山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ39】 笠ケ岳で雪崩、4人不明

【概要】
9日午前11時ごろ、岐阜県高山市の北アルプス・笠ケ岳(2、897メートル)の穴毛谷で雪崩が発生したのを地元の住人が発見、高山署に通報。同日午前7時から山スキーのため笠ケ岳に入山した愛知県小牧市、会社員男性Aさん(39)が、下山予定の時刻になっても戻らず、雪崩に巻き込まれた可能性があるとみられる。高橋さんは9日早朝、富山市の父親(73)と入山。別々に行動し同午後4時ごろ、入山口で落ち合う約束をしていた。また、登山者駐車場の車のうち、入山の有無を調べたところ、静岡県磐田市、男性Bさん(39)、栃木県高根沢町、男性Cさん(35)、神奈川県海老名市、男性Dさん(38)の男性3人によるパーティーが、8日の入山予定で登山計画書を提出していた。3人のうちの1人から妻へ「車中泊する」と8日に携帯電話メールで最後の連絡が送られており、入山を9日に遅らせたことがわかっているが、理由は不明。9日から捜索が続けられたが、雨により新たな雪崩の恐れがあることから、捜索は空からのみで行われた。12日午後2時半ごろ、岐阜県警ヘリが標高1700メートルの「三ノ沢」と呼ばれる谷と穴毛谷が交わる地点で、青色のヘルメットを発見して回収。現場ではその後も小規模な雪崩が続いており、2次災害の危険があるとして、岐阜県警は13日、地上からの捜索を中断。6月下旬以降に再開することになった。

【考察】
一言で言えば、入ってはいけない所に入った、ということでしょうか。
穴毛谷は2000年3月に、「国内最大」と言われた雪崩が発生した場所。
あきらかに「ヤバイ場所」です。
4月上旬には、まだ危険が残っていること、容易に想像できます。

テレビの映像で見たところ、とんでもないデブリが続いていました。
今回は幅50メートル、長さ数キロの規模だったようです。
規模としては2000年の何分の一かのレベルだったようです。
その後も雨が降り、支沢などからの雪崩も相次いでいたようです。

地形的にみると、谷が狭く急な傾斜のため、逃げ場がありません。
上部で雪崩が発生すると、かなり下のほうまで止まる事がないように思います。
一部記録・文献によると、最高時速200キロ近いスピードで降ってくるとも言われています。
もちろん、最初はゆっくり斜面を滑っているものが、徐々に加速する訳です。
発生点付近にいたならともかく、中腹や下部にいたら、まず逃げられない速度です。

計画段階で地図をじっくり見て、過去の記録や文献を参考にしていれば、この時期の入山はなかったと考えられます。
綿密な計画の重要性が浮き彫りになった一件ではないでしょうか。


==========追記(06.05.27)==========
4月17日、双眼鏡で穴毛谷の雪崩の状況を確認中の地元山岳ガイドの男性が遺体を発見し、警察に通報。同県警がヘリコプターで収容し身元を調べたところ、遺体は高橋秀成さんであることを確認した。Aさんは、穴毛谷と二ノ沢の合流点付近で雪に一部が埋まっていた。

5月25日、捜索中の同県警ヘリが、同谷の四ノ沢付近で1人の遺体を発見・収容した。遺体の身元はDさんと判明。遺体は、雪崩最下流部から約1.2キロ上流地点で発見された。付近で青色のスキー板と赤色のザックが見つかったほか約500メートル上流で、黄色のスキー板、青色のザックなども見つかった。


==========追記(06.06.02)==========
6月1日午前9時45分ごろ、遭難した登山グループの仲間の男性2人が同谷の四ノ沢付近で1人の遺体を発見した。県警の山岳警備隊員とヘリが遺体を収容。遺体はBさんで、家族が本人と確認した。


==========追記(06.0619)==========
6月17日午前9時半ごろ、遭難現場付近でCさんの遺体が見つかり、岐阜県警ヘリが収容した。これで不明者の遺体収容は完了した。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2006/04/14(金) 13:24:28|
  2. 遭難カルテ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

いささか遅蒔きながら

穴毛谷となれば飛騨山岳会、岐阜登高会などからコメントがあるものと遠慮していましたが、ないようですので、20年も前になりますが、50歳台の10年間を若い仲間達と穴毛谷に通いつめた者として遅蒔きながら感想まで。

いたやの単版を登降の手段として使用しただけの老トルには「山スキー」というジャンルがよくわかりませんが、畏敬する金沢の内科医康浩先生が「山スキーとは創造と自然回帰のスポーツである」と言われる定義からすれば、精神性において登山と変るものではないと思います。

とすれば、この度穴毛に入った方々はど考えて入ったのでしょうか。山屋でしょうかスキーヤーでしょうか。山屋としての私は、大きな雪崩が出尽くす4月下旬までに入ろうと思ったことは一度もありません。

ただ、スーパーアルピニストの康浩氏は01年5月4日に本谷を詰め登頂、往路を滑降。04年3月10日に岳友と五の沢を滑降しています。五の沢をGWに登った者として到底信じ難いことです。氏は「滑ったのではなく落ちたのだ」として、「危険を回避するために出きる限りの事を行なったが、やはり自然には敵わないと思った。厳しくも怖い体験であった。もう2度と五の沢に入ることはないであろう。五の沢は決して人にお勧めできないエクストリームな沢でした。」と書かれています。

私は10年間で一度だけピッケルとアイゼンで登りましたが、奥壁基部を過ぎて両手を広げれば両岸の岸壁に手が届くほどに狭い喉のようなところから上は雪が柔らかくて、いつ雪崩てもおかしくない状態でしたので、頂上への直登を止めて右の稜線に逃げました。トップを登る若い仲間をジッヘルしながら、足元の雪がいつ崩れるか怖くて「早く登れ!」と怒鳴り続けました。ハイマツをわけて稜線に這い出たときは、恐怖から解放された真空状態でした。急に疲労を感じ、夢遊病者のように闇の中を冬季の小屋まで登りました。

古い話で恐縮です。最近は春先の降雪が多く、雪崩の判断は昔よりは難しくなっているのではないでしょうか。そして逆に、天候、積雪を真剣に考えない登山者が増えているのではないでしょうか。
  1. 2006/06/16(金) 16:33:30 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:いささか遅蒔きながら

それほど視聴率?の高いブログではありませんので・・・。

確かにスキーヤーが山に入るケースが増えていると思います。
また、登山者の質の低下も、恐らくあると思います。

地球温暖化や暖冬、大雪など、従来の雪の降り方が変化しつつあるようにも思います。
雪崩対策のセオリーを見直すべき時期に来ているのかもしれません。

私自身、穴毛谷に入ったことはありませんので、あくまでも一般論でしかありませんが・・・。
  1. 2006/06/16(金) 19:22:15 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

追伸

昔一緒に、穴毛谷に情熱をぶつけた仲間が、遅くなった盆休みをとるから露天風呂に入りに行こうとさそってくれたので、久し振りに穴毛に入りました。

三の沢、四の沢、五の沢各出合のブロックが昔のニ、三倍大きいのに驚きました。昔はなかった二の沢下部に巨大なブロックがありました。明かに積雪量が増えていますが、それが4名の命を奪ったとは言いません。出会った林野庁の方と「4月初旬には頼まれても入りたくないなぁ・・」と想いが一致しました。

昔、スキーはわかん同様の登降の手段でしたが、いまは、かくも命を賭けたリスキーな遊びになったのでしょうか・・・
狭量だと失笑をかうかもしれませんが、山屋の聖地をスキーヤーに荒らされたような割りきれない想いを引きずって谷を下りました・・・
  1. 2006/09/10(日) 22:10:13 |
  2. URL |
  3. HIKO #b4jxZAz.
  4. [ 編集]

Re:追伸

HIKOさまへ。

お疲れ様でした。
古くからの仲間との集まり、いいものですね。

事故には全て、割り切れなさややるせなさが付きまといます。
なじみの場所や、人の死が絡むとなおさらだと思います。

スキーが登るための手段である従的存在、従来の山スキーでした。
ですが、「滑ること」を目的とした形態が、現在の主流かもしれません。

その良し悪しは分かりません。
両方あってもいいとも思います。
いずれも「所詮は遊び」ですから…。

1つの山に対して、いろいろな人が様々な思いを持つことでしょう。
「聖地」と思う人もいれば「記憶に残っていない」という人もいるかもしれません。
それは穴毛谷に限ったことではありません。
ですが、HIKOさまの想い、私には分かる気がします。

いずれにしても、問われるのはリスクへの姿勢。
今回のような事故がなければ、HIKO様のおっしゃる
「山屋の聖地をスキーヤーに荒らされたような想い」
は、生まれてこなかったと思います。

  1. 2006/09/12(火) 08:56:33 |
  2. URL |
  3. 管理人 #MAyMKToE
  4. [ 編集]

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