【概要】
27日午後3時5分ごろ、埼玉県小鹿野町の両神山(標高1723メートル)の七滝沢で、東京都大田区の会社員男性(30)が座り込んでいるのを、捜索していた県警山岳救助隊が発見、同県秩父市の病院に搬送した。男性は左足首を骨折し衰弱も激しいが、命に別状はないという。男性は13日夜、家族に「日帰りで秩父の百名山に行ってくる」と言って、自宅を出発。14日朝、母親(63)の携帯電話に「天候が悪いけど、これから登ります」とメールしたのを最後に連絡がとれなくなった。家族が15日に県警へ届け出て、山岳救助隊が捜索を続けていた。発見までの2週間、あめ玉7個と沢の水を飲んで過ごしたという。「あめ玉7個を少しずつなめていたが、1、2日で尽きてしまった」と話したという。男性は発見時、沢と岩の間に横たわるように腰を下ろし、雨傘をかぶっていた。隊員に声をかけられると「手を握ってほしい」と求め、隊員が応じると涙を流したという。当時は強い雨が降っていた。現場は渓流に近く、隊員が男性を安全な場所に移動させた後、倒れていた場所は増水で水没したという。捜査関係者は「間一髪の救出だった」と話している。男性は今年山登りを始めたばかりで、両神山への登山は初めてだったという。熊谷地方気象台によると、同山のある秩父地方では23日以降、連日、雷と大雨洪水注意報が発令されていた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、東京新聞、時事通信などからデータ引用・抜粋)
【考察】
アメ玉7個で2週間・・・・なかなか衝撃的でした。
怪我をしたとはいえ、生還できて何よりでした。
さて、多くの幸運が重なったケースだと思います。
倒れていた沢筋、救助直後に水没。。。。。
発見が1日遅れていたら・・・・。
天候の面からすれば、完全にラッキーだと思います。
秩父の百名山って、2つか3つあったように思います。
ですので、どこで遭難したのか、分からないまま捜索が始まったことになります。
捜索のスタート時点から、混乱があったんではなかろうか。。。。
きちんとした計画書を警察署や家族に渡していれば捜索範囲が絞られてくるので、もう少し早い救助に至ったのではないかと思います。
よく言われている計画書の提出。
やっぱり重要なことです。
また、通報を受けてからの救助隊が、これほど長期にわたって捜索を続けたことには頭が下がります。
日帰り装備の弱点として、食料の貧弱さがあると思います。
軽量の荷物でパッパと行って帰ってくるわけですから、弁当と行動食程度でしょう。
アクシデントで2日以上にわたるハメになったら。。。。
やはり少し多めに食料を持っておくべきかも。
どれだけ?というのは、なかなか難しいですが。。。。
日帰り装備の内容、少し考えてみてもいいかもしれません。
事故様態、骨折をしていたことから、おそらくは転落か滑落であろうと思われます。
アメ玉7個で2週間→生還!という事実が大きすぎて、事故様態がほとんど報じられていませんでした。
なんとも不思議な感じでした。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ
- 2010/08/30(月) 22:32:51|
- 遭難カルテ
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| コメント:3
管理人様お久しぶりです。
3年前の9月にも滋賀県(カマクラ谷)で、滑落して動けなくなった登山者が8日ぶりに発見されたという事案がありました。
今回も季節が夏で、場所が北海道の山やアルプスの稜線上でなかったことと、増水で流される前に見つけてもらえたことが何よりもラッキーでしたね。
この方が車で出かけたのか、交通機関を使って出かけたのか情報はありませんが、2週間も見つからなかったところを見ると、何の手がかりもなかったのでしょうね。
> きちんとした計画書を警察署や家族に渡していれば捜索範囲が絞られてくるので、もう少し早い救助に至ったのではないかと思います。
よく言われている計画書の提出。
やっぱり重要なことです。
また、通報を受けてからの救助隊が、これほど長期にわたって捜索を続けたことには頭が下がります。
探された救助隊には本当に頭が下がります。
それにしても単独行でどこへ行ったかわからないというのが探す側にとっては一番困ることです。
計画書を必ず提出しろとは言いませんが(本人の名前や住所、血液型等は、通報された家族に聞けばわかりますし、装備についてはあくまで参考情報です。)、せめて、地図をコピーして予定ルートを記したものを家族に渡しておくぐらいの配慮はしてほしいですね。
2万5千分の1の地図(読み慣れていなければハイキングマップ)のコピーを3枚作り、予定コースに赤の実線、エスケープルートに破線を引いて、1部は家族に渡して、1部は当日の記録用に使い、残りの1部は予備として持つか、登山届の提出場所があれば添付して提出するのがいいでしょう。
なおこの場合、本番でたとえ時間が余ったとしても、予定したコースを途中で変更するようなことはしない方がいいです。
(例えば、日向大谷から両神山を往復する場合に、往きも帰りも清滝小屋経由の予定にしていれば、ちゃんとそのとおりのルートをとることとする。もし、往きか帰りに七滝沢ルートをとる可能性があれば、最初からサブルートとして破線を引いておく。)
- 2010/08/31(火) 00:00:44 |
- URL |
- ちよ #EBUSheBA
- [ 編集]
おはようございます。
昨日はこんなニュースもありました。
北アルプスで遭難の61歳女性、16日ぶり救助
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100830-OYT1T01043.htm
共通するのは、無闇に動かなかったこと、沢沿いで水があったこと、
最近の天候が穏やかだったこと、でしょうか。
秩父の記事では各紙「あめ玉7個で~」という見出しが目立ちますが、
これは感心しませんね。あわせて100kcalほどでしょう。
それに対して体脂肪は1kgで7000kcal。これだけで基礎代謝4日分くらいにはなります。
平均的な体型の成人なら水だけで2,3週間生き延びるのは不思議ではありません。
尤も、糖分が枯渇すると脳の働きが極度に低下するので正常な判断力を保つのが
困難になりますが、「脂肪はたっぷりある」「助かった人もいる」と記憶しておくのは
遭難したときに冷静さを保つ一助になるかなと思います。
- 2010/08/31(火) 07:53:07 |
- URL |
- ぴら #-
- [ 編集]
ちよさま&ぴらさまへ。
まとめレスとなりますが、ご容赦ください。
>この方が車で出かけたのか、交通機関を使って出かけたのか情報はありませんが・・・・
こちらの記事によると、公共交通機関利用だったようです。
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000001008300002
>せめて、地図をコピーして予定ルートを記したものを家族に渡しておくぐらいの配慮はしてほしいですね。
同感です。
登山口の届出ポストよりも、「下山してない」と通報してくれる家族や所属の会に出しておくほうが効果的かもしれません。
大山の元谷駐車場のように、下山届けも出すようになっているケースもありますが、通常は下山確認は各自でということのほうが多いように思います。
計画書を出していれば、先の記事にあったような苦労を家族にかけずにすむわけですから。。。。。
>昨日はこんなニュースもありました。
>北アルプスで遭難の61歳女性、16日ぶり救助
現在、情報整理&考察作成中です。
少々お待ちください。
>秩父の記事では各紙「あめ玉7個で~」という見出しが目立ちますが、これは感心しませんね。
>あわせて100kcalほどでしょう。
>それに対して体脂肪は1kgで7000kcal。
>これだけで基礎代謝4日分くらいにはなります。
なるほど、そういう考え方もあるのですね。
>「脂肪はたっぷりある」「助かった人もいる」と記憶しておくのは遭難したときに冷静さを保つ一助になるかなと思います。
ですね。
私も記憶しておくことにします。
- 2010/08/31(火) 20:24:16 |
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- 管理人 #MAyMKToE
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