山道を行く

カラダとアタマと心。 すべて働かせるのが山の魅力でしょうかね。

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【遭難カルテ167】 赤岳で男性滑落し死亡

【概要】
29日午前10時過ぎ、八ケ岳連峰・赤岳(2899メートル)の県界尾根で、東京都大田区の男性から「同行の男性を見失った。滑落したかもしれない」と長野県警佐久署に通報があった。県警のヘリコプターが午後0時25分ごろ、尾根から約200メートル下の長野県側斜面で、倒れている千葉県白井市の会社員男性(49)を発見。佐久市内の病院に搬送されたが、頭を強く打っており死亡が確認された。同署によると、2人は午前5時ごろ、山梨県側から日帰りの予定で入山。登頂後、山梨県北杜市の登山口へ下山中だった。発見場所は雪解けが進んだ岩場。滑落現場には雪が残っており、滑りやすい状況だったという。男性の登山靴にはアイゼンなどの冬山用の装備はなく、雪で足を滑らせたとみられる。
(時事通信、毎日新聞、読売新聞、産経新聞よりデータ引用・参照)



【考察】
報道によると、ルート上に残雪ありとのこと。
アイゼンがあれば防ぎえた事故だと言えるかも知れません。

アイゼン、そしてアイゼンが着く靴となると、無雪期用の足回りよりは、ぐっと重くなります。
でも、迷ったら、持って行く!というのも一つの考え方かも知れません。

亡くなった男性は持って行っていなかったとの報道。
重量は増えても、保険という意味では持って行ったほうがよかったのかもしれません。

で、もしアイゼンなどがないまま入山してしまったら。。。。。
どっちかといえば、こっちの方が現実的な気がします

この季節になると、雪の着いているところはほとんどない状態です。
おそらく、そういう判断からアイゼンを持って行かなかったのかと思います。

ルート上が凍結していても、登りは何とかなってしまう場合が結構あります。
ところが下りになると、たちまち困難な状況になってしまいます。
あまりに簡単に登れてしまったため、全く気づかない場合もあるかな。。。。

登りはキックステップ(ノーアイゼン)で進み、下りの時にはアイゼン着用ということもありました。
もっとも、もう少し雪の多い季節の話ですが。。。。

着雪状況を見ながら、この装備で下りられるのか?ということを考えつつ行動。
ああ、これ以上はムリ!となったら、やばくなる前に下りてしまうほかはないようです。
下りの困難さをイメージしつつ登る、ということでしょうか。

登りはしんどいけれど、下りは難しい。
残雪の有無にかかわらずだ、とは思います。
ただ、残雪があれば、より神経質になった方がいいようです。
登りながら頂上が目前となると、判断が鈍るかも知れませんね。






通報の内容から。

「同行の男性を見失った。滑落したかもしれない」

この報道内容によると、滑落したかどうかや、事故発生現場は不明です。

詳細が不明なので、以下は推測ですが。。。。

2人はいくらか離れて行動していたのではなかろうか・・・・・。
同行者が一緒に行動していれば、「見失」うことはなく、「滑落」も事実として通報できたと思います。

同行者を見失ったことに気づいたのが比較的早かったことや、捜索する際に視界がよかったことなどの要素があったのではないかと思います。
これらはあくまで、「たまたま」という気がします。
その結果として、通報から約2時間で収容されたのではないでしょうか。

ですが、一歩間違えば。。。。と、思わないでもありません。

「はぐれ」の一歩手前だったのかなと思ってしまいました。





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  1. 2010/06/01(火) 21:01:56|
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【遭難カルテ166】 霧島・韓国岳で男児死亡

【概要】
10月31日午後3時20分ごろ、宮崎・鹿児島県境の霧島連峰・韓国岳(1700メートル)で、小学5年生の男児(11)が行方不明になったと下山した家族から警察に通報があった。男児は31日午前11時20分ごろから、両親・祖父・妹の5人でえびの高原から韓国岳に入山。2合目付近から「先に行くね」と言って1人で先行。その後、家族が頂上についても男児の姿はなく、下山後に父親(40)が通報した。捜索の結果、11月2日午後0時26分、鹿児島県側の8合目付近の沢で肺停止状態の男児を発見、搬送先の病院で死亡が確認された。現場は韓国岳山頂から鹿児島県側の大浪池に下る登山道のほぼ中間地点から、西へ150-200メートル外れた沢の底。沢の水は枯れており、男児はあおむけに倒れ、はいていた靴の片方がなくなっていた。近くに帽子、ペットボトルなどが点々と落ちていた。死因は低体温症で、死亡推定時刻は1日未明から早朝にかけてとみられる。頭部の骨折のほか、右目周辺は広く内出血していた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、共同通信などから、データ引用・抜粋)




【考察】
中高年や高齢者という話が多かったのですが、子供が亡くなる事故。
子を持つ親として、痛ましい限りです。。。。。
また、子連れで山に行く機会の多い者として、考えさせられる事故でした。


九州の山は屋久島以外は全く手付かずなので、個人的には具体的なイメージがわきにくい。。。
えびの高原から韓国岳へのルートは1時間~1時間半で、比較的のぼりやすい山だそうです。
事故のあった31日は好天で、登山客も多かったようです。
おそらく、頂上でお弁当を食べてから下りてくる計画だったのではないかと思います。

「先に行ってくるね」
小学5年生といえば元気の盛り。
親といえども、ついて行くのはなかなかのものだと思います。
妹や祖父の年齢が不明なのですが、その人たちとのペースも合わなかったのではないかと思います。
あまりにゆっくりだと、先に行きたくなる。。。。。。。
周りの人にどんどん追い抜かれるとなおさら。。。。
その辺の抑制が効かないのも子供ならではでしょう。。。。

31日に事故発生。
登山客が多かったにもかかわらず、発生の瞬間を目撃した人はいなかったようです。
もし、家族と一緒のときであったなら。。。。。
少なくとも発生場所は特定できるし、死亡推定時刻が1日だったこと、死因が低体温症であったことなどから、別の展開があったことは容易に想像できます。
えびの高原の2日午前8時の気温は4度だったそうです。
この事故の少し前に、大山に行ってきました。
標高はほぼ韓国岳とほぼ同じですが、正午ごろの頂上の気温は1ケタでした。
朝夕はかなり冷え込んだと思われます。




子供と歩いていて思うこと。
思わぬほうへ行こうとする、思わぬところでコケる・・・・・。
まさに「思わぬこと」の連続です。
フラフラと崖の方へ行くのを何度ひきとめたことやら。。。。

やはり、常に一緒に行動することが一番大事なことだと思いました。


一方で、親は衰えゆくのみですが、子供は成長まっしぐら。
親にとっては、体力的にだんだんきつくなっていくことも間違いありません。
それでもなお・・・・・一緒に行動できる方法を考える必要があると思いました。

また、防寒着や食糧は毎回多めに持っていくようにしているのですが、実際には親がいないと役に立ちません。
持っていくものが弁当と上着だけだったら、何かあった時に対処できないことは言うまでもありません。

個人的には、ウチはまだなんとか一緒に行けるように思います。
(そろそろ嫁さんはキツいなんて言ってますが・・・・)
ですが、自分の体調・体力の管理も、重要になってくるんだなぁ・・・と、気を引き締める必要がありそうです。



登山者の高齢化が問題視されて何年にもなります。
子連れ・家族での登山というのは、この問題への一つの答えかもしれません。
ただ、大人だけのパーティーで行くのと比べると、気を配ることがはるかに多く、疲れることもしばしばあります。
ですが、笑顔で「また行こうね」と言われれば、「よっしゃ!」となるものでもあります。

一方で、リーダーやガイドなどの責任とは全く違う「保護者としての責任」という、とてつもなく重いものがある。。。。。
改めてそう思った事故でした。





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  1. 2009/11/04(水) 15:00:12|
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【遭難カルテ165】 北海道のトムラウシ山・美瑛岳で10人死亡

【概要】
16日午後3時55分ごろ、北海道新得町のトムラウシ山(2141メートル)に登った19人のパーティーが悪天候のため山頂付近で動けなくなっていると、パーティーの1人から110番があった。19人は東京のアミューズトラベルが企画した登山ツアーの一行で、50~60代の客15人(男性5人、女性10人)と、同行の男性ガイド(旅行関係者という報も)4人。(14日に旭岳から入山。白雲岳、忠別岳などの大雪山系の尾根を縦断し、16日にトムラウシ山から下山する予定だった。16日夜に道警に入った連絡によると、山頂付近で数人が強風や寒さのため動けなくなり、一部のメンバーは下山を開始していたが、一部は山頂付近に残っているという。山頂に残っているガイドからツアー会社に「4人ぐらいが駄目かもしれない」という内容のメールが届いたという。17日に入り、5人が自力で下山。道警などのヘリに13人が収容されたが、8人が死亡した。ガイド1人はトムラウシ山には登らず避難小屋に残ったため、遭難時は18人だったという。死亡が確認されたのは、名古屋市の女性2人(68&62)、名古屋市の男性(66)、愛知県弥富市の女性(69)、岡山県倉敷市の女性(64)、浜松市の女性(59)、広島市の女性(62)、広島県廿日市市の男性ガイド(61)。無事が確認されたのは仙台市の女性(68)、浜松市の女性(55)、愛知県清須市の男性(65)、岐阜市の男性(69)、広島市の男性(64)と女性2人(64&61)、山口県岩国市の男性(61)、札幌市北区の男性ガイド(32)、愛知県一宮市の男性ガイド(38)。自力で下山した愛知県の男性(65)によると、16日午前5時30分ごろ、避難小屋を出発したが、すでに強風が吹いていたという。男性は「『こんなので大丈夫か?』と思ったがツアーは決行された。数時間して1人目が倒れ、さらに2人目が倒れた。『起きないと死んじゃうぞ』と言ったが、寒くて自分が死にそうだった」と話した。また、一行とは別に単独で入山していた茨城県笠間市の男性(64)とみられる遺体も収容した。
また、16日午後5時50分ごろ、美瑛岳(2052メートル)でも、茨城県つくば市の登山ツアー会社オフィスコンパスから道警に「登山中の6人のうち、女性ツアー客1人が低体温症で動けなくなったようだ」と連絡があった。一行はツアー客の女性3人と男性ガイド3人の計6人で、16~18日にかけて、十勝連峰を縦断する予定で、占冠村トマムから入山し、テントを張りながら、十勝岳を経由し、美瑛岳に向かっていたという。道警は17日午前0時40分ごろ、美瑛富士避難小屋で兵庫県姫路市の女性ら(64)ら3人を発見し、さらに避難小屋から南西の標高1850メートル地点で野営していた3人を発見した。女性は既に死亡していた。兵庫県姫路市の女性(55)、埼玉県草加市の女性(62)、北海道在住の男性ガイド(32)、札幌市の男性ガイド(27)、茨城県つくば市の男性ガイド(34)は無事救出された。道警は二つの遭難事故について業務上過失致死容疑でツアー会社側に対する捜査を始めた。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、共同通信、NHKなどからデータ引用・参照)



【考察】
近接する山で遭難が同時に発生、10人もの人が亡くなる大きな事故が起きてしまいました。
何ともやりきれない思いです。

さて、報道では中高年のツアーの遭難というトーンで書かれていました。
中高年、百名山、ガイド付きツアー・・・・。
今どきの山のひとつの側面を象徴するような組み合わせだと思いました。

2つのグループについてざっと見てみます。
客は60代女性10人、60代の男性5人、50代女性3人。
60代の女性が過半を占めている状態です。
今どきのツアー登山の年齢・性別、だいたいこのような感じでしょうか。
死者で見ると60台女性6人と66歳男性、59歳女性。
客が60代女性中心なら、ほぼ同じ割合で出ることになります。

どちらも山中2泊3日の縦走で、トムラウシ山は3日目、美瑛岳は初日に当たります。



以下、気になる点を順に。

年齢の高いグループを引率していくには、少々無理があったんではないかと。

特にトムラウシ山のほうは、人数が総勢19人という、完全に「団体さん」状態です。
ガイドレシオ云々以前の状態ではないように思います。
また、山中で2泊するならそれなりの装備が必要で、荷物も重くなります。
テントなどの共同装備をガイドが持つようですが、それにしても日帰りよりははるかに重いものになります。
客がその負担に耐えうるかどうか、そこに判断の誤りがあったのではないかと思います。
当然、お天気が崩れた場合の想定もしておく必要があります。
業者の幹部は「17回同じ行程でツアーをやっているが、これまで事故はなかった。天候の不運もあったのでは」とコメントしていました。
これまで大丈夫だったから・・・というのは、往々にして落とし穴だったりしますけどね。。。。

また「天候の不運」で片付けてよい問題ではなかろうと思います。
例の白馬の事故のときもそうでしたが。。。。
それが許されるのは、天変地異レベルのときだけです。
果たして今回はそのレベルだったでしょうか?

「天候の不運」というよりも「天候判断のミス」ではないでしょうか。
自力で下山してきた男性のコメントが、それを物語っているように思います。
3日目で、客にも疲労が蓄積されていることを考えれば、別の方法もあったのではないかと思います。

客が全員本州から来ていることを考えると、帰りの飛行機のことが気になっていたのかもしれません。
もしそういう面があるとすれば、ツアー登山の危険な面になりうるかもしれません。

また、美瑛岳のほうについては、入山日。
この日に「天気良くないんで、やめましょう」とは言いにくいかもしれません。
天候悪化の程度にもよると思います。
台風直撃なんていうレベルなら言いやすいけれど、そこまでのものではなかったわけですから。
関西・関東からわざわざ来て、初日に「やめます」って言われたら、客のほうも「えぇ~」ってなると思います。
感情の面のコントロール、すごく難しいことだと思います。

また、テントや食糧などをガイドが持つこと。
半ばポーターと化しているのではないかと思います。
ガイドとしての能力よりもポーターとしての能力を求められていたりはしないだろうか。。。。
少し気になりました。

自分たちのナベ・カマ・テントは自分たちで持つ。
寝床も自分で何とかするし、メシだって自分たちで何とかする。
そんなことが当たり前だと思ってきましたが、ツアー登山では違うようです。
その当たり前の積み重ねが、山で生きる力のようなものを強くしていくんではないかと思います。
なんだかうまく表現できなくてもどかしいのですが。。。。


亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2009/07/17(金) 13:24:29|
  2. 遭難カルテ
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【遭難カルテ164】 本白根山で不明の78歳男性、無事救助

【概要】
2日午後7時10分ごろ、群馬県草津町内の旅館から「『山に登る』と出かけた人が戻らない」と、県警長野原署に通報があった。行方が分からなくなったのは広島県に住む無職の男性(78)で、同町の本白根山(標高2171メートル)に向かったとみられる。2日午前8時ごろ、旅館従業員に「この辺で一番高い山はどこですか」と聞き、登山靴をはいてリュックサックを背負い、1人で旅館を出た。従業員は男性に本白根山を紹介したという。日帰りが一般的なのに、同日夜になっても戻らなかったため、旅館が同署に通報した。同署などは男性が遭難した可能性もあるとみて、3日午前7時から捜索を始めた。男性はこの旅館に1日から2泊の予定で宿泊。男性は3日の捜索では発見されなかったが、4日昼すぎに白根火山ロープウェイ山麓駅付近の山林で男性を発見、救助した。男性は数十年来の登山愛好家。2日にハイキングコースから外れて道に迷った。パンや缶ジュースを飲食していたが、持っていたリュックサックをなくし、3日からは何も食べていなかった。「ハイキングコースを外れてしまい、戻ろうとしたがヘッドライトの電源が切れた」などと話しているという。脱水症状はあるが、命に別条はないという。周辺の天候は2日は晴れ、3~4日は曇りだった。
(毎日新聞、読売新聞、産経新聞、共同通信からデータ引用・抜粋)



【考察】
78歳という高齢者の道迷い遭難です。
2晩のビバークをへての救助、無事発見されたのは何よりでした。
天候が大きく崩れなかったのも、ひとつの要因でしょう。

さて、今回のケース、ある意味では起きるべくして起きた・・・と、言えなくもないような気がします。

地図を持っていたのだろうか?
計画をたてていたのだろうか?

旅館従業員に「この辺で一番高い山はどこですか」と聞き・・・とありました。
地図を持っており、ざっとそれを読めるのであれば、「この辺で一番高い山」なんてものは聞かずともわかるものです。
また、計画を立てていたのであれば、最初から分かっていたことでもあります。
日帰り装備は持っていたようですが、計画については行き当たりばったりのように思います。
そして、「ハイキングコースを外れてしまい」・・・と、なったときに、戻れなくなってしまったのではないでしょうか。

現場付近の地形図を見てみました。
何も考えず北に向かえば国道に出るはずですし、周辺にスキー場もあります。
例え迷ったとしても、少なくとも翌日には自力でリカバリーできるんじゃないかな?と思いましたが。。。。


持っていたリュックサックをなくしたうえ、「ヘッドライトの電源が切れた」。。。。
なんともまぁ。。。。な話です。


「男性は数十年来の登山愛好家」と報じられていました。
積み重ねた経験の厚み、年数には比例しない場合が往々にしてあるのではないか?
そんなふうに思いました。


テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2009/06/08(月) 11:20:23|
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【遭難カルテ163】 唐松岳で女性2人滑落し1人死亡。救助の男性も死亡。

【概要】
1日午前11時半ごろ、富山、長野県境の北アルプス唐松岳(2696メートル)の山頂付近で、登山中の女性2人が富山県側に滑落したと同じパーティーの仲間が110番した。一行は登山仲間の男女各3人。28日に八方池山荘で宿泊し、1日に唐松岳に登頂して下山する予定だった。滑落したのは大阪市此花区、栄養士女性Aさん(51)と愛知県豊橋市、会社員女性Bさん(52)。Aさんは約200メートル滑落して右足を負傷し、動けない状態。Bさんは行方不明に。東京都葛飾区の会社員男性Cさん(44=リーダー)と、同豊島区の事務職員男性Dさん(45)が現場に残り、東京都練馬区の男性Eさん(73)と愛知県知多市の女性Fさん(63)は先に下山した。6人は1日午前7時頃、宿泊先の八方池山荘を出発し、午前11時頃に唐松岳山頂に到着。昼食を取り、午前11時25分頃、一列になって下山を始めたところ、前から2番目を歩いていたAさんと、3番目のBさんが、氷の上に積もった新雪に足をとられ、一瞬で滑り落ちたという。現場は頂上から約2~3メートル下の岩場で、積雪は約20~30センチだった。富山県警山岳警備隊員が捜索に出動したが、悪天候などで1日の捜索は断念。2日には富山県警山岳警備隊8人、長野県警山岳遭難救助隊2人、山小屋関係者1人の計11人が八方池山荘から入山。長野県警ヘリや富山県防災ヘリも出動した。富山県防災ヘリが2日午後4時20分頃、唐松岳の稜線下約500メートルにいたBさんと、一行とは別に単独で入山していた富山県魚津市の団体職員男性Gさん(31)を救助した。GさんはBさんより先に同じ場所で滑落し、2人で救助を待っていたという。2人は両手足に凍傷を負うなどしたが、命に別条はないという。2日はBさんら3人とは連絡が取れなかった。3日午前7時すぎ、Cさんから携帯電話で警察に「山荘付近にいる」と連絡があり、富山県警のヘリコプターが午前7時20分ごろ救助した。午前8時ごろ、山頂から約200メートル下の斜面で、Aさんが遺体で見つかった。また、午前9時50分ごろ、山頂から長野県側約200メートル下の「唐松沢」でDさんの遺体を収容した。死因はいずれも凍死だった。Dさんは当初、携帯電話で県警と連絡をとっていたが、2日朝から不通になっていた。富山県警が、救助されたCさんに話を聞いたところ、Aさんは1日午前11時半ごろに、山頂から約200メートル下に滑落。Cさんは現場に下り、2人はテントで同日夜を越した。2日朝に、CさんはAさんと別れ、救助を求めて山頂近くの山荘に行き、山荘の壁に寄りかかって過ごしていたという。
(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、共同通信、東京新聞、NHK、KNBなどからデータ引用・抜粋)



【考察】
2人が滑落し、うち1人は救助され、1人は死亡。
救助のために現場に残った人も亡くなるという、痛ましい事故でした。

概要をさらに要約します。

1日  単独のGさん(富山♂31)が山頂直下で滑落
     同じ場所でAさん(大阪♀51)とBさん(愛知♀52)が滑落。
     リーダーのCさん(東京♂44)とDさん(東京♂45)が現場に残り、救助に向かう。
     Dさんは携帯電話で110番通報、Eさん(東京♂73)とFさん(愛知♀63)は下山→無事。
     Aさんは現場から下り、Cさんを見つけビバーク、Dさんは連絡係として稜線付近でビバーク。
     Bさんは滑落後、Gさんと出会い、一緒にビバーク。
2日  午前6時、Dさんと警察が最後の連絡。
     朝、CさんはAさんと別れ、唐松頂上山荘へ移動。
     BさんとGさん、救助される→凍傷、生命に別状なし。
3日  朝、Cさんの携帯がつながり、救助される→凍傷、生命に別状なし。
     AさんとDさん、相次ぎ遺体で発見→死因は凍死。

今時点で分かっている流れは、こんな感じです。


冬の唐松岳、結構事故が多いところかもしれません。
1月にも事故があり、2人が亡くなりました。
中央アルプス・千畳敷のように、八方スキー場のゴンドラが利用できることもあり、手軽な印象があるのかもしれません。

冬の唐松、3回ほど行ったことがあるのですが、ひたすら強風だった印象が強く残っています。
そのほか、頂上直下にちょっといやらしいところがあった、という程度です。
ただ、条件が毎回同じ訳ではないので、その印象がすべてということにはなり得ませんが。。。。

単独で入山していたGさん、Bさんと出会えたことは、ある意味で非常に幸運でした。
6人パーティーの通報がなければ、捜索の立ち上がりが遅れていたことは間違いないと思います。
同じところで滑落、2人とも大きなけががなく、ともにビバークできたことは大きかったのではないでしょうか。
この件については、いずれ別項で述べたいと思います。



AさんとBさんが滑落したときの状況。
2人が一瞬でという報と、約1分の間を開けて次々という報がありました。
また、AさんとBさんのどちらが2番目でどちらが3番目なのかも、両方の報道がありました。
報道による情報も、かなり錯綜しているようです。

一瞬で、と言うのであれば、足下の雪が一斉に流れたのだろうか?
アイスバーン上の新雪は、状態によっては一気に流れたりします。
そうであれば、一瞬で2人が・・・というのもうなずける話です。

1分の間をおいて、というなら。。。。目の前で仲間が滑落し、動揺したのだろうか?



長い長い前振りでしたが、やっとこさ本題です。
今回は(も?)パーティーについてです。

事故発生後、2人が下山している点。
「はぐれ」たりしたことが元で起きた事故ではありませんから、いわゆる「はぐれ・置き去り型」とはちょっと違います。
ですが、2人が滑落した後、救助と下山にパーティーを分けたのには何らかの意図があったと思います。

現場に残れば、その日のうちに救助隊が来る保証はないので、当然、ビバークを想定する必要があります。
また、現場での捜索・救助、けがの手当てなど、かなりのエネルギーを必要とします。

年齢と性別で整理すると、以下の通り。
  滑落したのは51歳と52歳の女性。
  現場に残ったのは44歳と45歳の男性。
  下山したのは73歳の男性と63歳の女性。
このあたりに、判断の理由があるのかもしれません。
報道にも「高齢の2人が下山」というのがありました。

ですが、基本的にパーティーを分けるのはどうかと思いますが。。。。。
ただ、その判断の根拠に何があったのかによっては、評価は変わってくると思います。
分けたほうが良いと判断した理由とか、分けざるを得なかった理由とか。。。。
この点についても別項で述べたいと思います。



事故発生後、救助に向かった2人は別行動を取ります。
これが明暗を分けることになりました。

稜線を外して高度を下げることで、雪崩の危険を除けば、ビバークの条件はおおむねよくなります。
吹きさらしの稜線でのビバークとなると、かなり厳しい。。。。
2日朝の最後の連絡の折、Dさんは元気な様子だったと報じられていました。
また、山荘の鍵の開け方を警察が伝え、小屋の中に避難するよう指示したようです。
にもかかわらず、長野側の谷から遺体で見つかりました。
風に飛ばされたか足を滑らせたかではないでしょうか。

連絡係。
事故の一報を入れることは重要ですし、その後も連絡が取れるにことに越したことはありません。
ただ、一報の後、2人が別行動を取ってまで・・・という気がします。
基本的には2人で救助に向かい、3人で捜索隊を待つべきだろうと思います。
2人の別行動の意図などが不明ですので、これ以上は言えません。
この件については、生還したCさんの証言を待つほかはありません。



Cさんの行動について、疑問が2つほど。
まず、報道に「Cさんは1日、滑落したAさんに付き添い、別々のテントで夜を過ごした。」とありました。
別々???一緒に過ごすものだとばかり思っていましたが。。。。
ただ、報道が事実と違う可能性は、毎度ながらあります。
ですので、別々だったか一緒だったか。。。。。
もし報道が正しいとするならば、やはり不可解な行動だと思います。

次に、2日朝、Cさんは現場にAさんを残して唐松頂上山荘へ移動します。
通常、けがをして動けない人を残して移動することは考えられません。
そもそも救助に向かい、付き添った事実からも、不可解さが残ります。
このあたりにも、Cさんの証言を待つほかはないようです。



今回の事故、結果的にパーティーが、文字通り四分五裂状態に陥っています。
  ①事故発生で、A+B+CDEFの3分割。
  ②2人下山で、A+B+CD+EFの4分割。
  ③現場に残った2人が別行動でA+B+C+D+EFの5分割。
  ④CさんがAさんを見つけ、AC+B+D+EFの4分割。
  ⑤CさんがAさんと別れ、再び、A+B+C+D+EFの5分割。
こうやって並べてみると、EさんとFさんがともに下山した以外は、2度にわたって1人ずつの状態。
ほとんどパーティーが崩壊していると言えそうです。

何かコトが起きたときの互助関係が、パーティーを組むことのメリットのひとつだと思います。
事故当時の現場の状況など細かい情報がないことを承知のうえで敢えて言えば、そのメリットが生かされることなく、事故が大きくなってしまったのではないでしょうか。

今回の件は、パーティーの構成・体制やトラブルがあったときの行動に、不可解な点と無理があったように思います。
詳細について、もっと情報があれば。。。。見方が変わる可能性はあるんだけれど。。。。



テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2009/03/06(金) 13:55:25|
  2. 遭難カルテ
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