山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【日々是好日289】 昨年の遭難者の統計 その3 おしまい

さて、延々と書いた昨年分の遭難者統計の話。
ざっとまとめてみます。

件数、遭難者数は増加の一途で、昨年は記録更新。
死亡・不明者数と無事救出人数も記録更新。
割合でいえば、無事救出が上昇し、ここ何年かはほぼ5割に。
死亡・不明の割合は低下中。
遭難者の被害程度は、軽度な方向へシフトしているようです。
中高年の遭難者は全体の約8割。
50代後半から70代前半が全体の5割を占め、中高年中の6割強を占めている。
50~70代で見ると、全体の6割、中高年中の8割近くを占める。
40代は50~70代よりも低く、30代とほぼ同じ割合。
昨年増加分に占める中高年の割合も、ほぼ8割で全体に見合った増加割合で、とくに中高年が増えたわけではない。
昨年分でいえば、死亡・不明者の9割、不明者のほぼ全部が中高年だったことが注目される。
遭難者中の死亡・不明が占める確率は、中高年が非中高年に対し、数倍になっている。
中高年遭難者の4分の1は山菜採り。
趣味の登山で限定すると、中高年は全遭難者中の4分の3になる。
非中高年は全体の2割だが、スキー登山に関して言えば、4割以上を占めている。
同様に原因が雪崩のケースも非中高年が5割近くを占めている。
転落・滑落・転倒はやや中高年が高めの数字を占めている。
全体でみると、道迷いが4割を占め、圧倒的に多い。
単独登山者の事故・遭難者、数も割合も増加中。
死亡・不明率は非単独に比べてほぼ1割高くなっている。
一方で、非単独の行方不明が増加している。
携帯電話による通報が昨年は5割を超え、6割に近づく勢い。
一方で、連絡手段なしが4割。



ダイジェストにするとこんな感じでしょうか。


さて、ここから考えたこと。
前項・前々項とダブる点もありますが、ご容赦ください。

まず、「中高年」という言い方を、そろそろやめるべきではないかということです。
中高年の定義は40歳以上。
ところが40代は30代と変わらぬ値だし、80代以降は小さな数字しか出ていません。
ここまで見てきたように、50~70代、特に50代後半~70代前半に集中しています。
「中高年」という言葉でくくってしまうと、実像がぼやけて見えにくくなるのではないかと考えられます。

警察資料にもマスコミの報道にも、死亡・不明率に関する記述が出てきません。
事故の深刻さの内容についての議論、もっとあっていいように思います。

死亡・不明率が徐々に下がり、無事救出が増加していること。
携帯電話の普及と無関係ではないと思います。
早い段階での通報が可能になったことで、救われた命が増えたのではないかと考えます。
が、一方で、「その程度で通報するなんて・・・」というケースも増えているのではないかと。
携帯電話の功罪といったところでしょうか。

道迷いが多いというのは、目新しい話ではありません。
が、同じ傾向が続くということは、有効な対策が取られていないか、対策自体が見つからないということではないかと。
基本的な読図を浸透させる方法を考える必要があるかもしれません。
登山道や山小屋の整備を、ってのは本末転倒のような気がします。

非中高年(若年層?)に、山スキー・雪崩の遭難が多いこと。
「バックカントリー」という、カタカナ言葉のブームが無関係ではないと思います。
道迷い同様、雪山の基本的知識・技術の浸透、どうすればいい?

単独の致死率が高いこと。
入山口で時折目にする「単独は危険だからやめましょう」につながるのかな?
「中高年は遭難が多いから登山をしないように」とかいう方に流れていき、
「山はアブナイから、登山なんてもってのほか!」なんてことに・・・・。
そうならないことを願うのみです。

携帯電話。
万能ではないことを認識すべし。
せめて充電器ぐらいは持って行こう。
と言ってるそばから、こんなことに・・・・・。






統計から見えてくるもの。
「中高年が多い」だけでは、それ以上のものが何も見えてきません。
角度を変えると、違う見え方をしたり、意外な点が浮き上がってきたりします。
今回試みたのは、割合・率という点。
ただ、発表資料が「概要」だったため、詳細さには欠ける面があります。
それでも、少し実像に近付けたかな、と思います。
当然、別の視点から光を当てれば、違う見え方があるはずです。
それらを合わせるとより具体的な実像が見えてくると思います。



かつて、日山協・労山・都岳連でつくったレスキュー協議会という組織がありました。
毎年、この警察資料などをもとに山岳事故報告書を作り研究報告をしていました。
参考記事はこちら
そのレスキュー協、HPもなくなりました。
(労山HPにリンクはありますが、???なサイトにつながります)
いつ、どういった理由でなくなったのか、知る由もないのですが。。。。。
結構参考になる話が多かったので、残念です。。。。
IMSAR-Jが、去年設立されました。
そこがこれからの中心になっていくんだろうか?


「組織」というものに、全く縁のない状態にいるので、詳しいことはわかりません。
ただ、組織の縁のない層に対して、どう働きかけていくのかが難しい点かな。。。




登山界全体をどうこうしようというわけではありません。
自分や身の回りはどうか、ということで考えていこうと思います。
発表資料や報道内容だけで終わってしまうのはもったいない。。。。
違う視点や、ほかの人の意見もミックスしたうえで、自分なりに消化する。。。

そういう作業が続けられたらなぁ・・・・・・と思います。





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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2010/06/20(日) 17:41:03|
  2. 日々是好日
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

リンクはらせて頂きました

こんにちは。いつも参考にさせて頂いています。記事とは関係なくて申し訳ないのですがこのたびリンクを張らせて頂いたので連絡します。不都合があればおっしゃってください。

よろしくお願いします。
  1. 2010/06/23(水) 13:29:58 |
  2. URL |
  3. さむ #l.rsoaag
  4. [ 編集]

Re: リンクはらせて頂きました

さむさまへ。

ご丁寧な連絡、ありがとうございます。
こんなヘンコツなサイトでよければ、遠慮なくどうぞ。
リンクフリーですから。
そういえば、こっちも本文中にあっちこっちで無断リンクしてますので。。。。

お子さんを連れての山、しかも割と近くにお住まいのようで驚きました。
どっかですれ違っているかもしれませんね。

こちらこそよろしくお願いします。

  1. 2010/06/23(水) 15:59:37 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

今回の統計に関する見方は管理人さんとほぼ同じですが、少し気になるところもあります。
それは中高年の事故率が微減なのに10代、30代の事故率があがりはじめていることです。30代は登山人口としても増加に転じていますが、漫画や山ガールの影響もありそうです。

レスキュー協議会は山岳3団体の遭難対策の連絡会として存続しますが、研究関係はIMSAR-Jの方に集約していきます。
山岳事故調査報告もIMSAR-Jで分析・報告します。約1500件の事故データが集まり第7回の報告を作成しました。HPがなくなったのは、レスキュー協独自の活動がないので必要性がなくなったためで、IMSAR-Jや山岳3団体のHPでカバーされています。

遭難対策として今後やらねばならぬことは子どもたちに山だけではないアウトドア教育をすること。例えばハグ・ア・ツリーのようなことを広めることです。(道に迷ったら木に抱きつき待ちなさいということで、動き回り消耗すること、地面に座り体温の低下を防ぎ、抱きつくことにより安心感を持つ)
それから一般登山者の中にリーダーやインストラクターを育てることです。そのために国内で行われている講習や登山教室の内容を整理・統一し、どこでも講習を受けられ、必要な講習を終了したら資格認定に挑戦できるようにしたいと思っています。(至難ですがやる前から言い訳を言っても仕方ないですね)
  1. 2010/07/01(木) 21:47:12 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

よかっぺさまへ。

>10代、30代の事故率があがりはじめていることです。

実数としては小さいほうの部類ですが、確かに増加していますね。
見落としていました。

山ガール・・・・。
ちょっと首をかしげたくなるところがありますので、後日書いてみようと思います。

レスキュー協の件。
ふらっとサイトへ行ってみたらなくなってたので、あれっ?と思っていたところでした。
そういう話であれば、どこかでわかるようにする方法もあったのではないかと思います。
ちょっと心配になっていました。
労山のリンク、なんで残っているんでしょうね?
単に修正忘れなだけかもしれませんが。。。。。

>遭難対策として今後やらねばならぬことは子どもたちに山だけではないアウトドア教育をすること。

いくつかの取り組みがあることは承知しています。
メジャースポーツのようにはいかない面があるのも理解しています。
ファミリー登山の層を取り込むようなアプローチもいいかもしれませんね。

リーダー・インストラクター育成。
これは難問だと思います。
ガイド資格のような“無法地帯”になる危険が、山の世界にはあるような気がします。
営利が絡まないという面が一番異なっているので、杞憂かもしれませんが。。。。
実のある仕組みができればいいな、と思います。


  1. 2010/07/01(木) 23:38:42 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

ガイド資格に問題があるのは日本的な特徴です。欧米諸国ではあまり問題がありません。それは国際山岳ガイドの資格が背景にあるからです。
国内だけの独自資格ではそうなる恐れがあるので、UIAA STANDARDの認証を受けようというのが今回の考え方です。リーダー、インストラクターの資格認定のシステムそのものを国際的な認定を受けようと考えています。それにより欧米と同じレベルのものであることが保証され、維持されます。
  1. 2010/07/02(金) 20:59:49 |
  2. URL |
  3. よかっぺ #1JQD0tfs
  4. [ 編集]

よかっぺさまへ。

ガイド資格の轍を踏まぬ、ということですね。
ちょっと安心しました。
資格や認証なんて言葉が出ると、ついそっちに意識が行ってしまうもので。。。。

大変な作業だとは思いますが、がんばってください。
そういう努力を積み重ねる人がいること自体が財産だと思っています。


  1. 2010/07/03(土) 22:06:39 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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