山道を行く

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【日々是好日294】 トムラウシの事故から1年

トムラウシの事故から1年になります。

JMGAの報告書(PDF91ページ)が出たころ、バタバタしていて何も書けなかったので、そのあたりも含めてまとめて書きます。

毎日新聞に以下の記事が出ていました。
  ①ガイドの刑事責任、1人脱落時の判断焦点か
  ②遺族ら疑問なお ガイド、謝罪繰り返すだけ
2本の記事とも1年を迎えるにあたって、書かれたものです。

順に見ていきます。

まず記事①から引用。

 同社の契約ガイドの経験がある京都市の山岳ガイド、山形昌宏さん(47)は「あるツアーで『日程に余裕がない』と会社に抗議したら『料金が高くなる』とはねられた」と明かす。「今回、ガイドが引き返さなかったのも、会社のことを考えたからではないか」
 ただし、こうした体質は業界全体の問題でもある。事故・災害情報が専門の青山千彰・関西大教授は「参加者募集のパンフレットでは美しい山の写真を前面に押し出し、危険性に触れない。説明責任が欠如している会社が大半だ」と指摘する。


それでもなお、民事はともかく刑事事件としてアミューズ社を立件するかどうかは微妙だとのこと。
法律の問題となると、現実とはかけ離れたことがままあります。
ま、それは言ってもせん無いことですが。。。。。

ガイド協会の報告書でも、ツアー会社の問題点が明記されていました。
問題があるけれど、刑事裁判上は微妙、ということです。

以前書いた観光庁のアンケート結果からも、業界全体がヌルいことが分かります。
それでもツアー登山に群がる人たちがいる。。。。
個人的には、もう、理解不能の世界です。

仮にガイドだけが立件され、有罪となったら。

ただでさえツアー会社に対して、ガイドは立場が弱いようです。
そんな中、ガイドだけが・・・・・。
それでいいんだろうか?と考えてしまいます。


再び引用。

 今回の遭難では、ツアー客側にも問題がなかったか議論となった。ここ10年ほどで増えたとされる旅行会社主催の「ツアー登山」は、単独では難しい山に挑める一方、ガイドに頼り切りになる「おまかせ登山」にも陥りやすい。日本山岳ガイド協会の事故報告書も「登山者として自立できていない」と認識の甘さを批判している。

「おまかせ」。
ガイドのみならず、ポーターまでいるツアーも結構あります。
アミューズ社のツアーでも、テントなどを客が担ぐことはないようです。

そういった「おまかせ」が一つの「売り」だったりもするのでしょう。
で、そういうところに「自立できていない」客が群がる。。。。。
ほとんど負のスパイラルが延々と続くということになります。

「登山者として自立できていない」と言い切ってしまうのは簡単かもしれません。
ただ「自立できていない登山者」を生み出してきた背景はどこにあるのか。。。。
そこに踏み込まない限り、解決の道筋は見えてこないと思います。




続いて、記事②から引用(個人名は伏せました)。

 「ガイドがいたのに、どうしてこんなことになったのか」。1年間、疑問を抱えて過ごしてきた。だが事故後、ツアーを企画した「アミューズトラベル」(東京都)からは示談を促す書類が送られてきただけで、説明会は開かれていない。4月に事故原因などの質問書を送ったが「(2月に公表された)日本山岳ガイド協会の報告書を弊社の見解とする」との回答が来ただけだった。
 遭難の翌日、アミューズの社員が遺族の前で「ガイドの判断は適切だった」と漏らした言葉は、今も頭から離れない。原因究明をあきらめるつもりはない。●●●さんは今月、再び質問書を送った。
 愛知県弥富市の●●●●●さん(当時69歳)の夫●さん(71)はこの冬、妻の姿を夢に見た。着物姿で穏やかな表情。「やっと帰ってきたな」。語りかけると、目が覚めた。
 昨年12月、生還したガイド2人が自宅を訪れた。「中止すべきだったのではないか」。いくら問いかけても、2人は謝罪を繰り返すばかりで具体的な説明はなかったという。浜松市の●●●●●さん(当時59歳)の夫●●さん(60)も「会社は何の情報も出してこない」と憤る。
 こうした不満に対しアミューズ社は「報告書を真摯(しんし)に受け止めて安全対策に取り組んでいる。(遺族へは)それぞれに対応している」と話している。


さて、遺族たちは納得がいかないようです。
いかなる答えであったとしても、納得することはないのではないかと思いますが。。。。

さて、ここで気になったのが、アミューズ社とガイドの、遺族への対応。

示談を促す書類を送り、生還したガイドが遺族を訪ねたことはわかります。
が、それ以上のことは、全く触れられていません。

まず、アミューズ社の対応から。
会社関係者が遺族のもとを訪ねたのだろうか?
示談を促す書類を送ることと、質問に対して「ガイド協会の報告書を弊社の見解とする」というだけの回答。
これが「真摯に受け止め」た会社の対応だろうか?

遺族が納得することはなくても、誠意が伝わる方法はいくらでもあると思います。
このような木で鼻をくくったような対応をする会社が、今でもツアー登山を続行しています。

「ガイド協会の報告書を弊社の見解とする」
以前にも書いたのですが、当時のアミューズ社代表とJMGA傘下組織のマウンテンツアーガイド協会の当時の代表者は同じうえ、協会連絡先は今も変わらずアミューズ社内となっています。
これは「アミューズ社 = マウンテンツアーガイド協会」といっても過言ではないと思います。

で、ツアー会社であり、ガイド組織でもある集団。
そんな集団が、報告書すら作れなかったのは周知の事実です。
いくらJMGAが報告書を作るとしても、自分たちの手でまず作れたのではないかと思いますが。。。。
というか、報告書を作る能力自体が欠如していたともいえると思います。
それでも、アミューズ社のツアー登山は続行中です。




アミューズ社のHP。
トップページ冒頭に事故の件を表記しています。
事故があったのかなかったのか、分からなくしてしまう業者やガイドが多い中、この一点だけは評価していいと思います。

ちなみに、同じ時に美瑛岳で1人が亡くなったオフィスコンパスのHPには、全く記述がありません。
また同社社長のブログにも、記述はありません。

これって、特別なことではないようです。
過去にも何度かツアー・ガイド登山のことを書いてきたのですが、ほとんどが同様の対応。
まるで事故がなかったかのような、楽しい記述が続いているケースがほとんどです。

話をアミューズに戻して。。。

同社サイトの中に安全登山への取り組みというページがあります。

突っ込みどころ満載なんですが、一点だけ。

  今回の添乗員、ガイド、サブリーダーともに経験豊かで実力を持ったスタッフを配置しましたが、結果として遭難事故となってしまいました。今後のスタッフの選定は「安全山行委員会」の委員を中心に執り行い、 リスキーなプランにおいては、危機対応の力を中心に歩行クラスや山の難易度に応じたツアーリーダー(ガイド)選びを今まで以上に慎重に選定いたします。


この事故はJMGA会員のガイドをリーダーに選定したツアーの事故です。
「経験豊かで実力を持ったスタッフを配置しました」
ということです。

で今後はどうするかというと
「ツアーリーダー(ガ イド)選びを今まで以上に慎重に選定いたします。」
だそうです。

さて、フワフワした言葉が並んでいますが、具体的に何を言っているのか、さっぱり分からないんですが。。。。

JMGA会員ガイドをリーダーに置いていたにもかかわらず、今後は「今まで以上に慎重に選定いたします」。
ここって、JMGAが怒るべきところでは?
自分のところのガイド資格に、絶対の自信を持っていたら、ではありますが。。。。。。
自分のところで出した報告書で、原因の一つにガイドの判断ミス、って出てしまった以上、言いにくいでしょうけど。。。。



一方のJMGA。
自分のところのガイドの判断ミスと報告書に出てしまった時点で、何をしたんだろう?
ここのHPって、ほとんど更新されないので、全くわからないんですよね。。。。

報告書を出したから、それでおしまい・・・・なんて、ねぇ。。。。
ガイド資格の信頼性を揺るがしかねない事故だったと思いますが。。。。



生還したガイドが遺族のもとに出向いて、謝罪のみを繰り返したこと。
刑事立件される可能性がある以上、うかつなことは言えない立場であることは差し引いて見てもいいかと思います。
また、遺族との対面も、かなりつらいことだと思います。
(遺族の方がもっと・・・というのは、ちょっと横へ置きます)
アミューズ社とちがって、遺族に直接向き合う姿勢は評価してもよいかと。。。。
まさか、ガイドが社を代表してなんてことには。。。。。
実際のところ、どうなんでしょうね。

ただ、遺族の心情を考えると、謝罪以外の何か(情報なり言葉)を、少しでも出すべきだったかもしれません。
ここはちょっと難しいところですね。。。。。







事故から1年。
ツアー・ガイド登山の問題点が浮き彫りになった事故でした。
また、1年を経過することで、その後の対応のまずさや、危機感の薄さ・鈍さも見えてきたように思います。

多くの人が亡くなった事故なのに、それが十分に生かされているだろうか。。。。。
どこまでやっても十分にはなりえないかもしれません。
ですが、もうちょっと何とかならんのか・・・・・という思いが消えません。






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