し、H21で初めて50%超に。
「帰らぬ人」となったうちの過半数が単独登山者だったということになります。
先に見たように、全遭難者に占める割合が増えている以上、当然の帰結かもしれませんが、ちょっとしたポイントの一つですね。
負傷、無事もそれに連動する形で増加しています。

注目したいポイントは、行方不明。
この項目だけは、年々減少しています。
H18からの4年間で、ほかの項目は最大で5%程度増加しています。
が、不明に関して言えば、8割超だったのが3分の2まで低下しています。
単独遭難者の行方不明者は、22→20→20→32と、減少しているわけではありません。
裏返していえば、非単独登山者(=2人以上のパーティー)で、不明者が出るケースが増えているということです。

実際に不明者総数は4年で129人と、大きな数字ではありませんが、くっきりと傾向が表れています。
非単独の不明者数の推移は、5→6→8→16。
たった4年分で、しかも小さい数字を頼りに傾向を判断する危険はありますが、確実に増えています。

遭難カルテ等で何度か書いた「はぐれ・置き去り型」の事故が増加している、ということでしょうか。

パーティー丸ごと行方不明というならいざ知らず。
下山まで行動を共にしていれば、パーティー内から行方不明者が出るケース、そう多くないはずですが。。。
すでにパーティーとして機能していないケースが増加しているんではなかろうか?
猛烈に危うさを感じてしまいます。。。。。




最後に、携帯電話。

H18H19H20H21総計
事故件数14171484163116766208
携帯電話54170873310032985
38.1847.7144.9459.8448.08
無線機81143320148
5.720.942.021.192.38
なし7657228656533005
53.9948.6553.0338.9648.41

各項目の上段が件数、下段が割合です。

H21で携帯電話の件数がぐっと増え、割合も大きく伸びて6割に近づきました。
かつては無線機しかなく、携帯電話の普及と比べることはできない状態でした。
一般に通信危機が普及したため、通報も増えているんじゃないかと思います。
今や必携装備と言っていいでしょう。

ただ、通信手段が普及したことによる、危惧もあります。
まず、「安易な通報」が増えていること。
自分で何とかすべき場面でも、つい携帯で・・・なんてことはありそうです。
大ごとになる前に、早めの通報ができることはいい面ですが、裏表といったところでしょうか。

携帯電話が万能でないこと、改めて言うまでもないことですが。。。。
電波圏外だったり、電池切れだったり、故障したり。。。。
せめて充電器ぐらいは持って行こうと。。。。。

通信手段なしが4割いる現状、忘れてはならないと思います。







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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2010/06/19(土) 23:29:44|
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